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11章
命の天秤
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寝室で昼間のエデンの『祝福』の話をするとルーファスが眉を下げる。
朱里は頬を桜色に染めて上目づかいでもじもじと髪を弄りながらベッドの上にちょこんと座っている。
「あの、ルーファスどうしますか?」
そう言って聞いてくる朱里は薄い寝着を着て、ほんのりと手製のハーブで作った石けんの香りがして首筋からは番の誘うような香りが強く出ている。
朱里の心音が早く脈打つために漂っているのだというのが伝わってくる。
「アカリ、5人目が欲しいのか?」
「えと・・・、少しだけ。でもね絶対じゃないみたいだし、妊娠しやすいってだけみたいだから」
親指と人差し指で少しと言いながら広げる指はそれなりに広い。
出来れば朱里の意思に沿ってやりたいところだが、困ったな・・・と、ルーファスが思いながらベッドの上で子作りする気満々の朱里にどう伝えるべきか言葉を選ぶ。
「アカリ・・・」
名前を呼びながらベッドに腰を掛けると、朱里が顔を上げて恥ずかしそうな嬉しそうな顔をして「はい」とベッドの上で目を閉じてキス待ちをしている。
いつもならば嬉しくて直ぐに朱里に抱きついて唇を貪るところだが、ルーファスにはそれが出来ない。
朱里に伸ばそうとした手を止めてギュッと握ると、「すまないアカリ」と謝って辛そうな顔で朱里を見つめ、朱里が「え?」と声を出しながら目を開ける。
「今回は見送らせてほしい」
キョトンとした顔をした後で朱里の中にルーファスの言葉がようやく届いたのか、少し強張った顔で笑顔を見せる。
「し、仕方ないよね。うん。あはは・・・うん」
段々と声が小さくなる朱里にルーファスも悪い事をしたと罪悪感が生まれる。
しばらく沈黙が重く寝室に落ち、朱里がベッドから不意に立ち上がる。
「あっ、ミルア達が泣いてる。お乳かもしれないから見てくるね」
「・・・っ、アカリ・・・」
ルーファスの耳にミルアとナルアの泣き声は聞こえてはいない。
朱里の気のせいか、ただ沈黙に耐えられなかったのか逃げるように寝室から出て行ってしまった。
ミルアとナルアの部屋に逃げ込むと、朱里が少し項垂れた後でミルアとナルアの寝顔を見つめる。
ふくふくの頬っぺたにミルクの香りの2人はお気に入りの狼の人形を2人で左右から抱きしめて枕代わりにして寝ている。
「子供をダシにして逃げちゃ、駄目だよね・・・」
ルーファスに断られるとは思って居なかった為に、凄く恥ずかしくなってしまって逃げ出した分、寝室に戻るのが躊躇われる。
人より耳の良い狼獣人のルーファスにミルアとナルアが泣いていないのはバレているだろう。
「ううっ、恥ずかしいよぅ」
子作りする気満々で念入りに体を洗った上に、下着も穿いてない。
下着だけでも穿きに行きたいが、寝室にクローゼットはある。
しかも結構大胆なデザインの寝着はうっすらと胸や恥部が透けて見えている。
夜目の効くルーファスが気付かないわけは無い・・・子供の泣き声がすると誤魔化して逃げたり、寝着や先程のキス待ち顔をした自分を思い出すと、羞恥心はみるみる上がり、頭を冷やすしかないと卵型のギルから出産祝いに貰った椅子に深く腰を掛けて、朱里が1人悶える。
「アカリ、さっきは済まなかった」
ミルアとナルアの部屋にルーファスがやってきて、椅子の中で腰を落としていた朱里が慌てて起き上がろうとして小さくバランスを崩し、余計に椅子の中のクッションに深く埋もれる。
ギッギッと卵型のゆりかごの様な椅子から音がし、朱里がジタバタと足を動かしながら顔を出す。
