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第二章 異世界からの侵略者
ひとりぼっちのラーメン戦争 4(後編)
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俺たちは最後に残った丼、鶏白湯の前に向き直った。
白く濁った色をしたスープの入った切り立ち丼。ここからは一切の煮干し風味がない。これは国産鶏を煮出したものがベースになっている。豚骨ラーメンのようだが、匂いはきつくない。むしろ女性にはこちらのほうが喜ばれる味かもしれない。それだけさっぱりとしていて、なおかつ旨味が濃い。スープの中のトッピングも煮干しそばとは全く違うものが入っている。その一つが、玉ねぎだ。
「まず普通に汁を飲んでくれ」
「ふむ、旨いね。鶏の出汁がよく効いている。でも、このぐらいの旨味なら想定の範囲内だよ?」
「ああ、次にその玉ねぎのみじん切りを一緒に食べて見ろ」
「ふむ? ……ふみょあああああ!?」
「うまかろ?」
鶏の出汁にみじん切りにした玉ねぎのシャクシャク感が合わさり汁が混じる。微妙な玉ねぎの辛味が鶏の出汁を全く殺さずに融合していく。
「それで麺を食え。無限に食えるぞ」
「いわ、れ、なく……ずるっ……ともっ……ずりゅりゅ!」
そう、促す前にもう奴は箸を麺に向けていた。
「不思議だ……飽きない」
一通り麺を食い切ってしまった奴の丼を見て俺は一応の満足を得る。
「……俺の分残ってないじゃねーか」
「はっ! いや、すまないね。でもこれ、僕を満足させるためのものだろう?」
「まあそうだけどよ……。その飽きない正体はそのスープの上に乗ってる、『それ』だ」
俺は白濁のスープの陰に隠れた茶色の欠片ともじゃっとした黒い物体を指さす。
「揚げたオニオンチップ。そして岩ノリだ。啜っているうちに色々変化して、楽しめるだろ?」
香ばしいチップが口の中で鶏の旨味を所々で締め、さらに普通の海苔ではなく、岩ノリなのがポイントだ。その『のそっ』とした食感と岩ノリ独特の潮の香りが見事にこの白濁のスープに絡み、麺と共にほろりと溶けていく。
「いやあ……これも、完成度は凄く高いね! 美味かった!」
――でも。
そう言ってラトは悪戯な笑みを浮かべる。
「確かに感動したよ。でも、それは前の二つに比べても多少上程度の――」
「お待ちどうです!」
「!?」
ラトが言い掛けた瞬間――『最後の一杯』が俺たちの前に運ばれてきた。
「え? だって、これが最後の一杯じゃなかったのかい?」
「お前にはな? 先に3つはお前用に注文通しておいたが、これは――『俺用』だからな」
「へ?」
鳩が豆鉄砲を――形容しがたき深淵なるものが辣油を浴びせられたような顔をして俺を見つめ返した。
「食いたきゃ分けてやるが、俺がメインで食いたい、最後の一杯だ。だからほとんどお前が食ってる分には文句言わなかったろうが。心が読めるのに、分かってなかったのか?」
いや、分かってなかったかもしれない。だって、これが運ばれてきたタイミングは俺の指示じゃない。3つの食券を先に提示し、後からサッと俺が一枚だけ見せて目配せしただけなのだ。それだけで察してくれた店員が気を利かせただけだ。『冷めないように』と。
「ほとんど俺が食う。お前には分けてやるだけだ。沢山食いたきゃ、お前が自分で頼むんだな」
そう言ってから俺は最後の一杯に向かい合った。
『味玉辛味鶏白湯そば』に。
先ほどとは違う、僅かにツンと香る、辣油の香り。そう、この鶏白湯の上には辛い、海老辣油が掛けられている。
――旨味をたたえた乳白色と赤みが美しく映える。
スープを一口掬い、オニオンチップと共に口に運ぶ。
海老の風味が香ばしさと共に辣油に合わさり、それが揚げたチップに染み込み、鶏白湯の優しく甘い味わいと喧嘩することなくすべてが掛け合わされていく。
そしてそこに玉ねぎのみじん切りだ。
辛味がさらにそれと合わさり、爽やかさ与えつつ、玉ねぎの辛味と油の辛味が交わり更に複雑に絡む。
シャク、じゅわ、ピリッ。
それに追い打ちをかけるように辛味を纏ったままの麺が喉を通り抜ける。そこに、味玉を齧ると甘い、卵の黄身がまた辛味と交わり、舌の上にはすべての味わいが乗って来るのだ。
辛味と甘みが競い合う口内――海老の、鶏の、岩海苔の、味玉の、チャーシューの、辣油の、旨味すべてが弾け合う。まさに――。
「宇宙だ――」
「あ!?」
一口喰って呆けていた俺の手元から辛味鶏白湯の姿が失われていた。代わりに俺の横のに座る名もなき無貌の神の手に、それは収められている。
「お、おま! それ俺のだろうが!」
『黙れ』
『――』
瞬間、圧倒的な殺意が俺の上に押し付けられた。身動きが――取れない。
『喰う。我は、宇宙を喰う』
圧倒的な神の意志を前にして縛られたように俺の身体は動かない。何か超常的な力だろう。
「くっそッ――」
もっと食いたい。まだ食いたりないのに――だが。
「食うなら――残すなよ」
返事はなかったが『愚問だ』と言う意志だけは伝わってきた。奴はいま、食欲の権化だ。後は――好きなだけ喰わせてやろう。
シャク、ずりゅ、もしゅ、もにゅ、ずりゅ。
この辛味鶏白湯そばは、鶏白湯からわずか50円上がっただけの代物だ。しかし、その50円の差が、両者の間に明確な差を生み出している。
俺はこれは「支払うべき対価」だと思っている。俺は通常の鶏白湯よりも圧倒的にこちらのほうが好きだ。――そこ、ただ単に辛いものが好きだとか言わない。
「――はぁ」
「あの~、こちらはどうしましょうか?」
固まっている俺に対して店員が器を持って困っている。そういえば、もう一品頼んでいたのだ。サイドメニューを。
「そこに――置いてやってくれ……」
「は、はい」
か細い声で俺は答えることしかできない。頼んだサイドメニューは『炙りチャーシュー丼』だ。
白米の上に豚バラのチャーシューを乗せ、バーナーで炙り、刻んだ長ネギを散らしただけのもの――。しかしこれが、美味い。
炙った豚バラから染み出た脂を白米が吸い、さらに焼けた香ばしい香りが食欲を刺激する。そしてネギがしつこくなりかけた口の中をシャキ、という食感で僅かに引き締める。そしてその本領は――麺を喰い終えたあとの、スープの残った丼にあるのだ。
「――おい」
『分かっている』
奴は俺の思考を読んだようだ。そうだ、麺を喰い終わったスープにその白米を『漬ける』のだ。
「おオオオオオオオオオオオオオオッ――」
スープを吸った白米人ならぬ声が分体である幼女の姿から漏れる。奴の全身は歓喜に打ち震えていた。
「無限――そう、無限の宇宙だ――」
そう、それが肥満の宇宙、肥満症宇宙肥満症宇宙だ。
炭水化物とタンパク質と脂質と油分の融合体、名もなき肥満体を量産する代物だ。
「あ――はぁ」
満足そうな声を奴が上げた直後、俺の身体の拘束が解けた。
「――うん、美味しかったあ……」
「満足したか?」
それこそ愚問だと思ったが、奴は窺うような瞳を俺を見つめた。
「ああ、今は『読んで』ないから安心していいよ?」
「ん?」
「僕の答えを言う前に、最後に一つ質問があるんだ。『本当にこのラーメンで世界が救えると思って』連れてきたのかい?」
「ああ……」
何だ、そんなことか。
そんなこと、分かり切ってるだろうに。
「んなわけあるか。馬鹿馬鹿しい」
この店は美味い。しかし、こいつの満足とはまた別の次元の話だということぐらいよくわかっている。
「『俺が』満足したいから連れて来たんだ。一番好きなラーメン喰ってから死ぬなら後悔なんてねえからな」
世界を救うラーメンなんて言われてまともに取り合うほうが間違っている。俺に出来るのは自分の一番食いたい、美味いと思っている場所に連れていくことだけだ。こいつが世界を食べようが、俺はこの味をずっと覚えていたい。それだけだ。
「――わかったよ。それじゃ、僕の答えだ」
奴は俺に笑いかけ――答えを告げた。
◆
「あれ?」
気が付くと俺はばあちゃんの屋敷で大の字で寝ていた。
「移動した覚えは――ないんだが?」
