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6 南雲家
伝助の中の、お爺さん
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南雲家のまえに来た蓮華。
木戸をくぐる蓮華。
潮香が、庭先でホースを持ち、打ち水をしている。
「あら、蓮華さんいらっしゃい。彩花なら真希乃くんと、出かけてるわよ」
えっと、蓮華が潮香を見る。
「どこに行ったか、ご存知ありませんか?」
潮香は、頬に指を当て首をかしげる。
「ん~、行き場所はわからないけど、綺麗なお姉さんが来て、連れて行ったわよ」
(綺麗な・・麗美さんね)
あっと、顔をする潮香。
「真希乃くん、高熱で大変だったのよ。蛇の血だか毒とか、一刻を争うって・・・」
「え、真希乃が?」
(彩花が、気落ちしているに違いない。早く行ってあげないと)
はやる気持ちを、抑えきれない蓮華。
「おお、蓮華さんじゃないか」
見ると、Tシャツに短パンに下駄をつっかけた伝助であった。
「こんにちは、南雲先生」
深々とお辞儀をする蓮華。
「こんにちは。ちょうどよかった、少し時間はお有りかの?」
「えっ、あ、はい。何か?」
背を向ける伝助。
「道場に、来てくれるかの?」
「あ、はい。構いませんが」
蓮華は、潮香を見ると、お辞儀をした。お辞儀を返す潮香。
一礼をして、後ろで手を組み道場に上がる伝助。
脱いだ靴をそろえると、道場に足を踏み入れる前に一礼する蓮華。
うんうんと、笑顔でうなずく伝助。
「実に、礼儀正しい娘さんだ」
恐る恐る蓮華が聞く。
「お話とは、何でしょうか?」
伝助は、ニコリとして言った。
「一手、いや、三手ほど手合わせ願えませぬかの?」
「えっ、いや、その、普段着のままですが」
シャツの袖をつまむ蓮華。
「いやいや、すぐに済むのでの、わしの拳を受けて頂きたい」
「はあ・・」
「では・・・参る」
「はい」
お互いに礼を交わす。
構える伝助と蓮華。
蓮華は、ビリビリと伝助から発する気を感じていた。
(すごい、平然としながら、これだけの・・)
伝助が、動いた。
(右)
拳をとらえ、ねじ伏せる蓮華。
伝助は、ねじりに合わせ体を回転させるとクルリと着地すると、そのまま、蓮華の手を取りねじ伏せる。
逆手に取られる蓮華だが、自ら体を回しこれを逃れる。
着地後、再び身構える蓮華。
今度は・・(左)
受けに入る蓮華。
取ったはずの左拳。
ブアッと、伝助の掌底打ちが蓮華の鼻先で止まる。蓮華の髪がなびく。
えっ
確かに、捕らえたはず。
(今度は・・・右)
目の前に、迫る右拳。
取った。
ブアッと、腹部に風圧を感じる蓮華。
(また・・)
左拳が、蓮華の腹部をとらえ間髪入れず、続け様に鼻先に右拳が止まる。
「あ・・」
蓮華の耳の近くを汗が流れ落ちる。
ガクリと膝を着く蓮華。
(完敗だ・・)
伝助が、蓮華の肩に手を添える。
「すまなかったの、蓮華さん」
ゆっくり、顔をあげる蓮華。
「いえ、至らない私が愚かでした」
優しく笑みを浮かべる伝助。
「これが、蓮華さんの弱みですかの」
「く・・・」
「君は、確かに強い。わしの軌道を確実にとらえておる。じゃが・・」
伝助を見る蓮華。
「じゃが、それは相手の技を取ってこその、君の技じゃ」
蓮華は両の手を着くと平伏した。
「ご指導、痛み入ります」
「お立ちなされ、平伏など無用。わしが無理なお願いをしたのだ」
伝助は、蓮華の手を取ると立ち上がらせた。
「一つ、お聞きしても?」
「ん?何かの?」
「なぜ、私のために?」
「単なるジジイのお節介じゃよ」