「いえ、私こそ1人先走っちゃってごめんなさい」
「オレも5人目は欲しいし、欲を言えばもっと家族が欲しいが、今は時期が悪いんだ」
「時期・・・ですか?」
ルーファスが朱里の前まで来ると小さく頷く。
「蜜籠り時期以外に出来る子供は短命なんだ。体が弱く魔力も少ない」
「そういうものなの?」
「ああ、だから蜜籠り時期以外は子供は出来難いようになっている。でも、稀にできる事がある。オレの母上がその時季外れの子供でな・・・、オレを産まなかったらもう少しは長生き出来ただろうが【刻狼亭】の当主の父上には身内が居なかった為にどうしても跡取りが必要だった」
辛そうに話すルーファスの手を朱里が握り、ルーファスが少し困った顔で微笑んで朱里の手を握り返す。
「だから、時季外れの子供が出来やすい時にアカリに手は出せない。子供が苦しむのもアカリが悲しむのも見たくないんだ・・・。凄く、アカリが誘ってくれて今も襲いたくて仕方がないくらいなんだが」
軽く朱里のおでこに触れるようなキスをしてルーファスが微笑むと朱里が顔を赤くして「もぅ」と声を出してルーファスを見上げる。
「わかりました。私も子供の命に責任を持ちたいので子供達には長く健やかに人生を送っていってほしいです。凄く残念な気持ちもあるけど、一時の感情で子供を不幸にしたくはありませんから」
「『祝福』の効果が切れたらアカリに今みたいな服装で誘ってほしい」
バッと朱里が自分の胸の前に手をクロスさせて「ううっ・・・えっちぃー」と顔を赤くする。
ルーファスと朱里が顔を見合わせて一頻り笑うとミルアとナルアがぐずり始め、騒ぎ過ぎたと反省しながら2人をあやして寝かしつけて部屋を後にした。
2人で寝室に戻り、ルーファスの腕の中にすっぽりと収まりながらウトウトと朱里が眠ろうとするとルーファスが「今年の蜜籠りでまた新しい家族を増やそう」と言い、朱里が「そうですね」と答えて眠りに入った。
朱里は頬を桜色に染めて上目づかいでもじもじと髪を弄りながらベッドの上にちょこんと座っている。
「あの、ルーファスどうしますか?」
そう言って聞いてくる朱里は薄い寝着を着て、ほんのりと手製のハーブで作った石けんの香りがして首筋からは番の誘うような香りが強く出ている。
朱里の心音が早く脈打つために漂っているのだというのが伝わってくる。
「アカリ、5人目が欲しいのか?」
「えと・・・、少しだけ。でもね絶対じゃないみたいだし、妊娠しやすいってだけみたいだから」
親指と人差し指で少しと言いながら広げる指はそれなりに広い。
出来れば朱里の意思に沿ってやりたいところだが、困ったな・・・と、ルーファスが思いながらベッドの上で子作りする気満々の朱里にどう伝えるべきか言葉を選ぶ。
「アカリ・・・」
名前を呼びながらベッドに腰を掛けると、朱里が顔を上げて恥ずかしそうな嬉しそうな顔をして「はい」とベッドの上で目を閉じてキス待ちをしている。
いつもならば嬉しくて直ぐに朱里に抱きついて唇を貪るところだが、ルーファスにはそれが出来ない。
朱里に伸ばそうとした手を止めてギュッと握ると、「すまないアカリ」と謝って辛そうな顔で朱里を見つめ、朱里が「え?」と声を出しながら目を開ける。
「今回は見送らせてほしい」
キョトンとした顔をした後で朱里の中にルーファスの言葉がようやく届いたのか、少し強張った顔で笑顔を見せる。
「し、仕方ないよね。うん。あはは・・・うん」
段々と声が小さくなる朱里にルーファスも悪い事をしたと罪悪感が生まれる。
しばらく沈黙が重く寝室に落ち、朱里がベッドから不意に立ち上がる。
「あっ、ミルア達が泣いてる。お乳かもしれないから見てくるね」
