美醜逆転した世界に転がり落ちたらイケメンたちに囲われました。

赤牙

文字の大きさ
10 / 182
本章

7話:カオルくん逃しません②

しおりを挟む
それから数日後いつもと変わらぬ日々を過ごす。

今日はクリスは狩りに行ってくるといい俺はいつものように留守番をしていた。

暇だな…と思っていると昨日散策した時に紅茶に入れると上手い果実がなっていたのを思い出す。
クリスが帰ってきた時に出すお茶にその果実を入れてやったら喜ぶかな…

昼食を終え俺は一人で森へと向かった。
そう言えばクリスに一人で森に行くなと言われたが…まぁ、何度も行っている場所だし大丈夫だろう。

「お。あったあった!」

目的の果実を見つけて帰ろうとした時に森の奥からガサっと音が聞こえる。
動物かな?と思いそっと見ると…
人影が目に入った。

「え?嘘…」

驚き目を凝らして再度確認するが間違いなく人だった。
太った青年が籠を持ち歩いていたのだ。
俺はクリス以外の人に会えて嬉しくなり思わず声をかけてしまう。

「あ、あの。すみません!」

青年は俺の声に驚いた様子で振り向いた。

「こんにちは。あの…お兄さんどこから来たんですか?」
「こ、こんにちは。僕はこの近くの村から来たんだよ」

村!?その言葉に俺は興奮してしまう。

「村って…馬車でここまで来たんですか?」
「馬車?いやここまでは歩いて来たんだよ」

ここまで歩いて来れる村が近くにあるのか!
クリスも知らないところなんだろうな。
俺は青年の言葉に喜びを隠しきれずにいると青年から話しかけられる。

「ところで君はどうしてこんなところに?」
「俺はこの近くの家に住まわせてもらってるんです」
「え…あの家に…」
「えっと…どうかしました?」

青年の顔はみるみる青くなり、どうしたんだろう?と心配して近づいていくと…

「カオル!!離れるんだ!」

俺の背後からクリスの声が聞こえた。
今まで聞いたことのない怒鳴り声に俺も青年も驚いてしまう。
後ろを振り向くと息を切らし恐ろしい顔をしたクリスが目に入る。
青年はクリスの姿を見てさらに顔を青くした。

「クリスどうしたんだ?なんで怒ってるんだよ」
「…早く小屋に戻ろう」
「え…でもこの人なんだか調子が悪そうで…」
「いいから!」

おれの手をぐいっと引っ張りクリスは歩きだす。
青年の方を振り返れば顔を青くし突っ立ったまま俺達の事を茫然と見ていた。

「痛っ…クリス!なぁクリスってば!」

家に着くまでクリスは俺を無視したまま歩き続けた。クリスの歩くスピードについて行けず何度か転びそうになる…
ようやく家へと到着し部屋に入ると握っていた手を離してくれる。
握られた手首は赤くなり少し痛い。


「おい!なんなんだよ!なんでそんなに怒ってるんだよ!」
「…森の中は危ないって言ったでしょ。ダメだよ一人で行ったら」
「それはゴメン…でも何度も行った事あるから大丈夫かなって思って。森に行った事でこんなに怒ってるのか?」
「………。」

押し黙るクリスは何か隠しているように見えた。


「なぁ、さっきいた人が近くに歩いていける村があるって言ってたけど俺…その村に行ってみたい…」
「………なんで?」
「なんでって…少しでもこの世界の事知りたいし、日本に帰る手がかりがほしい…」
「そんなにここから出ていきたいの?」
「出ていきたいとかそうゆう訳じゃないって!このままクリスにずっと迷惑かけられないって思って…」
「そうか…私から離れたいんだ…」
「だから違うって…」

クリスも俺も下を向き無言のまま時間が過ぎる。

話が通じない…
なんだよ何をそんなに怒ってるんだよ…

クリスが何を考えてるのか分からない。
このままじゃ同じような事を言い合って尚更仲が悪くなるだけだ。
こうゆう時は少し時間をあけたほうがいいよな…

「俺…少し頭冷やしてくる」

クリスのそばから離れドアに手をかけようとした時だった。
背後からクリスに抱きしめられる。

「ダメだ…出て行ったらダメ…」
「なんでだよ…」
「どうしてもダメ…………

そうか。あの青年のところに行くんだね」

クリスはそう言うと抱きしめている腕の力を一層強くする。

「はぁ?なんでそうなるんだよ。なぁ…腕苦しいって…」
「行かせない…絶対に…絶対に行かせない。カオルはずっとずっとずっと私と一緒にここにいるんだ…」

クリスはそう言うと酷く怯えたような顔をしながら玄関の戸棚を開け何かを探しだす。

「おいクリス…何やってるんだよ…」

俺は豹変したクリスが怖くて動けずにいると棚から何かを手に取り俺の方へと向かってくる。

「な、なんだよその首輪と鎖…なぁクリス怖いって…。やだ!クリス!嫌だって!離せっっ!」

クリスに腕を掴まれリビングの隣にある寝室へと引きずられるように連れていかれる。
俺をベッドの上に押し倒すと馬乗りになり俺の首に大型犬に付けるような太い首輪をはめ鎖で繋ぎ鎖はベッドの柵に固定し鍵をかけられる。

俺はクリスの常軌を逸した行動を震えながら見ている事しかなかった。

「なぁクリス…こんなの冗談だろ?早く外してくれよ」
「…外さない。カオルはここでずっと一緒に暮らすんだ」


クリスの顔からは表情が消え冷えた金色の瞳が俺を見下ろしていた。
しおりを挟む
感想 117

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目

カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。 挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

推し変したら婚約者の様子がおかしくなりました。ついでに周りの様子もおかしくなりました。

オルロ
BL
ゲームの世界に転生したコルシャ。 ある日、推しを見て前世の記憶を取り戻したコルシャは、すっかり推しを追うのに夢中になってしまう。すると、ずっと冷たかった婚約者の様子が可笑しくなってきて、そして何故か周りの様子も?! 主人公総愛されで進んでいきます。それでも大丈夫という方はお読みください。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

処理中です...