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27章
ドラゴンハーレム17
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巨大な大剣を振り回すアカツキという青年にネルフィームはギリギリで避けて、まるで漫画のように大剣の上に足で立つ。
そして青年の顔ギリギリで闇ブレスを吐き出す。
顔面噴射はえげつない! そう思った私達は「ひえぇっ」と声を上げたのだけれど、青年は逆に闇ブレスを口で吸いこんでしまう。
「「ええええっ!?」」
アルビーと手を合わせて、何アレ? この人、人間? と目を何度も瞬きを繰り返す。
もしかして、異世界人がこの世界に来る時に授かってしまう特殊能力なのだろうか?
「ネルフィーム! わたしと交代して!」
「いいや。こいつは私達では無理だ!」
アルビーが交代しようと手を挙げるが、ネルフィームは首を振る。
「なんでさ!」
「こいつはー……」
「余所見は、危ないよ! お嬢さん!」
ネルフィームの目の前で白い光が炸裂し、私達も眩しさに目をくらませた。
白い光が残像のように目にチカチカと残り、数秒の間は目でものを見る事が出来なくなってしまう。
おそらくこれは光魔法だと思うけど、子供だましの魔法だから使う人なんて早々いない。
しかし、闇属性を口で吸いこんだり、光魔法を放ったり、この青年は正反対の属性を有しているのかも……と、少しの間、そんなことを考えていたら、目の前に黒い塊が飛んできて、私とアルビーは黒い塊ことネルフィームに押しつぶされてしまっている状態。
「うわぁ!」
「むぎゅー……重いぃ」
青年に投げ飛ばされたであろうネルフィームは目を回していた。
グリムレインはやっぱり私を見捨てて自分だけ逃げているし、本当に酷い従者なのだけど?
「嫁もアルビーもどんくさいな」
「そんな事言ってないで助けてよ!」
「グリムレイン、酷いじゃない! 私はこれでもあなたの主君だよね」
「そうはいってものう。嫁と一緒に潰されては、助ける事も出来んだろう?」
小憎たらしい事を言って、グリムレインが気絶したネルフィームを退かしてくれた。
一理あるような、無いような……?
「アカリ! 大丈夫か!?」
「ルーファス、大丈夫だよ。でもネルフィームが目を回しちゃってるの」
駆け寄ってきたルーファスに無事を伝えると、ルーファスは眉を下げて「【回復】」と回復魔法を私にしてきた。
ネルフィームではなく、何故私に? と首を傾げれば、足首がほんのりと温かく光に包まれる。
「あら……? 足、くじいてたみたいだね」
「アカリは、少しは自分の体の具合に気付いてくれ。オレが痛みを共有していなかったら大変だったぞ」
「ごめんなさい。重たい方が先にきていたみたいで……って、後ろ!」
「隙ありッ!」
ルーファスの肩越しから青年の姿が見えた。
意気揚々としたその顔に、一瞬、あ、昔見た戦隊モノのヒーローってこんな感じだったなぁと思ってしまったのだけど、後ろから襲い掛かってくる卑怯なヒーローは無いかな。うん。
「【雷槍】!」
「うわっ! あぶなっ」
ギリギリで彼は避け、ルーファスは舌打ちして追撃を放つ。
それも彼はコミカルな動きで避けていく。
「グーエンの氷攻撃に比べたら、殺気が足りない。まだまだ余裕」
「このっ! 【雷槍】【土壁】【水玉】」
「うわっ! ちょっ、たんまたんま。一人で属性幾つも持っているのは卑怯じゃない?」
「後ろから襲い掛かる様な奴に、卑怯も何も言われる筋合いはないな!」
私はコクコクと頷き、アルビーも「卑怯者」と彼をなじる。
何故かあちらのチーム側も「あれは無いな」と呆れた声を出していた。
なんだか避難の的のような人だ。
「酷くない? 皆、俺に酷くない!?」
セスタ国代表の人達は、「流石に救助している相手側を攻撃するのは……な」と、狐獣人っぽいあちら側の総大将に言われ、銀髪の狼獣人の人も「まぁ、彼は元々そういう卑怯な事をする人間ですから」と冷たい目で見ている。
なんだかうちの【刻狼亭】の従業員のやり取りのようで既視感が沸くのよね。
「ナナワさーん! このぐらい俺達の世界じゃ普通だよね!?」
青年はセスタ国の観客席に向かって叫ぶ。
先程のポニーテールの女の子が「えーっ、普通に無いよ!?」とツッコミ、「子供の教育に悪いでーす」と子供を抱き上げた。
「ナナワさんに良いとこ見せたかったのに……」
口を尖らせていじけてしまっている青年は、ルーファスの攻撃を糸の切れた凧のように避けている。
【刻狼亭】にスカウトしたいぐらいの実力者……ではあるけれど、やる気の無さはハガネに通じるものがあるのではないかしら?
まぁ、それをハガネに言えば『バカ言え。俺は程よく手ぇ抜いてるだけだ。ここまで腑抜けてねぇよ』くらいは言いそうではあるけどね。
「これではらちが明かんな。ニクストローブ、やれ」
「ドラゴン使いが荒いのう。【土沼】」
足元が沼になり沈み始める……が、青年は背中に翼を生やすと空中へ飛ぶ。
そしてもう一人相手側の鳥獣人の青年も飛び、その足に猫が飛びつく。
「うわっ! アーサー! しがみ付くなよ!」
「嫌ですニャ! 泥だらけは勘弁してほしいニャッ!」
空を飛ぶのは卑怯だわー……いや、うちのドラゴン達も空を飛ぶけどね。
グリムレインが早速、空を飛んで彼等を追い駆けている。
ジッとしてないんだから。と思っていたら、ずぶずぶと私も地面にはまっていっていた。
「えええ!? ねぇ! 私まで沈んでいるんだけど!? ニクストローブ!!」
「わしがやっておるわけじゃないぞ!」
「アカリ!」
「ニクストローブがやっていないのなら、誰がやるって言うのよ~!」
暴れれば暴れるほど泥沼に沈んでいくのを、ルーファスとアルビーが引き上げようとして手を伸ばす。
二人の手を握り、引き上げてもらおうとしたのに、私の足はガッチリと地面で固められていた。
腰から下が非常に冷たい。
「何これ!? 何これー!」
「アカリ、暴れるな! 直ぐに引き上げてやるから」
「アカリ、体重増えたんじゃない? すっごく重いんだけど」
「失礼よ! アルビー!! そうじゃないの! 下半身が氷漬けになっているみたいな……って、まさか」
私達は一斉にセスタ国の銀色の狼獣人を見た。
あちら側の銀狼獣人と狐獣人が何か魔法を使っていたようだ。
おそらく、この泥沼も泥の中で凍らされた事も計算の上で、あのひょうきんな青年に皆の意識を集中させていたのだろう。
してやられた! と、思った時には……私は寒さで歯をガチガチにさせていて、ルーファスが降参をつげていた。
そして青年の顔ギリギリで闇ブレスを吐き出す。
顔面噴射はえげつない! そう思った私達は「ひえぇっ」と声を上げたのだけれど、青年は逆に闇ブレスを口で吸いこんでしまう。
「「ええええっ!?」」
アルビーと手を合わせて、何アレ? この人、人間? と目を何度も瞬きを繰り返す。
もしかして、異世界人がこの世界に来る時に授かってしまう特殊能力なのだろうか?
「ネルフィーム! わたしと交代して!」
「いいや。こいつは私達では無理だ!」
アルビーが交代しようと手を挙げるが、ネルフィームは首を振る。
「なんでさ!」
「こいつはー……」
「余所見は、危ないよ! お嬢さん!」
ネルフィームの目の前で白い光が炸裂し、私達も眩しさに目をくらませた。
白い光が残像のように目にチカチカと残り、数秒の間は目でものを見る事が出来なくなってしまう。
おそらくこれは光魔法だと思うけど、子供だましの魔法だから使う人なんて早々いない。
しかし、闇属性を口で吸いこんだり、光魔法を放ったり、この青年は正反対の属性を有しているのかも……と、少しの間、そんなことを考えていたら、目の前に黒い塊が飛んできて、私とアルビーは黒い塊ことネルフィームに押しつぶされてしまっている状態。
「うわぁ!」
「むぎゅー……重いぃ」
青年に投げ飛ばされたであろうネルフィームは目を回していた。
グリムレインはやっぱり私を見捨てて自分だけ逃げているし、本当に酷い従者なのだけど?
「嫁もアルビーもどんくさいな」
「そんな事言ってないで助けてよ!」
「グリムレイン、酷いじゃない! 私はこれでもあなたの主君だよね」
「そうはいってものう。嫁と一緒に潰されては、助ける事も出来んだろう?」
小憎たらしい事を言って、グリムレインが気絶したネルフィームを退かしてくれた。
一理あるような、無いような……?
「アカリ! 大丈夫か!?」
「ルーファス、大丈夫だよ。でもネルフィームが目を回しちゃってるの」
駆け寄ってきたルーファスに無事を伝えると、ルーファスは眉を下げて「【回復】」と回復魔法を私にしてきた。
ネルフィームではなく、何故私に? と首を傾げれば、足首がほんのりと温かく光に包まれる。
「あら……? 足、くじいてたみたいだね」
「アカリは、少しは自分の体の具合に気付いてくれ。オレが痛みを共有していなかったら大変だったぞ」
「ごめんなさい。重たい方が先にきていたみたいで……って、後ろ!」
「隙ありッ!」
ルーファスの肩越しから青年の姿が見えた。
意気揚々としたその顔に、一瞬、あ、昔見た戦隊モノのヒーローってこんな感じだったなぁと思ってしまったのだけど、後ろから襲い掛かってくる卑怯なヒーローは無いかな。うん。
「【雷槍】!」
「うわっ! あぶなっ」
ギリギリで彼は避け、ルーファスは舌打ちして追撃を放つ。
それも彼はコミカルな動きで避けていく。
「グーエンの氷攻撃に比べたら、殺気が足りない。まだまだ余裕」
「このっ! 【雷槍】【土壁】【水玉】」
「うわっ! ちょっ、たんまたんま。一人で属性幾つも持っているのは卑怯じゃない?」
「後ろから襲い掛かる様な奴に、卑怯も何も言われる筋合いはないな!」
私はコクコクと頷き、アルビーも「卑怯者」と彼をなじる。
何故かあちらのチーム側も「あれは無いな」と呆れた声を出していた。
なんだか避難の的のような人だ。
「酷くない? 皆、俺に酷くない!?」
セスタ国代表の人達は、「流石に救助している相手側を攻撃するのは……な」と、狐獣人っぽいあちら側の総大将に言われ、銀髪の狼獣人の人も「まぁ、彼は元々そういう卑怯な事をする人間ですから」と冷たい目で見ている。
なんだかうちの【刻狼亭】の従業員のやり取りのようで既視感が沸くのよね。
「ナナワさーん! このぐらい俺達の世界じゃ普通だよね!?」
青年はセスタ国の観客席に向かって叫ぶ。
先程のポニーテールの女の子が「えーっ、普通に無いよ!?」とツッコミ、「子供の教育に悪いでーす」と子供を抱き上げた。
「ナナワさんに良いとこ見せたかったのに……」
口を尖らせていじけてしまっている青年は、ルーファスの攻撃を糸の切れた凧のように避けている。
【刻狼亭】にスカウトしたいぐらいの実力者……ではあるけれど、やる気の無さはハガネに通じるものがあるのではないかしら?
まぁ、それをハガネに言えば『バカ言え。俺は程よく手ぇ抜いてるだけだ。ここまで腑抜けてねぇよ』くらいは言いそうではあるけどね。
「これではらちが明かんな。ニクストローブ、やれ」
「ドラゴン使いが荒いのう。【土沼】」
足元が沼になり沈み始める……が、青年は背中に翼を生やすと空中へ飛ぶ。
そしてもう一人相手側の鳥獣人の青年も飛び、その足に猫が飛びつく。
「うわっ! アーサー! しがみ付くなよ!」
「嫌ですニャ! 泥だらけは勘弁してほしいニャッ!」
空を飛ぶのは卑怯だわー……いや、うちのドラゴン達も空を飛ぶけどね。
グリムレインが早速、空を飛んで彼等を追い駆けている。
ジッとしてないんだから。と思っていたら、ずぶずぶと私も地面にはまっていっていた。
「えええ!? ねぇ! 私まで沈んでいるんだけど!? ニクストローブ!!」
「わしがやっておるわけじゃないぞ!」
「アカリ!」
「ニクストローブがやっていないのなら、誰がやるって言うのよ~!」
暴れれば暴れるほど泥沼に沈んでいくのを、ルーファスとアルビーが引き上げようとして手を伸ばす。
二人の手を握り、引き上げてもらおうとしたのに、私の足はガッチリと地面で固められていた。
腰から下が非常に冷たい。
「何これ!? 何これー!」
「アカリ、暴れるな! 直ぐに引き上げてやるから」
「アカリ、体重増えたんじゃない? すっごく重いんだけど」
「失礼よ! アルビー!! そうじゃないの! 下半身が氷漬けになっているみたいな……って、まさか」
私達は一斉にセスタ国の銀色の狼獣人を見た。
あちら側の銀狼獣人と狐獣人が何か魔法を使っていたようだ。
おそらく、この泥沼も泥の中で凍らされた事も計算の上で、あのひょうきんな青年に皆の意識を集中させていたのだろう。
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