「・・・っ、アカリ・・・」
ルーファスの耳にミルアとナルアの泣き声は聞こえてはいない。
朱里の気のせいか、ただ沈黙に耐えられなかったのか逃げるように寝室から出て行ってしまった。
ミルアとナルアの部屋に逃げ込むと、朱里が少し項垂れた後でミルアとナルアの寝顔を見つめる。
ふくふくの頬っぺたにミルクの香りの2人はお気に入りの狼の人形を2人で左右から抱きしめて枕代わりにして寝ている。
「子供をダシにして逃げちゃ、駄目だよね・・・」
ルーファスに断られるとは思って居なかった為に、凄く恥ずかしくなってしまって逃げ出した分、寝室に戻るのが躊躇われる。
人より耳の良い狼獣人のルーファスにミルアとナルアが泣いていないのはバレているだろう。
「ううっ、恥ずかしいよぅ」
子作りする気満々で念入りに体を洗った上に、下着も穿いてない。
下着だけでも穿きに行きたいが、寝室にクローゼットはある。
しかも結構大胆なデザインの寝着はうっすらと胸や恥部が透けて見えている。
夜目の効くルーファスが気付かないわけは無い・・・子供の泣き声がすると誤魔化して逃げたり、寝着や先程のキス待ち顔をした自分を思い出すと、羞恥心はみるみる上がり、頭を冷やすしかないと卵型のギルから出産祝いに貰った椅子に深く腰を掛けて、朱里が1人悶える。
「アカリ、さっきは済まなかった」
ミルアとナルアの部屋にルーファスがやってきて、椅子の中で腰を落としていた朱里が慌てて起き上がろうとして小さくバランスを崩し、余計に椅子の中のクッションに深く埋もれる。
ギッギッと卵型のゆりかごの様な椅子から音がし、朱里がジタバタと足を動かしながら顔を出す。
「いえ、私こそ1人先走っちゃってごめんなさい」
「オレも5人目は欲しいし、欲を言えばもっと家族が欲しいが、今は時期が悪いんだ」
「時期・・・ですか?」
ルーファスが朱里の前まで来ると小さく頷く。
「蜜籠り時期以外に出来る子供は短命なんだ。体が弱く魔力も少ない」
「そういうものなの?」
「ああ、だから蜜籠り時期以外は子供は出来難いようになっている。でも、稀にできる事がある。オレの母上がその時季外れの子供でな・・・、オレを産まなかったらもう少しは長生き出来ただろうが【刻狼亭】の当主の父上には身内が居なかった為にどうしても跡取りが必要だった」
辛そうに話すルーファスの手を朱里が握り、ルーファスが少し困った顔で微笑んで朱里の手を握り返す。
「だから、時季外れの子供が出来やすい時にアカリに手は出せない。子供が苦しむのもアカリが悲しむのも見たくないんだ・・・。凄く、アカリが誘ってくれて今も襲いたくて仕方がないくらいなんだが」
軽く朱里のおでこに触れるようなキスをしてルーファスが微笑むと朱里が顔を赤くして「もぅ」と声を出してルーファスを見上げる。
「わかりました。私も子供の命に責任を持ちたいので子供達には長く健やかに人生を送っていってほしいです。凄く残念な気持ちもあるけど、一時の感情で子供を不幸にしたくはありませんから」
「『祝福』の効果が切れたらアカリに今みたいな服装で誘ってほしい」
バッと朱里が自分の胸の前に手をクロスさせて「ううっ・・・えっちぃー」と顔を赤くする。
ルーファスと朱里が顔を見合わせて一頻り笑うとミルアとナルアがぐずり始め、騒ぎ過ぎたと反省しながら2人をあやして寝かしつけて部屋を後にした。
2人で寝室に戻り、ルーファスの腕の中にすっぽりと収まりながらウトウトと朱里が眠ろうとするとルーファスが「今年の蜜籠りでまた新しい家族を増やそう」と言い、朱里が「そうですね」と答えて眠りに入った。
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