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プロローグ この子の名前は……
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――あなた……。お腹の子、男の子だそうよ。あなたのいう通りね。あなた、とても自信満々な顔で男の子だって言い張ってたもの。
――まあ、直感と言うか、そういう未来しか浮かばなかったんだよ。
――ふふっ。
――ん?
――いや、あなたって、たまに変なこと言うよね、って思って。ねえ、それより、この子の名前、決めましょう?
――……。なあ、サナギ、って名前はどうだ?
――サナギ? 虫の? どういう字を書くの?
――えーっと、こんな感じ。
――佐凪……。
――人間として強くなって、羽ばたいて欲しい。そんな意味を込めたんだけど、いいと思わないか?
――ええ、とっても素敵な名前ね。
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