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二章 学園生活
ミナ
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「どうして、こうなったぁぁぁ!!」
転生して悪役令嬢フェルミナ・ドロッセルになった時以来の、激しいツッコミをした気がする。
桜色の肩につくくらいのセミショート、メガネから鏡越しに見る目の色はオレンジと黄色がかった目。
女物の学園の制服。
ハーフケープには桜色の飾り紐にオレンジと黄色のトンボ玉の他に、他の攻略対象者の飾り紐が取り付けられている……ついでにフェルミナの飾り紐までついている。
「あいつ等、何を考えているんだよぉぉぉ!!」
部屋の中で吠える俺は、さぞうるさかったのだろう。
隣の壁から、ドンッと叩かれ、俺は口を閉じる。
部屋は一階の平民宿舎……とても、一等級の部屋とは比べ物にならない。
薄い木の板で区切られたような六畳ほどの部屋にベッドと机にドレッサー、バストイレ付ではあるものの、バスタブは無く、シャワーだけ。
「ハァー……迷惑だ……」
こうなったのも、クロームのせいである。
話は入学式が終わり、ルカリオンと俺が恋人になって三日後の事だ。
ようやく情事のダメージも減ってきたところで、友人たちの登場だったわけである。
「ボクたちの力が足りず、助けてあげられなくてごめんね。フェル~っ」
「人が襲ったような事を、言わないで下さい」
俺に抱き着いてきたセインをルカリオンが引き剥がし、お茶を人数分淹れて出してくれる。
部屋には、セイン、ヒルクス、ベンガル、ディオンが来ていて、ラローシュだけは忙しくてケーキをディオンに持たせてお見舞い? という事らしい。
初日の授業から三日間、病欠になっていたのは俺である。
腰とお尻が死んでいたので仕方がない。
「でも、随分と派手にやったみたいだな」
「ひゃっ!」
「うちの坊ちゃんの肌に、気安く触らないで貰えますか」
首筋を触ってきたヒルクスにルカリオンがドスのある声を出して、手を叩き落す。
まぁ、俺も鏡で自分のシャツから覗く、肌のまだら模様と歯形の後に「うっ!」と声は上げたけどね。
穴があったら入りたい。羞恥で死ぬから~っ!!
「それはそうと、面白い発明品が出来たんだが、フェルに渡そうと思ってね」
「新しい発明? また何を……ってぇ! ベンガル!」
「坊ちゃんに卑猥な物を見せないで下さい」
なんだかとても、モザイクを掛けないとイケナイ物があった気がする!
ルカリオンに手で目隠しをされて、ベンガルが「間違えたこっちだ」と何かを取り出す音がした。
ベンガルの発明品は、普通のメガネだったのだけど、真正面からだと目の色が変わって見える物だった。
「変装用に良いかと思って、思い付きで作ったんだけど。今のフェルには必要だと思う」
「なんで、俺に?」
俺が変装する必要が何処にあっただろうか? 謎だ。
ラローシュが持たせてくれたケーキを口に放り込み、さすが王族、しっとりふわふわケーキだと呑気にフォークを動かしていると、ベンガルが他にも女生徒用の服などを一式広げた。
「式典の時にフェルに、その……キス、したやつがいただろ? そいつがフェルを血眼になって探している」
危うくフォークを落としそうになって、ルカリオンにフォークごと手を握られた。
その手が強く握られた事で、ルカリオンの中で嫉妬のようなものが見えた気がする。
「それで、このメガネで変装……って、わけじゃないんだよな? その制服一式からして……」
「兄様が、教師陣にフェルの事を『ミナ』って生徒で授業に出る事を承認させているから、クロームが諦めるまでは『ミナ』として過ごした方が良いと思うよ」
フェルミナだから『ミナ』なのだろうけど、安直な名前を付けてそこからバレそうな気がする……
というより、女装は決定事項なのか……?
