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【番外編★現在更新中★】ジェイドとリエンのやり直し
ジェイドとリエンのやり直しの人生 〜嵐の夜に①〜
澄んだ空気に包まれ始める初夏の朝。屋敷から見える裏庭の森は青々とした葉を揺らし太陽を待ち焦がれている。
その風景を見ていると、十二歳のあの出来事を思い出す。
シャルル兄さんと嵐の中二人きりで過ごした一晩。互いの肌を重ね暖をとり、常に私を気遣い優しさで包み込んでくれた夜のことは一生忘れられない。
やり直しの人生が始まって四年。私たちと兄さんにが進む未来は同じ道を辿っているところがある。
それは私たちにとって忘れられない兄さんとの思い出が深い場面ばかりだ。
昔、兄さんが私とリエンにやり直しの人生を送っていた時のことを話してくれた時、兄さんは少し困ったような顔をして話してくれたことを思い出す。
『俺が一度目で二人にひどいことをした場面は、必ず繰り返されるんだ。きっと神様は、二度目では二人を大切にしろと言いたくて同じ場面を繰り返させたんだろうな。でも、やり直しの人生でも俺は上手くできなくて……二人に幸せをもらってばかりだったよ』
困ったような笑顔の裏で兄さんは一人悩み苦しんでいた。そんな兄さんを、このやり直しの人生ではさらに幸せにしてあげたい……いや、しなくてはいけないのだ。
そのためには、兄さんが苦しむような出来事を起こしてはいけない。
森への散策は私にとって大切な思い出だが、兄さんはその後、熱を出し苦しい思いをさせてしまう。
嵐の中、二人きりで肌を寄せ合って過ごす時間は本当にいいものだった……だが、兄さんを苦しめるのは……いや、山籠りの準備を完璧にして私が逆に兄さんを温めてあげればいいだけじゃないか。
そんなことを延々と考える日々を送っていると、ついにその時が訪れる。
シャルル兄さんからの森の狩猟のお誘いがきたのだ。
前回は森で散策し、私が馬の手綱を離し転倒したのとにより兄さんに多大な迷惑をかけてしまう。
今回の狩猟も、何かをきっかけに同じようなことが起こるかもしれない。迷っているとリエンがひょこりと顔を出す。
「ねぇ、シャルル兄様。僕も一緒に狩りにいっていい?」
まさかのリエンの登場に目を丸くしていると、シャルル兄さんは二つ返事で承諾する。
「俺は構わないが、リエンは乗馬の経験はあるのか? 弓を引くのも力がいるし、獲物がいなければただ森の中を散策するだけで楽しくないかもしれないぞ?」
「大丈夫大丈夫~! 僕はシャルル兄様の隣にいれたら楽しいから」
リエンと目が合うと、ニッと不敵な笑顔を浮かべた。
兄さんと狩猟の日程を決め終わった後、リエンを捕まえる。
「リエン、どういうつもりだ」
「どうもこうも僕は兄様たちの未来が変わるのか試してみたかったんだよ」
「未来を変える?」
「そうそう。本当だったら、二人で遭難してしまうところを、僕が参加することによってどう未来が変わるのか気になってさ。もしも、今まで通りに遭難しても、ジェイド兄様が助かる方法は知ってるから安全かなと思って。僕の予想だと、やり直し前よりも危険なことは起きないんじゃないかな~って予想してるんだ。僕たちの行動で未来がどう変わるか知っておいて損はないでしょ?」
確かに未来が変わるかどうかは気になるところだ。シャルル兄さんは自分の行動で未来は変わったと言っていた。
では、私たちが行動を変えればどう変化していくのか知っておいて損はない……か。
リエンの言葉に頷き、準備を始めていく。
兄さんが幸せになる未来を知るために。
その風景を見ていると、十二歳のあの出来事を思い出す。
シャルル兄さんと嵐の中二人きりで過ごした一晩。互いの肌を重ね暖をとり、常に私を気遣い優しさで包み込んでくれた夜のことは一生忘れられない。
やり直しの人生が始まって四年。私たちと兄さんにが進む未来は同じ道を辿っているところがある。
それは私たちにとって忘れられない兄さんとの思い出が深い場面ばかりだ。
昔、兄さんが私とリエンにやり直しの人生を送っていた時のことを話してくれた時、兄さんは少し困ったような顔をして話してくれたことを思い出す。
『俺が一度目で二人にひどいことをした場面は、必ず繰り返されるんだ。きっと神様は、二度目では二人を大切にしろと言いたくて同じ場面を繰り返させたんだろうな。でも、やり直しの人生でも俺は上手くできなくて……二人に幸せをもらってばかりだったよ』
困ったような笑顔の裏で兄さんは一人悩み苦しんでいた。そんな兄さんを、このやり直しの人生ではさらに幸せにしてあげたい……いや、しなくてはいけないのだ。
そのためには、兄さんが苦しむような出来事を起こしてはいけない。
森への散策は私にとって大切な思い出だが、兄さんはその後、熱を出し苦しい思いをさせてしまう。
嵐の中、二人きりで肌を寄せ合って過ごす時間は本当にいいものだった……だが、兄さんを苦しめるのは……いや、山籠りの準備を完璧にして私が逆に兄さんを温めてあげればいいだけじゃないか。
そんなことを延々と考える日々を送っていると、ついにその時が訪れる。
シャルル兄さんからの森の狩猟のお誘いがきたのだ。
前回は森で散策し、私が馬の手綱を離し転倒したのとにより兄さんに多大な迷惑をかけてしまう。
今回の狩猟も、何かをきっかけに同じようなことが起こるかもしれない。迷っているとリエンがひょこりと顔を出す。
「ねぇ、シャルル兄様。僕も一緒に狩りにいっていい?」
まさかのリエンの登場に目を丸くしていると、シャルル兄さんは二つ返事で承諾する。
「俺は構わないが、リエンは乗馬の経験はあるのか? 弓を引くのも力がいるし、獲物がいなければただ森の中を散策するだけで楽しくないかもしれないぞ?」
「大丈夫大丈夫~! 僕はシャルル兄様の隣にいれたら楽しいから」
リエンと目が合うと、ニッと不敵な笑顔を浮かべた。
兄さんと狩猟の日程を決め終わった後、リエンを捕まえる。
「リエン、どういうつもりだ」
「どうもこうも僕は兄様たちの未来が変わるのか試してみたかったんだよ」
「未来を変える?」
「そうそう。本当だったら、二人で遭難してしまうところを、僕が参加することによってどう未来が変わるのか気になってさ。もしも、今まで通りに遭難しても、ジェイド兄様が助かる方法は知ってるから安全かなと思って。僕の予想だと、やり直し前よりも危険なことは起きないんじゃないかな~って予想してるんだ。僕たちの行動で未来がどう変わるか知っておいて損はないでしょ?」
確かに未来が変わるかどうかは気になるところだ。シャルル兄さんは自分の行動で未来は変わったと言っていた。
では、私たちが行動を変えればどう変化していくのか知っておいて損はない……か。
リエンの言葉に頷き、準備を始めていく。
兄さんが幸せになる未来を知るために。
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