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一突き目 男と寝る

男と男

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仕事もひと段落して、一息つく恵と一城。
休憩室で、二人、缶コーヒーを飲んでいる。
三人掛けの合皮素材のソファに左端と右端に腰掛ける二人。
動いたのは一城、恵の横にあるブックスタンドから雑誌を取ろうと恵の頭の後ろに手を回し、背もたれに手をつくと逆の手を伸ばす。
一城の顔が恵の顔の目の前をかすめていく。
何度かキスをされて、思わず期待してしまう恵。
雑誌を取ると何事もなく、元の場所に戻る一城。
焦らされている気がする恵。
パラパラッと、雑誌をめくる一城。
パタンと閉じられる雑誌。
また、一城が手を伸ばしてくる。
雑誌を取り替えるのだろうと思った恵。
恵の後ろで手をつく一城。
顔が目の前で止まる。
一城を見る恵は、驚いた。
一城が、恵を見ている。
唇を重ねてくる一城を、恵は拒まなかった。
どこかで、心待ちにしていた。
目を閉じると、舌の感触を味わった。
荒々しくも、どこか優しいものを感じ取っている恵。
吐息のように、唇の隙間から恵の息が漏れる。何かにすがろうと一城の腕を掴む。
一城もまた、そんな恵を可愛いと思っていた。
恵の下の方で疼き硬くなり始めるものがあった。一城もまた同じであった。
「その気になってきたか?ほしいなら、くれてやるぞ」
恵の顔を両手で挟むと、さっきより激しく唇を重ねる。んぐっ、より激しくなる舌の動き、一城の大きな手が恵のそれを掴む。
少しさすって、より硬くなるのがわかると恵のベルトを外し、チャックを下ろす、トランクスを持ち上げている恵。
トランクスを下げ、あらわにさせると頭を包むように手を添える一城。
急所を心得ているから、濡れるまで時間は掛からなかった。
一城は、おもむろにボクサーパンツを脱いだ。
(でかっ)
恵は自分のものよりは、一回り大きいように思えていた。
頭が特にがっしりしていた。筋肉を鍛えると、下もこうなるのかと勘違いするほどだ。
一城は、恵の手を取ると自分のそこに持っていった。
「昨日みたいに、またしてくれるか?」
(え?俺、何した?)
恵の頭を抱えると、一城のものに顔を近づけた。
「歯、立てずにな」
恵は恐る恐る、手に取ると明らかに自分のものより太いとわかった。
自分のものを口に入れるなんて出来ないから、その違いまではわからないが、こんなものを女の子は口にするのかと恵は焦った。
一城のそれに舌を寄せ、チロチロと、自分でも感じるところを舐めてみた。
んんっと、腰を引く一城。
「ああ、いいな」
少し気分が良くなる恵。調子に乗って玉の袋から、先に向かって舌を這わせた。
「お、おおおお」
ピクリと動き、硬く起き上がってくる。
見慣れた光景だったが恵は嬉しかった。
ゆっくりと上下させる。根元までしっかり引っ張りすぎない程度に持っていく。
より凛々しくなる一城。
恵はゆっくりと一城を口に含むと、段差のところを集中的に責めてみた。
濡れた手を擦った時のように、クチュクチュと音を立てる。
「んん、やっぱ責めるの上手いな」
褒められて、恥ずかしいのに嬉しかった。
一城の割れた腹筋が、ヒクヒクと伸縮する。
時折、たまりかねて足が動く。
荒々しく息をすると、やや強引に恵の顔を両手で抱えるとむさぼるように、激しく唇を重ねてくる。
舌が入ってきて、恵の中をかき回す。
息が出来なかった。唇が離れると息を整えようと、肩で大きく息をする。
一城は、恵の胸の尖った部分を指でイジり始める。つまんでみたり、転がしてみたり、そのうちに太く硬くなって迫り出している。
肩に手を置くと、ゆっくりと指先に向かって這い降ろす。ゾクっと鳥肌が立つ恵。指まで来ると、一城は、指を絡めていた。もう片方の手は耳たぶをつまみ、耳にかかる髪を指で手繰り寄せた。
耳から襟足にかけて指を這わす。
背筋を電気が流れ、恵のものへとたどり着くと、ビクリとさせた。
先端に滲み出るを感じる。
一城は、右手で絡めた手はそのままに、逆の手で恵のものを握る。
