転生プログラマのゴーレム王朝建国日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~

堀籠 遼ノ助

文字の大きさ
15 / 99
第2章 幼児期

15 師匠現る

しおりを挟む
 柵の内側へ等間隔にずらりと並ぶ84体のサムライゴーレム達。4メートルの体躯を誇る巨体が、蒼白く光る瞳で油断無く森を警戒している様は圧巻だ。
 森谷村の村民たちはゴーレムから離れた場所で所在なさげにうろうろしている。これだけ造ってしまうと、村民さん達が活躍する場面は無さそうだなあ。

「凄いです! 武器を装備したゴーレムを作成するというだけでも信じられないのに、それを同時に80体以上も! これは国家機密級の魔法ですよ! 一体どうすればこんな魔法が使えるのです? ああもう、あたしを弟子にして下さいよ巧魔氏!」

 千春がものすごい興奮している。若干引くレベルだ。魔女っ子だけあって、魔法に対して興味が強いのかもしれない。

「――ほう、面白そうな話をしてるじゃねえか千春。じゃあ、あたしの弟子はやめるってんだね。迷惑しかかけねえバカ弟子が居なくなるってのはこっちも大歓迎だがよ、その前に、何かあたいに言い忘れてることは無いかクソ弟子?」

 千春の顔がピキっと音をたてて固まり、ギギギ……と後ろを振り返る。

 鈴音の後ろには腕を組み、仁王立ちしている金髪のすらりと背の高い女性が立っていた。肌は透き通るように白く、目鼻立ちは彫刻のように美しい。一点目を引くのが耳だ。耳のてっぺんがピンと尖っている。
 大変美しい女性だが、眉間にこれでもかというほどシワを寄せた般若はんにゃ顔のため、その美しさは絶賛台無し中である。

「し……師匠? 何でここにいるです? 私は一切連絡していないです」

「ほう、それがお前の最後の言葉か。お前の家族には、不慮の事故に巻き込まれ死亡したと伝えておこう」

「わーー?! ごめんなさいです! 森の主が消滅したのに連絡しなくてごめんなさいですぅ!!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「鈴音様、お久しぶりです」

 金髪の美人おねーさんは、にこやかに鈴音に話しかけた。……その背後では千春がピクピクしているが。死んでないよね?

「んー? すまんが覚えておらん。何処かで会ったかのう?」
「いえ、かなり前の話ですのでお気になさらず。それにあたしもあの頃と比べて随分大きくなりましたから。名はエマニエルと言います。お見知り置きを」

エマニエルさんは鈴音ににこりと頬笑む。さっきまでとはまるで別人だ。何故か、鈴音に対して敬意を払っているように見える。

「エマニエル……あ! えんの国から来た小娘か! あれからもう200年以上はつか? 懐かしいのう。敬語なんぞ使いおるから気付かなんだ。昔通り気楽に話さんか」

(200年だと? こいつあ指定文化財級のババア――)

 鈴音の鋭利なデコピンが俺のおでこに突き刺ささり、もうもうと煙があがる。こいつ、幼児虐待という言葉を知らんのか?
 
「はは、あのころは礼儀を知りませんでしたので。鈴音様のお立場を知った以上、言葉を崩すなどとても……」
「ほう。 やんちゃ娘が随分と愁傷しゅうしょうになったもんじゃ。まあ、好きにせい」
「痛み入ります。――それで、今鈴音様が抱えておられる方が今回の契約者様でしょうか?」
「うむ。面白そうなやつだったからのう」
「そうですか。そのあたりの話を詳しくお聞きしたいのですが、どうやらそうも言っていられないようです」

 エマニエルさんは森の方へ視線を向ける。

「うむ。そろそろじゃな。ではワシと主は少し離れた場所で経過を見守るとしよう」
「分かりました。私とこのバカ弟子は魔法で迎撃します。……まあ、これだけ戦力があるとお役に立てるか微妙なところですが」

エマニエルさんは千春へ「オラ! 起きやがれバカ弟子!」とおしとやかに声をかけると、柵の方へ向かって歩きだした。
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

処理中です...