真昼の女

kizunan

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プロローグ

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ザー ザー
外は朝から土砂降りの雨が降っていた。

 「ねぇっ!待って!!」
私は荷造りをし鞄を持って出て行く彼の鞄を掴みながら必至で止める。
 
 「もぅ、もぅ無理なんだ…」
彼は私に小さく呟くと私の手を振り払い玄関へと向かった。
 
 「大輔ぇぇ!!」
私はその場で泣き崩れながら彼の名前を叫んだ
 
 ガチャッ ギギギ 
扉を開けて出ていく彼を私は泣き崩れながらみているだけだった
 
 「…さゆり…あり…がと」
扉が閉まる瞬間、彼が私に寂しげな目をして呟いたように聞こえた。 
 
「ああ 大 大輔…」
 
ギギギ バタン!
私の声をかき消すかのように重い扉が閉まりだす

静まり返る部屋には雨音と私の鳴き声だけが響いていた。

どれくらい時間がたったのだろう?
あれから何をしていたのかさえわからない。
気がつくと私はベッドに横になっていた。
 
ベッド近くには彼との思い出の物が溢れている。
プレゼントで貰ったぬいぐるみ、誕生日に貰ったネックレス…
その中にある写真立てに目がいった。
それは付き合い始めた記念の写真だった

その記念の写真を眺め私は思った…彼と上手くいかなくなったのは全てはあの日から始まってしまったのだと。

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