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番外編☆クリスマス特別編
クリスマスイベントと悪役令息 ※
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この乙女ゲーム世界に悪役(仮)として転生して、気付けば十二月。
そう十二月だ。
乙女ゲームだろうと他のゲームだろうとこの時期のイベントは『クリスマス』だろう。
この『野バラのkissで貴方を癒す』も例外なく、クリスマスイベントが開催されていた。
「坊ちゃん。またクッキーですね」
「ああ、クッキーだな……」
ルカリオンがプレゼント箱を開けて中から人型のジンジャークッキーを摘まんで見せると、俺はガクリと肩を落とす。
すでに人一人は入れそうな白い布袋にはクッキーが沢山入っている。
「なんでこんな事に~っ!」
俺は街から少し離れた森の中で大声で叫ぶしか無かった。
声は森の中にこだまするでもなく、響いただけである。
元凶は誰あろう、勿論いつもの『姉』という凶悪なモンスターのせいだ。
二葉ちゃんめ……覚えていろ~!!
*******
冬休みに入る数日前、学生寮にやってきた二葉ちゃんの開口一番は、「お邪魔します」でも「遊びに来たよ」でも無かった。
「ねぇねぇ。ミカぁ~お姉ちゃん、ゲーム内であったツリーを飾りたいなぁ」
「ツリーって、あのクリスマス期間限定のモンスターを退治すると出るオーナメントとか飾り付けるやつ?」
「そう! お義兄さまにお願いしてダンスホールに大きなツリーを用意したんだけど、飾りが欲しいの!」
目をキッラキラに輝かせて二葉ちゃんが嬉しそうに言うけど、それ誰が取りに行くの? って話だ。
あー、そんな目で見ないで欲しい。
俺が目を反らすと「みぃーかぁー」と手をワキワキと動かしながら、獲物を狩る目をして近付いてくる。
「お姉ちゃんのお願いぐらい聞きなさいよ!」
「嫌だよ! 俺じゃなくてヒロインの二葉ちゃんのイベントじゃん!」
「お姉ちゃんに怪我をしろっていうの!? 酷いんじゃないの!」
「俺が怪我をしてもいいと?」
「あらあら。どうせミカには、ルカリオン様もいるじゃない」
理不尽な事を言う二葉ちゃんは俺の頬を外に引っ張りながら、俺の後ろでお茶を淹れているルカリオンに目をやる。
ルカリオンは冷めた目で二葉ちゃんから俺を引き離すと、お茶を出してくれた。
「また坊ちゃんを巻き込もうというのですか? フタバ、貴女は懲りない人ですね」
「あら、ルカリオン様にも悪い話じゃないと思うのよ?」
ニンマリと二葉ちゃんはほくそ笑んで、両手を広げる。
「なんと! クリスマスツリーを完成させると! ヤドリギが現れて『祝福のお守り』を授けてくれるの!」
「そんなものになんの意味が?」
「ルカリオン様。ヤドリギのお守りには、悪い者を寄せ付けない効果があるの。つまり、ミカに渡しておけば他の男も女もミカには近づかないのよ」
あー……それって悪役の俺が、ヒロインの狙っているターゲットヒーローに手を出せなくなるアイテムだった気がする。つまりは、俺除けではないだろうかと思うのだけど……ね?
「ふむ……」
「ルカリオン! 考えなくていいから!」
「いやいや、ルカリオン様他にも特典があるのですよ。ヤドリギの下でキスをすると、結婚の約束をしたことになるのですよ。良い話じゃありませんか!?」
「ほう。それは良い事を聞きましたね。ねぇ、坊ちゃん」
「いや、俺に振るなよ!」
俺のツッコミに二葉ちゃんはルカリオンに何かを耳打ちして、ルカリオンが頷き「決定ですね」と、普段は意見の合わない二人は一致してしまったわけだ。
二葉ちゃんの口車にまんまと乗せられいるような気もするし、これ悪役令嬢のフェルミナにさせるイベントじゃないと思うんだけどなぁ……。
********
ゲームと同じ様にクリスマス限定のモンスター狩り。
俺が戦えるわけもなく、ルカリオンが延々と見た目は可愛い雪だるまを狩っている。
落とすアイテムは、全て手の平サイズの緑色に金のリボンが付いているプレゼント箱で、中身はツリーのオーナメントが当たりで、ハズレはジンジャークッキーだ。
森にある二葉ちゃんというより、セインの所有する別荘を拠点に雪だるま退治をしている。
