27 / 49
第二王子のブーメラン
「あれ、最近マリア嬢と仲が良いって話本当だったんだね。」
またうるさいのが来た。今日はいつもの伯爵令嬢を連れていない。
「ああ、元より仲は悪くないが。」
「仲は悪くないけれど、良くもない状態から仲睦まじく二人きりで談笑、までは回復したんだね。」
「まあ、お前と婚約者殿には負けるが。」
「…あの子爵令嬢は諦めたの?」
女癖の悪い、悪名高い第二王子らしく、美人にはうるさい。
目ざとく、牽制をしてくる。
「ああ、今はマリアが一番だ。」
にっこり笑顔をみせると、憮然とした表情で、そう、とさもどうでも良いことのような返事をした。
「婚約者殿と、喧嘩でも?」
最近ずっとベッタリだった婚約者殿へと話のすり替えを試みる。
「珍しいね、兄上が彼女に興味を示すなんて。」
いや、興味があるのは、お前の方だ。
とも言えず、曖昧に微笑んでいると、弟はわざとらしく、ため息をついて、物騒なことを言いだした。
「彼女とは婚約破棄して、別の令嬢と婚約し直そうかな。」
はあ?何で?
呆れた顔をしていたようで、苦笑しながら、「だって彼女、男がいるんだよ。僕の婚約者の癖に。」
伯爵令嬢と婚約を結びながら、色んな女性にお手つきしていたお前が言うな、との言葉を飲み込んだのは、特大なブーメランとして、第一王子の心臓まで一突きにしたからである。
「誰なんだ、相手は?」
「子爵令息のアーサーだ。兄上が最近良く一緒にいる男だよ。」
「いや、アーサーは貴族じゃないし、お前の婚約者殿とは接点もないし、何かの間違いではないのか?」
第一王子は自分が早口になって、焦っているのがわかった。
「あいつが貴族じゃないなら、なんで、子爵家にいつも帰るんだ?護衛だってついてるし。この前はサイオンまで取り込まれていたぞ。」
アーサーが、実は女性だと伝えることさえできたら、一件落着するのだが、それが言えないから誤解は続いている。
それにしても、アーサーの姿は、私と一緒の時だけではなかったのか?
アーサーの交友関係を広げてどうする気だ?
ローズ嬢は、考え方が不思議で、突飛なところが気に入っていたが、だからなのか、考えが全く読めなくて振り回されてしまう。
このままだと、新たな諍いの種を作り出しかねないので、ローズ嬢には悪いと思うが、兄であり、保護者であるディアンに至急確認しなければならない、と思った。
またうるさいのが来た。今日はいつもの伯爵令嬢を連れていない。
「ああ、元より仲は悪くないが。」
「仲は悪くないけれど、良くもない状態から仲睦まじく二人きりで談笑、までは回復したんだね。」
「まあ、お前と婚約者殿には負けるが。」
「…あの子爵令嬢は諦めたの?」
女癖の悪い、悪名高い第二王子らしく、美人にはうるさい。
目ざとく、牽制をしてくる。
「ああ、今はマリアが一番だ。」
にっこり笑顔をみせると、憮然とした表情で、そう、とさもどうでも良いことのような返事をした。
「婚約者殿と、喧嘩でも?」
最近ずっとベッタリだった婚約者殿へと話のすり替えを試みる。
「珍しいね、兄上が彼女に興味を示すなんて。」
いや、興味があるのは、お前の方だ。
とも言えず、曖昧に微笑んでいると、弟はわざとらしく、ため息をついて、物騒なことを言いだした。
「彼女とは婚約破棄して、別の令嬢と婚約し直そうかな。」
はあ?何で?
呆れた顔をしていたようで、苦笑しながら、「だって彼女、男がいるんだよ。僕の婚約者の癖に。」
伯爵令嬢と婚約を結びながら、色んな女性にお手つきしていたお前が言うな、との言葉を飲み込んだのは、特大なブーメランとして、第一王子の心臓まで一突きにしたからである。
「誰なんだ、相手は?」
「子爵令息のアーサーだ。兄上が最近良く一緒にいる男だよ。」
「いや、アーサーは貴族じゃないし、お前の婚約者殿とは接点もないし、何かの間違いではないのか?」
第一王子は自分が早口になって、焦っているのがわかった。
「あいつが貴族じゃないなら、なんで、子爵家にいつも帰るんだ?護衛だってついてるし。この前はサイオンまで取り込まれていたぞ。」
アーサーが、実は女性だと伝えることさえできたら、一件落着するのだが、それが言えないから誤解は続いている。
それにしても、アーサーの姿は、私と一緒の時だけではなかったのか?
アーサーの交友関係を広げてどうする気だ?
