499 / 960
16章
ロデミック・アロアイの独白
しおりを挟む
セルボーノの街の片隅にある倉庫で機嫌よく酒を飲んで寝ている男を倉庫の窓から確認して頷くと「全員突撃!」と合図の声が上がり、倉庫を取り囲んだ冒険者ギルドの機動部隊と冒険者達が一斉に入っていく。
呑気に酒瓶を床に転がして寝ていた男は物音に驚く前に捕らえられていた。
「ロデミック・アロアイ、詐欺容疑及び窃盗容疑で逮捕する!」
そう告げられて元新聞社の編集長ロデミック・アロアイは酒のまわった頭で「これで終わりかー・・・」と思った。
ロデミックが人生の歯車が狂ってしまったのは何処からなのか?
態度の悪い【転写】能力使いの男を『カメラ』1台分に金を払った方がマシだとクビにした知り合いの編集者から押し付けられた新聞記者を雇った事からか?
昔馴染みの新聞社だからと信用してみれば・・・その記者のせいで自分の新聞社は【魔果】事件の犯人とつながりがあるかの様な他社の新聞の見出しに、今まで自分の新聞社と契約してくれていた人々は一気に去って行った。
カメラ1台で10年以上の毎月の支払いがあるのに、自分の新聞社では10台購入していた為その支払いも滞り、雇っていた記者たちにも給与が払えず、気付けばカメラごと記者たちは姿を消していた。
新聞社は倒産。
しかし、カメラの支払いは残っている。【風雷商】の取り立てはそこら辺の高利貸しより性質が悪く、高利貸しに金を借りてカメラの支払いを済ませたが、次は高利貸しに追われる生活。
【風雷商】の取り立ても嫌な物だったが、高利貸しの取り立ても苦しい物があった。
妻には縁を切られ、親戚にも縁を切られた。
ほとんどの家財が高利貸しに売り払われ、その中で『ロックヘル』に亡くなった父親が残した遺産の一部がある事が書かれた書類を見つけてロックヘルへ藁にも縋る思いで出向いた。
小人に『解約』すると告げ、父親の残した遺産のある部屋を小鬼に開けてもらうと、部屋にあったのは子供の頃に自分が着ていた服や玩具で溢れ返っていた。
父親の自分への愛情は解ったが、何の助けにもならないゴミだと悲嘆した。
その部屋で項垂れていた時、岩喰虫が部屋を食い荒らし、穴の開いた隣りの部屋へ逃げ込むと綺麗な着物や壺が並んでいた。そこで頭を過ったのが『金目の物を盗んでも今なら岩喰虫が食い荒らした物とバレないのでは?』という物で頭で善悪を考えるより先に手は動いていた。
父親の遺産を入れる為に持って来た大きめのカバンに次々と物を入れ込み、岩喰虫に気付いた小人達が騒ぎ出すと急いでロックヘルから逃げ出した。
10分もしない間にエフリの都市は岩喰虫に食い荒らされて廃墟と化していた。
他のエフリの都市に来ていた人間に紛れて逃げた。
家に帰り盗んだ物を選別し、金になりそうな小さな宝石類は少し足を伸ばして別の街で売り払い金にした。
そして盗んだものの中に【刻狼】の印鑑を見つけた。
【刻狼】で該当するのは温泉大陸の【刻狼亭】だった。
そして、自分が雇った【魔果】事件の新聞記者は必要に【刻狼亭】の女将から金を強請り取ろうとして、逆に【刻狼亭】に犯行を暴かれ、【刻狼亭】は新聞でも称賛を受けていた。
ただし、【刻狼亭】の女将の写真は一切使わない様にと通達があり、使用した場合は訴えられると言われていた為に女将の写真は現像したまま何処かに仕舞い込んでいた筈だと頭の片隅で思い出す。
しかし、久々にまとまった金が手元にあったのでその事を忘れたのである。
数日後に高利貸しが来て金を支払うと再び金に困る。
今、手元にある物は売り払うのが難しい物ばかりで闇市で流すしかなかった。
大した金にはならないと思っていたが、闇市でも高額の買取になり高利貸しに全ての借金を払い、それでも少しのゆとりがあった。
しかし、それだけでは一生は生きてはいけない。
そこで再び【刻狼亭】の事を思い出す。なんとか利用できないか?と。
仕舞い込んだ女将の写真を取り出し、若い少女な事に驚き年齢を調べていくうちに子供が7人いる事がわかり、その子供の中に女の子が2人居る・・・これを女将の写真を使って何とかできないものか・・・と考えた末に、温泉大陸の遠縁にあたる親戚に話を持って行ったところ、名だたる名家などに釣書を送り込み上手くいけば【刻狼亭】との縁持ちを自分の手柄に出来るかもしれないという安易な考えを言われ、それでは無理があるのでは?と、その話は無かったことにした物の・・・。
自分の新聞社をまた立ち上げる為に手元に残った金貨でもう一度やり直す為に倉庫を借りてそこを拠点に細々と新聞社としての仕事を開始し始めたが、一度ついて回った悪評はついて回り、すぐさままた借金地獄になっていた。
大白金貨6枚分の借金にもう身動きは取れない気がした。
どうせ自棄になるなら!と、【刻狼亭】の女将の写真を釣書に付け、娘と婚約したかったら大白金貨6枚分を用意しろと貴族から商家から手広くばら撒き、動きのありそうな所には盗賊を潜り込ませて用意された大白金貨6枚分の金銭を奪いに行かせた。
自分には悪党の才能でもあるのか?!と、いうほどに釣書に釣られた貴族や商家の多かった事に笑いが止まらなかった。しかし、そろそろ危ないか?と、思い数日後には拠点の倉庫から移動するつもりだったが、少しばかり遅すぎた様だ。
取り囲まれ、罪状を挙げられ捕らえられて、ロデミックは思う。
「ああ、なんて運が無かったんだろうー・・・」
呑気に酒瓶を床に転がして寝ていた男は物音に驚く前に捕らえられていた。
「ロデミック・アロアイ、詐欺容疑及び窃盗容疑で逮捕する!」
そう告げられて元新聞社の編集長ロデミック・アロアイは酒のまわった頭で「これで終わりかー・・・」と思った。
ロデミックが人生の歯車が狂ってしまったのは何処からなのか?
