6 / 33
第五話
しおりを挟む
「あ、ど、どうも」
相変わらず状況はさっぱり理解できないが、一旦教師からは離れられたので少しほっとした。しかし。こいつは誰だ。混乱は今だ続いたまま、俺の肩にマーキングのようにぐりぐりとこすりつけてくる頭を見下ろした。
触ると柔らかそうなふわふわした明るく茶色に染めた髪、背は俺より低く体型も華奢な男子。制服を着ているし俺の名前を呼んだ事から考えて同級生だろう。
「ちょ、痛ぇから離れてくれ」
俺の背中に回された意外に力強い両腕をなんとか引きはがすと
「リョータ冷たい!せっかく助けてやったのに」
と口をへの字に曲げたまま、ぱっちりとした大きな瞳で恨みがましく俺を見上げた。顔は可愛い系に入るんだろうな。色も白いしハーフっぽい感じがする。
名前はなんだろうと内心困っていると、しゃがみこんで頭をさすっていた篠崎先生とやらが傍に放り投げられていたスポーツバックを掴み、
「太郎。こんなもんで教師の頭をはたくとはいい根性してるな」と背後からふわふわ頭をゲンコツでこづいた。
「ちょ、名前呼ぶなって言ってるよね!?」
その瞬間、ふわふわ頭は顔を真っ赤にして、振り向きざまスポーツバッグを先生から奪い取った。
思わず俺は吹き出しそうになった。太郎!?アイドルみたいなこのルックスで!?
「ほら!遅刻するよ、リョータ!クラス行こ!」太郎は俺の腕を取り、仕返しだとばかりに意地悪く笑う先生を無視して校舎へとずんずん進んだ。同じクラスか、ありがたい。それとなく色々教えてもらおう。
「またな、芦屋」篠崎先生は片手を挙げ、軽くウィンクする。普通なら引きそうなリアクションも洒落た雰囲気と顔面イケメンだからか全然違和感がない。
とりあえず教師からはロックオンされてそうだ。
太郎に引っ張られながら俺は、ゲームは既にスタートしている事をひしひしと感じていた。
相変わらず状況はさっぱり理解できないが、一旦教師からは離れられたので少しほっとした。しかし。こいつは誰だ。混乱は今だ続いたまま、俺の肩にマーキングのようにぐりぐりとこすりつけてくる頭を見下ろした。
触ると柔らかそうなふわふわした明るく茶色に染めた髪、背は俺より低く体型も華奢な男子。制服を着ているし俺の名前を呼んだ事から考えて同級生だろう。
「ちょ、痛ぇから離れてくれ」
俺の背中に回された意外に力強い両腕をなんとか引きはがすと
「リョータ冷たい!せっかく助けてやったのに」
と口をへの字に曲げたまま、ぱっちりとした大きな瞳で恨みがましく俺を見上げた。顔は可愛い系に入るんだろうな。色も白いしハーフっぽい感じがする。
名前はなんだろうと内心困っていると、しゃがみこんで頭をさすっていた篠崎先生とやらが傍に放り投げられていたスポーツバックを掴み、
「太郎。こんなもんで教師の頭をはたくとはいい根性してるな」と背後からふわふわ頭をゲンコツでこづいた。
「ちょ、名前呼ぶなって言ってるよね!?」
その瞬間、ふわふわ頭は顔を真っ赤にして、振り向きざまスポーツバッグを先生から奪い取った。
思わず俺は吹き出しそうになった。太郎!?アイドルみたいなこのルックスで!?
「ほら!遅刻するよ、リョータ!クラス行こ!」太郎は俺の腕を取り、仕返しだとばかりに意地悪く笑う先生を無視して校舎へとずんずん進んだ。同じクラスか、ありがたい。それとなく色々教えてもらおう。
「またな、芦屋」篠崎先生は片手を挙げ、軽くウィンクする。普通なら引きそうなリアクションも洒落た雰囲気と顔面イケメンだからか全然違和感がない。
とりあえず教師からはロックオンされてそうだ。
太郎に引っ張られながら俺は、ゲームは既にスタートしている事をひしひしと感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。
とうふ
BL
題名そのままです。
クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
先輩たちの心の声に翻弄されています!
七瀬
BL
人と関わるのが少し苦手な高校1年生・綾瀬遙真(あやせとうま)。
ある日、食堂へ向かう人混みの中で先輩にぶつかった瞬間──彼は「触れた相手の心の声」が聞こえるようになった。
最初に声を拾ってしまったのは、対照的な二人の先輩。
乱暴そうな俺様ヤンキー・不破春樹(ふわはるき)と、爽やかで優しい王子様・橘司(たちばなつかさ)。
見せる顔と心の声の落差に戸惑う遙真。けれど、彼らはなぜか遙真に強い関心を示しはじめる。
****
三作目の投稿になります。三角関係の学園BLですが、なるべくみんなを幸せにして終わりますのでご安心ください。
ご感想・ご指摘など気軽にコメントいただけると嬉しいです‼️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる