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寝室
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発情期だと理性を失って求め合うのだと言われているけれど、そこまで酷い発情期になった事が無かったから、自分はこうした事には、淡白な性質なのだろうと思っていた。
メイデルの手が服にかかり、素肌を弄り始めると、体に火が付いたように……とはこういう事を言うのだろうか? 体ごと一つの心臓になってしまったように鼓動だけの存在になってしまったような気がする。
テーブルの上に押し倒されて、されるがままに身を任せて服が脱がされていく。
たまに噛みつくような貪られる口付けに、応えてしまう体が淡白な性質などでは無いことを証明していた。
「サキさん、このまま進めても大丈夫ですか?」
動きを止めたメイデルの言葉に、聞くなよ! と、騒ぎたいところだけど、羞恥心が邪魔をして頷くだけで精いっぱいだった。
「なら、寝室の方に行きましょうか。ここでは、監視の目もありそうですからね」
「監視?」
「何でもありません。九階といえどリビングの窓は大きいですから、人目についてしまうかもしれませんからね」
キスをしたまま抱き上げられて、お姫様抱っこで寝室まで運ばれた。
寝室は和室で、畳で出来たベッドの上に布団が敷いてあった。
い草の匂いがふわりと鼻をくすぐる。
「スプリングが無いタイプですね……」
「そりゃ、畳ベッドだからね。こういうの憧れてはいたけど、高いからここにあって少しビックリだ」
「……サキさんが、喜んでくれているなら……良かったです」
歯切れの悪そうなメイデルに、どうしたのだろうかと見上げるとキスをされて、ベッドに下ろされる。
素肌に布団の感触が良いと思いながら見上げた天井は、竹で出来ていて……純和風仕様なようだ。
服を脱ぐメイデルを見て、ギョッとして目を丸くしてしまったのは仕方がない。
「メイデル、筋肉凄い……」
「鍛えていますからね」
元軍人とはいえ、無駄な肉は無いといわんばかりの筋肉で出来た体つきは引き締まっている。
四十七歳とか言っていたような……衰える事を知らないのでは? と思たり……
自分の貧相な体つきに少しだけショックだ。
筋トレしよう。うん、同じ男として少し鍛えよう。
「サキさんは、発情期じゃなくても濡れる方ですか?」
「濡れる方?」
何が濡れる……って、あそこか! と、思い当ってブンブンと顔を横に振る。
発情期の時は、ほぼ眠くなる薬で終わるまで寝ているだけの状態だから、濡れるも何も分からない。
女性が濡れる症状はオメガの男性にも起こる事で、性交の時に体の中を傷つけない為に体液が出て濡れるらしい。
「もしかしてと思いますが……性交渉の経験は?」
「っ! なっ! なんでそんな事……」
「なるほど。子供を作る事を条件として呑むので、てっきりこうした事も経験豊富で、アルファを毛嫌いしているのかと思いましたが、知らない故に怯えていただけのようですね」
人の顔をまじまじと見て答えを出していくのは勘弁してほしい。
当たらずとも遠からずだ。子供は、それしか支払えるものが無かったからだし、アルファを毛嫌いしているというより、オメガだからアルファと比較されて生きてきたのだから、苦手意識は少なからずある。
「別にいいだろ……俺みたいな地味なオメガ、誰が相手にするって言うんだよ……」
「サキさんは自分を卑下し過ぎですよ。サキさんは、十分魅力的でチャーミングですからね」
「そりゃ、メイデルの目がおかしいだけだ。運命の番だから、そう思えるだけだろ?」
「サキさんが自分を否定する分、私がどれだけ愛しているか、教えてあげますよ」
目を細めて笑ったメイデルに、ゾックリとした悪寒のようなものが体に走る。
メイデルの手が服にかかり、素肌を弄り始めると、体に火が付いたように……とはこういう事を言うのだろうか? 体ごと一つの心臓になってしまったように鼓動だけの存在になってしまったような気がする。
テーブルの上に押し倒されて、されるがままに身を任せて服が脱がされていく。
たまに噛みつくような貪られる口付けに、応えてしまう体が淡白な性質などでは無いことを証明していた。
「サキさん、このまま進めても大丈夫ですか?」
動きを止めたメイデルの言葉に、聞くなよ! と、騒ぎたいところだけど、羞恥心が邪魔をして頷くだけで精いっぱいだった。
「なら、寝室の方に行きましょうか。ここでは、監視の目もありそうですからね」
「監視?」
「何でもありません。九階といえどリビングの窓は大きいですから、人目についてしまうかもしれませんからね」
キスをしたまま抱き上げられて、お姫様抱っこで寝室まで運ばれた。
寝室は和室で、畳で出来たベッドの上に布団が敷いてあった。
い草の匂いがふわりと鼻をくすぐる。
「スプリングが無いタイプですね……」
「そりゃ、畳ベッドだからね。こういうの憧れてはいたけど、高いからここにあって少しビックリだ」
「……サキさんが、喜んでくれているなら……良かったです」
歯切れの悪そうなメイデルに、どうしたのだろうかと見上げるとキスをされて、ベッドに下ろされる。
素肌に布団の感触が良いと思いながら見上げた天井は、竹で出来ていて……純和風仕様なようだ。
服を脱ぐメイデルを見て、ギョッとして目を丸くしてしまったのは仕方がない。
「メイデル、筋肉凄い……」
「鍛えていますからね」
元軍人とはいえ、無駄な肉は無いといわんばかりの筋肉で出来た体つきは引き締まっている。
四十七歳とか言っていたような……衰える事を知らないのでは? と思たり……
自分の貧相な体つきに少しだけショックだ。
筋トレしよう。うん、同じ男として少し鍛えよう。
「サキさんは、発情期じゃなくても濡れる方ですか?」
「濡れる方?」
何が濡れる……って、あそこか! と、思い当ってブンブンと顔を横に振る。
発情期の時は、ほぼ眠くなる薬で終わるまで寝ているだけの状態だから、濡れるも何も分からない。
女性が濡れる症状はオメガの男性にも起こる事で、性交の時に体の中を傷つけない為に体液が出て濡れるらしい。
「もしかしてと思いますが……性交渉の経験は?」
「っ! なっ! なんでそんな事……」
「なるほど。子供を作る事を条件として呑むので、てっきりこうした事も経験豊富で、アルファを毛嫌いしているのかと思いましたが、知らない故に怯えていただけのようですね」
人の顔をまじまじと見て答えを出していくのは勘弁してほしい。
当たらずとも遠からずだ。子供は、それしか支払えるものが無かったからだし、アルファを毛嫌いしているというより、オメガだからアルファと比較されて生きてきたのだから、苦手意識は少なからずある。
「別にいいだろ……俺みたいな地味なオメガ、誰が相手にするって言うんだよ……」
「サキさんは自分を卑下し過ぎですよ。サキさんは、十分魅力的でチャーミングですからね」
「そりゃ、メイデルの目がおかしいだけだ。運命の番だから、そう思えるだけだろ?」
「サキさんが自分を否定する分、私がどれだけ愛しているか、教えてあげますよ」
目を細めて笑ったメイデルに、ゾックリとした悪寒のようなものが体に走る。
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