異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

文字の大きさ
30 / 359
カイの過去

小学生編~出会い~

これは僕が何も知らなかった小学生の時の話。

隣には転校してきた金髪のハーフらしき少年が座っていた。

「ねぇ、俺の名前は神川れい。君は?」

初めて自己紹介をされた。この少年は僕のクラスでの立ち位置を知らないのだろう。

「僕?カイだよ。」


「じゃあカイ、これからよろしくな!」

ニカッと笑う彼を心底哀れだと思う。僕と仲良くした者は女子であっても酷い報復を受ける。彼には悪いが僕の方から拒絶させてもらう。

「なんで?別に僕はよろしくしたくないんだけど。」


「だって隣の席じゃないか!とゆうわけで教科書持ってきてないから見せて?」

そんなことも気にせずに明るく言う彼を不思議に思う。

「それぐらいなら…」

これは引かなさそうだしな…

「ありがとうな!」


変なヤツだよ、ホント。僕なんかに構ってもいいことなんてないのに…




それから零はたびたび話かけてくるようになった。


「どうして俺らはいじめられてるんだろうな。」


「少なくともレイは僕にかまって相手してやらないからだよ。」

それに金髪っていうのもあるだろう、言わないけど。

「だって話合わないんだから仕方ないだろう?カイとギロンする方が百倍楽しいよ」


「賢そうな言い方してるけどチェスをしながらレイが愚痴ってるだけでしょ?…はい、チェックメイト」


「ええっ!マジかよ。これで何敗目なんだろう。」


「127試合中127敗だよ。敗北が知りたいね~。」


「クッソー、毎日やってるのに何で勝てねぇんだよ」


「やっぱり頭の差「言うんじゃねぇ!」」


「……ああ、そうだ。日頃のいじめの鬱憤を晴らしに行かねぇか?」


「どうやって晴らすの?」


「例えば、いじめっ子に偶然に見せかけたやり返しをしてその近くで反応を楽しむとか?」


「性格悪っ!……でも、いい案だね。」

























そして僕らはいじめっ子達にいろいろないたずらを仕掛けた。例えば蛇のオモチャを木の上からタイミングよく落とせるよう仕掛けを作るとか、鞄の中にセンセイの私物を入れておくとか…

自分達がやられたことよりも随分と優しいものだったが僕らはそれに面白さを感じた。
何よりアイツらはバカだ。相手が何を嫌っているのかわからないままいじめをしている。
ある時僕の鞄は虫だらけになっていたが、僕は大の昆虫好きだ。逆に宝箱のように思えてレイにもうやめなさいと言われるまでずっと虫の観察をしていた。

僕ならばそんなへまはしない。アイツが蛇に一度噛まれて怖がっているという情報を仕入れていたため、イタズラに蛇を使ったのである。

ああ、どうやって調べたか?それはもちろん言えないな。











「ただいま」

部屋からは物音1つ聞こえてこない

うん、いつも通り。今21時なんだよね…小学校低学年の子供が徘徊してたのに親は何も言わない。それどころかそもそもばれてない。

そろそろネグレクトで捕まると思う。

月曜日の朝、起きたら机に5000円が置いてあり、それで朝と夜の食料を賄っている。

ここ数ヶ月親の顔をろくに見ていない。親は僕を気持ち悪がりあえて家に帰って来ないのだ。わざわざホテルに泊まったりする。

この前ホテルに泊まっていたよねと母親自身に言うと父親には絶対に言うんじゃないよとわめき散らかされた。

同じことを父親にも言うと、これまた面白いことに母親と同じことを言った。なんなら殴られたから母親よりもひどかった。

それでもレイがいたから何とか耐えていられた。でも人はいつか死ぬ。もしレイが死んでしまったなら僕はどうなるんだろうか?

レイがこの前貸してくれたパソコンをいじっているといろんなことがわかった。
少なくとも僕がこの地獄から解放されるのは成人してからということ。父親が大手企業の偉いさんであること。母親は学校の先生であることがわかった。

