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第14話
仲良くさせよう大作戦
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「赤と白の国、意外とそれぞれは良い国でしたわね」
帰りの馬車の中でララが言った。
「ただ唯一の問題が、あの両国の仲の悪さですわね」
「マコト、王達に約束なんか取り付けて二人を会わせるつもりか? 大変だぜ」
アレクセイが窓越しに言い、セドリックとバドも大きく頷いた。
確かに、王達の様子を見ても、問題が根深そうだなあ。
結局なんだかんだ言って、偏見に振り回されて両国とも真の姿が見えていないんだ。何か過去に問題があった訳じゃないのに、「なんか気が合わなさそう」と言う理由だけで敬遠しちゃってる。
両国がお互いの国を行き来して、それぞれの文化や考え方の違いを知れば一気にこの問題も解決するんだけどな。でも、そこまで仲良くなってないから問題なんだよね。
二つの国が力を合わせられる方法。どちらかの有利になってはいけないし、皆が同じ条件下で何か同じ事ができれば、結束力が強まると思うんだけど・・。
その時、ぴんと閃いた。
「そうだ! これだ!! 皆、協力してくれるね? 」
それから三日後、私はクレイとギルディアを黄金国に呼び寄せた。
「黄金国の王よ、約束したから参上したが・・」
とギルディアは渋り、クレイは、
「昔の借りがなければとっくに帰っている所だ」
と、二人とも〝なんでここにこいつがいるんだ″と言うものすごく嫌そうな顔をして、着席した。バド、アレクセイ、ララ、セドリックも同席している。
バドはおほん、と咳払いした。
「ここにお二方に同席頂いたのは、王が両国の親交が全くない事に、強く心痛められたからです」
私は二人の王を見据えた。
「両国にはそれぞれ足りない物があるよね」
クレイ達は急所をつかれた顔をした。
「白の国には資源がない」
「う・・確かにそれは・・今議論はしているのだが」
「赤の国は技術力に難ありだ」
「そうじゃがわしらの団結力を持ってすれば」
私はバン、と机を叩いた。
「二人とも、それを一体何年、いや何十年言い続けてるんだよ!? 」
クレイ達はぐっと黙り込む。
「いいかい、自分の国だけではやっていけない、それならとっくのとうにここは一国だけで成り立ってるんだ。でもそうじゃない。様々な国が、お互い助け合っていかなきゃ成り立たないんだ」
クレイとギルディアは、お互いをちらりと見、私に向き直った。
「黄金国の王よ、お考えを聞こう」
「えー、今回二人を呼んだのは、両国に手をたずさえてもらい、ある祭典を成功させたい為なんだ」
「祭典? 」
「この祭典は、これからも両国間で継続させていきたいビッグイベントなんだ。だから絶対成功させたい。それには、白の国の高い技術力と赤の国の豊富な資源、そして両国の協力が必要なんだ」
「・・・なるほど」
「して、その祭典とは? 」
私は胸を張って答えた。
「じゃじゃーん! オリンピックだよ!! 」
「は? 」
「おりんぴっく? 」
「運動会だよ、知らない?」
二人とも、私を少し小馬鹿にした顔で見た。
「運動会とは・・、また・・。さすがに知ってはいるが。子供の運動会なら」
「知識としては知っておる。伊達に長く生きとらんからな。さすがにわが国でした事はないが」
馬鹿にしたなあ。負けるもんか。
「そんなの甘いね。僕の世界でやっているのは、国を挙げての、大人の為の大運動会なんだ! 何十種類と競技種目があり、皆、国の代表として誇りを持って参加する。参加者だって凄い人ばかりで運動能力は一流レベル。会場は各国の応援者で満席になり、国王だって応援に来るんだよ! 会場も開会式も国の叡智と技術を駆使して一流の物が用意され凄いのなんのって! 」
クレイ達は目を丸くしている。
「はあ」
「・・まあ、なんやら子供の運動会よりは凄そうじゃな」
うー、じれったい。ぶちっと私の中で何かが切れた。
「オリンピックをする! もう決めたんだから! 名付けて紅白大運動会! 両国とも参加するんだからね!!」
「ええ!?」
クレイとギルディアが抗議の声を上げようとしたが、
バドの、
「王のご命令です!! 」
の一言に、しぶしぶながら了承したのだった。
実は、従来のオリンピックとは随分と変えた所がある。
会場は赤と白がお互いの国に行くのが嫌だろうから、黄金国領土下の、広大な牧草地帯を使う事にした。会場作りはお互いの国から技師を出して一緒に作る。しぶしぶながらも設計を白の国がして、建築は赤の国が行った。
紅白は国対抗にすると、勝負の結果で余計両国にひびが入りそうなので、運動の得意な人達を両国から出してもらい、ドラゴンと有翼人の混合チームを二つ作り、それぞれを紅組と白組にした。
競技種目はお互いが知っていて、難しくないものにした。
結果、玉入れ、綱引き、騎馬戦、リレーだ。
オリンピックとは名ばかりで、まんま運動会になるのは仕方がない。
ドラゴンと有翼人との能力の差を均等にするのは、意外と難しくなかった。
黄金国にある、乗った人の能力を平等に測る巨大天秤、その名も「平等の天秤」で天秤皿にお互いの国の選手に乗ってもらい、それで均等にしたのだ。
例えば、綱引きならドラゴン一匹対有翼人十人が同じ力になる、と言う具合に。
一週間ほど、ドラゴンと有翼人達は紅白のチームに別れて一緒に練習をした。絶対クレームは出ると思っていたが「自国に問題があると、王の失望を買いますよ~。後々の事に響くかもしれませんねえ」とバドが加勢?してくれた事もあり、クレイとギルディオは嫌々ながらも、率先して、渋る国民をまとめてくれた。
