251 / 327
夏休みの延長戦~自分にどう向き合うか~
疑惑の真相
しおりを挟む
次の日
「…ルーン、はやかったね。それじゃあ行くとしようか。」
シュディス商会の荷物をつんだ荷馬車は毎日バルセからライズに流れてきている。護衛もあまり強くはなさそうだし僕一人で十分だろう。
レインに飛び乗りルーンを膝の上にのせた。
「少し大人しくしていてね。」
外套についているフードをめ深くかぶり少し開けた道を走り抜けた。
※
※
※
数時間後
レインから降りて辺りを見回す。
僕の計算が正しければもう少しで会えるはず。
“索敵”
自分を中心にして薄く魔力を広げると数百メートル先に人の反応があった。動いていなさそうだから休憩中か…ちょうどいい。
茂みに隠れていた一角兎の首根っこを手に取りそこへ向かう。
『…おまえ、いつか動物愛護団体に訴えられるぞ』
残念ながらこれは動物じゃなくて魔物だからノーカンだよ。
そう心の中で呟きながら手に持った一角兎を商品が積んである荷馬車の中に投げ込んだ。
「キュィアァァ!!!!」
「なっ、なんだ?!なんでこんなところに…おい!さっさと追い出せ!商品に傷がつくだろ!!」
「はっ、はい…」
そういいながらも護衛らしき人たちは一角兎を捕まえようとしない。
追い出そうとしてから30秒後、一角兎の体には紫の痣できてその場に倒れてしまった。
シュディス商会が関わっていることがこれで証明できた。
これ以上ここにいても収穫はなさそうなのでレインとルーンが待っている場所まで急いで戻る。
『これからどうするつもりだ?』
「バルセに行く。シュディス商会はバルセを拠点にしてるからね。」
そういってさっきまでと変わらず僕はレインに飛び乗ったのだった。
♢
その頃ハルシャ邸にて
「なあ、カイおそない?ルーンもどっか行ってしまったし、レインも戻って来てへん。…家出?」
神妙な顔をしてコウがポツリとこぼす。
「…さすがに違うと信じたい。」
そんなイリアスの言葉にアイリスとアルフォードが首をかしげる。
「何か喧嘩でもしたんですか?」
「いや、そういうわけちゃうねんけど、ライズに戻ってからちょっと寄りたいとこがあるって言ったっきり帰ってこーへんねん。」
「でもマイペースなあの人のことだから今までもそういうことあったんじゃないのか?」
「あるにはあったが、今回みたいに日をまたいだことはないな。だいたい深夜には帰ってくるから…」
「いや、でもあの人興味持ったことは永遠してるだろ?学院でも本を読みたい気分だって言ったと思ったら三日三晩絶食絶水で徹夜で本読んでたぞ。」
「…マジか…じゃあどこかで本読んでるのか??」
「それはないと思いますよ。ライズにある本屋さんは夜8時には閉まってますし。図書館だって24時間開いてるわけじゃないんですから。それに、カイさんの顔は皆に知られてますし、そこら辺の道端で本を読んでいようが寝ていようが、誰かしら声をかけてくれるはずですし、公爵家の方にも連絡が来ると思います。」
「…そういえばアイツ、どんな場所でも寝れるもんな…道端で寝てても不思議ちゃうな。」
「この前、廊下でいろんな本をばらまきながら寝落ちしているカイを見てまじでひびった…」
「あれは心臓に悪いですよね…」
「結局あれはなんだったんだろうな。」
「あのあとカイさんに聞いたんですけど、図書室から自室に本を持っていって読もうとしている途中でめんどくさくなったからその場で読むことにしたって言ってました。」
「…そろそろ一言いわんとアカンかな...。ここの人たちカイには何も言わへんからな…ってちがう!その話やない!カイは結局どこにおるんっていう話やった。」
コウがそう言った時、ドアがガチャっと開いた。
「カイは今、仕事中だ。」
ルシアンはすました顔でそう言った後、談話室の端に置いてある机の上に置かれてあった封筒を拾いあげる。
「仕事中ってどういうことなんですか?」
「国家機密であるがゆえに君たちに伝えることはできない。が、まあ一週間ぐらいで…いや、時間がかかれば1ヶ月かな…それぐらいで帰ってくる。」
そんなルシアンの言葉に皆固まる。
「ええっ!!じゃあ夏休み返上ってことですか?」
「まっ、そうなるな。だがこれは仕事だから仕方がないことだ。わかってやってくれ。」
そう言って封筒を持ちながらルシアンは出ていった。
ルシアン視点
封筒を開け中に入ってあった手紙を流し読む。
「…毎度毎度、どうやってこの手紙を届けているんだか…。はやく帰ってきてくれ、お祖父様。みな、あなたが帰ってくるのを心待にしている。」
私はそう呟いて、手紙と封筒を火魔法で燃やしたのだった。
