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フランス
39話 諜報活動
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フランス共和国、世界に先駆けて共和国として成り立ち、芸術や農業などが盛んな国、国内では学歴などによる階級社会が残る国でもある。
国土監視局は国内での諜報活動やテロ対策など、国内で治安対策を行う部署、国家警察内に設置されている組織となっている。
「マリ、ちょっと早く着いたね。ここが国土監視局だね」
「うわあ、すごい古めかしい建物だね。街並みもすごいかっこいいね。やっぱり、日本とは大違いだね。パリは」
「さあ、中に入ろうか」
「そうだね。アベルさんに話を通しているから、大丈夫だと思うけど」
そう言って二人は建物内に入っていった。中に入ると大柄な筋肉質の制服を着た警察官が一人近寄ってきて、
「マリさんとユウキさんですか?」
「はいそうです」
「お待ちしてました。1階になりますので、ご案内します」
そう言って、石造りの大きな階段を歩いて行った。
「あれ?1階って言ってたのに、2階に行くんだね」
「マリ、フランスでは日本で言う2階は1階なんだ。1階上がるという意味があるらしい」
「さすが、物知り!」
そして1階の局長室へ案内された。
「コンコン、失礼します。お二人が到着されました」
そう言って大きな扉が開いたところ、奥にポール局長、その前に男性と女性が立っていた。
「おはようございます。私がここの責任者で局長をしているポールといいます。それと、ここにいるの者がお二人の協力をさせていただきます」
「クロード警部補です。よろしくお願いします」
「ポーラ巡査部長です。よろしくお願いします」
マリとユウキも同様にあいさつをした。そして、ポールは応接用のソファに座っていただくように案内した。
「さて、アベル大臣からの指示でお二人に協力するように言われていますが、具体的にはどのようなことをすればよろしいでしょうか」
ポール・クロード・ポーラはアベル大臣や大統領をも、動かす、この若い二人の日本人がどのような能力があり、どのような指示をだすのか。真剣なまなざしで二人を見つめた。
「それでは、これから話す内容は口外しないようにお願いします。先日、赤い球体が世界各地を無数に飛び回っていたのはご存じだと思いますが、この球体はここフランスが発信源であることはわかっています。しかし、具体的に発生源の詳細な位置までは特定できていません。
それを調べていただきたいのです、ユウキくん、具体的な説明をお願い」
「了解、この赤い球体はほとんど質量がなく、光に近い速さで世界中に拡散しました。また、それぞれが、探査機のようなもので、世界中の地理、生命、環境など、あらゆる物をサーチできる能力を有しています。おそらく、発生から12時間程度で球体が消滅したことを考えると、もう、すでに世界中の情報を取得したことになります。この情報を元にある生命体がこの人類を滅亡させるため、動き出し、着実に準備を始めていきます。我々はそれを阻止するためにここに来ました。ご理解いただけますか?」
三人は、この突拍子もない話にしばらくついていけないようで黙っていたがクロード警部補が
「マリさん、この話は本当なのですか?どうして、お二人はこの件にこんなに詳しいのでしょうか?」
「アベル大臣には、ご理解いただいてますが、まだ、皆さまには詳細なお話はできません。
しばらく、調査にご協力いただき、しかるべき時がきたら、必ず、ご説明するとお約束します。
今は、原因究明に、お力をお貸しください」
「まあ、わかりました。アベル大臣からも全面協力するように言われてますから」
ポール局長も同じく、煮え切らないような答え方をした。
「ユウキくん、お二人に具体的な指示をお願い」
「了解、クロードさんとポーラさん、お二人はまず、赤い球体が発生してすぐにフランス空軍が戦闘機や戦闘ヘリなどを緊急スクランブルで発進させました。これが、誰の指示だったか、まず調べてください。一番最初に誰が指示を出し、どういった流れで緊急発進させたのか、また、その時に何かわかったことはあるのか。お願いできますか」
「はい、わかりました」
マリは二人が、あまり、この話をまだ、信じきっていない様子を感じ取り、
「クロードさん、ポーラさん、こんな若い、私達の指示で動くのは面白くないかもしれませんですが、お二人は、この世界で人類を救うために闘う、人類の代表なのです。あなた達の行動で大きく世界が変わってしまいます。どうか、このことを忘れずに気を緩めずにご協力願います」
「わかりました。ですが、我々は警察組織です。なかなか、軍の事情までは詳細に知るのは難しいかもしれません」
「それでしたら、ポール局長から、アベル大臣に話をしてもらえば、全く問題ありませんから、
ご安心ください」
「私たちは、しばらく、パリで表向きは高校生として、生活しています。随時、連絡をお願いします」
ポールは連絡用に用意したタブレットやスマホをマリやユウキに渡した。
「こちらに連絡をさせるようにします」
「ありがとうございます。では、パリでの住まいや、通う学校などもわかりましたら、連絡いたします」
そんな時、ポーラが
「あの~よろしいでしょうか。これから一緒に仕事をするのであれば、疑うわけではないのですが、マリさんとユウキさんは、どのような秀でた能力をお持ちなのか、教えていただけないでしょうか」
ポールはポーラを睨むように
「そんなこと聞いてどうするんだ]
「だって、それによっては、いろいろとこちらの動き方にも影響でるじゃないですか。局長だって、よくあいさつで、お互いを理解し、情報を共有することで、すばらしい仕事ができるようになるって、言われてますよね」
マリは、フランス人は上司だろうが、言われたことだけでなく、個人が良いと思うことを言える環境にあることがすごいと感じた。
「まあ、たしかにそうだな。すみません。マリさん・ユウキさん失礼なことを言って、よろしかったら、教えていただけますか?」
マリとユウキはお互いを見つめあって、頷き
「それでは私から、飛島マリです。あらゆる武道に精通しています。いままでに師匠であった、おばあちゃん以外には負けたことがありません。それと、一通りの重火器を扱えます。シュミレターでの訓練しかしてませんがF15戦闘機もたぶん飛ばせると思います。それと、日本・アメリカ・フランス・ロシア・ドイツの国籍を持ち、日本国政府高官の地位、資金、あ、それと言ってませんでしたが、日本政府からフランスでの警護要因で警察官が2名、来る予定です」
「橘ユウキです。飛島マリを補佐する者です。世界ではおそらく、僕より知識がある人はいないでしょう。それと、セキュリティ能力を有しています。マリに危険が及ぶ場合や世界での危険察知能力があります」
三人とも、本当なの?といった表情で二人を見つめていた。
「マリさん、私も武道が好きで空手を習っているんですけど、今度、機会がありましたら、教えてくれませんか?」
ポーラはうれしそうに話してきた。
「ユウキさん、どうやって、危険を察知するんですか?」
「詳しくはまだいえませんが、例えば、身近では局長の机の下にはマニューリンMR73拳銃があったり、ポーラさんの左足には、戦闘用小型ナイフがあったり、まあ、こんな感じです」
クロードは笑った顔で
「ユウキさん、そん適当なこと言ってはいけませんよ。今日の打ち合わせは、お二人をお迎えすることで、武器などはこの部屋にはありませんから、そんな失礼なことをしたら、大臣から何を言われるか、わかりませんからね」
「そうなんですか。まあ、マリも僕もそれぐらいは気にしないからいいですけど」
「ねえ、局長、ポーラ、そんな危ないもの、この部屋に持ち込みませんよね」
局長もポーラも下を向いて黙ってしまった。クロードはおかしいと思い、すぐに局長の机の下と、ポーラの左足を確認したら、ユウキの言った通りのものが出てきた。
「局長!ポーラ!なにを考えてるんだ!あなた達は大臣の指示をなんだと思っているんだ。このお二人がそんなに危険だと思うんですか!」
二人は申し訳ない顔をしていたが、
「クロード、すまない、だがな、大臣や大統領までこのお二人の力を認めていらっしゃる、15歳のお二人がだぞ、ある意味、私は心配だったんだ。決してお二人に失礼なことをすることは考えてもいない。たぶんポーラも同じだと思う」
「はい、私は普段から持ち歩いているんです。どんな時でも対応できるように」
「クロードさん、そんなに興奮しないでください。私もユウキくんも全然気にしてませんから」