「ルカリオン。寒い……今日はこの辺にしようよ」
「そうですね。坊ちゃんが風邪をひいてはいけませんからね」
「うわっ!」
俺を軽々と片手で抱き上げて、もう片方の手にはプレゼント箱の入った袋を持ちルカリオンは歩き始める。
「ルカリオンっ! 歩けるから!」
「坊ちゃんは、体力を温存しておいて下さい」
「んー、嫌な予感しかしないんだけど?」
「明日も狩りがありますしね」
スリッと頭に顔を擦り寄り、ルカリオンは「どんな事を考えていたんです?」と、分かっているくせに意地の悪い質問をしながら別荘に戻っていった。
別荘はゲーム内にもあった別荘で、クリスマス時期にだけ出て来るやつだ。
外観自体は普通の木造りのロッジで、クリスマス仕様のリースが玄関に飾られていて、室内もクリスマスの飾りで飾られている。
まさか実物を目の前にする事になるとは思ってはいなかったけどね。
「はぁー……部屋の中が温かい~」
「私は狩りで動き回ったので熱すぎるぐらいですが、坊ちゃんはよく温まって下さいね。すぐに食事の準備をしますから」
「わかった。あっ、ルカリオン。袋の中身は俺が選別しとく」
「はい。お願いしますね」
「任せとけ」
ルカリオンは袋を俺に渡すと厚手のコートを脱いでキッチンのある方へ姿を消した。
しばらくキッチンからはお湯を沸かす音と小さな食器の音がしていて、そうした小さな物音に耳を傾けながらプレゼント箱を整頓していく。
「こういうのが幸せ……ってやつなのかな?」
クリスマスイベントでは、プレゼント箱から出るオーナメントはレアな物と普通の物がある。
レアは金色のリンゴやベルのオーナメント。
普通の物はトナカイの形や丸い形の物。星や松ぼっくりなんかもある。
レアの金色の物だけを集めるとヤドリギが出現するのだけれど、数はリンゴとベル五十個ずつだ。
集めるのにどれだけ大変かは……クッキーの数で分かるというもので、クッキーの数は八百枚。
ゲームの時は俺も二葉ちゃんも倉庫に九千九百九十九枚のクッキーを入れ込んだものだ。
「オーナメント……普通の物が三十個に、レアは二個かぁ」
ゲームならまだしも、現実でやると地獄のようだ。
きっと二葉ちゃんもゲームの時と同じ感覚なのだろう。
「坊ちゃん。お茶と私特性のジンジャークッキーをどうぞ」
「ありがとう。ルカリオンもジンジャークッキー作ってたんだ?」
「はい。モンスターから落ちた物を貴方に食べさせるわけにはいきませんからね」
「あははー……」
わりとダンジョンではモンスターから出る体液で薬品を作って、試しに飲んだりしているんだけど、そこは良いのだろうか?
それに、これは教会に寄付したりするから最終的に孤児院の子供達が食べる事になるんだけどね。
ルカリオンにあえてツッコむのは止めて、クッキーを口に入れる。
「んーっ、サクサクで甘いし、香りがいいね」
「坊ちゃんは甘い方が好きでしょうから、ハチミツを多めに入れて、香りはカルダモンにシナモンを少し多めに入れました」
「さすがルカリオン!」
俺の事をよく分かっている従者である。
お茶は蜂蜜無しのミルクティーだから、クッキーの甘さを味わえるようにしていて、抜かりが無い。
「あまりクッキーを食べ過ぎないで下さいね?」
「分かってるよ」
俺の頬に軽くキスをして、ルカリオンは再びキッチンへと戻っていく。
体も暖炉の火と温かいミルクティーでほかほかする。
クッキーを食べたことでも代謝が少し上がったのかも?
セーターを脱いでソファでゴロンと横になると、見上げた天井にはクリスタルで出来たシャンデリアがあった。
真ん中はトナカイの形をしていて、それに見覚えがある。
ゲーム内で見たというより、攻略サイトで見たのだ。
クリスマス限定の十八禁バージョンのURカードで、誰と一緒に来てもソファーで押し倒されて、ヒロイン目線からシャンデリアを見上げる事になる。
「あ、これはヤバい。確実にヤバいやつだ」
なんせルカリオンは元々URだ。
俺が美味しく頂かれてしまう!
嫌じゃないけど、二葉ちゃんにしてやられた感がするから、なんか嫌なんだよな。
「どうしました?」
「ふわっ!」
ヒョイっと顔を覗かせたルカリオンに慌てて顔を上げれば、そのままキスをされていた。
あれ? これ押し倒された形になってないか?
唇を離そうとすれば、また唇を塞がれてズルズルとソファに頭が沈む。
「……っ、はっ、ルカ、リ……んんっ」
流されてなるものかと、手で突っぱねるつもりで伸ばした手は指を絡めて握られる。
繰り返して唇を重ねる度に、お腹の奥が満たされないまま疼いてしまう。
薄く目を開けてルカリオンの表情を見れば、色気満点で、恋人のこうした姿を目にしたらノックアウトされても仕方がない。
ルカリオンが首元に顔を埋めた時、目の前に三角耳が……はむっと甘噛みして吐息を耳に吹きかける。
「はぁ……、ん、ルカリオン」
「誘っているんですか?」
「違ッ……、わない……かも……うぅ~」
恥ずかしがって否定してしまう事も出来るけれど、折角の冬休みに二人でプチ旅行させてもらっているのだし、学生寮では人を気にして頻繁に出来るわけもない。
だから二人でイチャつくチャンスでもある。
「素直で嬉しいですね」
「たまには、俺だって……素直になる。ルカリオンと、その……したいし……」
語尾が小さくなってしまったけれど、耳の良いルカリオンだから一言一句聞き逃しは無いだろう。
その証拠に尻尾が上下に揺れているのが目の端で見える。
「一週間あるので、初日はゆっくり過ごそうと思っていましたが、坊ちゃんの誘いを断るなんて、死んでも出来ません」
どちらにしろ一週間の滞在期間で、何処かで俺とする気ではいたのか。
少し俺はフライングしてしまっただろうか? ルカリオンの事だから、何かしら用意したりしていそうだし……
「えっと、じゃあ……」
「無しは駄目ですよ。坊ちゃん」
「無しじゃなくて、ソフトに……その、軽く触り合うだけとか……さ」
「……たまにはそういうのもいいでしょうが、坊ちゃんから誘ってくれるなんて滅多にありませんから、私が無理ですね」
勇気を振り絞って提案したのに、ルカリオンを焚きつけてしまったのか、いきなりズボンのベルトを外されてズボンを脱がされていた。
下着越しに竿を握られて、「ひゃっ!」と小さく声を上げれば、嬉しそうに「硬くなってますね」と言われる始末。
「仕方ないだろ! もう、あっ! やっ、んっぅ」
下着越しにしごかれて益々硬くなる息子さんに、気持ち良くなりたいの半分と恥ずかしさ半分で歯を食いしばる。
上下に擦られる度にこの熱を吐き出したい衝動に駆られるけど、早漏とは思われたくない。
だけど、好きな人に弄られて感じないなんてありえないだろ普通。
「あっ、ぅ、ルカリオン、やめ……っ、出ちゃうから!」
「出していいですよ。一度吐き出して、体の力を抜いた方が辛く無いですよ」
「やっ、やだぁ! んんっ、なんか上がってくるから! 駄目だってば! やっ、やっ!」
「もう先端から出てしまっていますよ? 我慢すればするほど、射精した後の体力は減りますよ? まぁ、私としてはぐったりした貴方を、大事に大事に美味しく頂きますけど」
ぎゃー! ここに鬼畜の所業を行おうとしている従者が居るよ!!
一瞬、ルカリオンに抱かれてぐったりしている自分を想像してしまい、ルカリオンに裏筋を指で撫でられた瞬間、快感が弾けて下着の中は濡れていた。
「っ、はっ、酷……いぃ」
「舐めて綺麗にしてあげますから、怒らないで下さい」
「やだ。ちょっ、やめっ!」
それでは俺が駄々をこねて、舐めてキレイにしろって強制しているような言い分に聞こえるんだけど?
必死に下着を脱がされるものかと手を伸ばしたけど、ルカリオンにアッサリ脱がされてパクリと口に含まれていた。
その時の俺の心境をなんて表せばいいんだろうね? 泣きたい……!!
「汚いから、やめっ、やだってば! ルカリオンってば!」
半泣きで俺の股に顔を静めるルカリオンの耳を引っ張り、とりあえず騒いでおいた。
ルカリオンが俺の言う事を聞いてくれるわけがない。
射精後の賢者タイム? そんなものすら吹っ飛ぶよ。
この従者、俺を辱めて羞恥死させるに違いない。
舌が下から上に舐めあげて、ちゅるっと音を立てて吸い付く。
「意外と濃いですね」
「~っ」
「ちゃんと処理しないと駄目ですよ? 我慢は体に毒ですから」
「もうやだ。この従者……」
同じ部屋にいるようなものなのに、出来るわけがない!
俺がナニしようものなら、絶対に手を出してくるだろうし、匂いですぐにバレるのにやれる度胸なんかあるわけないじゃないか。
ソファに両手で顔を隠して撃沈すると、ルカリオンの指がお尻の穴を触ってきた。
「ぅ……」
なんだかルカリオンの指が、ぬるぬるしたモノを入れ込んできている気がする。
指の隙間から覗いてみれば、唾液なのか俺が出した物なのかを口から垂らして潤滑油にしようとしていた。
いつも準備の良いルカリオンが、潤滑油用のローションを持ってきていないはずが無いと思うのだけど、俺が初日から盛ったせいで番狂わせをしてしまったせいなのか?
カバンから取りに行く時間ぐらい、俺は待って居られるんだけど!
指が入り口から奥に入り、内壁をグイグイと押し広げていく。
見るんじゃなかったと多少の後悔と一緒に、俺は再び、きゅうんと、お腹の奥で切なげな疼きを覚えて小さく唇を噛みしめて目を閉じる。
「んっ、ぅ……っ、っ」
どれくらい解されてたのか、ルカリオンの指が増えてニチュッと粘膜質な音がする頃には、俺は顔を塞いでいた手を口元に持ってきていて、洩れそうになる声を必死に抑え込んでいた。
出してへなへなになってしまった息子も、今では元に戻ってルカリオンが指を動かす度に透明な液を垂らしているありさまだ。
両足が広げられて膝を曲げられても、声を押し殺す事だけに集中してしまう。
「坊ちゃん、声を出しても良いのですよ? ここは私と坊ちゃんの二人きりなのですから」
「やだ……っ、はぅ、ふぅ、っ」
「貴方の可愛い声を、聞かして下さいね?」
「んっ、あっ!」
ルカリオンが俺の中に入ってきて、ずぶずぶと埋まっていく。
圧迫感と一緒に快感が中から広がっていき、先走りが自然とトロトロに出てしまう。
「ああっ、もっと……! あ、ちが、んんっ!」
やっぱり抑え込めなかった言葉が口をついて出てしまい、恥ずかしさに首を横に振る。
ルカリオンは嬉しそうに口元を緩めて、腰を沈めて突き動かしてきた。
ゾクゾクと腰から上に痺れてしまうような快感が駆け上がる。
体が、ぐずぐずに蕩けそうだ。
「あっ、あっ、あっ。ルカリオン、奥が切ない、早く、奥いっぱいに、ああっ!」
「ああもう、貴方は本当に可愛い人ですね! フタバに言いくるめられた気もしないでも無いですが、こんな貴方が見られるなら、話しに乗って良かったです」
二葉ちゃんがルカリオンになにか耳打ちしていたけど、どういう事かと聞こうとする前に、腰を両手で持たれてズンズンとピストン運動で揺さぶられて、嬌声だけしか出せなかった。
最奥を押し上げられて仰け反り、お腹の奥がピクピクと震える。
本気でヤバい。
狼獣人のルカリオンは、根元にコブが出来て精液が空っぽになるまでは抜く事が出来ないし、俺の方も出し終わってもらえるまでは、ずっとルカリオンに挿入されたままになる。
ただでさえ腸壁を傘の部分でゴリゴリ擦られて気持ちいいのに、それが何度か射精が終わらない限り続くのだ。
「あ、んんっ。あんっ。やだ、こんな声」
「可愛い声ですよ。でも、私が止めてあげられなくなってしまいますね」
「ひゃんっ! 奥グリグリしたら、イクから、やだぁ!」
「私も何度でも出しますから、貴方も出して」
声を遠慮せずに出していい場所のせいか、いつもより興奮してしまったのもあるだろう。
何度も穿たれて、目の前がチカチカと光り白くなると俺は快感に溺れてしまった。
ルカリオンの動きに合わせて腰を動かすぐらい、激しく愛されて愛し返したというべきかな?
まぁ、気付いたら眠っていて、起きたらまたルカリオンに抱き潰されてを繰り返し、一週間の滞在中はずっとエッチな日々でしかなかった。
おかげで足腰立たないわ、二葉ちゃんには「オーナメントが足りない!」と怒られる始末だった。
それでも、俺が寝ている間にルカリオンが多少は集めてくれていて、金色のレアはやはり少なかったけれど、二葉ちゃんの用意した巨大ツリーを普通のオーナメントで飾り付けるのには、充分役に立つ数が揃った。
「坊ちゃん。もう腰は大丈夫ですか?」
「おかげさまで……微妙に痛いだけだよ!」
寮に戻ってクッションをルカリオンに投げつけ、投げた衝撃でまた腰に鈍痛が走る。
痛いぃぃ~。
お尻? 毎日ルカリオンに軟膏を塗られているせいで、ゆるゆるな気がする!
「それにしても、二葉ちゃんに何言われたのさ?」
「十二月は、ミヨシの命日だから、私に気を紛らわせてやって欲しい……と」
「あー……そういえば、俺が死んだのクリスマス前、だったな……」
別に十二月はなんだかんだでルカリオン達と毎年楽しくやっていたから、自分の前世で死んだ日なんて気にしたことも無かったけど、二葉ちゃんはそうじゃないのだろう。
そしてルカリオンも、二葉ちゃんの言葉に乗ったのは優しさ半分、俺と二人きりで過ごす事を選んだという事かな?
バカだなぁ二人共。
「まぁ、気持ちだけは受け取っておくかな」
「なら、ヤドリギの下でキスでもしましょうか」
「え?」
「ちゃんと用意したのですよ」
見ろと言わんばかりに、寮の天井からモッサリとした緑のヤドリギが飾られていた。
イベントの物……じゃあないな。
普通に自生しているヤドリギだろう。
「これって拒否ると駄目なんだっけ?」
「拒否する気ですか?」
「するわけないだろ。拒否なんて」
両手をルカリオンの肩に乗せると、抱き上げられてそのままキスをする。
「メリークリスマス」
「ふふっ。来年もヤドリギを用意しましょうね。むしろ、このまま一年間飾っておきましょうか」
「どんだけキスするつもりなんだよ。まったく」
「いつだってキスしたいに決まっているじゃないですか」
それ、力説するところかな?