「…ルーン、はやかったね。それじゃあ行くとしようか。」
シュディス商会の荷物をつんだ荷馬車は毎日バルセからライズに流れてきている。護衛もあまり強くはなさそうだし僕一人で十分だろう。
レインに飛び乗りルーンを膝の上にのせた。
「少し大人しくしていてね。」
外套についているフードをめ深くかぶり少し開けた道を走り抜けた。
※
※
※
数時間後
レインから降りて辺りを見回す。
僕の計算が正しければもう少しで会えるはず。
“索敵”
自分を中心にして薄く魔力を広げると数百メートル先に人の反応があった。動いていなさそうだから休憩中か…ちょうどいい。
茂みに隠れていた一角兎の首根っこを手に取りそこへ向かう。
『…おまえ、いつか動物愛護団体に訴えられるぞ』
残念ながらこれは動物じゃなくて魔物だからノーカンだよ。
そう心の中で呟きながら手に持った一角兎を商品が積んである荷馬車の中に投げ込んだ。
「キュィアァァ!!!!」
「なっ、なんだ?!なんでこんなところに…おい!さっさと追い出せ!商品に傷がつくだろ!!」
「はっ、はい…」
そういいながらも護衛らしき人たちは一角兎を捕まえようとしない。
追い出そうとしてから30秒後、一角兎の体には紫の痣できてその場に倒れてしまった。
シュディス商会が関わっていることがこれで証明できた。
これ以上ここにいても収穫はなさそうなのでレインとルーンが待っている場所まで急いで戻る。
『これからどうするつもりだ?』
「バルセに行く。シュディス商会はバルセを拠点にしてるからね。」
そういってさっきまでと変わらず僕はレインに飛び乗ったのだった。
♢
その頃ハルシャ邸にて
「なあ、カイおそない?ルーンもどっか行ってしまったし、レインも戻って来てへん。…家出?」
神妙な顔をしてコウがポツリとこぼす。
「…さすがに違うと信じたい。」
そんなイリアスの言葉にアイリスとアルフォードが首をかしげる。
「何か喧嘩でもしたんですか?」
「いや、そういうわけちゃうねんけど、ライズに戻ってからちょっと寄りたいとこがあるって言ったっきり帰ってこーへんねん。」
「でもマイペースなあの人のことだから今までもそういうことあったんじゃないのか?」
「あるにはあったが、今回みたいに日をまたいだことはないな。だいたい深夜には帰ってくるから…」
「いや、でもあの人興味持ったことは永遠してるだろ?学院でも本を読みたい気分だって言ったと思ったら三日三晩絶食絶水で徹夜で本読んでたぞ。」
「…マジか…じゃあどこかで本読んでるのか??」
「それはないと思いますよ。ライズにある本屋さんは夜8時には閉まってますし。図書館だって24時間開いてるわけじゃないんですから。それに、カイさんの顔は皆に知られてますし、そこら辺の道端で本を読んでいようが寝ていようが、誰かしら声をかけてくれるはずですし、公爵家の方にも連絡が来ると思います。」
「…そういえばアイツ、どんな場所でも寝れるもんな…道端で寝てても不思議ちゃうな。」
「この前、廊下でいろんな本をばらまきながら寝落ちしているカイを見てまじでひびった…」
「あれは心臓に悪いですよね…」
「結局あれはなんだったんだろうな。」
「あのあとカイさんに聞いたんですけど、図書室から自室に本を持っていって読もうとしている途中でめんどくさくなったからその場で読むことにしたって言ってました。」
「…そろそろ一言いわんとアカンかな...。ここの人たちカイには何も言わへんからな…ってちがう!その話やない!カイは結局どこにおるんっていう話やった。」
コウがそう言った時、ドアがガチャっと開いた。
「カイは今、仕事中だ。」
ルシアンはすました顔でそう言った後、談話室の端に置いてある机の上に置かれてあった封筒を拾いあげる。
「仕事中ってどういうことなんですか?」
「国家機密であるがゆえに君たちに伝えることはできない。が、まあ一週間ぐらいで…いや、時間がかかれば1ヶ月かな…それぐらいで帰ってくる。」
そんなルシアンの言葉に皆固まる。
「ええっ!!じゃあ夏休み返上ってことですか?」
「まっ、そうなるな。だがこれは仕事だから仕方がないことだ。わかってやってくれ。」
そう言って封筒を持ちながらルシアンは出ていった。
ルシアン視点
封筒を開け中に入ってあった手紙を流し読む。
「…毎度毎度、どうやってこの手紙を届けているんだか…。はやく帰ってきてくれ、お祖父様。みな、あなたが帰ってくるのを心待にしている。」
私はそう呟いて、手紙と封筒を火魔法で燃やしたのだった。
3
あなたにおすすめの小説
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる