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【番外編★現在更新中★】ジェイドとリエンのやり直し
ジェイドとリエンのやり直しの人生 〜嵐の夜に③〜
呆然と座り込む私と兄さんの体に叩きつけられるような雨が襲いかかる。
「リエンを助けないと……」
立ちあがろうとするが右足に激痛が走り、両腕を地面についたまま動けない。ぬかるんだ地面にぐっと指を押し付け不甲斐ない自分に苛立っていると、シャルル兄さんが手を差し伸べてくれる。
「ジェイド、まずはあそこの洞穴に避難しよう。この状態ではリエンを助けにいけない」
「……はい」
兄さんの手を借りなんとか立ち上がり洞穴へと向かう。
薄暗い洞穴の中に入ると、奥からひやりとする風が吹いてくる。雨に濡れた体が冷え、ぶるりと震えた。
だが、雨に打たれないだけマシ、か……。
リエンが消えた森の奥を見つめていると、兄さんが声をかけてくる。
「ジェイド、足は大丈夫か?」
「あ、はい。ひねった程度なので少し痛むだけです」
強く痛むが兄さんに心配をかけたくなくて無理に笑顔をつくる。だが、兄さんにはお見通しのようで「そんなわけないだろ」と心配された。
体が冷えないように濡れた服をぬぎ、絞った服を兄さんが岩場に干してくれる。
小枝を拾い集め火を付け、手持ちのタオルで濡れた体を乾かせば幾分寒さはマシになった。
一度目の時は、ここでシャルル兄さんの家族への思いや優しさに触れ、胸の奥に秘めていた兄さんへの思いが膨れ上がったのを思い出す。
だが、今は私も兄さんもリエンの安否だけを心配し、じっと真っ暗闇の森の奥を見つめていた。
— —助けにいかなければ……だが……
疼きと熱をもつ役立たずの自分の右足に心の中で舌打ちしてしまう。今、私がリエンを助けに行くと言えばシャルル兄さんに心配をかけてしまうのは間違いない。
リエンのことだから、どうにかして自分の身を守ることはできるだろう。ここは、嵐がおさまる朝まで様子を見る選択を選んだ方が賢明だろう。
そう結論付けた時、シャルル兄さんが干していた服に腕を通していた。
「え、シャルル兄さん。服は、まだ乾いていないですよ?」
「あぁ、そうだな。でも、また濡れるからどうってことないさ」
「また……濡れる?」
シャツとジャケットを着終えた兄さんは、最低限の荷物を持ち私の方へやってくる。
「ジェイド、ここで待っててくれないか」
「兄さん、リエンを探しにいくつもりですか!? こんな嵐の夜に探しに行くのは無謀です。シャルル兄さんも遭難や怪我をしてしまうかもしれないんですよ! リエンならば、きっと大丈夫です。嵐は朝には落ち着くはずですから、それを待ってからでも……」
「ジェイド、心配してくれてありがとう。でも、リエンはきっと俺のことを待ってるんだ。こんな嵐の中で一人ぼっちなんて……辛いだろ。それに、この森は俺にとって庭みたいなものだから、馬が逃げていきそうな場所の目処はあるからさ。必ず二人で戻ってくるから」
シャルル兄さんはそう言うと、私の頭をポンポンと優しく撫で柔らかな笑顔を向ける。ただ、撫でられた指先から恐怖心を感じた。
あの嵐を見て恐怖を感じない人間はいないだろう。それでも、兄さんはリエンのために……
兄さんの服の裾をぐっと掴み、引き寄せる。
両腕で兄さんを抱きしめた。
「すみません、兄さん。リエンをよろしくお願いします……」
「あぁ、任せてくれ。必ずリエンを見つけてくるから。そして、三人で家に帰ろう」
兄さんの恐怖心を和らげようと抱きしめたはずなのに、気がつけばシャルル兄さんに強く抱きしめられていた。
