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【番外編★現在更新中★】ジェイドとリエンのやり直し
ジェイドとリエンのやり直しの人生 ⑥
シャルル兄さんの部屋の前へと到着し、扉をノックする。
「シャルル兄さん。ジェイドとリエンです。……部屋に入ってもいいですか?」
思い切って部屋に入れてくれと頼んでみるが……もちろん返事はない。
もう一度、声をかけようとするとか細い声で返事が返ってくる。
「ぐす……うるさい……。来るな……」
その声は震えていて……きっとシャルル兄さんは泣いている……。
そう思うといても経ってもいられず、私とリエンはシャルル兄さんの部屋の扉を開け中へ入っていった。
シャルル兄さんは亡くなった母さんの肖像画の前で膝を抱え蹲っていた……。鼻を啜り必死に泣き声を抑えている姿に胸が激しく締め付けられる……。
「シャルル兄さん……」
「シャルル兄様……」
私とリエンが声をかけると、兄さんは顔を上げて目に涙を浮かべて私達を睨みつける。
「どうしてお前達はいつもいい子ぶるんだ! どうして泣かない! 怒らない! 俺は……お前達の事なんて大嫌いなんだ! お前達だって本当は俺の事なんて嫌いなんだろ!」
シャルル兄さんは私達の本心が分からずに困惑しているようだ……。
私達のシャルル兄さんに対する気持ちは……『好き』以外ありえない。
「シャルル兄さん……。私達はシャルル兄さんの事が大好きですよ。兄さんにいくら嫌われようと、その気持ちは変わりません」
「そうだよ。僕達はシャルル兄様の事が大好きだよ。シャルル兄様を嫌いになんて……絶対にならない!」
シャルル兄さんは私とリエンの答えに大きな目を瞬かせる。そして、顔をくしゃりと歪める小さな唇を震わせる……。
「なんで……なんでお前達は……そんな……そんな事ばかり言うんだよぉ……」
水色の瞳からポロポロと零れ落ちる涙を今すぐにでも拭い抱きしめたい気持ちを必死に我慢して、シャルル兄さんが驚かないようにゆっくりと兄さんに近づいていく。
「兄様……。泣かないで……」
「お前たちが悪いんだぞ……。お前達が……俺に優しくするから……もう……何が何だか……分かんないんだよ……」
蹲るシャルル兄さんの傍へと辿り着くと腰を下ろし、兄さんに寄り添うように座る。
「シャルル兄さん……。私達はシャルル兄さんの事を嫌いだなんて一度も思った事はありませんよ。むしろ、シャルル兄さんと仲良くなりたいんです」
「仲……良く……?」
私の言葉に顔を上げ涙で濡れた瞳を大きく見開くと、シャルル兄さんは不思議そうな顔で首を小さく傾げる。
「そうです。兄さんと仲良くなりたいんです……」
そう言って小さな手を握れば、手を払われそうになるがギュッと握りしめると兄さんは抵抗をやめる。
「なんでそう思えるんだ……? 俺はお前らに酷いことを言ったんだぞ……。服だって切り裂いて……」
「それは兄さんが寂しかったからでしょう? 父さんが突然再婚して、私達が来て……自分の居場所が無くなったって思ったんじゃないですか?」
シャルル兄さんは何で自分の気持ちを知っているんだと驚いた様子で私を見つめてくるが、これは以前兄さんから話を聞いていたのでその言葉を借りただけだ。
私の言葉に兄さんは小さな体を震わせる。
きっと……我慢の限界だったんだろう……。
どうすればシャルル兄さんの心を癒す事ができるのか……考える前に私とリエンはシャルル兄さんをそっと抱きしめる。今の小さな体では兄さんを包み込む事は出来ないが、私達の精一杯の気持ちを込めて……。
シャルル兄さんは私達に抱きしめられ驚いた様子だったが……そのまま私の胸に顔を埋める。
シャルル兄さんの黒髪にそっと触れ優しく頭を撫でると、兄さんは声を押し殺してまた涙を流す……。
