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第4話 二度目の夜
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その夜も、アランはミリアの寝室に訪れた。
「…………」
ミリアはただ目を伏せ、無言で体を差し出した。
そんなミリアの体をアランは撫でていく。
すでに男を知ったミリアの体はアランが柔らかく撫でるだけで、ビクリと跳ねた。
――だけどこの先にはないのだわ。男女の交わりの先にあるべきものが……。
ミリアは諦観にも似た気持ちでアランの手にすべてを委ねた。
アランはしばらく優しい愛撫を続けていたが、やがてその手はどこか余裕がないように乱雑になっていった。
怒りとも焦りともつかない何かに突き動かされる男の手に、ミリアの体はしかし、濡れていった。
それを指先で確認すると、アランは下半身の服を脱ぎ捨てた。
――どうせ中に出さないのなら脱がなくたっていいのに……。
そう思うものの、ミリアの純潔はとっくに奪われている。今更だった。
暴かれた裸を恥じることすらできなかった。
どうせ自分はこの男の復讐の道具なのだと思うと、その体に愛着すら湧かない。
二度目なら、それほど痛くないのではないか。
その期待はあっさり裏切られた。
「うっ……うう……」
冷めた気持ちで愛撫を受け流していたはずの体は、隘路に楔で攻め込まれた途端、急速に火照りを持った。
ミリアの体が緩やかに暴れ出すのをアランが抱き留める。
ミリアは初夜にしたようにアランの首を抱き締めた。
「はあ……ああ……」
痛みを逃がすために腰をゆるゆると動かすと、アランの責め立てが激しくなった。
「きゃ……ああ……」
「……ミリア」
声をかけられて、体が驚きに跳ねる。
低い声が、耳元で囁いてくる。
だけど、それだけ。
アランが言葉を発したのはそれだけで、あとはまた激しい動きが押し寄せてきた。
腹の奥がガンガンと突かれる。
「あっ……あっ……」
余裕の無い声が漏れる。体がゆさゆさと揺れて、アランの上で跳ねる。
その体をアランが締め付けるように抱き留める。
口付けが唇を襲う。
奪われた唇に赤い花が咲く。
やがてミリアは頭が真っ白になって、もうその後のことは覚えていない。
ひたすら体中に熱を持っていたと、それだけを覚えていた。
目覚めればやはり夜着を着せられていた。
やはり腹に出されたのだろう。少しベタツキを感じる。
「……アラン」
小さく昨夜に呼べなかった名前をつぶやいて、ミリアは湯浴みに向かった。
洗い流すのが、どこか惜しい気がする自分を、悲しく思いながら、彼女は湯船にゆったり浸かった。
たっぷりのお湯で身を清める。
実家ではできなかった贅沢に、ミリアは己の立場をより一層思い知った。
「…………」
ミリアはただ目を伏せ、無言で体を差し出した。
そんなミリアの体をアランは撫でていく。
すでに男を知ったミリアの体はアランが柔らかく撫でるだけで、ビクリと跳ねた。
――だけどこの先にはないのだわ。男女の交わりの先にあるべきものが……。
ミリアは諦観にも似た気持ちでアランの手にすべてを委ねた。
アランはしばらく優しい愛撫を続けていたが、やがてその手はどこか余裕がないように乱雑になっていった。
怒りとも焦りともつかない何かに突き動かされる男の手に、ミリアの体はしかし、濡れていった。
それを指先で確認すると、アランは下半身の服を脱ぎ捨てた。
――どうせ中に出さないのなら脱がなくたっていいのに……。
そう思うものの、ミリアの純潔はとっくに奪われている。今更だった。
暴かれた裸を恥じることすらできなかった。
どうせ自分はこの男の復讐の道具なのだと思うと、その体に愛着すら湧かない。
二度目なら、それほど痛くないのではないか。
その期待はあっさり裏切られた。
「うっ……うう……」
冷めた気持ちで愛撫を受け流していたはずの体は、隘路に楔で攻め込まれた途端、急速に火照りを持った。
ミリアの体が緩やかに暴れ出すのをアランが抱き留める。
ミリアは初夜にしたようにアランの首を抱き締めた。
「はあ……ああ……」
痛みを逃がすために腰をゆるゆると動かすと、アランの責め立てが激しくなった。
「きゃ……ああ……」
「……ミリア」
声をかけられて、体が驚きに跳ねる。
低い声が、耳元で囁いてくる。
だけど、それだけ。
アランが言葉を発したのはそれだけで、あとはまた激しい動きが押し寄せてきた。
腹の奥がガンガンと突かれる。
「あっ……あっ……」
余裕の無い声が漏れる。体がゆさゆさと揺れて、アランの上で跳ねる。
その体をアランが締め付けるように抱き留める。
口付けが唇を襲う。
奪われた唇に赤い花が咲く。
やがてミリアは頭が真っ白になって、もうその後のことは覚えていない。
ひたすら体中に熱を持っていたと、それだけを覚えていた。
目覚めればやはり夜着を着せられていた。
やはり腹に出されたのだろう。少しベタツキを感じる。
「……アラン」
小さく昨夜に呼べなかった名前をつぶやいて、ミリアは湯浴みに向かった。
洗い流すのが、どこか惜しい気がする自分を、悲しく思いながら、彼女は湯船にゆったり浸かった。
たっぷりのお湯で身を清める。
実家ではできなかった贅沢に、ミリアは己の立場をより一層思い知った。
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