レトロの喫茶店~コールドスリープから目覚めたら借金塗れになっていましたが、同僚の親友メイドロボとなんとかします

次郎

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2章 セツナとクオン

27話 レトロの日常 無銭飲食対策

「そういうわけで本日は、迷惑客に対する対処を考えます」

 次の日に早速、レトロは会議を開催した。ナナナナにダメ出しをされた以上、対処法は早急に出さなければならない。店を守るのは店長の務めなのだ。
 とは言っても、資料作成についてはウサミミ任せであったが。

「前日のケースでも事前通知がなく門の内側に入った時点で、住居侵入が適用されます。相手が退去勧告に従わない際には、通報されても文句は言えない案件ですぅ。つまりレトロさんがすべきだったのは、敷地外に出るように相手に命ずることだったのです」
「なるほど……これは僕の不手際だね。まず誰かがその点を指摘してからじゃないと、ナナナナも動けなかったんだ」
「もちろん相手側の素行によっては、ワイズマウスも即座に動けますぅ。ただし相手側から誤解でも通報をされると、ナナナナもごにょごにょなので穏便に済ませた形なのです」
「あいつも恩着せがましく言っといて……まあ、今後も頼りにはするけど」
「けどミミックの場合はそれで良くても……木主の場合はどうしたものかしら?」

 ハイミスの言葉に、レトロもうーんと悩む。同じ対処を適用しようにも、木主の場合には付き従う寄り子がいる。一悶着どころではない騒ぎが起きてもおかしくはない。

 しかし皆の懸念は、レトロのものとは大分ずれていた。

「……妹ちゃん、ちゃんと代金払ってくれるのかな? あたしも一緒に立て替えておいたんだけど」
「一度か二度なら覚えてくれているでしょうが……困りましたね。ロニに確認しておきます」
「資料請求はウサミミまでご相談をっ! 諦めていた金品もウサミミがきっちり取り立てて見せます!」
「……えっ、みんなが気にしているのってそこなの?」

 レトロが突っ込むと、代表してなのかメカボロは肩をすくめてみせた。

「まあ妹ちゃんだから。あんまり細かいことを気にするのは無駄だよ、無駄」
「なにその無駄な信頼感」
「今回のも悪気があったんじゃなくて、お嬢に頼むと断られるから勝手に来ただけだと思うよ。あの子はいい子だから」
「凄い矛盾に満ちた台詞だけど」
「だからこっちから招けばちゃんと店に来てくれるよ。レトロが手紙を書いて呼び込みをしなよ」
「ええぇ……」

 なぜか対応を丸投げされてレトロはうめく。しかしそれで話は済んだとばかり、メカボロはチョークを手に取った。

 『無銭飲食対策』

 黒板をガンガンと叩いて、メカボロは会議を仕切る。

「今回のメインはこれだよ、これ。ナナナナが気にしていたのもここなんだから、しっかりしなよ店長」
「……え、そうだったの?」
「そりゃ自分が立て替えたからね。ちゃんと返ってくるか気にするのは当然でしょ?」
「めっちゃ私事じゃんっ!?」
「私事で何が悪いの? 友人が気に掛けている問題の再発防止を図るのは当然でしょ」
「あ、うん……」

 トーンを下げて、レトロ。もう親友はこちらを見ずに、会議を進めていく。

「とりあえず、ウサミミはその場にいなかったから皆で状況想定をするよ。クーポンはみんな持っているよね? それで獲得クーポンが少ない人は罰ゲームで……」

 そうして四名での検討会が始まった。
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