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第5章

岩石の砦

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エルダリア王国は、天然の要害とも言える山岳地帯にある国だった。その地は強固な防御力を誇り、魔術師たちは地属性の魔術を駆使して、さらなる防壁を形成していた。

レオンたちの進撃は容易ではなかった。巨大な岩石の壁が道を塞ぎ、地震や崖崩れといった地属性の攻撃が絶え間なく降り注いだ。しかし、レオンは先の戦いで磨き上げた"闇の結界"を発動し、部隊を守り抜いた。

彼の"闇の一刀"もまた進化を遂げていた。今や、一刀だけでなく、闇の魔力を糸状に紡ぎ出し、敵を拘束する"影の縛鎖"という新たな技を身につけていた。その技は闘いの中でさらに洗練され、レオンの魔術師としてのランクはついにAに到達した。

エルダリア王国の王との戦いは壮絶だった。その王は地の力を引き寄せ、巨大なゴーレムを作り出し、レオンたちに襲い掛かった。しかし、レオンは新たな技“影の縛鎖”でゴーレムを拘束し、"闇の一刀"で一刀両断にした。

エルダリア王国の制覇を達成したレオンは、さらにその伝説を肥大化させた。彼の名は、いまや十二カ国の中でも最も恐れられ、かつ敬われる存在となっていた。しかし、彼の目の前にはまだ制覇すべき国が残っていた。

次の目標は、雲の上に浮かぶ天空の国、ヘブンリア王国だった。その国の魔術師たちは、風属性の魔術を使いこなし、空を自在に飛び回ることができた。レオンの新たな戦いが、ここから始まる。
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