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本章
144話:一方その頃イケメン達は… ⑤〜ディランSide〜
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半ば引きずるようにクリストファーを連れ出し私はアトラースの総力をあげてカオルの調査を進めていく。
手始めに再度ヴェルニ公爵家を調べるが……ランスが言っていたようにヴェルニ公爵の従者や警備兵達は口を揃えたように「黒髪の従者は一人で外に出ていった」と同じ答えを口にする……。
……まるでそう答えるように決められているように。
ここまでくるとさらに怪しさが増し、ヴェルニ公爵の動向をバルドが調査すれば最近大金が動いたと情報が入ってくる。
金にがめついヴェルニが使うとすれば自己の欲求を満たす何かを手に入れる為……。
バルドの更なる調査の結果……ヴェルニ公爵の影に隠れるように一人の人物の名が浮かび上がる。
「『白い悪魔』だと……?」
「はい……。ヴェルニ公爵はどうやら隣国の武器商人とまだ繋がっていたようで、この国にその商人を内密に招き入れていたようです……」
ギルドの執務室にてバルドからの報告を聞き私とクリストファーの顔は一気に険しくなる。
『白い悪魔』とは隣国ルーニア国の武器商人の通称……。噂によるとまだ年齢は若く頭の切れる者だと聞く。そして……あの洗脳の魔道具を作り出した悪魔のような一面を持つ魔道具士……。
「ヴェルニは相変わらずだな……。それで……その商人についての情報はあるのか?」
私の言葉にバルドは小さく頷き報告を続ける。
「どうやらその商人は最近ヴェルニ公爵から奴隷を一人買ったそうで……ヴェルニ公爵が用意した屋敷で大切に囲い込んでいるそうです。とても愛らしい『黒髪』の奴隷だという噂も……」
「黒髪の……奴隷か……。バルド、引き続き情報を集めその商人の居場所を突き止めろ。私はその商人と直接話ができないか掛け合ってみる」
「はい。では、また報告に参ります」
バルドからの報告が終わりクリストファーへと視線向ければ、カオルが姿を消し光を失っていた金色の瞳はギラギラと光を放ち虚な表情も消えていた。
「叔父上……。その商人に会う際には私も同席させて下さい……」
「あぁ、そのつもりだ。……やっといつものお前に戻ったなクリストファー」
「はい……。すみません……情けない姿を晒してしまい……」
「いや……お前の気持ちも分かるからな……。色々と聞きたいことはあるが、まずはカオルを見つけ出し保護する事が最優先だ。商人との面会の話を取り付ける際の最終手段としてお前の名前を使わせてもらうかもしれない」
「えぇ。構いません。私の肩書きが役に立つのならば……」
クリストファーが深く頷くと私達は早速『白い悪魔』と呼ばれる商人へ会うため接触を図るがその商人への面会や商談は紹介制になっており、この国ではヴェルニを含む反第一王子派がその権限を握っていた……。
他に方法はないものかと考えてみるが妙案を思いつくこともなく時間だけが過ぎていく……。
「面倒な事になりましたね……」
「あぁ……。あいつらに頼み込み借りを作るのはいいが……もし商人が囲っている奴隷がカオルだった場合、反第一王子派や商人がカオルに危害を加える可能性もある……。ここは最終手段と言っていたが、お前の名を使い一気にケリをつけるか……」
私の言葉にクリストファーは頷くが……何故かその顔は不満そうな表情を浮かべる。
「そうですね……。ところで叔父上……以前から気になっていたのですが『カオル』『カオル』と呼び捨てですが、私のカオルとどのような関係で?」
「どのようなと言われても……」
突然のクリストファーからの問いかけに少し言葉が詰まってしまう。カオルと私の関係は良くて友人といったところだが……まるで自分のものだと言うクリストファーの言葉に少々苛立った私は見栄を張ってしまう。
「私とカオルの関係は……特別な関係だ。友人以上とだけ言っておこう」
大人気ない私の言葉にクリストファーは一瞬ムッと表情を曇らせる。
「そうですか……。ですが、カオルは私の大切な人なので今後は私の手で守っていきますので……」
「守るか……。浮かれてヴェルニの罠にかかった奴がこれからもカオルを守りきれるのか? それならば私の元に保護をするのが一番安全だと思うが」
「なっ!? 私とカオルは愛を誓い合った仲です! 私の側にいるのが一番幸せなんです!」
「幸せにするとは……あの塔に閉じ込めておくことがカオルの幸せなのか? あれじゃあ監禁されているのと同じものだぞ……」
私の言葉にクリストファーは苦い顔をしばつが悪そうに視線を逸らす。
自分がやっている事がカオルの幸せに繋がらないという事を少しは自覚しているようだな……。
「カオルを大切にしたいと思うのなら、自分がどう行動すればいいかよく考えろ……」
「………。」
私とクリストファーの間に気まずい空気が流れたところで、執務室のドアが開き慌てた様子のバルドの姿が目に入る。
「ディランさん! クリストファー王子! 『白い悪魔』の居場所がわかりました!」
バルドの報告に「良くやった」と言葉をかけ俯くクリストファーへと視線を向ける。
「クリストファー……カオルのために力を貸してくれるか?」