態度の悪い【転写】能力使いの男を『カメラ』1台分に金を払った方がマシだとクビにした知り合いの編集者から押し付けられた新聞記者を雇った事からか?
昔馴染みの新聞社だからと信用してみれば・・・その記者のせいで自分の新聞社は【魔果】事件の犯人とつながりがあるかの様な他社の新聞の見出しに、今まで自分の新聞社と契約してくれていた人々は一気に去って行った。
カメラ1台で10年以上の毎月の支払いがあるのに、自分の新聞社では10台購入していた為その支払いも滞り、雇っていた記者たちにも給与が払えず、気付けばカメラごと記者たちは姿を消していた。
新聞社は倒産。
しかし、カメラの支払いは残っている。【風雷商】の取り立てはそこら辺の高利貸しより性質が悪く、高利貸しに金を借りてカメラの支払いを済ませたが、次は高利貸しに追われる生活。
【風雷商】の取り立ても嫌な物だったが、高利貸しの取り立ても苦しい物があった。
妻には縁を切られ、親戚にも縁を切られた。
ほとんどの家財が高利貸しに売り払われ、その中で『ロックヘル』に亡くなった父親が残した遺産の一部がある事が書かれた書類を見つけてロックヘルへ藁にも縋る思いで出向いた。
小人に『解約』すると告げ、父親の残した遺産のある部屋を小鬼に開けてもらうと、部屋にあったのは子供の頃に自分が着ていた服や玩具で溢れ返っていた。
父親の自分への愛情は解ったが、何の助けにもならないゴミだと悲嘆した。
その部屋で項垂れていた時、岩喰虫が部屋を食い荒らし、穴の開いた隣りの部屋へ逃げ込むと綺麗な着物や壺が並んでいた。そこで頭を過ったのが『金目の物を盗んでも今なら岩喰虫が食い荒らした物とバレないのでは?』という物で頭で善悪を考えるより先に手は動いていた。
父親の遺産を入れる為に持って来た大きめのカバンに次々と物を入れ込み、岩喰虫に気付いた小人達が騒ぎ出すと急いでロックヘルから逃げ出した。
10分もしない間にエフリの都市は岩喰虫に食い荒らされて廃墟と化していた。
他のエフリの都市に来ていた人間に紛れて逃げた。
家に帰り盗んだ物を選別し、金になりそうな小さな宝石類は少し足を伸ばして別の街で売り払い金にした。
そして盗んだものの中に【刻狼】の印鑑を見つけた。
【刻狼】で該当するのは温泉大陸の【刻狼亭】だった。
そして、自分が雇った【魔果】事件の新聞記者は必要に【刻狼亭】の女将から金を強請り取ろうとして、逆に【刻狼亭】に犯行を暴かれ、【刻狼亭】は新聞でも称賛を受けていた。
ただし、【刻狼亭】の女将の写真は一切使わない様にと通達があり、使用した場合は訴えられると言われていた為に女将の写真は現像したまま何処かに仕舞い込んでいた筈だと頭の片隅で思い出す。
しかし、久々にまとまった金が手元にあったのでその事を忘れたのである。
数日後に高利貸しが来て金を支払うと再び金に困る。
今、手元にある物は売り払うのが難しい物ばかりで闇市で流すしかなかった。
大した金にはならないと思っていたが、闇市でも高額の買取になり高利貸しに全ての借金を払い、それでも少しのゆとりがあった。
しかし、それだけでは一生は生きてはいけない。
そこで再び【刻狼亭】の事を思い出す。なんとか利用できないか?と。
仕舞い込んだ女将の写真を取り出し、若い少女な事に驚き年齢を調べていくうちに子供が7人いる事がわかり、その子供の中に女の子が2人居る・・・これを女将の写真を使って何とかできないものか・・・と考えた末に、温泉大陸の遠縁にあたる親戚に話を持って行ったところ、名だたる名家などに釣書を送り込み上手くいけば【刻狼亭】との縁持ちを自分の手柄に出来るかもしれないという安易な考えを言われ、それでは無理があるのでは?と、その話は無かったことにした物の・・・。
自分の新聞社をまた立ち上げる為に手元に残った金貨でもう一度やり直す為に倉庫を借りてそこを拠点に細々と新聞社としての仕事を開始し始めたが、一度ついて回った悪評はついて回り、すぐさままた借金地獄になっていた。
大白金貨6枚分の借金にもう身動きは取れない気がした。
どうせ自棄になるなら!と、【刻狼亭】の女将の写真を釣書に付け、娘と婚約したかったら大白金貨6枚分を用意しろと貴族から商家から手広くばら撒き、動きのありそうな所には盗賊を潜り込ませて用意された大白金貨6枚分の金銭を奪いに行かせた。
自分には悪党の才能でもあるのか?!と、いうほどに釣書に釣られた貴族や商家の多かった事に笑いが止まらなかった。しかし、そろそろ危ないか?と、思い数日後には拠点の倉庫から移動するつもりだったが、少しばかり遅すぎた様だ。
取り囲まれ、罪状を挙げられ捕らえられて、ロデミックは思う。
「ああ、なんて運が無かったんだろうー・・・」
51
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。