首を傾げてルカリオンを覗き込むと、またキスが落ちてくる。
このシーンだけは、イベントでも無いURルカリオンかもしれない。
勿論、俺だけの限定URだ。
*********merry Christmas**********
まだ実家で母の看病をしていまして、来年も母の看病をしていると思います。
なかなか続きが書けない状況が続いておりますが、見捨てないで下さると嬉しいです。
来年もよろしくお願い致します。
ろいず
そう十二月だ。
乙女ゲームだろうと他のゲームだろうとこの時期のイベントは『クリスマス』だろう。
この『野バラのkissで貴方を癒す』も例外なく、クリスマスイベントが開催されていた。
「坊ちゃん。またクッキーですね」
「ああ、クッキーだな……」
ルカリオンがプレゼント箱を開けて中から人型のジンジャークッキーを摘まんで見せると、俺はガクリと肩を落とす。
すでに人一人は入れそうな白い布袋にはクッキーが沢山入っている。
「なんでこんな事に~っ!」
俺は街から少し離れた森の中で大声で叫ぶしか無かった。
声は森の中にこだまするでもなく、響いただけである。
元凶は誰あろう、勿論いつもの『姉』という凶悪なモンスターのせいだ。
二葉ちゃんめ……覚えていろ~!!
*******
冬休みに入る数日前、学生寮にやってきた二葉ちゃんの開口一番は、「お邪魔します」でも「遊びに来たよ」でも無かった。
「ねぇねぇ。ミカぁ~お姉ちゃん、ゲーム内であったツリーを飾りたいなぁ」
「ツリーって、あのクリスマス期間限定のモンスターを退治すると出るオーナメントとか飾り付けるやつ?」
「そう! お義兄さまにお願いしてダンスホールに大きなツリーを用意したんだけど、飾りが欲しいの!」
目をキッラキラに輝かせて二葉ちゃんが嬉しそうに言うけど、それ誰が取りに行くの? って話だ。
あー、そんな目で見ないで欲しい。
俺が目を反らすと「みぃーかぁー」と手をワキワキと動かしながら、獲物を狩る目をして近付いてくる。
「お姉ちゃんのお願いぐらい聞きなさいよ!」
「嫌だよ! 俺じゃなくてヒロインの二葉ちゃんのイベントじゃん!」
「お姉ちゃんに怪我をしろっていうの!? 酷いんじゃないの!」
「俺が怪我をしてもいいと?」
「あらあら。どうせミカには、ルカリオン様もいるじゃない」
理不尽な事を言う二葉ちゃんは俺の頬を外に引っ張りながら、俺の後ろでお茶を淹れているルカリオンに目をやる。
ルカリオンは冷めた目で二葉ちゃんから俺を引き離すと、お茶を出してくれた。
「また坊ちゃんを巻き込もうというのですか? フタバ、貴女は懲りない人ですね」
「あら、ルカリオン様にも悪い話じゃないと思うのよ?」
ニンマリと二葉ちゃんはほくそ笑んで、両手を広げる。
「なんと! クリスマスツリーを完成させると! ヤドリギが現れて『祝福のお守り』を授けてくれるの!」
「そんなものになんの意味が?」
「ルカリオン様。ヤドリギのお守りには、悪い者を寄せ付けない効果があるの。つまり、ミカに渡しておけば他の男も女もミカには近づかないのよ」
あー……それって悪役の俺が、ヒロインの狙っているターゲットヒーローに手を出せなくなるアイテムだった気がする。つまりは、俺除けではないだろうかと思うのだけど……ね?
「ふむ……」
「ルカリオン! 考えなくていいから!」
「いやいや、ルカリオン様他にも特典があるのですよ。ヤドリギの下でキスをすると、結婚の約束をしたことになるのですよ。良い話じゃありませんか!?」
「ほう。それは良い事を聞きましたね。ねぇ、坊ちゃん」
「いや、俺に振るなよ!」
俺のツッコミに二葉ちゃんはルカリオンに何かを耳打ちして、ルカリオンが頷き「決定ですね」と、普段は意見の合わない二人は一致してしまったわけだ。
二葉ちゃんの口車にまんまと乗せられいるような気もするし、これ悪役令嬢のフェルミナにさせるイベントじゃないと思うんだけどなぁ……。
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ゲームと同じ様にクリスマス限定のモンスター狩り。
俺が戦えるわけもなく、ルカリオンが延々と見た目は可愛い雪だるまを狩っている。
落とすアイテムは、全て手の平サイズの緑色に金のリボンが付いているプレゼント箱で、中身はツリーのオーナメントが当たりで、ハズレはジンジャークッキーだ。
