黒狼の可愛いおヨメさま

ろいず

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23章

寂しがり屋な悪女 ※R-18

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 朝から昼にかけて会合に出掛けて帰った時、つがいのアカリが寂しそうな気配に気付き、声を掛けると寂しそうな瞳が一瞬でパッと明るく輝く。

 ああ、そういえばこの屋敷は人が常にいて賑やかで、静かなのは夜ぐらいだったなと思いいたる。
シャルと一緒にいても、シャルはずっと寝ていたから寂しかったのだろう。
自分の番は寂しがり屋で、とても可愛い。
 子供達の相手をしながら、たまにアカリを見れば嬉しそうに目を細めて笑っていて、その表情の一つ一つが愛おしいのだから、どうしようもない。

「それじゃあ、お義父さん、お義母さん、お世話になりました」
「お義父様、お義母様、また明日もお願いします」
「はーい。また明日ね」
「気を付けて帰るんだぞ」

 キリンとフィリアが自分達の家に帰るのを見送り、ミルアとナルアがスクルードを寝かしつけてから自分達の部屋に戻っていった。
エルシオンは明日、三つ子のティルナールとルーシーが魔国から帰国する為に、興奮気味でアカリにたしなめられつつ部屋に戻ったが、部屋で何かしているらしく物音が微かにしていた。

「さて、オレ達も休むか」
「あ……、待って」

 ついっと、浴衣の袖をアカリに引っ張られて顔を見れば、頬が朱色に染まっていて、少し目を伏し目がちにしてスリッと腕に頬を擦り付けてくる。
鼻腔に番の誘うような匂いが広がって、オレの番は可愛い誘いをしてくるものだと口元が自然とほころぶ。

「やはり、今日は寂しかったのか」
「ん……。別にね、シャルちゃんと二人が嫌とかじゃなくてね……」
「わかってる。この屋敷はいつでも子供達やドラゴンの声で溢れているからな」

 コクコクと上下に首を振って、アカリが「うちは賑やかだから……」と小さく笑う。
ふわっとした春の陽だまりのようでいて、少し奥ゆかしそうな微笑みがアカリの一番幸せを噛みしめている時の顔で、家族を見守る時の表情がこれだ。

 アカリを抱き上げると、頬にキスをしてきて誤魔化すように首筋に頭を摺り寄せてくる。
髪を一纏めにしている髪留めを外すと、長い黒髪が、いい香りを広げながら風に舞う。
アカリの顎を指で上に向かせると、目を閉じたアカリに唇を重ねる。

「あのね、疲れてなかったら……お部屋で、少し、する……?」

 なにをするのか? などとは無粋なことは口にはするつもりはない。答えは「する」しかないが、何度も体を重ねても恥ずかしがる姿を見るのは可愛い。
アカリからのお誘いは滅多にないので大歓迎である。

「喜んで」

 おでこにキスを落とすとアカリが少し眉を下げて笑って、頬に手を当てて朱色に染まった頬を隠している。
こうした仕草も可愛いのだから、困ったものだ。
いつだって甘い感情を心に満たされて、番だけしか見えなくしてしまう。

 寝室の寝台にアカリを下ろすと薄衣と着物を脱がすのも、もどかしくさえ感じてしまう。
グリムレインが魔法で染色した薄衣は冷気をまとい、他の薄衣よりも防御も兼ね備えている為に、それが無かったら破いてしまっていただろう。

「ふぁ、ルーファスなんか、怒ってる……?」
「いや? まぁ、少し余裕はないな」
「余裕?」

 コテンと首を傾げるアカリの仕草は昔から変わらない。
どうしてこうも可愛い仕草をするのか、この番は……ただでさえ、余裕が無いと今言ったのに、昔から人の話を聞かない番だ。

「アカリを抱きたくて仕方がない」
「ふぁっ!?」

 自分からのお誘いで、する事も分かっているだろうに、顔を赤くするアカリはいつだって初心うぶなままで可愛い。
どんな色香の女性より、アカリのこうした反応が一番クラッと心にきてしまう。
わかってやっているのか天然なのか……まぁ、アカリの場合は後者だから性質が悪い。
オレ専用の悪女ではないかとさえ思ってしまう。

「い……いっぱい、ギュッてして、ね?」

 やはり、悪女で間違いは無いようだ。
自分で言って自分で恥ずかしがる自分の番の悪女ぶりに、ノックダウンさせられそうだ。
キスをしながら抱きしめると、アカリも抱きしめ返してくる。
角度を変えてキスを繰り返し、着物を脱がせると白く柔らかな素肌に吸い寄せられてしまう。

「いつ見ても綺麗な素肌だな」
「うーっ、あんまり見ちゃ駄目……最近、本当にお肉ついたの~っ」

 アカリは肉が付いたというが、出会った時から細く、産後太りでようやく人並みというところなのだから、気にするなと言いたいが、女性に体重のアレコレを言っても納得などしない。

