結局勝つのは……

mios

文字の大きさ
4 / 4

結局勝つのは

しおりを挟む
邪魔なものは全て排除しましたが、実はここからが本番だったりします。恋愛脳になりきれない似た者同士の私達はある意味似合いだと思います。

平民から伯爵夫人になるのは大変かと思いきや、そうではありませんでした。驚くことに私の淑女教育云々は、マリアンヌ様により既に完了していたようなのです。

「私のお友達になるのですから、当たり前よ。貴女は鈍感だから助かったわ。普通の神経をしていたら虐められた、とか大騒ぎになるところよ。」

貴族家にお邪魔したりする仕事ですから、多少でも粗相があったらいけませんので、マリアンヌ様に目をつけていただいたのは有り難いとしか言い様がありません。

「それにね、貴女には色々と助けられたの。貴女は知らないだろうけど、夫と一緒になれたのだって、貴女のおかげなんだから。だから、貴女が大変な時は私が手を貸そうって決めていたの。」

有り難いことですが、マリアンヌ様の感じている恩について、全く覚えていないのです。やはり私は鈍感なのでしょうか。少しショックですね。




「君は自分が鈍感だって知らなかったのかい?」

笑い声を上げながら、ディーン様は尋ねられます。その言い方はまるで私がおかしいみたいではないですか。

「いや、意外だったな。君は他のことはすぐ察するのに、自分のことは把握できていないのか。」

彼は私の髪を触りながら、笑いを堪えようとされていますが、全くできていません。笑い声が漏れています。

「君は何でも一人でできてしまうから、付け入る隙がないと思っていたのだが、そうか。ならまだ私も自信を持っても良いのかもしれない。」

「何のことです?」

「いや、こちらの話さ。」

私は彼が何を言っているのかわかりませんでしたが、最近元気のなかった彼が嬉しそうにしているので、よしとしました。私は知らなかったのです。

頑張って口説いても、鈍感さ故に全てをスルーしていた私の態度に、彼が男として自信を無くしかけていたことなんて。

「鈍感な君にでも、わかるように、となると、まぁ……覚悟しておいてね。」

ディーン様の微笑みに薄らと、陰が差したような気がします。

気がつけば、やたらと密着されているようで、恥ずかしくて堪りません。胸のドキドキが彼に聞こえてしまうかも、と思いましたが、彼は離してくれそうにありません。

困るのは彼にくっつかれても嫌ではないことです。折角の淑女の仮面が彼の前ではいとも簡単に剥がされてしまいます。

結局勝つのは、一番強いのはディーン様なのではないでしょうか。私は早々に白旗をあげずにはいられませんでした。



終わり

読んで下さりありがとうございました。
            mios

しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームの世界だと知っていても

竹本 芳生
恋愛
悪役令嬢に生まれましたがそれが何だと言うのです。

6回目のさようなら

音爽(ネソウ)
恋愛
恋人ごっこのその先は……

セラフィーネの選択

棗らみ
恋愛
「彼女を壊してくれてありがとう」 王太子は願った、彼女との安寧を。男は願った己の半身である彼女を。そして彼女は選択したー

幸せになれると思っていた

里見知美
恋愛
18歳になったら結婚しよう、と約束をしていたのに。 ある事故から目を覚ますと、誰もが私をいないものとして扱った。

【完結】あなたの愛が欲しくて・・・

彩華(あやはな)
恋愛
失った愛ー。馬車が揺れるー。 あたしは1番欲しい物がある。それは、あなたの愛ー。 その為にわたしはーする。 4話完結です。

魔女の笑顔

豆狸
恋愛
アレハンドロはカルメンの笑顔を思い出せない。自分が歪めて壊してしまったからだ。

あなたに何されたって驚かない

こもろう
恋愛
相手の方が爵位が下で、幼馴染で、気心が知れている。 そりゃあ、愛のない結婚相手には申し分ないわよね。 そんな訳で、私ことサラ・リーンシー男爵令嬢はブレンダン・カモローノ伯爵子息の婚約者になった。

メリンダは見ている [完]

風龍佳乃
恋愛
侯爵令嬢のメリンダは 冷静沈着という言葉が似合う女性だ。 メリンダが見つめているのは 元婚約者であるアレンだ。 婚約関係にありながらも 愛された記憶はなかった メリンダ自身もアレンを愛していたか? と問われれば答えはNoだろう。 けれど元婚約者として アレンの幸せを 願っている。

処理中です...