森にある二葉ちゃんというより、セインの所有する別荘を拠点に雪だるま退治をしている。
「ルカリオン。寒い……今日はこの辺にしようよ」
「そうですね。坊ちゃんが風邪をひいてはいけませんからね」
「うわっ!」
俺を軽々と片手で抱き上げて、もう片方の手にはプレゼント箱の入った袋を持ちルカリオンは歩き始める。
「ルカリオンっ! 歩けるから!」
「坊ちゃんは、体力を温存しておいて下さい」
「んー、嫌な予感しかしないんだけど?」
「明日も狩りがありますしね」
スリッと頭に顔を擦り寄り、ルカリオンは「どんな事を考えていたんです?」と、分かっているくせに意地の悪い質問をしながら別荘に戻っていった。
別荘はゲーム内にもあった別荘で、クリスマス時期にだけ出て来るやつだ。
外観自体は普通の木造りのロッジで、クリスマス仕様のリースが玄関に飾られていて、室内もクリスマスの飾りで飾られている。
まさか実物を目の前にする事になるとは思ってはいなかったけどね。
「はぁー……部屋の中が温かい~」
「私は狩りで動き回ったので熱すぎるぐらいですが、坊ちゃんはよく温まって下さいね。すぐに食事の準備をしますから」
「わかった。あっ、ルカリオン。袋の中身は俺が選別しとく」
「はい。お願いしますね」
「任せとけ」
ルカリオンは袋を俺に渡すと厚手のコートを脱いでキッチンのある方へ姿を消した。
しばらくキッチンからはお湯を沸かす音と小さな食器の音がしていて、そうした小さな物音に耳を傾けながらプレゼント箱を整頓していく。
「こういうのが幸せ……ってやつなのかな?」
クリスマスイベントでは、プレゼント箱から出るオーナメントはレアな物と普通の物がある。
レアは金色のリンゴやベルのオーナメント。
普通の物はトナカイの形や丸い形の物。星や松ぼっくりなんかもある。
レアの金色の物だけを集めるとヤドリギが出現するのだけれど、数はリンゴとベル五十個ずつだ。
集めるのにどれだけ大変かは……クッキーの数で分かるというもので、クッキーの数は八百枚。
ゲームの時は俺も二葉ちゃんも倉庫に九千九百九十九枚のクッキーを入れ込んだものだ。
「オーナメント……普通の物が三十個に、レアは二個かぁ」
ゲームならまだしも、現実でやると地獄のようだ。
きっと二葉ちゃんもゲームの時と同じ感覚なのだろう。
「坊ちゃん。お茶と私特性のジンジャークッキーをどうぞ」
「ありがとう。ルカリオンもジンジャークッキー作ってたんだ?」
「はい。モンスターから落ちた物を貴方に食べさせるわけにはいきませんからね」
「あははー……」
わりとダンジョンではモンスターから出る体液で薬品を作って、試しに飲んだりしているんだけど、そこは良いのだろうか?
それに、これは教会に寄付したりするから最終的に孤児院の子供達が食べる事になるんだけどね。
ルカリオンにあえてツッコむのは止めて、クッキーを口に入れる。
「んーっ、サクサクで甘いし、香りがいいね」
「坊ちゃんは甘い方が好きでしょうから、ハチミツを多めに入れて、香りはカルダモンにシナモンを少し多めに入れました」
「さすがルカリオン!」
俺の事をよく分かっている従者である。
お茶は蜂蜜無しのミルクティーだから、クッキーの甘さを味わえるようにしていて、抜かりが無い。
「あまりクッキーを食べ過ぎないで下さいね?」
「分かってるよ」
俺の頬に軽くキスをして、ルカリオンは再びキッチンへと戻っていく。
体も暖炉の火と温かいミルクティーでほかほかする。
クッキーを食べたことでも代謝が少し上がったのかも?
セーターを脱いでソファでゴロンと横になると、見上げた天井にはクリスタルで出来たシャンデリアがあった。
真ん中はトナカイの形をしていて、それに見覚えがある。
ゲーム内で見たというより、攻略サイトで見たのだ。
クリスマス限定の十八禁バージョンのURカードで、誰と一緒に来てもソファーで押し倒されて、ヒロイン目線からシャンデリアを見上げる事になる。
「あ、これはヤバい。確実にヤバいやつだ」
なんせルカリオンは元々URだ。
俺が美味しく頂かれてしまう!
嫌じゃないけど、二葉ちゃんにしてやられた感がするから、なんか嫌なんだよな。
「どうしました?」
「ふわっ!」
ヒョイっと顔を覗かせたルカリオンに慌てて顔を上げれば、そのままキスをされていた。
あれ? これ押し倒された形になってないか?