クロードは深呼吸をして、落ち着くようにしたが、
「マリさん・ユウキさん大変失礼いたしました。これからは、お二人の信頼を裏切らないようにいたします」
国土監視局は国内での諜報活動やテロ対策など、国内で治安対策を行う部署、国家警察内に設置されている組織となっている。
「マリ、ちょっと早く着いたね。ここが国土監視局だね」
「うわあ、すごい古めかしい建物だね。街並みもすごいかっこいいね。やっぱり、日本とは大違いだね。パリは」
「さあ、中に入ろうか」
「そうだね。アベルさんに話を通しているから、大丈夫だと思うけど」
そう言って二人は建物内に入っていった。中に入ると大柄な筋肉質の制服を着た警察官が一人近寄ってきて、
「マリさんとユウキさんですか?」
「はいそうです」
「お待ちしてました。1階になりますので、ご案内します」
そう言って、石造りの大きな階段を歩いて行った。
「あれ?1階って言ってたのに、2階に行くんだね」
「マリ、フランスでは日本で言う2階は1階なんだ。1階上がるという意味があるらしい」
「さすが、物知り!」
そして1階の局長室へ案内された。
「コンコン、失礼します。お二人が到着されました」
そう言って大きな扉が開いたところ、奥にポール局長、その前に男性と女性が立っていた。
「おはようございます。私がここの責任者で局長をしているポールといいます。それと、ここにいるの者がお二人の協力をさせていただきます」
「クロード警部補です。よろしくお願いします」
「ポーラ巡査部長です。よろしくお願いします」
マリとユウキも同様にあいさつをした。そして、ポールは応接用のソファに座っていただくように案内した。
「さて、アベル大臣からの指示でお二人に協力するように言われていますが、具体的にはどのようなことをすればよろしいでしょうか」
ポール・クロード・ポーラはアベル大臣や大統領をも、動かす、この若い二人の日本人がどのような能力があり、どのような指示をだすのか。真剣なまなざしで二人を見つめた。
「それでは、これから話す内容は口外しないようにお願いします。先日、赤い球体が世界各地を無数に飛び回っていたのはご存じだと思いますが、この球体はここフランスが発信源であることはわかっています。しかし、具体的に発生源の詳細な位置までは特定できていません。
それを調べていただきたいのです、ユウキくん、具体的な説明をお願い」
「了解、この赤い球体はほとんど質量がなく、光に近い速さで世界中に拡散しました。また、それぞれが、探査機のようなもので、世界中の地理、生命、環境など、あらゆる物をサーチできる能力を有しています。おそらく、発生から12時間程度で球体が消滅したことを考えると、もう、すでに世界中の情報を取得したことになります。この情報を元にある生命体がこの人類を滅亡させるため、動き出し、着実に準備を始めていきます。我々はそれを阻止するためにここに来ました。ご理解いただけますか?」
三人は、この突拍子もない話にしばらくついていけないようで黙っていたがクロード警部補が
「マリさん、この話は本当なのですか?どうして、お二人はこの件にこんなに詳しいのでしょうか?」
「アベル大臣には、ご理解いただいてますが、まだ、皆さまには詳細なお話はできません。
しばらく、調査にご協力いただき、しかるべき時がきたら、必ず、ご説明するとお約束します。
今は、原因究明に、お力をお貸しください」
「まあ、わかりました。アベル大臣からも全面協力するように言われてますから」
ポール局長も同じく、煮え切らないような答え方をした。
「ユウキくん、お二人に具体的な指示をお願い」
「了解、クロードさんとポーラさん、お二人はまず、赤い球体が発生してすぐにフランス空軍が戦闘機や戦闘ヘリなどを緊急スクランブルで発進させました。これが、誰の指示だったか、まず調べてください。一番最初に誰が指示を出し、どういった流れで緊急発進させたのか、また、その時に何かわかったことはあるのか。お願いできますか」
「はい、わかりました」
マリは二人が、あまり、この話をまだ、信じきっていない様子を感じ取り、
「クロードさん、ポーラさん、こんな若い、私達の指示で動くのは面白くないかもしれませんですが、お二人は、この世界で人類を救うために闘う、人類の代表なのです。あなた達の行動で大きく世界が変わってしまいます。どうか、このことを忘れずに気を緩めずにご協力願います」
