32 / 78
第三章 過ぎ去りし思い出(過去編)
第三十二話 探す者
私はずっと探し求め続けていた。
今までずっと何万も何百万もの人間を捕らえ、お前の新たな「器」となれる肉体を求めていた。
だがそれらはいずれもすぐに朽ち果ててしまい、私の期待に応えられるものはほぼ皆無だった。
私はお前を永遠に喪ってしまうのか。
二度と会える日は来ないのか。
私はまだ生き続けているというのに。
いつ終わるとも知れない長い長いこの生を。
何百年何十年もの間、ずっと絶望と向き合い続ける日々。
諦念に支配されそうになったその時、漸く希望の光が満ちてきた。
やっと見つけ出した「器」。
それは生前のお前と面差しは随分と異なるが、目鼻立ちが整った大層美しい少年だった。
夕暮れ時の空を映し出したような青紫色に輝く瞳。
その奥深くに見た紅玉を秘めた輝き。
得も言われぬ美しさ。
その「器」は思った通り、“種”の馴染みも良かった。
お前の完全復活の日も近いだろう。
だが……。
聞くところによると、もう少しで会える筈のお前は随分と変わったようだな。
吸血鬼が吸血を拒むなど、前代未聞だ。
我々は何の為に発達した犬歯を持っている。
あの頃のお前は実に生き生きとしていた。
お前は覚えているだろうか?
狩りで何人の人間を喰らったか、私といつも競い合っていたではないか。
色々な場所へと共に出掛けたりもした。
私は覚えている。
忘れられない、お前との大切な記憶。
ルフス……。
この数百年もの間眠り続けていた間、お前に一体何があったのだ?
お前は今生で一体何がしたいのだ?
何を望んでいる?
私はそれを知りたいし、叶えてやりたい。
お前の為に。
あのことがなかったら、お前は今も変わらず私の傍にいてくれたのだろうか?
「共に屍者の王になろう」と言ってくれたその笑顔。
常に緊迫状況に追い込まれていた私がそれを聞いてどんなに心強かったことか。
お前は知らないだろうな。
何故あの時私を庇った?
何故私を助けた?
何故一人で死んでしまった……?
私を置き去りにして。
ああ、帰れるものなら帰りたい
何もなく、悩むこともなく、
何も知らなかったあの頃に……。
今までずっと何万も何百万もの人間を捕らえ、お前の新たな「器」となれる肉体を求めていた。
だがそれらはいずれもすぐに朽ち果ててしまい、私の期待に応えられるものはほぼ皆無だった。
私はお前を永遠に喪ってしまうのか。
二度と会える日は来ないのか。
私はまだ生き続けているというのに。
いつ終わるとも知れない長い長いこの生を。
何百年何十年もの間、ずっと絶望と向き合い続ける日々。
諦念に支配されそうになったその時、漸く希望の光が満ちてきた。
やっと見つけ出した「器」。
それは生前のお前と面差しは随分と異なるが、目鼻立ちが整った大層美しい少年だった。
夕暮れ時の空を映し出したような青紫色に輝く瞳。
その奥深くに見た紅玉を秘めた輝き。
得も言われぬ美しさ。
その「器」は思った通り、“種”の馴染みも良かった。
お前の完全復活の日も近いだろう。
だが……。
聞くところによると、もう少しで会える筈のお前は随分と変わったようだな。
吸血鬼が吸血を拒むなど、前代未聞だ。
我々は何の為に発達した犬歯を持っている。
あの頃のお前は実に生き生きとしていた。
お前は覚えているだろうか?
狩りで何人の人間を喰らったか、私といつも競い合っていたではないか。
色々な場所へと共に出掛けたりもした。
私は覚えている。
忘れられない、お前との大切な記憶。
ルフス……。
この数百年もの間眠り続けていた間、お前に一体何があったのだ?
お前は今生で一体何がしたいのだ?
何を望んでいる?
私はそれを知りたいし、叶えてやりたい。
お前の為に。
あのことがなかったら、お前は今も変わらず私の傍にいてくれたのだろうか?
「共に屍者の王になろう」と言ってくれたその笑顔。
常に緊迫状況に追い込まれていた私がそれを聞いてどんなに心強かったことか。
お前は知らないだろうな。
何故あの時私を庇った?
何故私を助けた?
何故一人で死んでしまった……?
私を置き去りにして。
ああ、帰れるものなら帰りたい
何もなく、悩むこともなく、
何も知らなかったあの頃に……。
あなたにおすすめの小説
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
無属性魔法しか使えない少年冒険者!!
藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。
不定期投稿作品です。
【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
生きるために逃げだした。幸せになりたい。
白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。
2020/9/19 第一章終了
続きが書け次第また連載再開します。
2021/2/14 第二章開幕
2021/2/28 完結