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浅野新

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連れ子への虐待はなぜ起こるのか

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連れ子、特にシングルマザーの子供が、多くは新しい彼氏または夫による虐待で殺されてしまう事件が後を絶たない。悲惨なニュースを見聞きする度に、児童相談所の体制への批判から、一人親家庭への心のケアの必要性などが訴えられるわけだが、これほど増えている事からそれだけではなくもっと別のアプローチからも考えた方がいいのではないかと思う。
それはつまり、人間も動物の一種として考え、生物学的に『自分の遺伝子を持つ子供でなければ愛情を抱きにくいのではないか』、もっと過激に言えば『つまり自分の遺伝子を持たない子供は排除しようという気持ちが自然発生的に湧き上がるのではないか』という事である。

こういう事を言うと「ではお前は虐待を正当化しようと言うのか」「虐待はあっても当たり前のもの、つまり仕方がないと考えるのか」と言われそうだが、断じてそうではない。虐待は絶対にしてはならないと言う事は当たり前であり大前提であるが、これほどまで増えているという事は今までの考え方や対処法だけでは解決できないのではないか、虐待が発生するメカニズムを別の観点からも捉え、それを踏まえての解決方法、対処法も盛り込んだ方がよいのではないか、という事である。
そして考えた別の観点からの虐待発生のメカニズムが、前述した「人間も動物の一種として考え、人間も動物と同じ本能があるのではないかと言う考えを持つこと」である。
動物の本能はざっくり言えば、生まれ、過酷な生存競争を生き延び、自分の子孫を残す。
と言う事は逆に考えれば自分の血が繋がっていない子供、つまり自分の遺伝子を持たない子供は排除しようという気持ちが自然発生的に湧き上がるのではないかと考えるのだ。

同じように疑問を感じる人はいないのか、人間は高等生物だから、他の動物とは違うから、倫理の観点から果ては性善説等々の綺麗ごとではなく、人間も動物の一種類として、他の動物の行動などから考えようと言う人はいないのか、そう考えていたら、いた。

「本当は怖い動物の子育て」を書いた竹内久美子氏である。

この方は動物行動学研究家という事で、この本では人間の倫理観や正義と言ったものさしから見れば大変残酷で恐ろしい動物の子育てについて書いている。
例としてあったのがハヌマンラングールと言うサルのケース。群れのオスを追い出した後釜の雄が、追い出したオスとメスとの間に産まれた乳幼児を殺す話が書かれている。

他に自分の子供であってもより良い個体を残し後は育児放棄して殺すパンダの例など、動物の世界では育児放棄も結構当たり前の事らしい。


もちろん地球上の全種類の動物がそうではないだろう。しかし実際に子殺しする動物がそれなりにいると言う事実は、人間は高等生物だから動物の行動学に当てはめて考える事は無駄であると言う証明にはならないと思う。感情論で片付けるのではなく、人間も動物の一種として、自分の血縁以外の子供を排除しようとする感情、行動が遺伝子レベルであるのかもしれない。それをベースに虐待の解決策を考える事も大事なのではないだろうか。
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