「シャルル兄さん……。一人で抱え込まないで下さい。辛く悲しい時には私達が必ず傍で支えます……。私とリエンはどんな時も兄さんの味方ですよ」
その言葉に反応したシャルル兄さんはゆっくりと顔を起こす。
「本当か……?」
「えぇ。嘘はつきませんよシャルル兄さん」
シャルル兄さんに微笑みかければ、横からリエンも兄さんに声をかける。
「シャルル兄様! 僕もずっとずっと傍にいてシャルル兄様を守るから安心してね!」
シャルル兄さんはエヘヘと、可愛らしく笑顔を向けるリエンを見つめるとボソリと呟く。
「……リエンに守ってもらうのは頼りないな」
「えぇ!? なんでそんな酷い事いうのシャルル兄さまぁぁ~」
シャルル兄さんの言葉に大袈裟にショック受けるリエンの顔が可笑しかったのか……兄さんは小さく笑みを溢す。久しぶり見るシャルル兄さんの本当の笑顔は、以前と変わらずとても可愛らしく綺麗だ……。
そして、その笑顔に吸い寄せられ………私は無意識にシャルル兄さんの頬にキスをしてしまう。
私の突然の行為にシャルル兄さんは目を見開いたままこちらを見つめてくる……。
「ジェイド……。なんで……キスするんだ……?」
「あぁ……えっとぉ…………この前読んだ本に書いてあったんです。憎しみの心を癒すには、愛情を込めたキスをするのがいいらしく、仲直りする時に使うと効果があるんだとか……」
お伽話などでよく使われるキスの設定を用いた苦しい言い訳だが、シャルル兄さんは「そうか……」と、納得してくれる。
本当はいつもの癖と、あまりにも兄さんが可愛くてキスしてしまっただけなのだが……。
「キスなんて好きな者同士でする行為だと思っていたが……お前達は仲直りする時に頬にキスをするのか?」
「え? あ……えっとぉ……」
「それがお前達流の仲直りの方法ならば……俺もその方法を使う。ジェイド、リエン……仲直りが……したい」
シャルル兄さんが……私達と仲直り……してくれる!?
そして……も、もしかしたら私達の頬に……キスをしてくれるのか!?
リエンと私はシャルル兄さんの言葉に互いに顔を見合わせると大きく首を縦に振る。
「シャルル兄様! 仲直り僕もする!」
「兄さん。仲直りしましょう!」
「うん……。ジェイド、リエン……。今まで酷い事を言ってごめん……。服を切ってごめんな……。これからは二人の兄として相応しい行動をとるから……俺を許してくれるか?」
「うんっ!」
「もちろんですよ、兄さん」
シャルル兄さんは涙を拭い、少し照れ臭そうにそう言うと私とリエンの頬に優しくキスをしてくれる。
兄さんからの柔らかなキスに幸せで胸がいっぱいになり、ニヤケて蕩け落ちてしまいそうになるのを必死に我慢する。
リエンは「僕からも仲直りのキス~!」と言って、シャルル兄さんの頬にチュッとキスをする。もちろん、私もお返しをしなくてはいけないので、再度兄さんの頬に唇を落とす。
「あ! ジェイド兄様ずるい! シャルル兄様に2回もキスした~!」
「……キスしてもらったお返しだから別にいいだろ」
「良くないよ!」
キスの回数でギャーギャーと言い合いを始めた私達に、シャルル兄さんはクスッと笑みを浮かべる。
「リエン。そんなに言うならもう一度仲直りのキスをしてくれるか?」
「え!? いいのシャルル兄様!」
「あぁ。いいよ」
リエンの我儘を優しく聞いてくれる兄さんの姿は、以前のシャルル兄さんとなんら変わりがない。
最初はどうなるかと思ったが……シャルル兄さんの笑顔を取り戻す事ができて本当に良かった……。
嬉しそうにリエンからのキスを受け入れるシャルル兄さんを見つめ私はホッと胸を撫で下ろす。それと同時に、これからもかけがえのない愛する人の笑顔を守る為に頑張らなくてはいけないと強く思う。
