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第58章

玉座の間へ

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翌日、再び城内の戦闘が始まった。血と汗、疲労と痛みが混ざり合う中、レオンたちは戦い続けた。死と隣り合わせの状況であったが、レオンの心には揺るぎない決意があった。

「もう少しで玉座の間だ。ここが我々の最後の戦場だ。」レオンの言葉に、部隊は固唾を飲んだ。遠くには2州連合国の王が見え、その姿に皆の闘志はより一層燃え上がった。

玉座の間までの距離はほんの僅かだったが、それが最も厳しく、過酷な戦場となることは明白だった。城内はまだ2州連合国の兵士で溢れていたが、彼らの目的は一つ。それは王を討ち、連合国を完成させること。そのためには、全ての兵士が最後の力を振り絞る覚悟だった。

戦闘が激化する中、レオンは頼もしい仲間たちと共に前線を進んだ。彼らの瞳には絶望など見えなかった。ただひたすらに、その目の前の敵を倒すだけだった。そしてその度に、彼らは一歩ずつ、玉座の間へと近づいていった。

とうとう、玉座の間の扉が彼らの目の前に迫った。疲労と戦いの痕跡に覆われたレオンの手が、その重い扉を押した。そこには、彼らが見たことのない景色が広がっていた。玉座には2州連合国の王が座り、彼の眼前にはレオンたち28州連合国の兵士が立っていた。全てがここに集結した。最後の戦いが始まろうとしていた。

扉が開くと、彼らの目の前には壮大な玉座の間が広がっていた。宮殿の中央部に位置するこの部屋は、聖なる象徴としての役割を果たしていた。天井から吊るされた輝くシャンデリア、壁一面にかけられた絢爛なるタペストリー、そしてその中心にある豪華な玉座。それは、過去の君主たちが座った場所、そして現君主が座る場所であった。

部屋の中に入ると、圧倒的な存在感を放つ玉座に目が引き寄せられた。しかし、その前にはまた新たな障害が立ちはだかっていた。それは、玉座守護者と呼ばれる最強の護衛団だった。彼らは歴代の王の命令を絶対とし、玉座を侵す者には容赦しない。

"我々が通る。"ラフテリアは守護者に向かって宣言した。

しかし守護者は動じなかった。"それは叶わぬ。我々は王に忠誠を誓い、この場所を護るために存在する。"

ラフテリアは剣を抜いた。"ならば力で道を開くしかないな。"

残りの部隊も剣や槍、弓を構えた。一触即発の状況だったが、誰もが覚悟を決めていた。玉座まであと一歩、遠くはなかった。

守護者たちとの戦いが始まった。彼らは数では劣るものの、一人ひとりが王国の最強の戦士たちだけに、簡単には倒せない。しかし、28州連合軍は一丸となって戦い、次第に形勢を優位に進めていった。

戦闘が続く中、ラフテリアは玉座に近づいていた。その目の前には、2州連合国の最後の障壁、王が座っていた。王は彼を見つめ、微笑みを浮かべた。

"ようこそ、勇者よ。"
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