蓮華は、一緒に稽古をしてくれた祖父を思い出していた。十四歳の時に、他界している。
両親を早くに亡くし、祖父が面倒を見てくれていた。その祖父がいない今、蓮華は一人っきりで生きていた。
優しかった祖父の顔が、伝助と重なる。
蓮華は、目頭が熱くなるのを感じていた。
「お、おじいさん・・・」
「いつでも、頼ってくると良い」
「・・・」
「人間、一人では、生きてゆけぬからの」
蓮華は、ハッとして口元を手で塞ぎ、肩を震わせている。
「我慢をせずに、泣くといい」
伝助は、蓮華に両手を回すと優しく包み込んだ。
「涙は、溜めておいてはいかんの。悲しみや辛さを胸の内に仕舞い込むのは、心を蝕むばかりじゃ。時には声に出して吐き出すと良い」
「・・はい」
蓮華は、伝助の中に懐かしい祖父を感じていた。
「・・・おじいさん、逢いたいよ」
蓮華は、伝助の胸の中で声を出して泣いた。まるで、幼い子供のように。溜まりに溜まったものを、全て吐き出した。
誰にすがるでもなく、生きてきた蓮華。人の温もりが恋しかった。甘えたかった。寂しかった。でも、強がって生きてきた。
心の叫びを声にして、存分に泣いた蓮華。
全てを受け止めてくれた伝助の腕の中で、泣きじゃくり疲れ果て眠りについている蓮華。
これまで、頑なに心を抑え、さなぎのように殻に閉じこもる日々。
蝶となり羽ばたくために殻を割る。
蓮華が、伝助の膝枕で目覚めた。
「ありがとうございました」
伝助を見上げる蓮華。
晴れ晴れとし、まるで生まれ変わったような清々しい蓮華。
「蓮華さん、いい顔じゃ。笑うととても、チャーミングウじゃ」
と、親指を立てる伝助。祖父も似たようなことを言って笑わせてくれた。
「あはははは」
声を出して笑う蓮華。
嬉しさ余って、伝助にハグをする。
再び、ぬくもりに癒される蓮華。
一瞬、時が止まる。伝助の鼓動が聞こえる。生きている証。
ゆっくりと体を起こし離れる蓮華。
「もう、大丈夫です。ありがとう、おじいさん」
頭を掻く伝助。
「いやいや、わしこそ、感謝じゃよ。最近は彩花の奴、恥ずかしがって、ちいっともハグしてくれんでの。こんなジジイでも人恋しいんじゃ、また頼めるかの?」
蓮華がニコリとする。
「もちろんです。また、こうしてもらっていいですか?」
うんうんと、ニコニコする伝助。
「わしも、若ければのぉ、蓮華さんに告っとるとこじゃよ」
「おじいさんまで、よしてください」
「まで・・? ああ、さては、誰かに告られたかの?」
あごをつまむ伝助は、横目で蓮華を見る。
慌てる蓮華。顔が少し赤らむ。
「え、ええ。でも、からかわれたのかもしれません」
うつむく蓮華。
そこへ男の声。
「失礼します。蓮華ちゃん、いますか?」
京介が、道場に一礼して入ってくる。
見るなり、蓮華は身構える。
「あなた、あの時の」
蓮華の前に出て、それを遮る伝助。
「蓮華さん、彼は敵ではない」
「え?」
京介は、掌と拳を重ねて礼をする。
「感謝します。南雲先生」
伝助は、まあまあと、京介を静止すると。
「真希乃は、無事かの?」
「はい、なんとか持っています。それで、蓮華さんを迎えに来ました」
「私を?」
「うん、麗美さんが呼んでる」
「麗美さんが?ちょうどよかった。こっちも、探していたんです」
「ん?」
「俊ちゃんが、狙われて」
「そうか、とりあえず、麗美さんのところまで案内するよ」
「はい」
京介が挨拶をする。
「先生、急ぎますので」
「うむ」
蓮華がお辞儀をする。
「今日は、色々とありがとうございました」
「いいから、急ぎなさい」
「はい」
京介が手を差し出す。その手を取る蓮華。