可愛い可愛いシャルル兄さん……。
この世界でも私達はシャルル兄さんを愛し続けていきますからね……。
「シャルル兄さん。ジェイドとリエンです。……部屋に入ってもいいですか?」
思い切って部屋に入れてくれと頼んでみるが……もちろん返事はない。
もう一度、声をかけようとするとか細い声で返事が返ってくる。
「ぐす……うるさい……。来るな……」
その声は震えていて……きっとシャルル兄さんは泣いている……。
そう思うといても経ってもいられず、私とリエンはシャルル兄さんの部屋の扉を開け中へ入っていった。
シャルル兄さんは亡くなった母さんの肖像画の前で膝を抱え蹲っていた……。鼻を啜り必死に泣き声を抑えている姿に胸が激しく締め付けられる……。
「シャルル兄さん……」
「シャルル兄様……」
私とリエンが声をかけると、兄さんは顔を上げて目に涙を浮かべて私達を睨みつける。
「どうしてお前達はいつもいい子ぶるんだ! どうして泣かない! 怒らない! 俺は……お前達の事なんて大嫌いなんだ! お前達だって本当は俺の事なんて嫌いなんだろ!」
シャルル兄さんは私達の本心が分からずに困惑しているようだ……。
私達のシャルル兄さんに対する気持ちは……『好き』以外ありえない。
「シャルル兄さん……。私達はシャルル兄さんの事が大好きですよ。兄さんにいくら嫌われようと、その気持ちは変わりません」
「そうだよ。僕達はシャルル兄様の事が大好きだよ。シャルル兄様を嫌いになんて……絶対にならない!」
シャルル兄さんは私とリエンの答えに大きな目を瞬かせる。そして、顔をくしゃりと歪める小さな唇を震わせる……。
「なんで……なんでお前達は……そんな……そんな事ばかり言うんだよぉ……」
水色の瞳からポロポロと零れ落ちる涙を今すぐにでも拭い抱きしめたい気持ちを必死に我慢して、シャルル兄さんが驚かないようにゆっくりと兄さんに近づいていく。
「兄様……。泣かないで……」
「お前たちが悪いんだぞ……。お前達が……俺に優しくするから……もう……何が何だか……分かんないんだよ……」
蹲るシャルル兄さんの傍へと辿り着くと腰を下ろし、兄さんに寄り添うように座る。
「シャルル兄さん……。私達はシャルル兄さんの事を嫌いだなんて一度も思った事はありませんよ。むしろ、シャルル兄さんと仲良くなりたいんです」
「仲……良く……?」
私の言葉に顔を上げ涙で濡れた瞳を大きく見開くと、シャルル兄さんは不思議そうな顔で首を小さく傾げる。
「そうです。兄さんと仲良くなりたいんです……」
そう言って小さな手を握れば、手を払われそうになるがギュッと握りしめると兄さんは抵抗をやめる。
「なんでそう思えるんだ……? 俺はお前らに酷いことを言ったんだぞ……。服だって切り裂いて……」
「それは兄さんが寂しかったからでしょう? 父さんが突然再婚して、私達が来て……自分の居場所が無くなったって思ったんじゃないですか?」
シャルル兄さんは何で自分の気持ちを知っているんだと驚いた様子で私を見つめてくるが、これは以前兄さんから話を聞いていたのでその言葉を借りただけだ。
私の言葉に兄さんは小さな体を震わせる。
きっと……我慢の限界だったんだろう……。
どうすればシャルル兄さんの心を癒す事ができるのか……考える前に私とリエンはシャルル兄さんをそっと抱きしめる。今の小さな体では兄さんを包み込む事は出来ないが、私達の精一杯の気持ちを込めて……。
シャルル兄さんは私達に抱きしめられ驚いた様子だったが……そのまま私の胸に顔を埋める。
シャルル兄さんの黒髪にそっと触れ優しく頭を撫でると、兄さんは声を押し殺してまた涙を流す……。
「シャルル兄さん……。一人で抱え込まないで下さい。辛く悲しい時には私達が必ず傍で支えます……。私とリエンはどんな時も兄さんの味方ですよ」
