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18話
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エクラは目を見開き、自分に何が起こっているのか分からず私の腕を掴み抵抗する。その間にも、呪いはエクラの体へと流れ込み浸食していく。
「———ッッ!?」
ようやく何をされたのか理解したエクラは、浄化魔法を自分の体にかけるが……呪いの多さに少しずつにエクラの体が変化していく。
苦労をしらない指先が歪な形へと変わり、煌めく黄金色の瞳は血走り光を失っていく。
美しい澄んだ声は消え失せ、不気味な呻き声を発する。
そして、呪いに飲み込まれたエクラの体はどんどん形を変えていく。
長い長いエクラとの口付けを終えた頃には、エクラとしての形を保ってはいなかった。
そこにいたのは真っ白な人型の異形。
「……エクラ」
声をかけて、顔を撫でれば「ギィ……」と声を発する。愛らしい姿に変わったエクラを見つめ、口元を綻ばせる。
「さぁ、エクラ。私とジンの世界を作ってくれ」
そう命令すると、背中から生えた骨張った翼を羽ばたかせエクラはステンドグラスを突き抜けて外へ。
教会の外から聞こえる悲鳴に耳を傾けながら、私は歩き出す。
「……さぁ、もっと世界を作り替えなければ」
……そして、慌しい一日の終わりを告げる鐘がなる。
教会にいた司祭を一人のこらず魔物に変え、王都へ解き放つ。国の中枢から解き放たれた魔物に王都は大きな混乱に陥る。
次々と人々を襲い、恐怖に陥れる魔物達。
私とジンを縛るもの全てを彼らが壊してくれる。
中でもエクラは最高だった。
真っ白な歪な羽を羽ばたかせ、この国の終わりを告げる叫び声を響き渡らせる。
そして……国王の首を手に私のもとへと戻ってくる。
真っ白な体は返り血で赤く染まり、高潔なエクラの姿はそこにはない。
「やっと、お前もここまで落ちてきたのだな……」
嬉しさのあまりニタリと微笑んでいると、背後から震える声が聞こえてくる。
「ゲイル様……」
振り向くとジンが立ちすくんでいた。
「ジン、目が覚めたんだね。おはよう」
「ゲイル様、そ、その隣にいるのは……魔物……」
ジンは魔物になったエクラを見つめ、恐怖に満ちた表情を見せる。
「大丈夫だよ、ジン。この魔物は私たちを傷つけはしない」
「え……?」
「ジンにはこの魔物が何に見えるかい?」
小さく震え、真っ白な魔物と化したエクラを見つめるジン。
すると、エクラが声をあげる。
「ジ………ン……」
「…………エ……クラ様……?」
「ほぅ、こんな形になっても、僅かに自我が残っているのか。流石、神の子と言われるだけはあるのだな」
「ゲイル……様? これは一体、どういうこと……ですか? なんで……なんで……エクラ様が……」
声を震わせエクラを見つめ続けるジン。
瞳は涙で溢れ今にもこぼれ落ちてしまいそうだ。
固まったまま動けないジンに近づき、頭を撫でるとビクリと震える。
「ジン、エクラは呪われて魔物になってしまったんだ」
私の言葉を聞いたジンの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
「———ッッ!?」
ようやく何をされたのか理解したエクラは、浄化魔法を自分の体にかけるが……呪いの多さに少しずつにエクラの体が変化していく。
苦労をしらない指先が歪な形へと変わり、煌めく黄金色の瞳は血走り光を失っていく。
美しい澄んだ声は消え失せ、不気味な呻き声を発する。
そして、呪いに飲み込まれたエクラの体はどんどん形を変えていく。
長い長いエクラとの口付けを終えた頃には、エクラとしての形を保ってはいなかった。
そこにいたのは真っ白な人型の異形。
「……エクラ」
声をかけて、顔を撫でれば「ギィ……」と声を発する。愛らしい姿に変わったエクラを見つめ、口元を綻ばせる。
「さぁ、エクラ。私とジンの世界を作ってくれ」
そう命令すると、背中から生えた骨張った翼を羽ばたかせエクラはステンドグラスを突き抜けて外へ。
教会の外から聞こえる悲鳴に耳を傾けながら、私は歩き出す。
「……さぁ、もっと世界を作り替えなければ」
……そして、慌しい一日の終わりを告げる鐘がなる。
教会にいた司祭を一人のこらず魔物に変え、王都へ解き放つ。国の中枢から解き放たれた魔物に王都は大きな混乱に陥る。
次々と人々を襲い、恐怖に陥れる魔物達。
私とジンを縛るもの全てを彼らが壊してくれる。
中でもエクラは最高だった。
真っ白な歪な羽を羽ばたかせ、この国の終わりを告げる叫び声を響き渡らせる。
そして……国王の首を手に私のもとへと戻ってくる。
真っ白な体は返り血で赤く染まり、高潔なエクラの姿はそこにはない。
「やっと、お前もここまで落ちてきたのだな……」
嬉しさのあまりニタリと微笑んでいると、背後から震える声が聞こえてくる。
「ゲイル様……」
振り向くとジンが立ちすくんでいた。
「ジン、目が覚めたんだね。おはよう」
「ゲイル様、そ、その隣にいるのは……魔物……」
ジンは魔物になったエクラを見つめ、恐怖に満ちた表情を見せる。
「大丈夫だよ、ジン。この魔物は私たちを傷つけはしない」
「え……?」
「ジンにはこの魔物が何に見えるかい?」
小さく震え、真っ白な魔物と化したエクラを見つめるジン。
すると、エクラが声をあげる。
「ジ………ン……」
「…………エ……クラ様……?」
「ほぅ、こんな形になっても、僅かに自我が残っているのか。流石、神の子と言われるだけはあるのだな」
「ゲイル……様? これは一体、どういうこと……ですか? なんで……なんで……エクラ様が……」
声を震わせエクラを見つめ続けるジン。
瞳は涙で溢れ今にもこぼれ落ちてしまいそうだ。
固まったまま動けないジンに近づき、頭を撫でるとビクリと震える。
「ジン、エクラは呪われて魔物になってしまったんだ」
私の言葉を聞いたジンの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
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