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12話
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それからジンは私の従者として常に隣で寄り添ってくれた。ジンは以前いた世界では『役立たず』と鞭を打たれることが多かったというが、ジンの働きを見る限りそのようには感じなかった。
指示されたことはすぐに行い、要領も悪くない。分からないことがあれば調べる勤勉さも持ち合わせている。
そして、私のことを一番に気にかけてくれる優しさをもつジンに、私は心が救われていた。
「ゲイル様、今日はお疲れのようだったので気持ちが穏やかになるハーブティーを準備しました」
「ありがとう、ジン」
教会での仕事を終えて、疲れ切った私の体にジンの淹れてくれたハーブティーが体を癒してくれる。
ほかほかと温まると、眠気が強くなる。
「ジン、そろそろ寝よう」
「はい」
ジンに声をかけると、一緒のベッドに眠る。
結界にいた時から私たちは共に眠っていたが、それは屋敷に来てからも続いていた。
ジンには『ジンに異変があった時、すぐに対応するため』と、伝えていたが実際は違う。
ともに眠る温かさを知ってしまった今、以前のように一人で眠るのが怖かったからだ。情けない理由を口にすることはもちろんない。
私はそっと眠るジンに近づき体温を確かめるように手を握る。
———あたたかいな。
そして、そのぬくもりを手にしたまま今日も私は深い眠りに落ちていく。
いつまでも続くであろうジンと過ごすあたたかな生活。ジンをみているうちに、私の心はジンに囚われていくのが分かった。
特別な感情を口に出してしまえば、ジンに嫌われてしまうかもしれないという恐怖が襲う。
それならば、今の関係のままずっと一緒にいることを望んだ。
お互いに世間からは忌み嫌われる存在。
だが、私たちは互いを必要としている。
ジンは自分が生きるために私を必要とし、私はジンが与えてくれるぬくもりを必要としていた。
私たちを縛り付ける鎖は永遠に切れることはない。
永遠に……。
◇◇◇
そして、月日は流れジンと出会ってから八年が経つ。
ジンとエクラは十八になり、成人の儀をすませ大人の仲間入りをはたす。
エクラとジンは同い年ということもあってか、二人は出会ってからずっと仲の良い親友のような関係性を築いていた。
ジンにとってエクラは、この世界で私以外の唯一の味方だ。そんなエクラにジンも懐いている。
私が呪いを体内に閉じ込めている間も、エクラがジンのそばにいてくれた。教会の中には今だにジンを呪いだといい嫌っている者も多い。
だが、私やエクラがいれば表立って攻撃してくる者はいない。まぁ、大切なジンを傷つけるような奴がいれば私が許しておかない。
私はこの八年で力を手に入れることに尽力した。
ジンを守るために、私自身の価値を高めるためにも呪いについて研究した。そして、ずっと忌まわしかった自身の能力を進化させ、私の今の教会での権力は教皇様とエクラに次ぐ。
私の力は呪いを溜め込むだけでなく、その溜め込んだ呪いを人や物へそそぐことができるようになったのだ。
今まで人々は呪いをかけるために自らを犠牲にした。しかし、私ならば体内に溜め込んだ呪いを犠牲を払わずに目的の人間へ与えられる。
この事実は教皇様と国王しか知ることのない極秘事項。この能力によって国王は私を認め地位を授けてくれた。そして、義父の教皇様も『お前は自慢の義理息子だ』と言ってくれる。
人々に認められ、大切な人を守り過ごしていく穏やかな時間。
全ては順調に進んでいた。
指示されたことはすぐに行い、要領も悪くない。分からないことがあれば調べる勤勉さも持ち合わせている。
そして、私のことを一番に気にかけてくれる優しさをもつジンに、私は心が救われていた。
「ゲイル様、今日はお疲れのようだったので気持ちが穏やかになるハーブティーを準備しました」
「ありがとう、ジン」
教会での仕事を終えて、疲れ切った私の体にジンの淹れてくれたハーブティーが体を癒してくれる。
ほかほかと温まると、眠気が強くなる。
「ジン、そろそろ寝よう」
「はい」
ジンに声をかけると、一緒のベッドに眠る。
結界にいた時から私たちは共に眠っていたが、それは屋敷に来てからも続いていた。
ジンには『ジンに異変があった時、すぐに対応するため』と、伝えていたが実際は違う。
ともに眠る温かさを知ってしまった今、以前のように一人で眠るのが怖かったからだ。情けない理由を口にすることはもちろんない。
私はそっと眠るジンに近づき体温を確かめるように手を握る。
———あたたかいな。
そして、そのぬくもりを手にしたまま今日も私は深い眠りに落ちていく。
いつまでも続くであろうジンと過ごすあたたかな生活。ジンをみているうちに、私の心はジンに囚われていくのが分かった。
特別な感情を口に出してしまえば、ジンに嫌われてしまうかもしれないという恐怖が襲う。
それならば、今の関係のままずっと一緒にいることを望んだ。
お互いに世間からは忌み嫌われる存在。
だが、私たちは互いを必要としている。
ジンは自分が生きるために私を必要とし、私はジンが与えてくれるぬくもりを必要としていた。
私たちを縛り付ける鎖は永遠に切れることはない。
永遠に……。
◇◇◇
そして、月日は流れジンと出会ってから八年が経つ。
ジンとエクラは十八になり、成人の儀をすませ大人の仲間入りをはたす。
エクラとジンは同い年ということもあってか、二人は出会ってからずっと仲の良い親友のような関係性を築いていた。
ジンにとってエクラは、この世界で私以外の唯一の味方だ。そんなエクラにジンも懐いている。
私が呪いを体内に閉じ込めている間も、エクラがジンのそばにいてくれた。教会の中には今だにジンを呪いだといい嫌っている者も多い。
だが、私やエクラがいれば表立って攻撃してくる者はいない。まぁ、大切なジンを傷つけるような奴がいれば私が許しておかない。
私はこの八年で力を手に入れることに尽力した。
ジンを守るために、私自身の価値を高めるためにも呪いについて研究した。そして、ずっと忌まわしかった自身の能力を進化させ、私の今の教会での権力は教皇様とエクラに次ぐ。
私の力は呪いを溜め込むだけでなく、その溜め込んだ呪いを人や物へそそぐことができるようになったのだ。
今まで人々は呪いをかけるために自らを犠牲にした。しかし、私ならば体内に溜め込んだ呪いを犠牲を払わずに目的の人間へ与えられる。
この事実は教皇様と国王しか知ることのない極秘事項。この能力によって国王は私を認め地位を授けてくれた。そして、義父の教皇様も『お前は自慢の義理息子だ』と言ってくれる。
人々に認められ、大切な人を守り過ごしていく穏やかな時間。
全ては順調に進んでいた。
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