第二王子の初恋

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失恋

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僕の初恋は、7才の時。
初めて訪れたお茶会で、天使のような君を見た時だ。

うわー、かわいい
おひめさまみたい

声に出していたかは、定かではないが、
君が真っ赤な顔をしていたのが
凄く可愛らしくて、よく覚えている。

大きくなったら、
ぼくのおよめさんになってよ

手を繋いで、それはもう熱心に口説いたのを思い出す。

今思えば、あれが人生で一番、
言いたいこと言えた時期だった。

返事はどうだったかな。
あんまり覚えてない。

そのあと、君が、違う男の顔に見惚れているのを目にして、僕の初恋は秒で終わった。

違う男、というのは、僕の兄である
アルノルト第一王子。

このお茶会は、僕らの婚約者選びが
目的のもので、僕らと年の近いご令嬢が
わんさか訪れていた。

この国には王子が三人いて、どの王子も年が近く、腹違いでも仲は良い。

第一王子のアルノルトは、正妃の子で、王太子。完全無欠で、性格は真面目で優しい。少し優しすぎるくらい。
見た目のせいか、近寄り難い雰囲気があるらしい。

第二王子のノアって、僕だけど、第一側妃の子で、性格はヘタレ。緊張すると何も話せなくなる。涙もろい。勉強も運動もそこそこ。よく、王妃様や、側妃様たちにダメ出しされる。

第三王子のエリアスは、腹黒で毒舌。
第二側妃の子。
本人は性格の悪さを、隠せてると思ってるようだけど、気づかれてるんじゃないかなぁ?
僕やアルノルトには、容赦ない。
かわいいふりをしている。



お茶会のあいさつも、そこそこに
飛び出していった僕は
庭園で君を見かけた。

君はキラキラしていて、眩しくて
笑顔がとてつもなく可愛かった。

たとえ、その先にいるのが、
僕でなかったとしても、僕は君を
およめさんにしたいと、おもうよ。



これは、僕が苦い経験を乗り越えて、
初恋を貫く話。

ヘタレだけど、頑張る。
僕を好きになって。









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