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倭国統一編
162話 白石の国
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「ねえイブ、次の国までどれくらいで着くの?」
「そうだな、3日といったところだと思う」
「結構かかるね」
「そうだな、この時代はまともな道路もないから、このような細い道を通るしかないからな」
どこまでも続いている深い森をマリ達は100人以上の隊と一緒に進んでいた。
「それにしても、イブその不思議な乗り物は一体どのような仕組みになっているのですか?」
軍師バーミャは石森の村を出る時に不思議な男ベータワンが空から降りてきた不思議な乗り物に興味津々だった。
「お前達に理解できないと思うがこの星には磁力というものがあり、この乗り物はそれを反発させる逆作用の磁力によって宙に浮くことができる」
バーミャはよく理解できなかったが、
「ここには目に見えない磁力というものがあり、それをこの乗り物は利用してこのように宙に浮いているわけですか」
「まあ、そういうことだ」
マリ達5人はイブの指示でベータワンが月基地から持ってきた乗り物、フロートグライダーに乗り、マナ隊と共に進んでいた。出発時にこの乗り物を見たマリはマナ隊と同じく歩いていくことを話したがイブやユウキが難色を示し、さらに80歳を超えるレナードも毎日数十キロも歩くのはできないということから、しぶしぶ、この乗り物に乗った。
フロートグライダーは細い道でも通れるように幅が狭く前部1人中部2人後部2人計5人が座って乗れる物で行先や道の形状を自動判別してマナ隊の進む速度に合わせて動くようになっている。
「それにしても、この乗り物は快適です。イブさん、揺れないし不思議なシールドで紫外線を防ぎ、温度も外とは違い過ごしやすくしてくれるし、本当に助かります」
高齢なレナードは歩いて旅の同行などできないため、とてもうれしそうに話した。
「バーミャ、これから行く白石の国ってどんなところなの?」
マリ達の乗り物のそばを馬に乗っているバーミャにマリは話しかけた。
「はい、石森よりは、だいぶ進んだ国です。農耕が盛んで、稲作の他にもいろいろな野菜なども栽培してますし、狩りなどをするもの、土器を作るもの、服を作るもの、国の道や環濠など整備するもの、さまざまな仕事に分かれて、生活を成り立たせています」
「へ~、すごいね。それなら、これから、強力な味方になりそうだね」
バーミャは少し困ったような顔をして
「我々マナ隊がマリの配下になり王の隊から離脱したことが伝わっていると思います。おそらく白石の民はこのメチャクチャな倭国の厳しい納め物の取り立てから解放されるから歓迎してくれると思いますが白石に駐留している王直属の守護目付の隊がやっかいです」
「守護目付?」
「はい白石は倭国でも有数の大きな国で、豊かなため、そのような物が駐留しているのです。ここの隊長は護り人にも匹敵する強さを持った。ビシャモン隊長がいますので」
イブはその話を聞いて笑いながら、
「マリがいるんだ。心配するなバーミャ、そんなことより、出発時に渡した、王宮まで道や、立ち寄る国などはどうだ?」
ヘブライ語で記載された細かく記された紙を見ながら、バーミャはイブに答えた。
「全く、問題ありませんよ。各要所や白石をはじめ、有力でその他の国に影響を及ぼせる国を全て網羅していますから」
イブはうれしそうに
「そうか、それならばよかった。できるだけ、無駄を省きたかったからな」
バーミャはこんなにきれいな紙を見たことがなくイブにまた質問をした。
「それにしても、こんな紙は見たことがありませんよ。まっ平で白くきれいで、とても人が作った物とは思えませんね」
なんでも質問してきて、様々な事に興味を示し、知識を得ようとする軍師バーミャにイブは感心しながら、
「お前はずいぶん勉強熱心だな、さすが、隊の軍師、その心構え、マナ隊が無敵の隊であることがよくわかる」
バーミャは金髪美人のイブに誉められ、うれしそうに
「ありがとうございます。これからも、色々と教えてください」
「あまり、細かい事までは教えられないが、出来る限り教えるのはかまわない。しかし、この時代の道はまるでけもの道だな。それと、あちらこちらに沼のような水たまりが多いな、お前達はよくこんな道を通ってここまで来たな」
