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あの曲のタイトルは?
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ああ、あの曲のタイトル何だったっけ?
思い出したのは最悪なタイミング。恋愛小説なんかで悪事を働いた女を皆の前で断罪とかする今まさに、そこ!
そして、断罪されているのは、何故か私。そして、BGMのように私の頭の中で大音量で鳴り響いているのはさっき思い出した、多分前世で聞いていたタイトルさえわからない、何語かさえ、はっきりしないあの曲。
ドコドコドコ、と太鼓の音がして、少ししたら、野太い声で歌が始まる。ラテン系の音楽だった気がするので、あれはスペイン語とかその辺りの言語だったような。歌っている人もそもそもどんなタイミングで聞いたものかさえもはっきりしないのに。
前世の名前やら人物像やらの前に何故この曲を思い出したのだろう。
曲の合間にパンパンと手拍子を打つところがあって、そんなゲームを考えて友人と遊んだこともある。
ふと、目の前の偉そうな男を、そのタイミングで平手打ちしてやれば、気持ちいいかと思ったのも運の尽き。
幸いにも私の周りには人はいない。
奴が抱きしめている女が何やら私に近づいてきたので、まずは一発目。
パァン!
音ゲーは少し苦手だった私。少しタイミングがズレちゃった。
彼女を助けようとワラワラと男が出てきたから、タイミングに合うようにするのが大変だった。
パァン!
パァン!
パァン!パァン!
あ、慣れてきたみたい。次は連続で叩くのね。
往復ビンタが良いかしら。
今までとは違う、少し屈強な男が相手だ。彼は私を捩じ伏せようとしてくるが、私は手にした扇を振り翳し、タイミングを待った。
パァンパパパパンパ、パンパパンパン、パパパンパパンパァ、パァンパパパンパァ
タイミングが一定じゃないから難しいのよ。
か弱い女性の平手打ち一つで情けない。
涙目になっている男性を少しだけ可愛いと思ってしまうのはきっと前世の私の感覚だ。
意外にも私の攻撃に対して、反抗したのは、婚約者ただ一人であった。ま、それもいとも簡単に勿論ビンタで応酬したわよ。
曲は漸く一番が終わったところ。そこで新たに思い出したのは、この曲が使われたドラマがあったと言うこと。凄く暗い話だったのに、エンディング曲のこの曲だけがやたらと陽気な対比が受けたのだった。
私の行いは乱心だと思われ、多分この後は修道院に入るか、最悪処刑?
処刑用のBGMとしては、あまりに明るすぎるけど、まあ、いいか。
やりたいことはやれたし、大満足!
と、思っていたら、知らない男にエスコートされている私。何?今からダンスでも踊るの?
驚くことに彼が手を叩いた時と、頭の中の手拍子が重なる。
「貴方、素晴らしいわ。」
男の顔は記憶の中にはなかったが、彼女を責める気は彼にはなさそうだ。
「お褒めに与り光栄です。」
頭の中の曲が終わった時、目の前の男とのダンスも終わった。
私の身柄は父の公爵によって、回収されていく。その人とはそれっきり。
どこの誰かはわからないが、彼なら私の前世の話も楽しく聞いてくれそうな気がしていただけに、残念に思っていた。
私を断罪した人達は皆、魅了という特別な魔法にかかっていた。婚約者が胸に抱いていた女は魅了魔法の使い手で、それを解いたのは、何と私の平手打ちらしい。
パァン!という音が大きく響いたのは、魅了魔法が弾け飛んだ音だった。
確かに今思うと音が大きすぎたよね。
婚約者との婚約はなくなったが、あの時の平手打ちを見た人達からは避けられ、縁談は思った通り進まなかった。
思い出したのは最悪なタイミング。恋愛小説なんかで悪事を働いた女を皆の前で断罪とかする今まさに、そこ!
そして、断罪されているのは、何故か私。そして、BGMのように私の頭の中で大音量で鳴り響いているのはさっき思い出した、多分前世で聞いていたタイトルさえわからない、何語かさえ、はっきりしないあの曲。
ドコドコドコ、と太鼓の音がして、少ししたら、野太い声で歌が始まる。ラテン系の音楽だった気がするので、あれはスペイン語とかその辺りの言語だったような。歌っている人もそもそもどんなタイミングで聞いたものかさえもはっきりしないのに。
前世の名前やら人物像やらの前に何故この曲を思い出したのだろう。
曲の合間にパンパンと手拍子を打つところがあって、そんなゲームを考えて友人と遊んだこともある。
ふと、目の前の偉そうな男を、そのタイミングで平手打ちしてやれば、気持ちいいかと思ったのも運の尽き。
幸いにも私の周りには人はいない。
奴が抱きしめている女が何やら私に近づいてきたので、まずは一発目。
パァン!
音ゲーは少し苦手だった私。少しタイミングがズレちゃった。
彼女を助けようとワラワラと男が出てきたから、タイミングに合うようにするのが大変だった。
パァン!
パァン!
パァン!パァン!
あ、慣れてきたみたい。次は連続で叩くのね。
往復ビンタが良いかしら。
今までとは違う、少し屈強な男が相手だ。彼は私を捩じ伏せようとしてくるが、私は手にした扇を振り翳し、タイミングを待った。
パァンパパパパンパ、パンパパンパン、パパパンパパンパァ、パァンパパパンパァ
タイミングが一定じゃないから難しいのよ。
か弱い女性の平手打ち一つで情けない。
涙目になっている男性を少しだけ可愛いと思ってしまうのはきっと前世の私の感覚だ。
意外にも私の攻撃に対して、反抗したのは、婚約者ただ一人であった。ま、それもいとも簡単に勿論ビンタで応酬したわよ。
曲は漸く一番が終わったところ。そこで新たに思い出したのは、この曲が使われたドラマがあったと言うこと。凄く暗い話だったのに、エンディング曲のこの曲だけがやたらと陽気な対比が受けたのだった。
私の行いは乱心だと思われ、多分この後は修道院に入るか、最悪処刑?
処刑用のBGMとしては、あまりに明るすぎるけど、まあ、いいか。
やりたいことはやれたし、大満足!
と、思っていたら、知らない男にエスコートされている私。何?今からダンスでも踊るの?
驚くことに彼が手を叩いた時と、頭の中の手拍子が重なる。
「貴方、素晴らしいわ。」
男の顔は記憶の中にはなかったが、彼女を責める気は彼にはなさそうだ。
「お褒めに与り光栄です。」
頭の中の曲が終わった時、目の前の男とのダンスも終わった。
私の身柄は父の公爵によって、回収されていく。その人とはそれっきり。
どこの誰かはわからないが、彼なら私の前世の話も楽しく聞いてくれそうな気がしていただけに、残念に思っていた。
私を断罪した人達は皆、魅了という特別な魔法にかかっていた。婚約者が胸に抱いていた女は魅了魔法の使い手で、それを解いたのは、何と私の平手打ちらしい。
パァン!という音が大きく響いたのは、魅了魔法が弾け飛んだ音だった。
確かに今思うと音が大きすぎたよね。
婚約者との婚約はなくなったが、あの時の平手打ちを見た人達からは避けられ、縁談は思った通り進まなかった。
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