外はもう夕暮れ時、俺は何が何だかわからなかったが、いつの間にか、寝ているうちにでもここに来たのだろうか? でも、昨日は『でか〇を食って寝ただけのはず』なんだが……。
昨日からの記憶が曖昧だった。何か、すっぽりと大事なものが抜け落ちているような感覚がある。思い出せるような――いや、思い出してはいけないような……。
「まあ、いっか」
夕飯時に近づいているから、何か食って帰ろうと思うが、あまり腹は減っていない。
「パンでも買って帰るか」
一瞬脳内にラーメンが思い浮かぶが、今は食いたい気分じゃなかったのですぐに打ち消した。なんか、暫く食いたくないような気もする。
「さて、せっかく来たし、掃除して帰ろう。来週には新しい客が来るしな」
――また、くるね。
一瞬、そんな空耳が聞こえた気がした。
―――
お店紹介
最初の2つは初台にある不動通り商店街にあります。
「らぁめん 一福」
「やぐら亭」
やぐら亭のほうはTVでも紹介された宇宙一辛いらーめんのお店ですが、紹介されたからか材料の関係かあまりおいてないです。筆者は一度食べたんですが、本当に一日胃が熱かったので辛いのが苦手な人には強くはお勧めしません(笑)
最後のお店は
「虎愼(こしん)」
八幡山にも二件目がありまして、一度、常連の古坂大魔王さんが紹介していた覚えがあります。
鳥白湯ラーメンは試作段階での提供だった際は岩ノリだったんですが、材料の関係かいつしか国産ノリに変わりました。こっちのときのほうが美味かったと思っているのでそのままの表記にしてあります。
お気に入りのお店なのでちょくちょく行くのですが、席数が少ないためお昼時は結構待つこともあります。
行かれる際はその辺ご注意下さい。
白く濁った色をしたスープの入った切り立ち丼。ここからは一切の煮干し風味がない。これは国産鶏を煮出したものがベースになっている。豚骨ラーメンのようだが、匂いはきつくない。むしろ女性にはこちらのほうが喜ばれる味かもしれない。それだけさっぱりとしていて、なおかつ旨味が濃い。スープの中のトッピングも煮干しそばとは全く違うものが入っている。その一つが、玉ねぎだ。
「まず普通に汁を飲んでくれ」
「ふむ、旨いね。鶏の出汁がよく効いている。でも、このぐらいの旨味なら想定の範囲内だよ?」
「ああ、次にその玉ねぎのみじん切りを一緒に食べて見ろ」
「ふむ? ……ふみょあああああ!?」
「うまかろ?」
鶏の出汁にみじん切りにした玉ねぎのシャクシャク感が合わさり汁が混じる。微妙な玉ねぎの辛味が鶏の出汁を全く殺さずに融合していく。
「それで麺を食え。無限に食えるぞ」
「いわ、れ、なく……ずるっ……ともっ……ずりゅりゅ!」
そう、促す前にもう奴は箸を麺に向けていた。
「不思議だ……飽きない」
一通り麺を食い切ってしまった奴の丼を見て俺は一応の満足を得る。
「……俺の分残ってないじゃねーか」
「はっ! いや、すまないね。でもこれ、僕を満足させるためのものだろう?」
「まあそうだけどよ……。その飽きない正体はそのスープの上に乗ってる、『それ』だ」
俺は白濁のスープの陰に隠れた茶色の欠片ともじゃっとした黒い物体を指さす。
「揚げたオニオンチップ。そして岩ノリだ。啜っているうちに色々変化して、楽しめるだろ?」
香ばしいチップが口の中で鶏の旨味を所々で締め、さらに普通の海苔ではなく、岩ノリなのがポイントだ。その『のそっ』とした食感と岩ノリ独特の潮の香りが見事にこの白濁のスープに絡み、麺と共にほろりと溶けていく。
「いやあ……これも、完成度は凄く高いね! 美味かった!」
――でも。
そう言ってラトは悪戯な笑みを浮かべる。
「確かに感動したよ。でも、それは前の二つに比べても多少上程度の――」
「お待ちどうです!」
「!?」
ラトが言い掛けた瞬間――『最後の一杯』が俺たちの前に運ばれてきた。
「え? だって、これが最後の一杯じゃなかったのかい?」
「お前にはな? 先に3つはお前用に注文通しておいたが、これは――『俺用』だからな」
「へ?」
