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旅立ち❶夫は一からやり直す
妻の捕獲は簡単だった。
妻は僕のことを忘れていたのか思い出したくなかったのか、わからないが、僕の顔を見るなり、怯えた顔をした。
前に顔を見た時は、僕の顔すら見なかったくせに。愛の反対は無関心。ずっとひたすらに、僕に無関心をきめこんでいたくせに。
妻は、この何週間かに、何をみて、何を感じたのか。妹をみる忌々しい目つき、地味だけど、整ったきれいな顔を歪めてしまう、重く独りよがりな愛情深さ。
妻の愛情が、こちらを向いたことは一度もないし、自分の行いを振り返ればそれは仕方ないことだ。
妻が僕を憎んでくれたらいいのに。
嫌いや、憎いがたくさん貯まれば愛になりかわることもあるかもしれない。
どうでもいいだと、どうにもならないけれど。
妻を愛したい。憎んで欲しい。
妻に愛されたい。どうしたって逃がさない。
妻の良さを1ミリも理解しない男に任せっきりにしたり、妻を愛さない男に愛想を振りまいた。何も考えていないわけじゃない、と言いたかった。でも、うそだ。
僕は始まりを間違えたのだ。
僕は欲しいものは欲しいと言うべきだったのに、妻を蔑ろにし、傷つけてしまった。僕が何より欲しかったのは、妻だけだったのに。
僕の留守中に、妻が使用人を1人残らず解雇しても、気に入らないと、平民の女性を殴っても、妻の外泊が増えても、僕を心底蔑んだ顔を見せても、僕は妻と向き合うことすらしなかった。
本当は、閉じ込めてお仕置きして、妻に愛を囁いて、愛して、愛を教え込ませなければならなかった。
でもしなかった。できないのではなく、しなかった。
だから、これから妻を愛する姿勢をいくらみせても、すぐには信じてもらえないだろう。
誰かさんではないけれど、妻を僕だけの妻にして、僕だけのことしか考えられないようにしなくちゃいけない。
あと少しで侯爵夫人になれた不遇の伯爵夫人ではなくて、夫に愛されすぎて、幸せな伯爵夫人にしなければ。
無理矢理抱いても妻の心は離れていくだけ。だから、宝物を扱うように優しく抱きしめて、対話を試みようと、思う。
僕が君をどれだけ好きか知らないでしょう?
泣きたいぐらい、愛しているよ。
何度でも言うよ、大事なことなんだ。第二の人生をかけて、君を大切にすることを誓うよ。
君を愛しているからね。
妻は僕のことを忘れていたのか思い出したくなかったのか、わからないが、僕の顔を見るなり、怯えた顔をした。
前に顔を見た時は、僕の顔すら見なかったくせに。愛の反対は無関心。ずっとひたすらに、僕に無関心をきめこんでいたくせに。
妻は、この何週間かに、何をみて、何を感じたのか。妹をみる忌々しい目つき、地味だけど、整ったきれいな顔を歪めてしまう、重く独りよがりな愛情深さ。
妻の愛情が、こちらを向いたことは一度もないし、自分の行いを振り返ればそれは仕方ないことだ。
妻が僕を憎んでくれたらいいのに。
嫌いや、憎いがたくさん貯まれば愛になりかわることもあるかもしれない。
どうでもいいだと、どうにもならないけれど。
妻を愛したい。憎んで欲しい。
妻に愛されたい。どうしたって逃がさない。
妻の良さを1ミリも理解しない男に任せっきりにしたり、妻を愛さない男に愛想を振りまいた。何も考えていないわけじゃない、と言いたかった。でも、うそだ。
僕は始まりを間違えたのだ。
僕は欲しいものは欲しいと言うべきだったのに、妻を蔑ろにし、傷つけてしまった。僕が何より欲しかったのは、妻だけだったのに。
僕の留守中に、妻が使用人を1人残らず解雇しても、気に入らないと、平民の女性を殴っても、妻の外泊が増えても、僕を心底蔑んだ顔を見せても、僕は妻と向き合うことすらしなかった。
本当は、閉じ込めてお仕置きして、妻に愛を囁いて、愛して、愛を教え込ませなければならなかった。
でもしなかった。できないのではなく、しなかった。
だから、これから妻を愛する姿勢をいくらみせても、すぐには信じてもらえないだろう。
誰かさんではないけれど、妻を僕だけの妻にして、僕だけのことしか考えられないようにしなくちゃいけない。
あと少しで侯爵夫人になれた不遇の伯爵夫人ではなくて、夫に愛されすぎて、幸せな伯爵夫人にしなければ。
無理矢理抱いても妻の心は離れていくだけ。だから、宝物を扱うように優しく抱きしめて、対話を試みようと、思う。
僕が君をどれだけ好きか知らないでしょう?
泣きたいぐらい、愛しているよ。
何度でも言うよ、大事なことなんだ。第二の人生をかけて、君を大切にすることを誓うよ。
君を愛しているからね。
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