その言葉に反応したシャルル兄さんはゆっくりと顔を起こす。
「本当か……?」
「えぇ。嘘はつきませんよシャルル兄さん」
シャルル兄さんに微笑みかければ、横からリエンも兄さんに声をかける。
「シャルル兄様! 僕もずっとずっと傍にいてシャルル兄様を守るから安心してね!」
シャルル兄さんはエヘヘと、可愛らしく笑顔を向けるリエンを見つめるとボソリと呟く。
「……リエンに守ってもらうのは頼りないな」
「えぇ!? なんでそんな酷い事いうのシャルル兄さまぁぁ~」
シャルル兄さんの言葉に大袈裟にショック受けるリエンの顔が可笑しかったのか……兄さんは小さく笑みを溢す。久しぶり見るシャルル兄さんの本当の笑顔は、以前と変わらずとても可愛らしく綺麗だ……。
そして、その笑顔に吸い寄せられ………私は無意識にシャルル兄さんの頬にキスをしてしまう。
私の突然の行為にシャルル兄さんは目を見開いたままこちらを見つめてくる……。
「ジェイド……。なんで……キスするんだ……?」
「あぁ……えっとぉ…………この前読んだ本に書いてあったんです。憎しみの心を癒すには、愛情を込めたキスをするのがいいらしく、仲直りする時に使うと効果があるんだとか……」
お伽話などでよく使われるキスの設定を用いた苦しい言い訳だが、シャルル兄さんは「そうか……」と、納得してくれる。
本当はいつもの癖と、あまりにも兄さんが可愛くてキスしてしまっただけなのだが……。
「キスなんて好きな者同士でする行為だと思っていたが……お前達は仲直りする時に頬にキスをするのか?」
「え? あ……えっとぉ……」
「それがお前達流の仲直りの方法ならば……俺もその方法を使う。ジェイド、リエン……仲直りが……したい」
シャルル兄さんが……私達と仲直り……してくれる!?
そして……も、もしかしたら私達の頬に……キスをしてくれるのか!?
リエンと私はシャルル兄さんの言葉に互いに顔を見合わせると大きく首を縦に振る。
「シャルル兄様! 仲直り僕もする!」
「兄さん。仲直りしましょう!」
「うん……。ジェイド、リエン……。今まで酷い事を言ってごめん……。服を切ってごめんな……。これからは二人の兄として相応しい行動をとるから……俺を許してくれるか?」
「うんっ!」
「もちろんですよ、兄さん」
シャルル兄さんは涙を拭い、少し照れ臭そうにそう言うと私とリエンの頬に優しくキスをしてくれる。
兄さんからの柔らかなキスに幸せで胸がいっぱいになり、ニヤケて蕩け落ちてしまいそうになるのを必死に我慢する。
リエンは「僕からも仲直りのキス~!」と言って、シャルル兄さんの頬にチュッとキスをする。もちろん、私もお返しをしなくてはいけないので、再度兄さんの頬に唇を落とす。
「あ! ジェイド兄様ずるい! シャルル兄様に2回もキスした~!」
「……キスしてもらったお返しだから別にいいだろ」
「良くないよ!」
キスの回数でギャーギャーと言い合いを始めた私達に、シャルル兄さんはクスッと笑みを浮かべる。
「リエン。そんなに言うならもう一度仲直りのキスをしてくれるか?」
「え!? いいのシャルル兄様!」
「あぁ。いいよ」
リエンの我儘を優しく聞いてくれる兄さんの姿は、以前のシャルル兄さんとなんら変わりがない。
最初はどうなるかと思ったが……シャルル兄さんの笑顔を取り戻す事ができて本当に良かった……。
嬉しそうにリエンからのキスを受け入れるシャルル兄さんを見つめ私はホッと胸を撫で下ろす。それと同時に、これからもかけがえのない愛する人の笑顔を守る為に頑張らなくてはいけないと強く思う。
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