妻が浮気をしているようなので

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監禁5日目(伯爵領の執事は質問する)

元々は、伯爵家のお屋敷で、執事の仕事をするはずだったのに、お屋敷で研修を終えたら、伯爵領へ飛ばされてしまった。

何か粗相があっだのだろうか、と打ちひしがれていると、使用人の先輩方から、同情的な顔をされた。

言わなくても何があったかわかっているような。

私の顔をみて、頷いている。

お屋敷の使用人は、割と年齢層が高めだったのに対し、伯爵領の一緒に働いている人たちは、少し若いようだ。

その中でも、経験もなく、未熟なのは自分で、だからこそしっかりしなければいけないのだけど。

研修のとき、何度かお屋敷でお会いしていた奥様も、こちらにはいらっしゃらないので、完全に癒しが足りない。

奥様は、とても雰囲気が柔らかくて、明るくて可愛らしいお方で、伯爵様が大切にされている理由がわかる、素敵な方だ。

旦那様がソファで横になられ、仮眠をとっていらっしゃった時に、まあまあ、と言いながら、嬉しそうな顔をして見つめていたり、使用人みんなに優しくて、ニコニコされていたり、全てにおいて完璧な奥様だと、思う。

旦那様は、私みたいな若輩者に、睨みをきかせたり、嫉妬心全開だったりするのが、人間らしくて素晴らしいと思う。

私は見た目完璧な人が、ふと見せる人間らしさに、心惹かれるので、見た目完璧には程遠い方が、人間らしさを見せてくると、汚らしくて逃げたくなる。


最近よく伯爵領の執務室に来られるお嬢さんは、子爵家の方らしい。使用人をゴミのように見るが、そのゴミから汚らしいと思われているのを知らないのだろう。おめでたい方である。

せめて見た目完璧なら、貴方のために少しぐらい情けをかけてあげてもよかったのですが、私まだまだ若輩者でして。


飼い主の言うことしか聞けない駄犬ですので、そのように汚らしい顔をして汚らしい言葉を吐いて、汚らしい態度を取られたところで、私の心は奥様と旦那様に忠誠を尽くしているのです。

なんなら噛みつきましょうか。私の歯が菌でボロボロになっても、愛するご主人様方を守れると思えば、喜んで我が身を捧げましょう。

驚かれていらっしゃるのですか。はて、またどうして。

こちらこそどうして?

貴方如きで、奥様に勝てるとお思いですか?
どうして、あんなに奥様に執着されている旦那様が貴方に興味を持つとお思いで?
どうして、そこまで自己評価が高いのですか?
どうして、客観的に自分を見られないのですか?
頭がおかしいのですか?
どうしてそんな面白い顔でじっと黙っているのですか?


次に、彼女が来たら、言ってやろう、と思ってた言葉は、全て今、目の前で吐き出してしまったようだ。

すぐにお帰りになった。

今日はいい日だ。










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