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カイの過去
小学生編~出会い~
これは僕が何も知らなかった小学生の時の話。
隣には転校してきた金髪のハーフらしき少年が座っていた。
「ねぇ、俺の名前は神川零。君は?」
初めて自己紹介をされた。この少年は僕のクラスでの立ち位置を知らないのだろう。
「僕?カイだよ。」
「じゃあカイ、これからよろしくな!」
ニカッと笑う彼を心底哀れだと思う。僕と仲良くした者は女子であっても酷い報復を受ける。彼には悪いが僕の方から拒絶させてもらう。
「なんで?別に僕はよろしくしたくないんだけど。」
「だって隣の席じゃないか!とゆうわけで教科書持ってきてないから見せて?」
そんなことも気にせずに明るく言う彼を不思議に思う。
「それぐらいなら…」
これは引かなさそうだしな…
「ありがとうな!」
変なヤツだよ、ホント。僕なんかに構ってもいいことなんてないのに…
それから零はたびたび話かけてくるようになった。
「どうして俺らはいじめられてるんだろうな。」
「少なくともレイは僕にかまって相手してやらないからだよ。」
それに金髪っていうのもあるだろう、言わないけど。
「だって話合わないんだから仕方ないだろう?カイとギロンする方が百倍楽しいよ」
「賢そうな言い方してるけどチェスをしながらレイが愚痴ってるだけでしょ?…はい、チェックメイト」
「ええっ!マジかよ。これで何敗目なんだろう。」
「127試合中127敗だよ。敗北が知りたいね~。」
「クッソー、毎日やってるのに何で勝てねぇんだよ」
「やっぱり頭の差「言うんじゃねぇ!」」
「……ああ、そうだ。日頃のいじめの鬱憤を晴らしに行かねぇか?」
「どうやって晴らすの?」
「例えば、いじめっ子に偶然に見せかけたやり返しをしてその近くで反応を楽しむとか?」
「性格悪っ!……でも、いい案だね。」
そして僕らはいじめっ子達にいろいろないたずらを仕掛けた。例えば蛇のオモチャを木の上からタイミングよく落とせるよう仕掛けを作るとか、鞄の中にセンセイの私物を入れておくとか…
自分達がやられたことよりも随分と優しいものだったが僕らはそれに面白さを感じた。
何よりアイツらはバカだ。相手が何を嫌っているのかわからないままいじめをしている。
ある時僕の鞄は虫だらけになっていたが、僕は大の昆虫好きだ。逆に宝箱のように思えてレイにもうやめなさいと言われるまでずっと虫の観察をしていた。
僕ならばそんなへまはしない。アイツが蛇に一度噛まれて怖がっているという情報を仕入れていたため、イタズラに蛇を使ったのである。
ああ、どうやって調べたか?それはもちろん言えないな。
「ただいま」
部屋からは物音1つ聞こえてこない
うん、いつも通り。今21時なんだよね…小学校低学年の子供が徘徊してたのに親は何も言わない。それどころかそもそもばれてない。
そろそろネグレクトで捕まると思う。
月曜日の朝、起きたら机に5000円が置いてあり、それで朝と夜の食料を賄っている。
ここ数ヶ月親の顔をろくに見ていない。親は僕を気持ち悪がりあえて家に帰って来ないのだ。わざわざホテルに泊まったりする。
この前ホテルに泊まっていたよねと母親自身に言うと父親には絶対に言うんじゃないよとわめき散らかされた。
同じことを父親にも言うと、これまた面白いことに母親と同じことを言った。なんなら殴られたから母親よりもひどかった。
それでもレイがいたから何とか耐えていられた。でも人はいつか死ぬ。もしレイが死んでしまったなら僕はどうなるんだろうか?
