【エヴリスタコンテスト受賞しました】救世主(仮)が救世主を探します!

浅野新

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エピローグ

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気がつくと私は自室のベッドで寝ていて、傍らには母親が座っていた。

 あら、マコト、起きたのね、と母親はのんびり言うと、おじや持って来るわね、と階下に行ってしまった。
 私はただぼんやりと白い天井を眺めた。
 ・・・何だったけ。
美夕から届いていたたくさんのメールや、母親から聞いた話をまとめると、私は電車を降りた途端、その場にしゃがみ込んでしまったと言う。その場は美夕に支えられながらなんとか自宅に帰ったそうだ。
インフルエンザだったらしい。高熱があって、私は一週間学校を休んでいたとの事だった。

 ふうん。そうだったけ。
・ ・・上手い理由を思いついたね。

「魔法って本当にすごいんだな・・」

 ぽつりと呟いた途端、雷に打たれたように、今までの事を思い出した。


 そうだ!! 黄金国は!? セドリックは!? あ、あれは夢だったの!?

 私はがばっとベッドから起き上がった。
でも、証拠なんて何も・・、そうだ、箱、箱だ!!
 慌てて周囲を見回した。ベッド、机の上、床。

「な、ない。やっぱりあれは夢・・」
待って。

確か帰る時、制服に着替えて・・、手には学生鞄を・・。
鞄!?

私は部屋の隅に置かれていた鞄に駆け寄った。急いで開けると・・、

「あったあ!!」

やっぱり夢じゃなかったんだ。セドリック、何をお土産にくれたんだろう。
 これを見る度に、思い出すんだろうな、黄金国での事。皆の事。忘れられるわけがないもの。
 もう既に涙ぐみながら、私は小さな箱を見ていた。


早いもので、あれからもう二ヶ月が立とうとしている。

 私は二年生に進級した。一年生のような緊張感はなくなったし、受験勉強はまだ早いし、お気楽な時期だ。

 明日からうれしいゴールデンウィークに入る。学校から帰る足取りも軽い。

「マコトも来られれば良かったのにねえ 」
 隣を歩く美夕が残念そうな顔をしてこちらを見た。
「うん、ごめん。おばあちゃんちへ行く予定だから・・多分」
「おみやげ買って来るから。遊園地の写真も見せるからね」
「うん、ありがと」

 美夕と別れ、家に帰ると、ダッシュで二階に上がった。

 息を整え、机の引き出しの置くから、小箱を取り出す。

紙の化粧箱を開けると、中からさらに、純金の小さな箱が現れた。

「時の階段」だ。

 セドリックは、これを私に贈ってくれたのだ。
王のみが使える最高の魔法道具。異次元を繋げる扉。

どれだけ、どれだけこの箱を開けたいと日々思ったことだろう。二ヶ月間が本当に長かった。

でも、私は今いる世界にも生きているのだ。ここでの生活もおろそかにしてはいけない。ここもかけがえのない私の世界なのだから。

そうして、もう一つの世界も__。
私は深呼吸をし、早鐘のように鳴る心臓を押さえつけながら、
ゆっくりと、小箱を開けた__。

 
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