唇を離そうとすれば、また唇を塞がれてズルズルとソファに頭が沈む。
「……っ、はっ、ルカ、リ……んんっ」
流されてなるものかと、手で突っぱねるつもりで伸ばした手は指を絡めて握られる。
繰り返して唇を重ねる度に、お腹の奥が満たされないまま疼いてしまう。
薄く目を開けてルカリオンの表情を見れば、色気満点で、恋人のこうした姿を目にしたらノックアウトされても仕方がない。
ルカリオンが首元に顔を埋めた時、目の前に三角耳が……はむっと甘噛みして吐息を耳に吹きかける。
「はぁ……、ん、ルカリオン」
「誘っているんですか?」
「違ッ……、わない……かも……うぅ~」
恥ずかしがって否定してしまう事も出来るけれど、折角の冬休みに二人でプチ旅行させてもらっているのだし、学生寮では人を気にして頻繁に出来るわけもない。
だから二人でイチャつくチャンスでもある。
「素直で嬉しいですね」
「たまには、俺だって……素直になる。ルカリオンと、その……したいし……」
語尾が小さくなってしまったけれど、耳の良いルカリオンだから一言一句聞き逃しは無いだろう。
その証拠に尻尾が上下に揺れているのが目の端で見える。
「一週間あるので、初日はゆっくり過ごそうと思っていましたが、坊ちゃんの誘いを断るなんて、死んでも出来ません」
どちらにしろ一週間の滞在期間で、何処かで俺とする気ではいたのか。
少し俺はフライングしてしまっただろうか? ルカリオンの事だから、何かしら用意したりしていそうだし……
「えっと、じゃあ……」
「無しは駄目ですよ。坊ちゃん」
「無しじゃなくて、ソフトに……その、軽く触り合うだけとか……さ」
「……たまにはそういうのもいいでしょうが、坊ちゃんから誘ってくれるなんて滅多にありませんから、私が無理ですね」
勇気を振り絞って提案したのに、ルカリオンを焚きつけてしまったのか、いきなりズボンのベルトを外されてズボンを脱がされていた。
下着越しに竿を握られて、「ひゃっ!」と小さく声を上げれば、嬉しそうに「硬くなってますね」と言われる始末。
「仕方ないだろ! もう、あっ! やっ、んっぅ」
下着越しにしごかれて益々硬くなる息子さんに、気持ち良くなりたいの半分と恥ずかしさ半分で歯を食いしばる。
上下に擦られる度にこの熱を吐き出したい衝動に駆られるけど、早漏とは思われたくない。
だけど、好きな人に弄られて感じないなんてありえないだろ普通。
「あっ、ぅ、ルカリオン、やめ……っ、出ちゃうから!」
「出していいですよ。一度吐き出して、体の力を抜いた方が辛く無いですよ」
「やっ、やだぁ! んんっ、なんか上がってくるから! 駄目だってば! やっ、やっ!」
「もう先端から出てしまっていますよ? 我慢すればするほど、射精した後の体力は減りますよ? まぁ、私としてはぐったりした貴方を、大事に大事に美味しく頂きますけど」
ぎゃー! ここに鬼畜の所業を行おうとしている従者が居るよ!!
一瞬、ルカリオンに抱かれてぐったりしている自分を想像してしまい、ルカリオンに裏筋を指で撫でられた瞬間、快感が弾けて下着の中は濡れていた。
「っ、はっ、酷……いぃ」
「舐めて綺麗にしてあげますから、怒らないで下さい」
「やだ。ちょっ、やめっ!」
それでは俺が駄々をこねて、舐めてキレイにしろって強制しているような言い分に聞こえるんだけど?
必死に下着を脱がされるものかと手を伸ばしたけど、ルカリオンにアッサリ脱がされてパクリと口に含まれていた。
その時の俺の心境をなんて表せばいいんだろうね? 泣きたい……!!
「汚いから、やめっ、やだってば! ルカリオンってば!」
半泣きで俺の股に顔を静めるルカリオンの耳を引っ張り、とりあえず騒いでおいた。
ルカリオンが俺の言う事を聞いてくれるわけがない。
射精後の賢者タイム? そんなものすら吹っ飛ぶよ。
この従者、俺を辱めて羞恥死させるに違いない。
舌が下から上に舐めあげて、ちゅるっと音を立てて吸い付く。
「意外と濃いですね」
「~っ」
「ちゃんと処理しないと駄目ですよ? 我慢は体に毒ですから」
「もうやだ。この従者……」
同じ部屋にいるようなものなのに、出来るわけがない!
俺がナニしようものなら、絶対に手を出してくるだろうし、匂いですぐにバレるのにやれる度胸なんかあるわけないじゃないか。
ソファに両手で顔を隠して撃沈すると、ルカリオンの指がお尻の穴を触ってきた。
「ぅ……」
なんだかルカリオンの指が、ぬるぬるしたモノを入れ込んできている気がする。
指の隙間から覗いてみれば、唾液なのか俺が出した物なのかを口から垂らして潤滑油にしようとしていた。
いつも準備の良いルカリオンが、潤滑油用のローションを持ってきていないはずが無いと思うのだけど、俺が初日から盛ったせいで番狂わせをしてしまったせいなのか?
カバンから取りに行く時間ぐらい、俺は待って居られるんだけど!