その話しを聞いていたマナ隊長が
「イブ、道があるだけでもましですよ。これから行くところでは道がないようなところも多くありますから」
グライダーの先頭に座って、たくさんの兵士を従えて、上機嫌のマリは澄み切った青い空と、青々とした森や、時折り、通り過ぎたりする、普通ではありえないような動物や鳥がたくさんいることも楽しいようだった。
それを見て、イブは隣に座っているユウキに
「おい、ユウキ、毎日、こんな退屈な旅をしていくのか、あちこちの国も寄るから、このペースでは3カ月、いや半年ぐらいかかるのでないか?」
ユウキもため息をつきながら、
「ふ~、その通りだ、イブ。確かにこの旅は退屈だし、この歩く速度と変わらないから、時間ばかり消費してしまう」
イブはマリにまた、瞬間移動で移動することを話すとまた、この時代の人に合わせて行動しないとだめだとかいうに決まっている。そこでユウキはイブに
「とりあえず、今日はマリに付き合おう、今晩、皆が寝静まったところで、お前と二人で、この隊を白石の国の近くまで瞬間移動して、時間短縮をしよう。僕には100人を超える人間を送れる力はないから、イブがシールドを張り、そして、僕が瞬間移動をするための力をそのシールド内に充満させれば、ここにいる全員を移動させることは可能だ」
イブはユウキの話に苦笑いをしながら、
「はあ~、お前と意見が合うのは気持ち悪いが、しかし、こんなのんびりで退屈な旅は我慢できないからな。仕方ないがお前に協力する」
前の座席でめずらしくこそこそ話しているイブとユウキをドニーズは見て
「お二人とも、何をこそこそ話しているのですか。なにかあれば、局長に話した方がいいですよ」
イブは振り返ってドニーズを一瞬睨んだが、すぐにニコ~と笑って
「お前は余計な詮索はしなくていいんだ。いいから、おとなしくそこに座っていろ。ほら、見てみろ、隣にいるレナードはこの今いる世界をマリと同様に楽しそうに見ているではないか。お前ももう少し落ち着いた男になれ」
ドニーズはまた、わけのわからないことをイブが言っているなと思ったが、まさか、局長に内緒でおかしなことはするわけないと思った。
「そうだな、3日といったところだと思う」
「結構かかるね」
「そうだな、この時代はまともな道路もないから、このような細い道を通るしかないからな」
どこまでも続いている深い森をマリ達は100人以上の隊と一緒に進んでいた。
「それにしても、イブその不思議な乗り物は一体どのような仕組みになっているのですか?」
軍師バーミャは石森の村を出る時に不思議な男ベータワンが空から降りてきた不思議な乗り物に興味津々だった。
「お前達に理解できないと思うがこの星には磁力というものがあり、この乗り物はそれを反発させる逆作用の磁力によって宙に浮くことができる」
バーミャはよく理解できなかったが、
「ここには目に見えない磁力というものがあり、それをこの乗り物は利用してこのように宙に浮いているわけですか」
「まあ、そういうことだ」
マリ達5人はイブの指示でベータワンが月基地から持ってきた乗り物、フロートグライダーに乗り、マナ隊と共に進んでいた。出発時にこの乗り物を見たマリはマナ隊と同じく歩いていくことを話したがイブやユウキが難色を示し、さらに80歳を超えるレナードも毎日数十キロも歩くのはできないということから、しぶしぶ、この乗り物に乗った。
フロートグライダーは細い道でも通れるように幅が狭く前部1人中部2人後部2人計5人が座って乗れる物で行先や道の形状を自動判別してマナ隊の進む速度に合わせて動くようになっている。
「それにしても、この乗り物は快適です。イブさん、揺れないし不思議なシールドで紫外線を防ぎ、温度も外とは違い過ごしやすくしてくれるし、本当に助かります」
高齢なレナードは歩いて旅の同行などできないため、とてもうれしそうに話した。
「バーミャ、これから行く白石の国ってどんなところなの?」
マリ達の乗り物のそばを馬に乗っているバーミャにマリは話しかけた。
「はい、石森よりは、だいぶ進んだ国です。農耕が盛んで、稲作の他にもいろいろな野菜なども栽培してますし、狩りなどをするもの、土器を作るもの、服を作るもの、国の道や環濠など整備するもの、さまざまな仕事に分かれて、生活を成り立たせています」
