家鴨の空【改訂版】

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2話_月光島

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空と蒼穹は、退院してから由美子が住む家に引き取られた。
由美子は、大空匠と言う漁師の夫と2人で住んでいた。
匠は、漁師で役場にも通じており、島の世話役をしていた。
2人の家は、海から歩いてすぐのところの家で一軒家で、車が1台停めてある。
一軒家は、2階建で、1階は広いリビングにダイニングキッチンがある。
そこから階段を登った2階は、由美子と匠の寝室とがらんとした部屋があった。
由美子「昔、息子夫婦が住んでたのよ。自由に使ってね」
空はうなずく。
蒼穹と言う少年は、目を擦り眠たそうだ。
空「ご親切にありがとうございます。」
空は、由美子にお礼を言って頭を下げる。
蒼穹「ありがとう、ございます……」
その言葉を聞いて由美子は嬉しそうにした。
由美子「今日は、あたな達が退院してくるから、匠さんが気合い入れて漁に行っちゃったのよ。今日は、ご馳走よ?それまでゆっくりしてて。」
空はそう言われて、部屋に入り蒼穹と2人きりになった。
空「あのさ、俺記憶が曖昧で、君はいつの記憶ならあるの?」
蒼穹「僕も…。名前ぐらいしか分からないよ……。」
そう言って悲しげに俯いて、寝転んでしまった。
空「まぁ、宜しく。蒼穹……だったっけ?」
蒼穹「そうだよ……」
蒼穹は、暖かい日差しの中ぼーっと過ごし、疲れたのかスヤスヤと寝息をたてて寝た。
空は、そんな蒼穹をじっと見ていた。
空「寝た…(確か、病院でも寝てたな)」
空は、蒼穹の頬をつんつんと指でつついた。
蒼穹「ん……。」
起きる気配はなく、またスースー寝息をたてて寝た。
空(疲れたのかな?まぁ、分かるけど……でも……この雰囲気覚えがある?)
空は、荷物の整理をする。
空は、タンスになにかこっそり隠した。
空(ここなら、大丈夫だな)
その後はリビングに戻る。
由美子の旦那、匠が帰って来ていた。
空「あ、あのお世話になってます。」
空の緊張した表情に、匠は笑う。
匠「ははっ、緊張することないよ」
そう言って微笑んだ笑顔は渋いイケメンだ。
漁師の為、肌は焼けている。
高身長でスタイルも良いためモテるだろうと思うほどだ。
そんな彼は、優しそうな雰囲気を醸し出している。
匠「君の家でもあるんだから」
その言葉に、空は嬉しくて頰をかいた。
由美子「今日は、ご馳走よ?蒼穹君、起こしてきてくれる?」
空「あ、はい。」
空は、蒼穹を起こして、リビングに行くと、机にはご馳走が並べられていた。
色とりどりの刺身やカニの天ぷら、焼魚やホタテは、いい焼き目がつき美味しい匂いを醸し出していた。
匠「じゃあ、食べようか!」
匠さんは、ビールを持ってきてグラスに注いだ。
それから皆でワイワイ食事をしながらたわいない話をする。
由美子「そう言えば、空君は多分15歳ぐらいじゃないかって?蒼穹君は、多分14歳ぐらい?病院の先生が言ってたわ。記憶障害以外に悪いとこもなくて、能力には問題ないみたいだから学校の手続きはもう済んでるの、明日から中学校の通学バスも来て問題なかったらすぐに通ってもらえるわ。」
空「学校……。」
由美子「月光島には、中学1つしかないの。田舎で人口も少ないから。」
空「そう……ですか……。」
空は、学校と言う言葉に少し不安を感じた。
学校は、勉強する所だ。
そんな所に自分が行ってもついて行けるのだろうかと。
蒼穹は、そんな空を見て言った。
蒼穹「学校……行くの?僕も行かなきゃだめなのかな」
由美子「記憶思い出すのにも学校行ったらなにかヒントが掴めるかも知れないし」
空「行きます!勉強してみたいしね……」
そう苦笑いをした空は、不安な気持ちを隠しながら言う。
由美子「そう!なら良かった」
空と蒼穹は、食事を終えて2階の部屋に向かう。
由美子さんに、この島のパンフレットを貰った。
俺が流された島は、「月光島」と言う名の島だ。
正式名は、「永久資源永住中立国月光船島 」
そしてこの島は、689人が住んでいるらしい。
住民のほとんどが漁師で観光業が盛んな島らしい。
季節は、一年中夏で、季節は無いそうだ。
施設は、「月光島ホテル」、「月光島総合病院」は、俺が運ばれた所だ。
コンビニが2件、スーパーが1件。
「学校」は、学校は、小中一貫の月光学園。
明日から行くのは、月光学園月光島中学校だ。
男女共学だ。
空「あ、あの事由美子さんに言わないと…汚しちゃまずい…よな。」
空は、リビングに行き、由美子にこっそり言った。
由美子「そうだったわね。ごめんなさいね。学校の先生には話してあるから、職員室トイレ使って良いっておっしゃってた。これ書類私もあたふたしてて渡すの忘れてたわ……ほんと、ごめんね。」
由美子さんも知っていたようだけど忘れていたらしい。
空「ありがとうございます、どうしようかと。」
由美子「教科書とかも学校から無料で貸してもらえるって言ってたわ、明日森野先生が持ってきてくださるって話だから、明日来た時に一言お願いね」
空「良かった。」
そこに、匠がビールを持ってきて言った。
匠「由美子は、少しおっちょこちょいなんだよな」
笑いながら言ってビールを口に含む。
由美子「匠さん!」
由美子さんが赤くして頬を膨らました。
そんな表情も可愛い。と思う空だった。
年齢を聞いてびっくりしたけど。
匠さんは、53歳にしては、若く見えるけど少しおじさんに片足を突っ込みかけな渋いイケメンだ。
思わず見惚れてしまう。
由美子さんも匠さんと同い年で、今年で53歳らしい。
2人とも、とても若く見える。
そんな2人の仲睦まじい姿を見て空は微笑んだ。
空「おふたりは、仲睦まじいですよね、息もぴったりで!」
空が笑いながら言う。
その言葉に、由美子は、顔を赤くした。
匠「そうか?」と頭をかく。
そんな2人の仲睦まじいやりとりを見た空は思った。
家族って、こんな感じなのかな?と……。
そんなふわっとした気持ちに、空は浸っていた。
次の日、学校は8時30分から始まるらしいので早めに休む事になった。
空は、部屋に戻り布団に入る。
空「明日から学校か……どんなとこなんだろう……」
蒼穹「起きれるか心配だな……僕」
横にいる蒼穹がつぶやく。
空は、ふっと微笑み言った。
空「そうだな」
記憶が無いのに何故か懐かしさを感じる蒼穹にそう言った。
しばらくすると2人は、眠りについていたのだった。

俺は、この時は、知るよしもなかった。
この世界の事についても……

記憶喪失になった少年、空と蒼穹。
記憶喪失で何も覚えていないのに何故か懐かしさを感じる2人。


月光島には、どんな出会いが待ち受けているのか? 

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