「……当たり前です。その為に私はいるのですから」
「そうだな。頼りにしているぞ」
拗ねた様子のクリストファーの頭をガシガシと撫で私達は『白い悪魔』の元へと向かった……。
手始めに再度ヴェルニ公爵家を調べるが……ランスが言っていたようにヴェルニ公爵の従者や警備兵達は口を揃えたように「黒髪の従者は一人で外に出ていった」と同じ答えを口にする……。
……まるでそう答えるように決められているように。
ここまでくるとさらに怪しさが増し、ヴェルニ公爵の動向をバルドが調査すれば最近大金が動いたと情報が入ってくる。
金にがめついヴェルニが使うとすれば自己の欲求を満たす何かを手に入れる為……。
バルドの更なる調査の結果……ヴェルニ公爵の影に隠れるように一人の人物の名が浮かび上がる。
「『白い悪魔』だと……?」
「はい……。ヴェルニ公爵はどうやら隣国の武器商人とまだ繋がっていたようで、この国にその商人を内密に招き入れていたようです……」
ギルドの執務室にてバルドからの報告を聞き私とクリストファーの顔は一気に険しくなる。
『白い悪魔』とは隣国ルーニア国の武器商人の通称……。噂によるとまだ年齢は若く頭の切れる者だと聞く。そして……あの洗脳の魔道具を作り出した悪魔のような一面を持つ魔道具士……。
「ヴェルニは相変わらずだな……。それで……その商人についての情報はあるのか?」
私の言葉にバルドは小さく頷き報告を続ける。
「どうやらその商人は最近ヴェルニ公爵から奴隷を一人買ったそうで……ヴェルニ公爵が用意した屋敷で大切に囲い込んでいるそうです。とても愛らしい『黒髪』の奴隷だという噂も……」
「黒髪の……奴隷か……。バルド、引き続き情報を集めその商人の居場所を突き止めろ。私はその商人と直接話ができないか掛け合ってみる」
「はい。では、また報告に参ります」
バルドからの報告が終わりクリストファーへと視線向ければ、カオルが姿を消し光を失っていた金色の瞳はギラギラと光を放ち虚な表情も消えていた。
「叔父上……。その商人に会う際には私も同席させて下さい……」
「あぁ、そのつもりだ。……やっといつものお前に戻ったなクリストファー」
「はい……。すみません……情けない姿を晒してしまい……」
「いや……お前の気持ちも分かるからな……。色々と聞きたいことはあるが、まずはカオルを見つけ出し保護する事が最優先だ。商人との面会の話を取り付ける際の最終手段としてお前の名前を使わせてもらうかもしれない」
「えぇ。構いません。私の肩書きが役に立つのならば……」
クリストファーが深く頷くと私達は早速『白い悪魔』と呼ばれる商人へ会うため接触を図るがその商人への面会や商談は紹介制になっており、この国ではヴェルニを含む反第一王子派がその権限を握っていた……。
他に方法はないものかと考えてみるが妙案を思いつくこともなく時間だけが過ぎていく……。
「面倒な事になりましたね……」
「あぁ……。あいつらに頼み込み借りを作るのはいいが……もし商人が囲っている奴隷がカオルだった場合、反第一王子派や商人がカオルに危害を加える可能性もある……。ここは最終手段と言っていたが、お前の名を使い一気にケリをつけるか……」
私の言葉にクリストファーは頷くが……何故かその顔は不満そうな表情を浮かべる。
「そうですね……。ところで叔父上……以前から気になっていたのですが『カオル』『カオル』と呼び捨てですが、私のカオルとどのような関係で?」
「どのようなと言われても……」
突然のクリストファーからの問いかけに少し言葉が詰まってしまう。カオルと私の関係は良くて友人といったところだが……まるで自分のものだと言うクリストファーの言葉に少々苛立った私は見栄を張ってしまう。
「私とカオルの関係は……特別な関係だ。友人以上とだけ言っておこう」
大人気ない私の言葉にクリストファーは一瞬ムッと表情を曇らせる。
「そうですか……。ですが、カオルは私の大切な人なので今後は私の手で守っていきますので……」
「守るか……。浮かれてヴェルニの罠にかかった奴がこれからもカオルを守りきれるのか? それならば私の元に保護をするのが一番安全だと思うが」
「なっ!? 私とカオルは愛を誓い合った仲です! 私の側にいるのが一番幸せなんです!」
「幸せにするとは……あの塔に閉じ込めておくことがカオルの幸せなのか? あれじゃあ監禁されているのと同じものだぞ……」
私の言葉にクリストファーは苦い顔をしばつが悪そうに視線を逸らす。
自分がやっている事がカオルの幸せに繋がらないという事を少しは自覚しているようだな……。
「カオルを大切にしたいと思うのなら、自分がどう行動すればいいかよく考えろ……」
「………。」
私とクリストファーの間に気まずい空気が流れたところで、執務室のドアが開き慌てた様子のバルドの姿が目に入る。
「ディランさん! クリストファー王子! 『白い悪魔』の居場所がわかりました!」
バルドの報告に「良くやった」と言葉をかけ俯くクリストファーへと視線を向ける。
「クリストファー……カオルのために力を貸してくれるか?」
「……当たり前です。その為に私はいるのですから」
「そうだな。頼りにしているぞ」
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