グニャリと消える二人。
「無理はするでないぞ」
独り言のように呟く伝助。
木戸をくぐる蓮華。
潮香が、庭先でホースを持ち、打ち水をしている。
「あら、蓮華さんいらっしゃい。彩花なら真希乃くんと、出かけてるわよ」
えっと、蓮華が潮香を見る。
「どこに行ったか、ご存知ありませんか?」
潮香は、頬に指を当て首をかしげる。
「ん~、行き場所はわからないけど、綺麗なお姉さんが来て、連れて行ったわよ」
(綺麗な・・麗美さんね)
あっと、顔をする潮香。
「真希乃くん、高熱で大変だったのよ。蛇の血だか毒とか、一刻を争うって・・・」
「え、真希乃が?」
(彩花が、気落ちしているに違いない。早く行ってあげないと)
はやる気持ちを、抑えきれない蓮華。
「おお、蓮華さんじゃないか」
見ると、Tシャツに短パンに下駄をつっかけた伝助であった。
「こんにちは、南雲先生」
深々とお辞儀をする蓮華。
「こんにちは。ちょうどよかった、少し時間はお有りかの?」
「えっ、あ、はい。何か?」
背を向ける伝助。
「道場に、来てくれるかの?」
「あ、はい。構いませんが」
蓮華は、潮香を見ると、お辞儀をした。お辞儀を返す潮香。
一礼をして、後ろで手を組み道場に上がる伝助。
脱いだ靴をそろえると、道場に足を踏み入れる前に一礼する蓮華。
うんうんと、笑顔でうなずく伝助。
「実に、礼儀正しい娘さんだ」
恐る恐る蓮華が聞く。
「お話とは、何でしょうか?」
伝助は、ニコリとして言った。
「一手、いや、三手ほど手合わせ願えませぬかの?」
「えっ、いや、その、普段着のままですが」
シャツの袖をつまむ蓮華。
「いやいや、すぐに済むのでの、わしの拳を受けて頂きたい」
「はあ・・」
「では・・・参る」
「はい」
お互いに礼を交わす。
構える伝助と蓮華。
蓮華は、ビリビリと伝助から発する気を感じていた。
(すごい、平然としながら、これだけの・・)
伝助が、動いた。
(右)
拳をとらえ、ねじ伏せる蓮華。
伝助は、ねじりに合わせ体を回転させるとクルリと着地すると、そのまま、蓮華の手を取りねじ伏せる。
逆手に取られる蓮華だが、自ら体を回しこれを逃れる。
着地後、再び身構える蓮華。
今度は・・(左)
受けに入る蓮華。
取ったはずの左拳。
ブアッと、伝助の掌底打ちが蓮華の鼻先で止まる。蓮華の髪がなびく。
えっ
確かに、捕らえたはず。
(今度は・・・右)
目の前に、迫る右拳。
取った。
ブアッと、腹部に風圧を感じる蓮華。
(また・・)
左拳が、蓮華の腹部をとらえ間髪入れず、続け様に鼻先に右拳が止まる。
「あ・・」
蓮華の耳の近くを汗が流れ落ちる。
ガクリと膝を着く蓮華。
(完敗だ・・)
伝助が、蓮華の肩に手を添える。
「すまなかったの、蓮華さん」
ゆっくり、顔をあげる蓮華。
「いえ、至らない私が愚かでした」
優しく笑みを浮かべる伝助。
「これが、蓮華さんの弱みですかの」
「く・・・」
「君は、確かに強い。わしの軌道を確実にとらえておる。じゃが・・」
伝助を見る蓮華。
「じゃが、それは相手の技を取ってこその、君の技じゃ」
蓮華は両の手を着くと平伏した。
「ご指導、痛み入ります」
「お立ちなされ、平伏など無用。わしが無理なお願いをしたのだ」
伝助は、蓮華の手を取ると立ち上がらせた。
「一つ、お聞きしても?」
「ん?何かの?」
「なぜ、私のために?」
「単なるジジイのお節介じゃよ」
蓮華は、一緒に稽古をしてくれた祖父を思い出していた。十四歳の時に、他界している。
両親を早くに亡くし、祖父が面倒を見てくれていた。その祖父がいない今、蓮華は一人っきりで生きていた。
