男装令嬢は騎士様の制服に包まれたい

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晒し上げ

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*引き続き、ライラの口が悪いです。

ローズが一旦準備のため、席を外すと、サイオンが当然のようについていこうとする。ライラとしては、いざと言うとき、ローズを守ってほしいから、当然のことなのだけれど、王族を守るべき近衛騎士が持ち場を離れるのはどうなのかしら、と呼び止めた。

「サイオン様、心配いりません。こちらにいてください。」
ローズには伯爵家から護衛が出ているので、安全だと、言外に含む。サイオンは漸く自分の役割を思い出したのか、持ち場に戻った。

(優しい婚約者で、羨ましいわ。)

ローズの準備中、当然のことながら会話はない。スタンが何度もライラに話しかけているが、嘘泣きの涙も既に渇いていて、取り繕いもしないライラの雰囲気に、エドワードは黙ったままだ。

スタンはライラしか目に入らないらしい。その様子をマリアは羨ましく思った。自分の婚約者は、と言うとこれから種明かしされる事実によって自分が糾弾されるのが、分かって顔色を無くしている。どうしようもないわね。マリアは諦めていた。

英雄、色を好むって言葉があるぐらいだから、浮気ぐらいは許しなさいってことなのだろうけど、泣き寝入りはしないわ。ちゃんと立場をわからせてあげないと。許しているのは、こちらなのよ。調子に乗らないで。

ローズがアーサーとして、現れる。スタンは立ち上がり、アーサーを睨み付ける。アーサーはいつものように、声を作らずに、ローズの声のまま、あいさつをする。

「君は、ローズ嬢なのか?」
「はい。騙すような形になってしまい申し訳ありません。」
スタンは、恥ずかしかった。ライラの侍女が自分が勘違いするように必要な情報を与えなかったことを、今まで疑いもせずに信じていたことを。

ライラの目が冷たかったのは、自分がライラの言葉より、侍女の言葉を信じたから。

ライラの目が悲しげに、動く。
「どうしてスタンは、わたしだけ愛してくれないの?」
どさくさに紛れて、聞きたかったことを聞いてみる。

「……」
「わたし、もう無理です。婚約者から下ろしてください。」
席を立つライラの後をスタンが追いかけていく。

嘘泣きの涙ではない、涙が次々とでてくる。「このクズ王子、何か言いなさいよ!」ライラの振り上げた手を掴んで、スタンはライラを抱きしめた。
「離して!」バダバタともがいてみるが、ガッチリと抱きしめられて動けない。

ライラはスタンの服の裾を掴んだまま、泣きに泣いたが、スタンが逃してくれることはなかった。


スタンとライラが、中座して残された三人に沈黙が。

「やっぱりご存知でしたね。」
エドワードがマリアに笑いかけると、
「勿論ですわ。エドワード様?」
マリアの頭の中でカーンとゴングが鳴り響いた。あら、ゴングって何かしら。私、知らないわ。
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