今のままでいいとは思わないけど、レイとの日々は僕の灰色だった世界に色を灯した。

そして、その色がついた世界をずっと見ていたい。

だけど命に“永遠”がないことぐらい僕もわかっている。いつか僕が心の底から笑える時に彼が側にいる、それだけで僕は満足なんだ。

僕はそう思って無神論者にも関わらず幾度となく訪れる夜を照らす月に祈りを捧げた。
感想 0

あなたにおすすめの小説

無能な悪役に転生した俺、10年間で集めたハズレスキル4000個を合成したら最強になっていた

向原 行人
ファンタジー
十八歳になると神様からスキルを授かる世界を舞台にした、アポカリプス・クエスト……通称アポクエというゲームの悪役に転生してしまった。 俺が転生した悪役アデルは、この世界では珍しいスキル無し……神様から加護を授けられなかった。 そのため無能呼ばわりされた挙句、辺境に追放されてゲーム序盤に死んでしまう。 幸い、ゲーム開始の十年前……八歳のアデルなので、そんな運命を変えるべく、剣や魔法の腕を磨く。 更に、無能呼ばわりされない為に、ゲーム知識で隠しアイテムを手に入れてスキルを授かるのだが……授かったのは「ハズレスキルガチャ」というスキル。 一日一回ガチャでハズレスキルが貰えるらしい。 いや、幾らハズレスキルがあっても意味がないと思うのだが、もしかしたらレアスキルが当たるかも……と、十年間ガチャを回す。 そして約四千ものハズレスキルが貯まったが、一つもレアなスキルは出なかった。 だが、二つ目の隠しアイテムで、「スキル合成」というスキルを授かり、四千個のハズレスキルを組み合わせ、新たなスキルを作れるようになった。 十年間の努力とスキル合成……この二つを使って、末永く暮らすんだっ!

社畜おっさん、異世界で子育てはじめました~拾った娘が可愛すぎるので、世界一のパパを目指します~

空月そらら
ファンタジー
A級パーティー『輝きの剣』で、支援魔法と裏方の雑用を一人で完璧にこなしていたガルド(38歳)は、ある日突然、理不尽な追放を宣告される。 前世は過労死した孤独な社畜。 異世界に転生しても報われない日々に絶望し、雨の降る裏路地を彷徨っていたガルドは、そこでボロボロの布にくるまって震えるメリアと出会う。 「おねがいでしゅ……たしゅけて……」 小さな手にすがりつかれた瞬間、ガルドは決意した。 ――今日から俺が、この子のパパになる。絶対に守り抜いてみせる、と。 冒険者としての栄光などもういらない。 ガルドは愛娘との温かい生活を手に入れるため、長年隠し続けていた『規格外の支援魔法』と『チート級の生活魔法』を惜しげもなく解放する! すべては、世界一可愛い娘の笑顔のために。 一方その頃、ガルドという「完璧な生命線」を失ったパーティーは、格下のダンジョンで罠にかかり、まともな野営すらできずにあっさりと崩壊の危機を迎えていたが……。 「パパのシチュー、せかいでいっちばんおいちい!」 「そうかそうか、いっぱい食べろよ」 そんなことはつゆ知らず。 不遇だった最強のおっさんは、今日も愛娘を全力で甘やかし、幸せなスローライフを満喫中!

拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜

N
ファンタジー
前世は底辺、来世は最強! ……でも中身は「チー牛」のまま!? 冤罪と毒親に絶望して人生をリタイアした俺、牛久チー。 目覚めれば、「剣聖の父」と「大魔法師の母」を持つハイスペイケメンに転生していた! 鏡を見ればイケメン、身体も自由に動かせる最強遺伝子。 「これでイージーモードだ……」なんて思うわけがない。 染み付いたトラウマや拗らせは転生しても治らない。 学園なんていじめの温床。ヒロインなんてどうせハニトラ。 死にたくない一心で、引きこもるために魔法を極め、護身のために剣を振るう。 拗らせすぎた元・底辺男が、無自覚に世界を救ったりヒロインを沼らせたりする、過剰自己防衛ファンタジー! -・-・-・-・-・- ※小説家になろう様にも投稿しています 毎日 朝7時 /昼12時 /夜19時 の3回更新中! (※軌道に乗ったら1回に変更予定)

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

転生三男のまったり開発記 ~魔法がなくても、前世の知識とガラクタいじりで世界を便利に変えていきます~

戯言の遊び
ファンタジー
【前世のオタク知識で、不便な異世界をちょっと便利に大改造!】 前世は「何でも屋」の息子で、機械の解体と研究をこよなく愛する技術オタク。 そんな俺が転生したのは、魔法が存在するものの非常に不便な中世レベルのファンタジー世界だった。 しかも、辺境を治める貧乏男爵家の三男坊という、家督の重圧もない完全なる「自由枠」 豊かな自然という名の素材の宝庫を前に、俺の技術オタクとしての血が騒がないわけがない! 風で飛んでいく洗濯物と手荒れに悩むメイドのため、ただの木切れを削って作った『洗濯バサミ』 それが屋敷中で大絶賛されたのを皮切りに、気難しい凄腕の鍛冶職人や、利益の匂いに敏い若き女商人を巻き込んで、俺の「ちょっと便利なモノづくり」はどんどんエスカレートしていくことに!? 大げさな魔法もチートもない。 けれど、前世の知識と底なしの探究心で、不便な世界をまったりと便利に成り上がっていく、三男坊の領地開発記!

異世界転生 剣と魔術の世界

小沢アキラ
ファンタジー
 普通の高校生《水樹和也》は、登山の最中に起きた不慮の事故に巻き込まれてしまい、崖から転落してしまった。  目を覚ますと、そこは自分がいた世界とは全く異なる世界だった。  人間と獣人族が暮らす世界《人界》へ降り立ってしまった和也は、元の世界に帰るために、人界の創造主とされる《創世神》が眠る中都へ旅立つ決意をする。  全三部構成の長編異世界転生物語。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。