優しかった祖父の顔が、伝助と重なる。
蓮華は、目頭が熱くなるのを感じていた。
「お、おじいさん・・・」
「いつでも、頼ってくると良い」
「・・・」
「人間、一人では、生きてゆけぬからの」
蓮華は、ハッとして口元を手で塞ぎ、肩を震わせている。
「我慢をせずに、泣くといい」
伝助は、蓮華に両手を回すと優しく包み込んだ。
「涙は、溜めておいてはいかんの。悲しみや辛さを胸の内に仕舞い込むのは、心を蝕むばかりじゃ。時には声に出して吐き出すと良い」
「・・はい」
蓮華は、伝助の中に懐かしい祖父を感じていた。
「・・・おじいさん、逢いたいよ」
蓮華は、伝助の胸の中で声を出して泣いた。まるで、幼い子供のように。溜まりに溜まったものを、全て吐き出した。
誰にすがるでもなく、生きてきた蓮華。人の温もりが恋しかった。甘えたかった。寂しかった。でも、強がって生きてきた。
心の叫びを声にして、存分に泣いた蓮華。
全てを受け止めてくれた伝助の腕の中で、泣きじゃくり疲れ果て眠りについている蓮華。
これまで、頑なに心を抑え、さなぎのように殻に閉じこもる日々。
蝶となり羽ばたくために殻を割る。
蓮華が、伝助の膝枕で目覚めた。
「ありがとうございました」
伝助を見上げる蓮華。
晴れ晴れとし、まるで生まれ変わったような清々しい蓮華。
「蓮華さん、いい顔じゃ。笑うととても、チャーミングウじゃ」
と、親指を立てる伝助。祖父も似たようなことを言って笑わせてくれた。
「あはははは」
声を出して笑う蓮華。
嬉しさ余って、伝助にハグをする。
再び、ぬくもりに癒される蓮華。
一瞬、時が止まる。伝助の鼓動が聞こえる。生きている証。
ゆっくりと体を起こし離れる蓮華。
「もう、大丈夫です。ありがとう、おじいさん」
頭を掻く伝助。
「いやいや、わしこそ、感謝じゃよ。最近は彩花の奴、恥ずかしがって、ちいっともハグしてくれんでの。こんなジジイでも人恋しいんじゃ、また頼めるかの?」
蓮華がニコリとする。
「もちろんです。また、こうしてもらっていいですか?」
うんうんと、ニコニコする伝助。
「わしも、若ければのぉ、蓮華さんに告っとるとこじゃよ」
「おじいさんまで、よしてください」
「まで・・? ああ、さては、誰かに告られたかの?」
あごをつまむ伝助は、横目で蓮華を見る。
慌てる蓮華。顔が少し赤らむ。
「え、ええ。でも、からかわれたのかもしれません」
うつむく蓮華。
そこへ男の声。
「失礼します。蓮華ちゃん、いますか?」
京介が、道場に一礼して入ってくる。
見るなり、蓮華は身構える。
「あなた、あの時の」
蓮華の前に出て、それを遮る伝助。
「蓮華さん、彼は敵ではない」
「え?」
京介は、掌と拳を重ねて礼をする。
「感謝します。南雲先生」
伝助は、まあまあと、京介を静止すると。
「真希乃は、無事かの?」
「はい、なんとか持っています。それで、蓮華さんを迎えに来ました」
「私を?」
「うん、麗美さんが呼んでる」
「麗美さんが?ちょうどよかった。こっちも、探していたんです」
「ん?」
「俊ちゃんが、狙われて」
「そうか、とりあえず、麗美さんのところまで案内するよ」
「はい」
京介が挨拶をする。
「先生、急ぎますので」
「うむ」
蓮華がお辞儀をする。
「今日は、色々とありがとうございました」
「いいから、急ぎなさい」
「はい」
京介が手を差し出す。その手を取る蓮華。
グニャリと消える二人。
「無理はするでないぞ」
独り言のように呟く伝助。
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