まぁ、この薄いラベンダー色の髪は目立つし、クロームも一瞬だったとはいえ、覚えてしまっているかもしれない。
ブルッと寒気で鳥肌が立つ。
「オレたちがずっと一緒に居られたらいいんだけど、学科が違うからな」
「僕たちは基礎授業以外、皆バラバラだからな」
「フェルもボクと一緒の、魔法学科に来ればよかったのに」
俺たちは専門している学科がそれぞれ違って、一日のうち二時間くらいは基礎授業以外、それぞれの学科に通うことになる。
ヒルクスとディオンは騎士学科、ベンガルは魔道具学科、セインは魔法学科、俺は薬剤学科という感じだ。
薬剤学科は、回復魔術以外のパーティの回復をするポジションの生徒が通う事が多い。
俺が専攻する理由は、自分自身には回復魔術は使えないからなのと、攻略対象の好感度を今更上げるつもりは無いからだ。
どの学科を選ぶかで、好感度に多少の変化がある。
今更、好感度カンスト状態のこいつらの好感度がどうしたというのだ。むしろ、どうしてこうなった! と言いたいが、この際、これは置いておく。
そして、俺は大事を取って、クロームが諦めるまで部屋を移すことになった。
「はぁ……確かに、女装には頷いたし、一ヵ月、自分の部屋を空き状態にするとは言ったけど……これ、どう見ても、ヒロインじゃんかぁぁぁ!!」
そして、横の壁からドンッと音を立てられ……静かに消沈した。
転生して悪役令嬢フェルミナ・ドロッセルになった時以来の、激しいツッコミをした気がする。
桜色の肩につくくらいのセミショート、メガネから鏡越しに見る目の色はオレンジと黄色がかった目。
女物の学園の制服。
ハーフケープには桜色の飾り紐にオレンジと黄色のトンボ玉の他に、他の攻略対象者の飾り紐が取り付けられている……ついでにフェルミナの飾り紐までついている。
「あいつ等、何を考えているんだよぉぉぉ!!」
部屋の中で吠える俺は、さぞうるさかったのだろう。
隣の壁から、ドンッと叩かれ、俺は口を閉じる。
部屋は一階の平民宿舎……とても、一等級の部屋とは比べ物にならない。
薄い木の板で区切られたような六畳ほどの部屋にベッドと机にドレッサー、バストイレ付ではあるものの、バスタブは無く、シャワーだけ。
「ハァー……迷惑だ……」
こうなったのも、クロームのせいである。
話は入学式が終わり、ルカリオンと俺が恋人になって三日後の事だ。
ようやく情事のダメージも減ってきたところで、友人たちの登場だったわけである。
「ボクたちの力が足りず、助けてあげられなくてごめんね。フェル~っ」
「人が襲ったような事を、言わないで下さい」
俺に抱き着いてきたセインをルカリオンが引き剥がし、お茶を人数分淹れて出してくれる。
部屋には、セイン、ヒルクス、ベンガル、ディオンが来ていて、ラローシュだけは忙しくてケーキをディオンに持たせてお見舞い? という事らしい。
初日の授業から三日間、病欠になっていたのは俺である。
腰とお尻が死んでいたので仕方がない。
「でも、随分と派手にやったみたいだな」
「ひゃっ!」
「うちの坊ちゃんの肌に、気安く触らないで貰えますか」
首筋を触ってきたヒルクスにルカリオンがドスのある声を出して、手を叩き落す。
まぁ、俺も鏡で自分のシャツから覗く、肌のまだら模様と歯形の後に「うっ!」と声は上げたけどね。
穴があったら入りたい。羞恥で死ぬから~っ!!
「それはそうと、面白い発明品が出来たんだが、フェルに渡そうと思ってね」
「新しい発明? また何を……ってぇ! ベンガル!」
「坊ちゃんに卑猥な物を見せないで下さい」
なんだかとても、モザイクを掛けないとイケナイ物があった気がする!
ルカリオンに手で目隠しをされて、ベンガルが「間違えたこっちだ」と何かを取り出す音がした。
ベンガルの発明品は、普通のメガネだったのだけど、真正面からだと目の色が変わって見える物だった。
「変装用に良いかと思って、思い付きで作ったんだけど。今のフェルには必要だと思う」
「なんで、俺に?」
俺が変装する必要が何処にあっただろうか? 謎だ。
ラローシュが持たせてくれたケーキを口に放り込み、さすが王族、しっとりふわふわケーキだと呑気にフォークを動かしていると、ベンガルが他にも女生徒用の服などを一式広げた。
「式典の時にフェルに、その……キス、したやつがいただろ? そいつがフェルを血眼になって探している」
危うくフォークを落としそうになって、ルカリオンにフォークごと手を握られた。
その手が強く握られた事で、ルカリオンの中で嫉妬のようなものが見えた気がする。
「それで、このメガネで変装……って、わけじゃないんだよな? その制服一式からして……」
「兄様が、教師陣にフェルの事を『ミナ』って生徒で授業に出る事を承認させているから、クロームが諦めるまでは『ミナ』として過ごした方が良いと思うよ」
フェルミナだから『ミナ』なのだろうけど、安直な名前を付けてそこからバレそうな気がする……
というより、女装は決定事項なのか……?
まぁ、この薄いラベンダー色の髪は目立つし、クロームも一瞬だったとはいえ、覚えてしまっているかもしれない。
ブルッと寒気で鳥肌が立つ。
「オレたちがずっと一緒に居られたらいいんだけど、学科が違うからな」
「僕たちは基礎授業以外、皆バラバラだからな」
「フェルもボクと一緒の、魔法学科に来ればよかったのに」
俺たちは専門している学科がそれぞれ違って、一日のうち二時間くらいは基礎授業以外、それぞれの学科に通うことになる。
ヒルクスとディオンは騎士学科、ベンガルは魔道具学科、セインは魔法学科、俺は薬剤学科という感じだ。
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俺が専攻する理由は、自分自身には回復魔術は使えないからなのと、攻略対象の好感度を今更上げるつもりは無いからだ。
どの学科を選ぶかで、好感度に多少の変化がある。
今更、好感度カンスト状態のこいつらの好感度がどうしたというのだ。むしろ、どうしてこうなった! と言いたいが、この際、これは置いておく。
そして、俺は大事を取って、クロームが諦めるまで部屋を移すことになった。
「はぁ……確かに、女装には頷いたし、一ヵ月、自分の部屋を空き状態にするとは言ったけど……これ、どう見ても、ヒロインじゃんかぁぁぁ!!」
そして、横の壁からドンッと音を立てられ……静かに消沈した。
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