帰りの馬車の中でララが言った。
「ただ唯一の問題が、あの両国の仲の悪さですわね」
「マコト、王達に約束なんか取り付けて二人を会わせるつもりか? 大変だぜ」
アレクセイが窓越しに言い、セドリックとバドも大きく頷いた。
確かに、王達の様子を見ても、問題が根深そうだなあ。
結局なんだかんだ言って、偏見に振り回されて両国とも真の姿が見えていないんだ。何か過去に問題があった訳じゃないのに、「なんか気が合わなさそう」と言う理由だけで敬遠しちゃってる。
両国がお互いの国を行き来して、それぞれの文化や考え方の違いを知れば一気にこの問題も解決するんだけどな。でも、そこまで仲良くなってないから問題なんだよね。
二つの国が力を合わせられる方法。どちらかの有利になってはいけないし、皆が同じ条件下で何か同じ事ができれば、結束力が強まると思うんだけど・・。
その時、ぴんと閃いた。
「そうだ! これだ!! 皆、協力してくれるね? 」
それから三日後、私はクレイとギルディアを黄金国に呼び寄せた。
「黄金国の王よ、約束したから参上したが・・」
とギルディアは渋り、クレイは、
「昔の借りがなければとっくに帰っている所だ」
と、二人とも〝なんでここにこいつがいるんだ″と言うものすごく嫌そうな顔をして、着席した。バド、アレクセイ、ララ、セドリックも同席している。
バドはおほん、と咳払いした。
「ここにお二方に同席頂いたのは、王が両国の親交が全くない事に、強く心痛められたからです」
私は二人の王を見据えた。
「両国にはそれぞれ足りない物があるよね」
クレイ達は急所をつかれた顔をした。
「白の国には資源がない」
「う・・確かにそれは・・今議論はしているのだが」
「赤の国は技術力に難ありだ」
「そうじゃがわしらの団結力を持ってすれば」
私はバン、と机を叩いた。
「二人とも、それを一体何年、いや何十年言い続けてるんだよ!? 」
クレイ達はぐっと黙り込む。
「いいかい、自分の国だけではやっていけない、それならとっくのとうにここは一国だけで成り立ってるんだ。でもそうじゃない。様々な国が、お互い助け合っていかなきゃ成り立たないんだ」
クレイとギルディアは、お互いをちらりと見、私に向き直った。
「黄金国の王よ、お考えを聞こう」
「えー、今回二人を呼んだのは、両国に手をたずさえてもらい、ある祭典を成功させたい為なんだ」
「祭典? 」
「この祭典は、これからも両国間で継続させていきたいビッグイベントなんだ。だから絶対成功させたい。それには、白の国の高い技術力と赤の国の豊富な資源、そして両国の協力が必要なんだ」
「・・・なるほど」
「して、その祭典とは? 」
私は胸を張って答えた。
「じゃじゃーん! オリンピックだよ!! 」
「は? 」
「おりんぴっく? 」
「運動会だよ、知らない?」
二人とも、私を少し小馬鹿にした顔で見た。
「運動会とは・・、また・・。さすがに知ってはいるが。子供の運動会なら」
「知識としては知っておる。伊達に長く生きとらんからな。さすがにわが国でした事はないが」
馬鹿にしたなあ。負けるもんか。
「そんなの甘いね。僕の世界でやっているのは、国を挙げての、大人の為の大運動会なんだ! 何十種類と競技種目があり、皆、国の代表として誇りを持って参加する。参加者だって凄い人ばかりで運動能力は一流レベル。会場は各国の応援者で満席になり、国王だって応援に来るんだよ! 会場も開会式も国の叡智と技術を駆使して一流の物が用意され凄いのなんのって! 」
クレイ達は目を丸くしている。
「はあ」
「・・まあ、なんやら子供の運動会よりは凄そうじゃな」
うー、じれったい。ぶちっと私の中で何かが切れた。
「オリンピックをする! もう決めたんだから! 名付けて紅白大運動会! 両国とも参加するんだからね!!」
「ええ!?」
クレイとギルディアが抗議の声を上げようとしたが、
バドの、
「王のご命令です!! 」
の一言に、しぶしぶながら了承したのだった。
実は、従来のオリンピックとは随分と変えた所がある。
会場は赤と白がお互いの国に行くのが嫌だろうから、黄金国領土下の、広大な牧草地帯を使う事にした。会場作りはお互いの国から技師を出して一緒に作る。しぶしぶながらも設計を白の国がして、建築は赤の国が行った。
紅白は国対抗にすると、勝負の結果で余計両国にひびが入りそうなので、運動の得意な人達を両国から出してもらい、ドラゴンと有翼人の混合チームを二つ作り、それぞれを紅組と白組にした。
競技種目はお互いが知っていて、難しくないものにした。
結果、玉入れ、綱引き、騎馬戦、リレーだ。
オリンピックとは名ばかりで、まんま運動会になるのは仕方がない。
ドラゴンと有翼人との能力の差を均等にするのは、意外と難しくなかった。
黄金国にある、乗った人の能力を平等に測る巨大天秤、その名も「平等の天秤」で天秤皿にお互いの国の選手に乗ってもらい、それで均等にしたのだ。
例えば、綱引きならドラゴン一匹対有翼人十人が同じ力になる、と言う具合に。
一週間ほど、ドラゴンと有翼人達は紅白のチームに別れて一緒に練習をした。絶対クレームは出ると思っていたが「自国に問題があると、王の失望を買いますよ~。後々の事に響くかもしれませんねえ」とバドが加勢?してくれた事もあり、クレイとギルディオは嫌々ながらも、率先して、渋る国民をまとめてくれた。
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