ローズ嬢は、考え方が不思議で、突飛なところが気に入っていたが、だからなのか、考えが全く読めなくて振り回されてしまう。
このままだと、新たな諍いの種を作り出しかねないので、ローズ嬢には悪いと思うが、兄であり、保護者であるディアンに至急確認しなければならない、と思った。
あなたにおすすめの小説
『転生したらアヒルでした。くわっ。〜ただしイケメンにだけ祝福します〜』
招き三毛
恋愛
事故で命を落とした女子大生・柊美羽(ひいらぎ みう)が転生したのは――まさかの白いアヒル。
「いや、なんで!?せめて猫!!」
しかもその世界で白いアヒルは、神の祝福をもたらす伝説の聖鳥【白き神の雫】だった。
ただし中身は超面食い。
顔が良い男には全力で甘える。
性格が悪い男には容赦なく噛む。
そんな露骨な贔屓がなぜか“神託”扱いされ、国中が大騒ぎ。
そして彼女が最も気に入ったのは、黒髪無口の最強騎士団長・レオン・ヴァルクス。
本人はただ――
(顔がいい)
(声がいい)
(胸筋が良い)
そう思っているだけなのに。
「……なぜだ。この鳥だけ、妙に気になる」
レオンは戸惑い始める。
これは、一羽の面食いアヒルが、国を救ってしまう?物語。
治療係ですが、公爵令息様がものすごく懐いて困る~私、男装しているだけで、女性です!~
百門一新
恋愛
男装姿で旅をしていたエリザは、長期滞在してしまった異国の王都で【赤い魔法使い(男)】と呼ばれることに。職業は完全に誤解なのだが、そのせいで女性恐怖症の公爵令息の治療係に……!?「待って。私、女なんですけども」しかも公爵令息の騎士様、なぜかものすごい懐いてきて…!?
男装の魔法使い(職業誤解)×女性が大の苦手のはずなのに、ロックオンして攻めに転じたらぐいぐいいく騎士様!?
※小説家になろう様、ベリーズカフェ様、カクヨム様にも掲載しています。
婚約破棄された夜、最強魔導師に「番」だと告げられました
有賀冬馬
恋愛
学院の祝宴で告げられた、無慈悲な婚約破棄。
魔力が弱い私には、価値がないという現実。
泣きながら逃げた先で、私は古代の遺跡に迷い込む。
そこで目覚めた彼は、私を見て言った。
「やっと見つけた。私の番よ」
彼の前でだけ、私の魔力は輝く。
奪われた尊厳、歪められた運命。
すべてを取り戻した先にあるのは……
副官は溜息をついた——騎士団長が料理番の少女のために訓練終了時刻を整えるのを、もう五十二回も見たから
歩人
ファンタジー
第一騎士団長アルベルト・ファルケンライトは「氷の盾」と呼ばれる男だった。
表情を変えず、訓練の鬼として団員を鍛え上げ、笑わない。
だがある日、訓練終了の合図を出そうとした瞬間、なぜか「あと六分」を逆算している自分に気づく。
それは王城厨房の料理番が夜食を運ぶ時刻だった。
気づいたとて、彼は氷の盾。気持ちなど顔に出すはずがない——そう、思っていた。
「閣下、これで五十二回目の調整ですよ」
副官の業務日誌と、料理番の困惑顔が、物語を動かす。
厨房を巻き込む腐敗事件が動く前に、彼は自分の心を鎮められるのか。
攻め視点・鈍感溺愛短編。
勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!
エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」
華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。
縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。
そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。
よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!!
「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。
ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、
「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」
と何やら焦っていて。
……まあ細かいことはいいでしょう。
なにせ、その腕、その太もも、その背中。
最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!!
女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。
誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート!
※他サイトに投稿したものを、改稿しています。
元の世界に帰らせていただきます!
にゃみ3
恋愛
淡い夢物語のように、望む全てが叶うとは限らない。
そう分かっていたとしても、私は敵ばかりの世界で妬まれ、嫌われ、疎まれることに、耐えられなかったの。
「ごめんね、バイバイ……」
限界なので、元いた世界に帰らせてもらいます。
・・・
数話で完結します、ハピエン!
【完結】召喚された2人〜大聖女様はどっち?
咲雪
恋愛
日本の大学生、神代清良(かみしろきよら)は異世界に召喚された。同時に後輩と思われる黒髪黒目の美少女の高校生津島花恋(つしまかれん)も召喚された。花恋が大聖女として扱われた。放置された清良を見放せなかった聖騎士クリスフォード・ランディックは、清良を保護することにした。
※番外編(後日談)含め、全23話完結、予約投稿済みです。
※ヒロインとヒーローは純然たる善人ではないです。
※騎士の上位が聖騎士という設定です。
※下品かも知れません。
※甘々(当社比)
※ご都合展開あり。