指が入り口から奥に入り、内壁をグイグイと押し広げていく。
見るんじゃなかったと多少の後悔と一緒に、俺は再び、きゅうんと、お腹の奥で切なげな疼きを覚えて小さく唇を噛みしめて目を閉じる。
「んっ、ぅ……っ、っ」
どれくらい解されてたのか、ルカリオンの指が増えてニチュッと粘膜質な音がする頃には、俺は顔を塞いでいた手を口元に持ってきていて、洩れそうになる声を必死に抑え込んでいた。
出してへなへなになってしまった息子も、今では元に戻ってルカリオンが指を動かす度に透明な液を垂らしているありさまだ。
両足が広げられて膝を曲げられても、声を押し殺す事だけに集中してしまう。
「坊ちゃん、声を出しても良いのですよ? ここは私と坊ちゃんの二人きりなのですから」
「やだ……っ、はぅ、ふぅ、っ」
「貴方の可愛い声を、聞かして下さいね?」
「んっ、あっ!」
ルカリオンが俺の中に入ってきて、ずぶずぶと埋まっていく。
圧迫感と一緒に快感が中から広がっていき、先走りが自然とトロトロに出てしまう。
「ああっ、もっと……! あ、ちが、んんっ!」
やっぱり抑え込めなかった言葉が口をついて出てしまい、恥ずかしさに首を横に振る。
ルカリオンは嬉しそうに口元を緩めて、腰を沈めて突き動かしてきた。
ゾクゾクと腰から上に痺れてしまうような快感が駆け上がる。
体が、ぐずぐずに蕩けそうだ。
「あっ、あっ、あっ。ルカリオン、奥が切ない、早く、奥いっぱいに、ああっ!」
「ああもう、貴方は本当に可愛い人ですね! フタバに言いくるめられた気もしないでも無いですが、こんな貴方が見られるなら、話しに乗って良かったです」
二葉ちゃんがルカリオンになにか耳打ちしていたけど、どういう事かと聞こうとする前に、腰を両手で持たれてズンズンとピストン運動で揺さぶられて、嬌声だけしか出せなかった。
最奥を押し上げられて仰け反り、お腹の奥がピクピクと震える。
本気でヤバい。
狼獣人のルカリオンは、根元にコブが出来て精液が空っぽになるまでは抜く事が出来ないし、俺の方も出し終わってもらえるまでは、ずっとルカリオンに挿入されたままになる。
ただでさえ腸壁を傘の部分でゴリゴリ擦られて気持ちいいのに、それが何度か射精が終わらない限り続くのだ。
「あ、んんっ。あんっ。やだ、こんな声」
「可愛い声ですよ。でも、私が止めてあげられなくなってしまいますね」
「ひゃんっ! 奥グリグリしたら、イクから、やだぁ!」
「私も何度でも出しますから、貴方も出して」
声を遠慮せずに出していい場所のせいか、いつもより興奮してしまったのもあるだろう。
何度も穿たれて、目の前がチカチカと光り白くなると俺は快感に溺れてしまった。
ルカリオンの動きに合わせて腰を動かすぐらい、激しく愛されて愛し返したというべきかな?
まぁ、気付いたら眠っていて、起きたらまたルカリオンに抱き潰されてを繰り返し、一週間の滞在中はずっとエッチな日々でしかなかった。
おかげで足腰立たないわ、二葉ちゃんには「オーナメントが足りない!」と怒られる始末だった。
それでも、俺が寝ている間にルカリオンが多少は集めてくれていて、金色のレアはやはり少なかったけれど、二葉ちゃんの用意した巨大ツリーを普通のオーナメントで飾り付けるのには、充分役に立つ数が揃った。
「坊ちゃん。もう腰は大丈夫ですか?」
「おかげさまで……微妙に痛いだけだよ!」
寮に戻ってクッションをルカリオンに投げつけ、投げた衝撃でまた腰に鈍痛が走る。
痛いぃぃ~。
お尻? 毎日ルカリオンに軟膏を塗られているせいで、ゆるゆるな気がする!
「それにしても、二葉ちゃんに何言われたのさ?」
「十二月は、ミヨシの命日だから、私に気を紛らわせてやって欲しい……と」
「あー……そういえば、俺が死んだのクリスマス前、だったな……」
別に十二月はなんだかんだでルカリオン達と毎年楽しくやっていたから、自分の前世で死んだ日なんて気にしたことも無かったけど、二葉ちゃんはそうじゃないのだろう。
そしてルカリオンも、二葉ちゃんの言葉に乗ったのは優しさ半分、俺と二人きりで過ごす事を選んだという事かな?
バカだなぁ二人共。
「まぁ、気持ちだけは受け取っておくかな」
「なら、ヤドリギの下でキスでもしましょうか」
「え?」
「ちゃんと用意したのですよ」
見ろと言わんばかりに、寮の天井からモッサリとした緑のヤドリギが飾られていた。
イベントの物……じゃあないな。
普通に自生しているヤドリギだろう。
「これって拒否ると駄目なんだっけ?」
「拒否する気ですか?」
「するわけないだろ。拒否なんて」
両手をルカリオンの肩に乗せると、抱き上げられてそのままキスをする。
「メリークリスマス」
「ふふっ。来年もヤドリギを用意しましょうね。むしろ、このまま一年間飾っておきましょうか」
「どんだけキスするつもりなんだよ。まったく」
「いつだってキスしたいに決まっているじゃないですか」
それ、力説するところかな?
首を傾げてルカリオンを覗き込むと、またキスが落ちてくる。
このシーンだけは、イベントでも無いURルカリオンかもしれない。
勿論、俺だけの限定URだ。
*********merry Christmas**********
まだ実家で母の看病をしていまして、来年も母の看病をしていると思います。
なかなか続きが書けない状況が続いておりますが、見捨てないで下さると嬉しいです。
来年もよろしくお願い致します。
ろいず
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