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第二章
1話
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月日が経つのは早くて……あれからあっという間に4年も過ぎた。
19歳になった僕は相変わらずアストさんと一緒にお屋敷で過ごしている。変わったところと言えば…ガイルさんとイザベラさんの仕事を少し手伝うようになった事だ。
表立った事はできないので、保管してある資料や書類の整理をしたりしている。
もちろんアストさんも一緒だ。
仕事が終われば温室で二人で過ごして夜も一緒に眠っている…。
そんな幸せな日々をずっと過ごしている。
ソルとルナは、この4年で外見はすっかり変わった。
ソルは身長も体格も大きくなって、今では剣術の腕前もアストさんに引けを取らない。
学園でもソルは一番強いらしく、今後は学園を卒業したら騎士団を目指していくと意気込んでいた。
今の一番の悩みは、ガイルさんにそっくりな赤髪が少し癖っ毛がでてきてピョコピョコ跳ねるのが嫌らしく毎朝鏡の前で髪の毛と格闘している。
ルナは身長が伸びスラリとした綺麗な女性に成長している。イザベラさんと同じサラサラと煌めく金色の髪は胸の辺りまで伸びていた。
勉強も魔術も成績は常にトップで、才色兼備とはルナの為にある言葉だと僕は思っている。
しかし、ルナはイザベラさんに似て魔力が強いので最近二人は魔力制御の特訓を頻繁にしている。
ルナも12歳……。
アストさんが13歳で凶獣化したのを考えると、まだ気は抜けないと言っていた……。
「なぁソル。最近ルナの調子はどうなんだ? なんだか最近……元気がないみたいだけど…」
ソルの部屋で二人で過ごしている時にルナの事が気になって質問するとソルは、ん~…と少し考える。
「きっと今度ある魔術の試験が気になってるのかも……」
「試験…?」
「うん。実践方式の試験でさ学園にあるどデカい森の中で実際に攻撃魔術とかを使ってみる試験なんだ。ただ……それがチームを組んでやるんだけど、ルナのチームが弱い奴らばっかだから悩んでんのかなぁ~」
「へぇ~! そんな試験もあるんだね。でも、ルナは責任感も強いし負けず嫌いだから…確かに悩んでるかもね…」
「そうなんだよ! そのチーム編成もタイマンじゃルナに勝てない奴らが、ルナに勝とうとして無理矢理押し付けたような形だからさぁ…」
ソルは口を尖らせながらブツブツと文句を言う。
でも……確かにルナに勝てないからと言ってそんなやり方は酷いな…。
「それは少し酷いね……。ルナも責任感じて無理しなければいいけど…。」
「そこは大丈夫! 俺も同じチームだから、何かあったら俺がルナを助けるからさっ!」
「え? ソルは同じなの?」
「うん。だって俺は父さんに似て魔力は少ないし魔術のセンスもないからダメダメなんだよ~」
ソルはそう言いながら肩をすくめ苦笑いする。
「でも、ソルが一緒だとルナも安心できると思うよ。多分今は……凶獣化の事も不安に思ってるだろうし…」
「大丈夫大丈夫! ルナはすげー努力してるし才能もあるから。魔力の暴走だって起こした事ないし……それに今は凶獣化を抑える為の道具だっていいのがあるから…ルナは凶獣化なんてしない! それに母さんもついてるから!」
「そうだね。ルナ頑張ってるもんね」
僕がそう言うと、ソルはうんうんと何故か誇らしげに頷いた。
もしもルナが凶獣化してしまったら……
そんな考えが一瞬浮かんでしまうが、頭を振って消し去る。
大丈夫……。ルナはあんなに頑張っているんだから……。
19歳になった僕は相変わらずアストさんと一緒にお屋敷で過ごしている。変わったところと言えば…ガイルさんとイザベラさんの仕事を少し手伝うようになった事だ。
表立った事はできないので、保管してある資料や書類の整理をしたりしている。
もちろんアストさんも一緒だ。
仕事が終われば温室で二人で過ごして夜も一緒に眠っている…。
そんな幸せな日々をずっと過ごしている。
ソルとルナは、この4年で外見はすっかり変わった。
ソルは身長も体格も大きくなって、今では剣術の腕前もアストさんに引けを取らない。
学園でもソルは一番強いらしく、今後は学園を卒業したら騎士団を目指していくと意気込んでいた。
今の一番の悩みは、ガイルさんにそっくりな赤髪が少し癖っ毛がでてきてピョコピョコ跳ねるのが嫌らしく毎朝鏡の前で髪の毛と格闘している。
ルナは身長が伸びスラリとした綺麗な女性に成長している。イザベラさんと同じサラサラと煌めく金色の髪は胸の辺りまで伸びていた。
勉強も魔術も成績は常にトップで、才色兼備とはルナの為にある言葉だと僕は思っている。
しかし、ルナはイザベラさんに似て魔力が強いので最近二人は魔力制御の特訓を頻繁にしている。
ルナも12歳……。
アストさんが13歳で凶獣化したのを考えると、まだ気は抜けないと言っていた……。
「なぁソル。最近ルナの調子はどうなんだ? なんだか最近……元気がないみたいだけど…」
ソルの部屋で二人で過ごしている時にルナの事が気になって質問するとソルは、ん~…と少し考える。
「きっと今度ある魔術の試験が気になってるのかも……」
「試験…?」
「うん。実践方式の試験でさ学園にあるどデカい森の中で実際に攻撃魔術とかを使ってみる試験なんだ。ただ……それがチームを組んでやるんだけど、ルナのチームが弱い奴らばっかだから悩んでんのかなぁ~」
「へぇ~! そんな試験もあるんだね。でも、ルナは責任感も強いし負けず嫌いだから…確かに悩んでるかもね…」
「そうなんだよ! そのチーム編成もタイマンじゃルナに勝てない奴らが、ルナに勝とうとして無理矢理押し付けたような形だからさぁ…」
ソルは口を尖らせながらブツブツと文句を言う。
でも……確かにルナに勝てないからと言ってそんなやり方は酷いな…。
「それは少し酷いね……。ルナも責任感じて無理しなければいいけど…。」
「そこは大丈夫! 俺も同じチームだから、何かあったら俺がルナを助けるからさっ!」
「え? ソルは同じなの?」
「うん。だって俺は父さんに似て魔力は少ないし魔術のセンスもないからダメダメなんだよ~」
ソルはそう言いながら肩をすくめ苦笑いする。
「でも、ソルが一緒だとルナも安心できると思うよ。多分今は……凶獣化の事も不安に思ってるだろうし…」
「大丈夫大丈夫! ルナはすげー努力してるし才能もあるから。魔力の暴走だって起こした事ないし……それに今は凶獣化を抑える為の道具だっていいのがあるから…ルナは凶獣化なんてしない! それに母さんもついてるから!」
「そうだね。ルナ頑張ってるもんね」
僕がそう言うと、ソルはうんうんと何故か誇らしげに頷いた。
もしもルナが凶獣化してしまったら……
そんな考えが一瞬浮かんでしまうが、頭を振って消し去る。
大丈夫……。ルナはあんなに頑張っているんだから……。
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