「アカリでさえあれば、どんな体型でもオレはいいがな」

 丸みを帯びた胸も、細くてくびれのある腰も、細い手足も、小さくてすっぽりと腕の中に納まってしまう体も魅力的で十分過ぎるし、完璧だと思う。

「ううっ、ルーファスは昔から体型変わってないよね……格好いいから、羨ましい……」
「子供達の体術の稽古を付けているからな。それより、今はこっちに集中しておけ」

 手でアカリの恥丘ちきゅうをふにふにと揉むと、アカリが小さく声を上げる。

「あっ、ふぁ……っ、んんっ」

 腰が小さく動いて、恥丘を指で割ると蜜口がヒクヒク動いて湿り気を帯びている。
子供を八人産んでいても、体の大きさもあるだろうが緩くなることもなく、狭いのは相変わらずだが、感度は最高に良い。
体の相性が初めから良いのは、番だからというのもあるかもしれないが、一度でも番の体を味わえば、他ではきっと起たないしイケないだろう。

「んくぅ、あっ、そこ、んっ、駄目ぇ」

 ちゅくんちゅくんと水音を立てて膣内に指を出し入れして、解す度に、切なそうな甘い声が上がる。
 アカリは「駄目」「嫌」と拒否系の言葉をよく吐くが、アカリの拒否系は「ソコが悦い」と言っているだけなので気にはしないが、気持ちが昂ってくると「もっと」「いい」という言葉も出るので、今日はその言葉を引き出せるかどうかという楽しみもある。

「あっ、あうっ、そこばっかり、駄目だったらぁ、ひぅ、あっ、あっ、やぁんっ、んくっ」

 指にきゅうきゅうと吸い付く内壁に、アカリのイク寸前の潤んだ瞳、そして可愛い口がパクパクと動く姿に、余裕がない分、下半身の熱は溜まりっぱなしで痛いぐらいである。

「イッちゃう、やぁ、もっ、駄目、ほんとに、駄目ぇーっ!! っ」

 指を咥え込んだ膣内がギュッと締まり、アカリが目をつぶって息を荒くすると、膣内は愛液がとろりと溢れてきて、内壁は力が緩むとヒクヒクと動く。

「さてと、今日は本当に余裕が無いからな。でも、アカリにギュッとしてやらないといけないし……」
「ふぁ……ハァハァ……んっ、ハァ」

 アカリのヒクつく蜜口に指を入れて愛液をぐちゅぐちゅとかき混ぜると、アカリが嬌声を上げて体をよじる。
指で絡めとった愛液を自分の性器に塗り付けると、アカリの足をM字に広げて先端を蜜口に挿入する。
さすがに解し足りてはいないので、愛液も潤滑油にはあまりなっていないが限界というのもある。

「んきゅっ、きゃぅぅ……っ! それ以上、はいんな、い……無理ぃ……んっ、あっ」
「少し、我慢してくれ」

 鈴口が入っただけだというのに、小さくアカリが首を左右に振る。
まぁ、前戯が十分では無かったのだから仕方がない。指でアカリの秘所に隠された陰核をゆっくりと弄り、アカリがぴくぴくと反応を見せ始めると、じわじわと愛液が出始め腰をもう少し沈めていく。

「あうぅ、それ、やっ、んっ、弄らないでぇ、やぁ、やだって、ば」

 敏感過ぎる場所なのは重々承知だが、快感を早く得られる様にするにはココを弄るのが一番早い。
涙ぐむアカリに可哀想な感じもするが、蜜壺がヒクついているのも感じ取れるので、嫌がっていると言っても、すぎているというところだろう。

 ビクンッとアカリの体が大きく仰け反り、キュゥゥと中が痛いほどに締まる。

「____っ!!!」

 息を一瞬止めて、アカリの締め付けをやり過ごすと、次にくるのは奥へと誘うようなヒクつきで、アカリが達してしまった事が伝わる。
息を乱してアカリがぐったりとして力が抜けたところを一気に奥まで挿入し、鈴口が子宮口を押し上げてようやく全てを収める事が出来る。

「アカリ、少し体位を変えるからな」
「んっ、きゃぅ」

 アカリの尻と背中に腕を回して自分の体に密着させて座位に持ち込むと、腕の中のアカリは小さく唇を噛んでフーッフーッと小さく息を吐いている。
アカリの膣内がぎゅむぎゅむと収縮してオレのモノをしごいているかのようだ。

「あー……これはヤバいな」
「ひぅ、るーふぁす、放してぇ、これ、だめ、だめ」
「ギュッとして欲しいんだろう?」
「はぅ、お腹きゅーきゅーしてるから、きゃぁぁぁんっ!!」