「感じてたんだな、嬉しいよ」
先端のトロリとした液を指に絡めると、そのまま頭を撫でた。
小刻みに息を吸い込む恵。
少し、揉み解すと指が尿道を伝って袋まで下がってくる。二つの玉を優しく転がす一城。
そのまま、玉の裏の穴をまさぐる。
恵の胸を押し、寝かせると指にたっぷりの唾液を乗せると、クチャクチャと音を立てながら、玉の裏の穴を濡らした。
ゆっくり気遣うように、指が入ってくるのがわかる。
無理をせず、ゆっくりな動き。
排泄物の大きさを思えば、大した太さではないと恵は思った。
一本で余裕が出来ると、二本の指を入れる一城。
痛みとくすぐったさが、恵を仰け反らせる。
「痛むか?」
一城が気遣う。
「大丈夫・・です」
ゆっくりと無理をせず抜き差しされる指。
二本の指を捻り、穴を広げる一城。
「昨晩は、入ってるから心配するな」
安全は確証済みであることを告げる一城。
「・・・はい」
そそり立つ恵のそれの下に、はっきりと穴が確認出来る。
一城が恵の前で膝を着くと、ちょうどいい高さだった。
開かれた恵の両足の間に入る一城。
念のために、自分のものを唾液で濡らす一城。
先端が恵の入り口に当たる。
ゆっくりと沈み込んでいく。
痛みで身を縮める恵は、力任せに一城にしがみつく。
恵の爪が、一城の肩に食い込む。
一城のものが根元まで入ると、大きく仰け反る恵。
それに押し出されるように恵の先端から透明な液が、トロリと溢れ出る。
それは、恵を伝って流れ落ち、一城の根元を濡らす。
「恵、動いていいか?」
言葉が出せない恵は、首を縦に振る。
ゆっくりと、引き始める一城。
痛みと快楽が恵を襲う。
はじめての感覚に戸惑いながら一城に身を任せる恵。
再び、押し込まれてくる一城に思わず声を漏らす恵。
一城は、その声を聞くと腰の動きを速める。
「恵。恵。ああ、いいよ」
名前を呼ばれて、嬉しくなる恵。
いっそ、このまま、女になれたら。そう思っている自分が恵の中にいた。
一城の腹部に当たる恵の玉と肉棒。
ほとばしる恵の透明な液が、一城の腹を濡らす。
一城が、手で恵のそれをシゴく。
上と下から、襲う快楽に恵は溺れていた。
「あ、すごい、いい」
恵は、虜になってしまった。
一城も、女性のものでは味わえない快楽を味わった。
目の前で、大きくそそり立つ自分のものと似たそれ。
イキそうなのが、わかると手を速める。が、自分もイキそうになり、手が遅くなる。
「あ、恵、イクよ、イク」
あっと、絶頂する一城から、熱いものが出るのがわかる恵。
何度か、熱いものを感じる恵。
自分の中に一城さんのが。
変な気分だったが、嫌ではなかった。
一城が、気遣い恵をシゴく。
恵の、そこを刺激する一城。
「あ、一城、イク、いい」
うっと、体をビクリとさせる恵。
一城の手の中で、上向きに噴射される白い液体。
恵の腹の上、一城の手とまだ大きさを保つそれに振り掛かる。
ぐっしょりと合皮素材のソファが、恵の汗で濡れている。
二人は、微笑み合うとキスをした。

       ・・

「道具は、積み終えました。一城さん」
ワゴン車の後部ドアをバンと閉める恵。
「さんきゅ」
作業完了報告書をまとめる一城。
真剣な表情が男らしい。
まだ、体が一城を覚えている。まだ、そこに一城のものがあるようだった。
キュンとなるのを覚える恵。
ボールペンを耳に引っ掛けると、三文判に熱い息を吹きかける一城。
一つ一つの動作が、カッコよくて仕方がない恵。
(マジやべえ、俺、変だ)
報告書と事務所の鍵を封筒に入れ、鍵のついたポストに放り込むと、作業服の前チャックを開くと、内ポケットに手を差し込む一城。
首元が大きく開いたシャツの厚い胸の間に光るネックレス。
最後の一本のタバコを取り出すと、クシャッと握り潰す。
タバコを口に咥えると、目を細めて火をつける。
空を仰ぐと、白い煙を吐き出す一城。
そんな全ての動作に、釘付けになる恵。
「恵。行くか」
咥えタバコで、目を細くして笑みを浮かべる一城。
「あ、はい」
我に帰る恵。
ワゴン車に乗り込む二人。
見つめ合うと再びキスをしていた。





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