異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

文字の大きさ
38 / 327
ルーヴルへの旅路

バルセまで

しおりを挟む
「こっからバルセまでってどれくらいかかんの?」


「うーん、のんびり歩いて一週間くらいかな…」


「そんなにかかるんだ。」


「直線距離ならもっと近いんだけど盗賊が頻繁に出るから迂回するんだ。そして、その迂回ルートには険しい山が多いみたいだから時間がかかるんだよ。その上、食料も現地調達になるしEランクにあがるために魔物を狩っていきたいからゆっくり行こうと思って。」

刺客も一旦は落ち着くだろう…

「Eランクにあがるための試験ってあるのか?」


「何かはわからないけどあるらしいよ。ただ、その試験を受けるにはある程度の実績が必要らしいんだ。常駐依頼にある薬草とかホーンラビットの角とかを達成することでもいいらしいから、それらを中心に集めて行きたい。」


「了解!…あと、カイ。いいのか?僕だけルーンの背中に乗って」


「いいよ。後々イリアスには体力をつけてもらわなければならないけど、今はその時じゃないし。体力的に一週間も歩きっぱなしはさすがにきついと思う。それにルーンも別に嫌じゃないでしょ?」

僕がそう言うと

「ワフン!」

と言ってしっぽをブンブンと振り回した

「ほらね。…あ、ホーンラビットだ。僕がやっていい?」

僕らから10数メートル離れた先にホーンラビットが1体いた。おそらくはぐれだ。

コウとイリアスが頷いたことを確認した後にナイフを取り出す。

少し近づいてナイフを投げるととホーンラビットの首に命中した。まあ、当然の結果だね

「おお!カイ、上手いな!」

でしょ?と胸をはる。

「信じられへんと思うけど、もともとめっちゃ下手やってんで。俺の犠牲によってここまで上手くなってん。感謝しぃや?カイ。」

それはそうだ。素直に感謝している。

「うん。おかげ様でこんなに上手くなったよ、ありがとう」

そう言うとコウは顔を赤くした

「あれ、顔赤くな「いい天気やな~、あっあんなとこにホーンバードが3体おる。俺行ってくるわ!」…」


「誤魔化しかたが下手だな。…てゆうか、ホーンバード?嫌な予感がするんだが?」


「…イリアス、僕らも応援に行こうか。」


「その方がよさそうだな」


僕らの少し前には10匹に増えたホーンバードに顔を青くさせたコウがいた。


「まったく、前に一回ホーンバードで痛目みたんだからちょっとは警戒してよ!」


「悪かったって!そこまで頭回らんかってん!」


「イリアス、リンを呼んであの鳥達を押さえて!」


「やってみる!リン!」


イリアスがそう呼ぶと


光と共にリンが出てきて草を操り鳥達の足を縛った。


「よし、今の内に攻撃するよ!」


動けないホーンバードを次々に狩っていく。

やっぱり全体攻撃できる手段がない限りホーンバードには手を出さない方がいいかもしれない。向こうから寄ってくるから稼ぎはいいけどうっかり自分達が殺されてしまう。どの世界でも数の暴力には敵わないからね。

そう思いながら20匹目のホーンバードの頭を落とした。



























「やっぱり美味しいな」

鶏肉よりも柔らかく焼いただけなのにこれ程の味ならば、ちゃんと調理すると物凄く美味しくなるだろう。

「ホーンバードの肉は柔はらはいからね…モグモグ、ゴックン。…そういえば僕の過去についてはまだ話せてなかったよね。」


「ああ。ちょうどフレイムベアに襲われたからな。」


「信じてくれないかもしれないけど実は僕には前世の記憶があるんだ。」


「前世?もしかしてカイは導かれし人リードなのか?」


「そうだよ。…前から思ってたんだんけどそんなに『導かれし人』って言葉は有名なの?」


「まあそうだな、童話にもあるからかなり有名だと思う。『導かれし人』は良くも悪くもこの世界を幾度と無く変えてきた。勇者となって人々を救った者もいれば独裁者となって人々を苦しめた者いる。まあどちらにせよこの世界にはない知識を持っているため初めは貴族や王族に囲われたらしいから公表はしない方がいいだろうな。でも、カイが導かれし人か~。思ったより驚きが無いな。ちなみに前世は何歳まで生きたんだ?」


「17歳だね。今世は寿命で死にたいかな」


「17歳には到底見えないんだがな…」


「でしょ?僕、17にはしては知的で大人びた青年だったんだよ」

僕がそう言うと2人は少し残念な子を見るような眼を向けてきた。

「いや、そっちやないと思うねんけど…」


「うん?」


「いや、何でもないで」

そう言って、なぜかコウとイリアスは目を合わせてハァーっとため息をついた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~

けろ
ファンタジー
【完結済み】 仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!? 過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。 救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。 しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。 記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。 偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。 彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。 「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」 強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。 「菌?感染症?何の話だ?」 滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級! しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。 規格外の弟子と、人外の師匠。 二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。 これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る

がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。 その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。 爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。 爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。 『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』 人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。 『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』 諸事情により不定期更新になります。 完結まで頑張る!

【完結】巻き込まれたけど私が本物 ~転移したら体がモフモフ化してて、公爵家のペットになりました~

千堂みくま
ファンタジー
異世界に幼なじみと一緒に召喚された17歳の莉乃。なぜか体がペンギンの雛(?)になっており、変な鳥だと城から追い出されてしまう。しかし森の中でイケメン公爵様に拾われ、ペットとして大切に飼われる事になった。公爵家でイケメン兄弟と一緒に暮らしていたが、魔物が減ったり、瘴気が薄くなったりと不思議な事件が次々と起こる。どうやら謎のペンギンもどきには重大な秘密があるようで……? ※恋愛要素あるけど進行はゆっくり目。※ファンタジーなので冒険したりします。

異世界でのんびり暮らしたいけど、なかなか難しいです。

kakuyuki
ファンタジー
交通事故で死んでしまった、三日月 桜(みかづき さくら)は、何故か異世界に行くことになる。 桜は、目立たず生きることを決意したが・・・ 初めての投稿なのでよろしくお願いします。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

処理中です...