「へ~、すごいね。それなら、これから、強力な味方になりそうだね」
バーミャは少し困ったような顔をして
「我々マナ隊がマリの配下になり王の隊から離脱したことが伝わっていると思います。おそらく白石の民はこのメチャクチャな倭国の厳しい納め物の取り立てから解放されるから歓迎してくれると思いますが白石に駐留している王直属の守護目付の隊がやっかいです」
「守護目付?」
「はい白石は倭国でも有数の大きな国で、豊かなため、そのような物が駐留しているのです。ここの隊長は護り人にも匹敵する強さを持った。ビシャモン隊長がいますので」
イブはその話を聞いて笑いながら、
「マリがいるんだ。心配するなバーミャ、そんなことより、出発時に渡した、王宮まで道や、立ち寄る国などはどうだ?」
ヘブライ語で記載された細かく記された紙を見ながら、バーミャはイブに答えた。
「全く、問題ありませんよ。各要所や白石をはじめ、有力でその他の国に影響を及ぼせる国を全て網羅していますから」
イブはうれしそうに
「そうか、それならばよかった。できるだけ、無駄を省きたかったからな」
バーミャはこんなにきれいな紙を見たことがなくイブにまた質問をした。
「それにしても、こんな紙は見たことがありませんよ。まっ平で白くきれいで、とても人が作った物とは思えませんね」
なんでも質問してきて、様々な事に興味を示し、知識を得ようとする軍師バーミャにイブは感心しながら、
「お前はずいぶん勉強熱心だな、さすが、隊の軍師、その心構え、マナ隊が無敵の隊であることがよくわかる」
バーミャは金髪美人のイブに誉められ、うれしそうに
「ありがとうございます。これからも、色々と教えてください」
「あまり、細かい事までは教えられないが、出来る限り教えるのはかまわない。しかし、この時代の道はまるでけもの道だな。それと、あちらこちらに沼のような水たまりが多いな、お前達はよくこんな道を通ってここまで来たな」
その話しを聞いていたマナ隊長が
「イブ、道があるだけでもましですよ。これから行くところでは道がないようなところも多くありますから」
グライダーの先頭に座って、たくさんの兵士を従えて、上機嫌のマリは澄み切った青い空と、青々とした森や、時折り、通り過ぎたりする、普通ではありえないような動物や鳥がたくさんいることも楽しいようだった。
それを見て、イブは隣に座っているユウキに
「おい、ユウキ、毎日、こんな退屈な旅をしていくのか、あちこちの国も寄るから、このペースでは3カ月、いや半年ぐらいかかるのでないか?」
ユウキもため息をつきながら、
「ふ~、その通りだ、イブ。確かにこの旅は退屈だし、この歩く速度と変わらないから、時間ばかり消費してしまう」
イブはマリにまた、瞬間移動で移動することを話すとまた、この時代の人に合わせて行動しないとだめだとかいうに決まっている。そこでユウキはイブに
「とりあえず、今日はマリに付き合おう、今晩、皆が寝静まったところで、お前と二人で、この隊を白石の国の近くまで瞬間移動して、時間短縮をしよう。僕には100人を超える人間を送れる力はないから、イブがシールドを張り、そして、僕が瞬間移動をするための力をそのシールド内に充満させれば、ここにいる全員を移動させることは可能だ」
イブはユウキの話に苦笑いをしながら、
「はあ~、お前と意見が合うのは気持ち悪いが、しかし、こんなのんびりで退屈な旅は我慢できないからな。仕方ないがお前に協力する」
前の座席でめずらしくこそこそ話しているイブとユウキをドニーズは見て
「お二人とも、何をこそこそ話しているのですか。なにかあれば、局長に話した方がいいですよ」
イブは振り返ってドニーズを一瞬睨んだが、すぐにニコ~と笑って
「お前は余計な詮索はしなくていいんだ。いいから、おとなしくそこに座っていろ。ほら、見てみろ、隣にいるレナードはこの今いる世界をマリと同様に楽しそうに見ているではないか。お前ももう少し落ち着いた男になれ」
ドニーズはまた、わけのわからないことをイブが言っているなと思ったが、まさか、局長に内緒でおかしなことはするわけないと思った。
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