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深夜の散策って楽しい? 普通だったらねぇ……
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夜の街中って、素適なことがたくさんある。
理由は分からないけど、凄く楽しいのだ。
下手すると、昼の街中よりも楽しいのかもしれない。
墨をこぼしたような暗闇を、街灯がほんのりと彩る。ただそれだけで人肌のような温もりを感じられる。
照らし出される道路や歩道橋。
ぽつんと佇んでいる自動販売機。
その裏に誰かが隠れていそうで、背中がぞくっとする。
窓から光が漏れている家の側を通り掛かる。
このお家はまだ夜更ししているのだろうか。
明るい会話が聞こえてくる。ここのお家の夜も長そうだ。
公園で見慣れている筈のブランコや滑り台は月明かりで照らされて輝いていて、妙に幻想的だ。
見ていてどこかほっこりする。不思議だ。
暗い中、街灯や月明かりといった灯りがある。
ただそれだけだが、何かが起きそうな妙な期待感で胸がいっぱいになるのだ。
ドラマチックな何かが起こることは滅多にないと思うのだが、全く起こらないとも限らない。
もし何かが起きるという奇跡が生まれたなら、是非ともこの目で確かめてみたいものだ。
これだから、真夜中の散歩は止められない。
寝静まる住宅街。
側を静かに流れる川。
月明かりが水面に反射して煌めいている。
普段通らない川沿いの道を歩きながら何となく空を見上げると、満天の星空と流れ星が見えた。
お願いごと、何かあったかなと考える時間もなく、流れ星はあっという間に通り過ぎていってしまった。
残念。まあ、また今度で良いかな。
満開の桜が提灯にライトアップされている。
この場にいるのは僕一人。
独り占めしているようで何だか、贅沢。
ああ、もう春なんだなぁとぼんやりと思う。
昼間に青空へと思いっきり枝を伸ばし、咲き乱れる桜の花を見るのも良いのだが、夜ライトアップされている桜をじっくりと眺めるのも味わいがあって実に良いものだ。
一人で静かに見る桜、存分に堪能させて貰った。
今日も楽しい時間が過ごせた。
僕は何て幸せなのだろう。
※ ※ ※
「あんた、最近変よ」
「? どうして?」
「お布団に入って一時間過ぎた頃から急に寝ぼけたまま起き上がって歩き回るし、押入れに入ったりし始めるのよ。急に服を着替え始めたりするだけならまだ良いんだけど。この頃ドアや窓から勝手に外に出て行き始めたんだから!」
「え? そうなの? ずっと布団の中で外なんて行かないし、良く眠れて頭スッキリなんだけど」
「ほぉら。自覚なし。あんたを見ているこちらは大変なんだから。危ないったらありゃしない!」
ある日、僕はパートナーによって半ば強引に病院に連れて行かれてしまった。
夢遊病だと言われてしまった。
体調で変わったことなんて、特にないのになあ。
理由は分からないけど、凄く楽しいのだ。
下手すると、昼の街中よりも楽しいのかもしれない。
墨をこぼしたような暗闇を、街灯がほんのりと彩る。ただそれだけで人肌のような温もりを感じられる。
照らし出される道路や歩道橋。
ぽつんと佇んでいる自動販売機。
その裏に誰かが隠れていそうで、背中がぞくっとする。
窓から光が漏れている家の側を通り掛かる。
このお家はまだ夜更ししているのだろうか。
明るい会話が聞こえてくる。ここのお家の夜も長そうだ。
公園で見慣れている筈のブランコや滑り台は月明かりで照らされて輝いていて、妙に幻想的だ。
見ていてどこかほっこりする。不思議だ。
暗い中、街灯や月明かりといった灯りがある。
ただそれだけだが、何かが起きそうな妙な期待感で胸がいっぱいになるのだ。
ドラマチックな何かが起こることは滅多にないと思うのだが、全く起こらないとも限らない。
もし何かが起きるという奇跡が生まれたなら、是非ともこの目で確かめてみたいものだ。
これだから、真夜中の散歩は止められない。
寝静まる住宅街。
側を静かに流れる川。
月明かりが水面に反射して煌めいている。
普段通らない川沿いの道を歩きながら何となく空を見上げると、満天の星空と流れ星が見えた。
お願いごと、何かあったかなと考える時間もなく、流れ星はあっという間に通り過ぎていってしまった。
残念。まあ、また今度で良いかな。
満開の桜が提灯にライトアップされている。
この場にいるのは僕一人。
独り占めしているようで何だか、贅沢。
ああ、もう春なんだなぁとぼんやりと思う。
昼間に青空へと思いっきり枝を伸ばし、咲き乱れる桜の花を見るのも良いのだが、夜ライトアップされている桜をじっくりと眺めるのも味わいがあって実に良いものだ。
一人で静かに見る桜、存分に堪能させて貰った。
今日も楽しい時間が過ごせた。
僕は何て幸せなのだろう。
※ ※ ※
「あんた、最近変よ」
「? どうして?」
「お布団に入って一時間過ぎた頃から急に寝ぼけたまま起き上がって歩き回るし、押入れに入ったりし始めるのよ。急に服を着替え始めたりするだけならまだ良いんだけど。この頃ドアや窓から勝手に外に出て行き始めたんだから!」
「え? そうなの? ずっと布団の中で外なんて行かないし、良く眠れて頭スッキリなんだけど」
「ほぉら。自覚なし。あんたを見ているこちらは大変なんだから。危ないったらありゃしない!」
ある日、僕はパートナーによって半ば強引に病院に連れて行かれてしまった。
夢遊病だと言われてしまった。
体調で変わったことなんて、特にないのになあ。
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