「わかりました。ですが、我々は警察組織です。なかなか、軍の事情までは詳細に知るのは難しいかもしれません」
「それでしたら、ポール局長から、アベル大臣に話をしてもらえば、全く問題ありませんから、
ご安心ください」
「私たちは、しばらく、パリで表向きは高校生として、生活しています。随時、連絡をお願いします」
ポールは連絡用に用意したタブレットやスマホをマリやユウキに渡した。
「こちらに連絡をさせるようにします」
「ありがとうございます。では、パリでの住まいや、通う学校などもわかりましたら、連絡いたします」
そんな時、ポーラが
「あの~よろしいでしょうか。これから一緒に仕事をするのであれば、疑うわけではないのですが、マリさんとユウキさんは、どのような秀でた能力をお持ちなのか、教えていただけないでしょうか」
ポールはポーラを睨むように
「そんなこと聞いてどうするんだ]
「だって、それによっては、いろいろとこちらの動き方にも影響でるじゃないですか。局長だって、よくあいさつで、お互いを理解し、情報を共有することで、すばらしい仕事ができるようになるって、言われてますよね」
マリは、フランス人は上司だろうが、言われたことだけでなく、個人が良いと思うことを言える環境にあることがすごいと感じた。
「まあ、たしかにそうだな。すみません。マリさん・ユウキさん失礼なことを言って、よろしかったら、教えていただけますか?」
マリとユウキはお互いを見つめあって、頷き
「それでは私から、飛島マリです。あらゆる武道に精通しています。いままでに師匠であった、おばあちゃん以外には負けたことがありません。それと、一通りの重火器を扱えます。シュミレターでの訓練しかしてませんがF15戦闘機もたぶん飛ばせると思います。それと、日本・アメリカ・フランス・ロシア・ドイツの国籍を持ち、日本国政府高官の地位、資金、あ、それと言ってませんでしたが、日本政府からフランスでの警護要因で警察官が2名、来る予定です」
「橘ユウキです。飛島マリを補佐する者です。世界ではおそらく、僕より知識がある人はいないでしょう。それと、セキュリティ能力を有しています。マリに危険が及ぶ場合や世界での危険察知能力があります」
三人とも、本当なの?といった表情で二人を見つめていた。
「マリさん、私も武道が好きで空手を習っているんですけど、今度、機会がありましたら、教えてくれませんか?」
ポーラはうれしそうに話してきた。
「ユウキさん、どうやって、危険を察知するんですか?」
「詳しくはまだいえませんが、例えば、身近では局長の机の下にはマニューリンMR73拳銃があったり、ポーラさんの左足には、戦闘用小型ナイフがあったり、まあ、こんな感じです」
クロードは笑った顔で
「ユウキさん、そん適当なこと言ってはいけませんよ。今日の打ち合わせは、お二人をお迎えすることで、武器などはこの部屋にはありませんから、そんな失礼なことをしたら、大臣から何を言われるか、わかりませんからね」
「そうなんですか。まあ、マリも僕もそれぐらいは気にしないからいいですけど」
「ねえ、局長、ポーラ、そんな危ないもの、この部屋に持ち込みませんよね」
局長もポーラも下を向いて黙ってしまった。クロードはおかしいと思い、すぐに局長の机の下と、ポーラの左足を確認したら、ユウキの言った通りのものが出てきた。
「局長!ポーラ!なにを考えてるんだ!あなた達は大臣の指示をなんだと思っているんだ。このお二人がそんなに危険だと思うんですか!」
二人は申し訳ない顔をしていたが、
「クロード、すまない、だがな、大臣や大統領までこのお二人の力を認めていらっしゃる、15歳のお二人がだぞ、ある意味、私は心配だったんだ。決してお二人に失礼なことをすることは考えてもいない。たぶんポーラも同じだと思う」
「はい、私は普段から持ち歩いているんです。どんな時でも対応できるように」
「クロードさん、そんなに興奮しないでください。私もユウキくんも全然気にしてませんから」
クロードは深呼吸をして、落ち着くようにしたが、
「マリさん・ユウキさん大変失礼いたしました。これからは、お二人の信頼を裏切らないようにいたします」
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