美少年は男嫌い

mios

文字の大きさ
上 下
3 / 38

指導室(光)

しおりを挟む
本屋で、ヤンキーさんに助けられ、
お礼もそこそこに、帰ってきてしまった。

同じ学校だから、見つかるかな、と思ったけど、朝は門の付近で待ってみたけどいなかった。ヤンキーだから、朝からは来ないのか?

途中から来るかも、と授業中チラチラ外を見てたら、先生に注意された。
「放課後、第二指導室に来なさい。」
「はい。」

はい、お気づきの通りです。
いつもなら絶対にしないミスを僕はしてしまったらしい。

この先生は、生徒指導の先生で、竹原先生と言う。指導室に生徒を呼び、一対一で特別指導をしている。通常は、反省文かかされたりするのだけど。

あー、行きたくない。

南は僕が単に反省文を書きたくないだけと思ってるし、実際それだけだったら、どれだけいいかと思うけど、多分違う。
だって、第二、と言ったんだ。
第一ではなくて第二!

第一なら、職員室と同じ並びの開放的立地。それに比べて第二は、使われていない旧図書室の隣に位置する。

そんなところに、放課後行って、何をされるか。

いや、でもそうは言っても、先生だし。ましてや生徒指導が、生徒に手を出すなんて、ねぇ。

怖い。怖すぎる。

僕は、放課後までにどう回避するか考えたけど、何も思い付かず、第二指導室に向かった。

先生は、反省文を書くように言った。
僕はほっとした。
椅子に座って書こうとしたら、
「いや、そこじゃない。」と言われた。

はい?

え。どこ?

「ここ。ここに座って反省文を書くんだ。」

先生が示したのは、先生の膝の上だった。

いやいやいやいや、おかしいでしょ!
嫌だ絶対無理!

「いや、あの僕、こう見えて重いので先生膝悪くしますよ。」
「大丈夫」
「いや、でも、あの」
「来なさい。」
「…いや、あの」
「じゃあ、反省文じゃなくて、もう少し直接的な罰にするか?」
「……」
「例えば、そうだな、こちらを向いて君が僕の膝にすわるとか」
オエッ、気持ち悪い。
「……反省文書きます。」
「うん。おいで。」

先生の膝にすわる。すぐさま腰を引き寄せられる。お尻の下に何か感触がある。
何かは考えまい。




気持ち悪い。吐きそう。
気持ち悪い。吐く。絶対吐く。




気持ち悪くて、泣けてきた。
泣きながら、反省文を書く。
先生は、誤字脱字の指摘を耳元で囁くから、ビクッと体がその都度反応する。
その度に嬉しそうに僕の首にキスをする。



もう帰りたい。気持ち悪い。
涙が止まらない。気持ち悪い。
気持ち悪い。気持ち悪い。



嗚咽してる僕の体を抱きしめて、尚も囁く。
「君はいつもこうやって男を煽るのか。」

僕がいつ…。

泣いて怯えることが煽ることなの?
本当に嫌なのに?




コンコン

誰かが壁を叩く音だ。

その人を見て僕は泣き崩れた。

「先生の猥褻行為、動画で撮ったよ。」

目の前にヤンキーさんがいた。
僕の腕を取り、先生から剥がしてくれる。
また助けられた。

「お前、襲われすぎだよ。」

うん、僕もそう思う。





しおりを挟む

処理中です...