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従者Side ⑧

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王子に乳首をクニクニと撫でられる度に「あっ♡ ふぁっ♡」と、信じがたい程の甘い声が漏れる。
王子の暴走を止めようと必死に理性に訴えかけるが……計り知れない快楽の前に俺のちんけな理性が勝てる訳もなくあっさりと快楽に溺れてしまう。

「んぁ、んんっ! あ……ぁ……ちくび……らめ……」
「アレン……。言ってる事と表情があべこべだぞ? こんなに蕩けた顔をして……気持ちいいなら素直に気持ちいいと言ってしまえばいいものを……」

王子はクスっと笑みを溢すとキュッと摘むように乳首を軽く引っ張りあげる。

「ひぅっっ!!」

そして俺は……情けない事にその刺激で何度目かの絶頂を迎える……。
王子の太ももを再び汚しぐちゅぐちゅになって申し訳ないと思いながらも射精が止まらない。
……そして尻と腹の疼きもだ。

頭がおかしくなった俺は王子が目の前にいるのに……ゆっくりと自分の指を後孔へと忍ばせる。
入り口を撫でれば自分の精液ですでにヌルヌルで指に食らいついてくる。

何やってんだよ……。
でも……もう我慢の……限界……。

指を奥に進めていつものこの熱を鎮めようとした時……俺の行動を見ていた王子にその行為を止められる。

「私がいるのに自分で慰めるのか……?」
「あっ……な、だ、だって……」
「私がやってやる……。ほら……」

そう言って王子は俺の後孔に指を入れてきて……男らしいゴツゴツとした指先に俺のお尻は歓喜したようにきゅぅぅうと指を締め付ける。

「はは。アレンそう欲しがるな。すぐにイイトコロを擦ってやるからな」

王子は嬉しそうに笑みを浮かべ中をグングンと進み……俺の指の長さでは届かない場所へ。
そして……

コリッ……と、指先がある場所を通り過ぎた瞬間「はぅぅぅ♡」と声を上げあまりの気持ち良さに下唇を噛んで耐える。

「ここがアレンのイイトコロだな……。コラコラ……下唇を噛むな。可愛い唇に傷がついてしまうじゃないか」

噛んでいた下唇を優しく撫でられ王子の方へと視線を移せば包み込まれる様な優しい笑顔を向けられる。
その顔に胸はキュンと跳ね……ドキドキと心臓は激しく脈打つ。

「ん? どうしたアレン? 顔が赤いぞ?」

指先は下唇から頬へと移り軽く撫でられただけなのにピクンッと体が反応してしまう。
というか、王子に触れられる場所は何処であろうと気持ちがいい……。今、王子に触れられて最高に気持ちいいのは尻の中なのだが、それ以外も良くてもっと触れてくれと無意識に体が求めてしまう。

頬に添えられた手に顔を擦り寄せるように動かし王子を見つめれば、王子の頬も赤く色付き始める……。

「誘っているのかアレン?」
「んっ……ぁ……違います」
「そうか……。でも、私にはもっと触れて欲しいとおねだりされている様に感じたぞ?」

俺の心を読んでいるかのような王子の言葉を否定する事なくYESの意味も込めて見つめ続けると、王子の顔が俺の方へと近づいてきて……


俺は王子と初めてのキスをした。
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