レイがこの前貸してくれたパソコンをいじっているといろんなことがわかった。
少なくとも僕がこの地獄から解放されるのは成人してからということ。父親が大手企業の偉いさんであること。母親は学校の先生であることがわかった。
今のままでいいとは思わないけど、レイとの日々は僕の灰色だった世界に色を灯した。
そして、その色がついた世界をずっと見ていたい。
だけど命に“永遠”がないことぐらい僕もわかっている。いつか僕が心の底から笑える時に彼が側にいる、それだけで僕は満足なんだ。
僕はそう思って無神論者にも関わらず幾度となく訪れる夜を照らす月に祈りを捧げた。
隣には転校してきた金髪のハーフらしき少年が座っていた。
「ねぇ、俺の名前は神川零。君は?」
初めて自己紹介をされた。この少年は僕のクラスでの立ち位置を知らないのだろう。
「僕?カイだよ。」
「じゃあカイ、これからよろしくな!」
ニカッと笑う彼を心底哀れだと思う。僕と仲良くした者は女子であっても酷い報復を受ける。彼には悪いが僕の方から拒絶させてもらう。
「なんで?別に僕はよろしくしたくないんだけど。」
「だって隣の席じゃないか!とゆうわけで教科書持ってきてないから見せて?」
そんなことも気にせずに明るく言う彼を不思議に思う。
「それぐらいなら…」
これは引かなさそうだしな…
「ありがとうな!」
変なヤツだよ、ホント。僕なんかに構ってもいいことなんてないのに…
それから零はたびたび話かけてくるようになった。
「どうして俺らはいじめられてるんだろうな。」
「少なくともレイは僕にかまって相手してやらないからだよ。」
それに金髪っていうのもあるだろう、言わないけど。
「だって話合わないんだから仕方ないだろう?カイとギロンする方が百倍楽しいよ」
「賢そうな言い方してるけどチェスをしながらレイが愚痴ってるだけでしょ?…はい、チェックメイト」
「ええっ!マジかよ。これで何敗目なんだろう。」
「127試合中127敗だよ。敗北が知りたいね~。」
「クッソー、毎日やってるのに何で勝てねぇんだよ」
「やっぱり頭の差「言うんじゃねぇ!」」
「……ああ、そうだ。日頃のいじめの鬱憤を晴らしに行かねぇか?」
「どうやって晴らすの?」
「例えば、いじめっ子に偶然に見せかけたやり返しをしてその近くで反応を楽しむとか?」
「性格悪っ!……でも、いい案だね。」
そして僕らはいじめっ子達にいろいろないたずらを仕掛けた。例えば蛇のオモチャを木の上からタイミングよく落とせるよう仕掛けを作るとか、鞄の中にセンセイの私物を入れておくとか…
自分達がやられたことよりも随分と優しいものだったが僕らはそれに面白さを感じた。
何よりアイツらはバカだ。相手が何を嫌っているのかわからないままいじめをしている。
ある時僕の鞄は虫だらけになっていたが、僕は大の昆虫好きだ。逆に宝箱のように思えてレイにもうやめなさいと言われるまでずっと虫の観察をしていた。
僕ならばそんなへまはしない。アイツが蛇に一度噛まれて怖がっているという情報を仕入れていたため、イタズラに蛇を使ったのである。
ああ、どうやって調べたか?それはもちろん言えないな。
「ただいま」
部屋からは物音1つ聞こえてこない
うん、いつも通り。今21時なんだよね…小学校低学年の子供が徘徊してたのに親は何も言わない。それどころかそもそもばれてない。
そろそろネグレクトで捕まると思う。
月曜日の朝、起きたら机に5000円が置いてあり、それで朝と夜の食料を賄っている。
ここ数ヶ月親の顔をろくに見ていない。親は僕を気持ち悪がりあえて家に帰って来ないのだ。わざわざホテルに泊まったりする。
この前ホテルに泊まっていたよねと母親自身に言うと父親には絶対に言うんじゃないよとわめき散らかされた。
同じことを父親にも言うと、これまた面白いことに母親と同じことを言った。なんなら殴られたから母親よりもひどかった。
それでもレイがいたから何とか耐えていられた。でも人はいつか死ぬ。もしレイが死んでしまったなら僕はどうなるんだろうか?
レイがこの前貸してくれたパソコンをいじっているといろんなことがわかった。
少なくとも僕がこの地獄から解放されるのは成人してからということ。父親が大手企業の偉いさんであること。母親は学校の先生であることがわかった。
今のままでいいとは思わないけど、レイとの日々は僕の灰色だった世界に色を灯した。
そして、その色がついた世界をずっと見ていたい。
だけど命に“永遠”がないことぐらい僕もわかっている。いつか僕が心の底から笑える時に彼が側にいる、それだけで僕は満足なんだ。
僕はそう思って無神論者にも関わらず幾度となく訪れる夜を照らす月に祈りを捧げた。
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