両腕から伝わる意志の強さと気持ちに胸が熱くなる。
そして、シャルル兄さんは嵐の森の中を駆けていった。
「リエンを助けないと……」
立ちあがろうとするが右足に激痛が走り、両腕を地面についたまま動けない。ぬかるんだ地面にぐっと指を押し付け不甲斐ない自分に苛立っていると、シャルル兄さんが手を差し伸べてくれる。
「ジェイド、まずはあそこの洞穴に避難しよう。この状態ではリエンを助けにいけない」
「……はい」
兄さんの手を借りなんとか立ち上がり洞穴へと向かう。
薄暗い洞穴の中に入ると、奥からひやりとする風が吹いてくる。雨に濡れた体が冷え、ぶるりと震えた。
だが、雨に打たれないだけマシ、か……。
リエンが消えた森の奥を見つめていると、兄さんが声をかけてくる。
「ジェイド、足は大丈夫か?」
「あ、はい。ひねった程度なので少し痛むだけです」
強く痛むが兄さんに心配をかけたくなくて無理に笑顔をつくる。だが、兄さんにはお見通しのようで「そんなわけないだろ」と心配された。
体が冷えないように濡れた服をぬぎ、絞った服を兄さんが岩場に干してくれる。
小枝を拾い集め火を付け、手持ちのタオルで濡れた体を乾かせば幾分寒さはマシになった。
一度目の時は、ここでシャルル兄さんの家族への思いや優しさに触れ、胸の奥に秘めていた兄さんへの思いが膨れ上がったのを思い出す。
だが、今は私も兄さんもリエンの安否だけを心配し、じっと真っ暗闇の森の奥を見つめていた。
— —助けにいかなければ……だが……
疼きと熱をもつ役立たずの自分の右足に心の中で舌打ちしてしまう。今、私がリエンを助けに行くと言えばシャルル兄さんに心配をかけてしまうのは間違いない。
リエンのことだから、どうにかして自分の身を守ることはできるだろう。ここは、嵐がおさまる朝まで様子を見る選択を選んだ方が賢明だろう。
そう結論付けた時、シャルル兄さんが干していた服に腕を通していた。
「え、シャルル兄さん。服は、まだ乾いていないですよ?」
「あぁ、そうだな。でも、また濡れるからどうってことないさ」
「また……濡れる?」
シャツとジャケットを着終えた兄さんは、最低限の荷物を持ち私の方へやってくる。
「ジェイド、ここで待っててくれないか」
「兄さん、リエンを探しにいくつもりですか!? こんな嵐の夜に探しに行くのは無謀です。シャルル兄さんも遭難や怪我をしてしまうかもしれないんですよ! リエンならば、きっと大丈夫です。嵐は朝には落ち着くはずですから、それを待ってからでも……」
「ジェイド、心配してくれてありがとう。でも、リエンはきっと俺のことを待ってるんだ。こんな嵐の中で一人ぼっちなんて……辛いだろ。それに、この森は俺にとって庭みたいなものだから、馬が逃げていきそうな場所の目処はあるからさ。必ず二人で戻ってくるから」
シャルル兄さんはそう言うと、私の頭をポンポンと優しく撫で柔らかな笑顔を向ける。ただ、撫でられた指先から恐怖心を感じた。
あの嵐を見て恐怖を感じない人間はいないだろう。それでも、兄さんはリエンのために……
兄さんの服の裾をぐっと掴み、引き寄せる。
両腕で兄さんを抱きしめた。
「すみません、兄さん。リエンをよろしくお願いします……」
「あぁ、任せてくれ。必ずリエンを見つけてくるから。そして、三人で家に帰ろう」
兄さんの恐怖心を和らげようと抱きしめたはずなのに、気がつけばシャルル兄さんに強く抱きしめられていた。
両腕から伝わる意志の強さと気持ちに胸が熱くなる。
そして、シャルル兄さんは嵐の森の中を駆けていった。
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