 アカリを自分に密着させたまま下から突き上げると、悲鳴に似た嬌声を上げてオレの胸に頬を付けたまま息を荒げている姿に、益々ヤバい感じがする。
色香と可愛らしさに興奮が抑えきれず、ギュッと抱きしめたまま下から突き上げを繰り返し、アカリがビクビクと体を震わせて、膣内の締まりも強くなったところで吐精した。

「あ、はぁー……も、だめ……」

 ハァハァと息を乱しながらアカリが目を潤ませる。
この潤んだ瞳で見つめられると、直ぐに復活してしまうのだから、オレは番にどれだけメロメロなのかと思う。

「……ルーファス? あの、中が……硬いよ……?」
「アカリにあんな目で見つめられたら、応えないわけにはいかないな」
「ふぇ? あんな目って? なにも言ってな…‥‥っ!!」

 アカリの片足を持ち上げて、くるっと体の向きを反転させるとアカリの背中にキスをする。
体の小さなアカリは体位を変えるのも簡単に出来てしまうので、抜かずに繋がったままなのがいい。
まぁ、体位なんてコロコロ変えて抱き合うのはアカリだけだが。
どの角度からでも、味わってみたいと思わせる魅力が、アカリにあるのが悪い。

「ひゃんっ、噛んじゃ、だめ」

 肩を軽く噛んだら、アカリがビクビクと体を震わせる。
噛むとアカリの膣内がキュッとする反応が可愛い。調子に乗ってまた噛んだらアカリが逃げようと腰を浮かせ、逃がすわけがないと、腰を引き寄せて鈴口で奥をコンコンと突くといっそう締まる。

「腰、手、放してぇ……っ、あんっんんっ」
「仕方がないな、腰じゃなきゃいいんだな」

 腰から手を放して、アカリの胸を両手で揉みながら下から突きつつ、柔らかな胸を堪能する。
しっとりした肌と柔らかさに弾力の良さで、これで胸の感度も良いときている。

「きゃんっ、んっ、んっ、あっ、あんっ、ああ、もっと……あっ、はぁ、ん」
「ああ、もっとだな。了解だ」
「あっ、ちが、ちがう、の、んっ、きゃう、あんっ、ああんっ」

 無意識で出た言葉こそ本心とはよく言うもので、アカリのおねだりがあったのだから可愛がってやらなくてはいけない。これはオスとして、番としての義務でもある。
最愛の番におねだりされて満足させられないようでは番の名がすたるというものだ。

 アカリをイかせる度に体位を変えて、何度となくキスをして体を繋げ、白濁で下肢を汚すさまに余計にムラッとして腰を押し付けて、アカリの嬌声も拒否系が無くなる。

「あっ、あ、あ、イッちゃう、いいの、そこ、いい。ああん」

 ちゅくんちゅばっと粘膜質な水音に乱れた呼吸、肌のぶつかり合う音、寝室に充満する番の甘い香りと、番の可愛い声の甘いさえずり、番の中で精を放つと幸福感に包み込まれる。 
 
「好きぃ……」

 アカリがそれだけを言うと寝台に沈むように横になって、しばらくしたら寝息がしている。
流石に万年体力不足のアカリに無理をさせ過ぎてしまったようだ。
アカリの体を抱き寄せておでこにキスを落とし、耳元で「オレもだ」と囁くとアカリの口元が緩む。
幸せそうな顔に、こちらも幸せな気持ちが広がる。
アカリの体を綺麗にして浴衣を着せて「おやすみ」とキスをして眠りにつく。

 朝、体が揺すられて目を覚ますと、アカリが真っ赤な顔をしている。

「ルーファス、トイレ、連れて行って……」
「ああ、いいぞ。今日は随分甘えん坊だな」
「好きで甘えてるんじゃないの~……足がプルプルで腰がカクンって……ううっ」

 ああ、腰が抜けたのか……やり過ぎたようで、声も心なしか掠れている。
アカリをトイレに運んで、疲労回復ポーションを用意すると、アカリにジト目で「これ、安全なの?」と言われた。
流石にこの間の実験用ではない。まぁ、もう少し改良するように言って作り直させてはいるが、あれは蜜籠りのお楽しみ……ではなく、種族の合わない者同士がつがう為に造らせているだけである。

「ルーファス、ギュッ」

 疲労回復ポーションで立てる様になったアカリが腰に抱きついてきて、朝から可愛い番だと抱きしめ返そうとしたら、素早く抜け出してアカリが「朝ご飯の準備してきまーす」と、トトトと足音を立てて寝室から逃げて行ってしまった。 

「アカリは本当に、オレの悪女だな」

 朝から熱を冷ます為に冷水を浴びることになるとは、やれやれである。
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