鳩が豆鉄砲を――形容しがたき深淵なるものが辣油を浴びせられたような顔をして俺を見つめ返した。
「食いたきゃ分けてやるが、俺がメインで食いたい、最後の一杯だ。だからほとんどお前が食ってる分には文句言わなかったろうが。心が読めるのに、分かってなかったのか?」
いや、分かってなかったかもしれない。だって、これが運ばれてきたタイミングは俺の指示じゃない。3つの食券を先に提示し、後からサッと俺が一枚だけ見せて目配せしただけなのだ。それだけで察してくれた店員が気を利かせただけだ。『冷めないように』と。
「ほとんど俺が食う。お前には分けてやるだけだ。沢山食いたきゃ、お前が自分で頼むんだな」
そう言ってから俺は最後の一杯に向かい合った。
『味玉辛味鶏白湯そば』に。
先ほどとは違う、僅かにツンと香る、辣油の香り。そう、この鶏白湯の上には辛い、海老辣油が掛けられている。
――旨味をたたえた乳白色と赤みが美しく映える。
スープを一口掬い、オニオンチップと共に口に運ぶ。
海老の風味が香ばしさと共に辣油に合わさり、それが揚げたチップに染み込み、鶏白湯の優しく甘い味わいと喧嘩することなくすべてが掛け合わされていく。
そしてそこに玉ねぎのみじん切りだ。
辛味がさらにそれと合わさり、爽やかさ与えつつ、玉ねぎの辛味と油の辛味が交わり更に複雑に絡む。
シャク、じゅわ、ピリッ。
それに追い打ちをかけるように辛味を纏ったままの麺が喉を通り抜ける。そこに、味玉を齧ると甘い、卵の黄身がまた辛味と交わり、舌の上にはすべての味わいが乗って来るのだ。
辛味と甘みが競い合う口内――海老の、鶏の、岩海苔の、味玉の、チャーシューの、辣油の、旨味すべてが弾け合う。まさに――。
「宇宙だ――」
「あ!?」
一口喰って呆けていた俺の手元から辛味鶏白湯の姿が失われていた。代わりに俺の横のに座る名もなき無貌の神の手に、それは収められている。
「お、おま! それ俺のだろうが!」
『黙れ』
『――』
瞬間、圧倒的な殺意が俺の上に押し付けられた。身動きが――取れない。
『喰う。我は、宇宙を喰う』
圧倒的な神の意志を前にして縛られたように俺の身体は動かない。何か超常的な力だろう。
「くっそッ――」
もっと食いたい。まだ食いたりないのに――だが。
「食うなら――残すなよ」
返事はなかったが『愚問だ』と言う意志だけは伝わってきた。奴はいま、食欲の権化だ。後は――好きなだけ喰わせてやろう。
シャク、ずりゅ、もしゅ、もにゅ、ずりゅ。
この辛味鶏白湯そばは、鶏白湯からわずか50円上がっただけの代物だ。しかし、その50円の差が、両者の間に明確な差を生み出している。
俺はこれは「支払うべき対価」だと思っている。俺は通常の鶏白湯よりも圧倒的にこちらのほうが好きだ。――そこ、ただ単に辛いものが好きだとか言わない。
「――はぁ」
「あの~、こちらはどうしましょうか?」
固まっている俺に対して店員が器を持って困っている。そういえば、もう一品頼んでいたのだ。サイドメニューを。
「そこに――置いてやってくれ……」
「は、はい」
か細い声で俺は答えることしかできない。頼んだサイドメニューは『炙りチャーシュー丼』だ。
白米の上に豚バラのチャーシューを乗せ、バーナーで炙り、刻んだ長ネギを散らしただけのもの――。しかしこれが、美味い。
炙った豚バラから染み出た脂を白米が吸い、さらに焼けた香ばしい香りが食欲を刺激する。そしてネギがしつこくなりかけた口の中をシャキ、という食感で僅かに引き締める。そしてその本領は――麺を喰い終えたあとの、スープの残った丼にあるのだ。
「――おい」
『分かっている』
奴は俺の思考を読んだようだ。そうだ、麺を喰い終わったスープにその白米を『漬ける』のだ。
「おオオオオオオオオオオオオオオッ――」
スープを吸った白米人ならぬ声が分体である幼女の姿から漏れる。奴の全身は歓喜に打ち震えていた。
「無限――そう、無限の宇宙だ――」
そう、それが肥満の宇宙、肥満症宇宙肥満症宇宙だ。
炭水化物とタンパク質と脂質と油分の融合体、名もなき肥満体を量産する代物だ。
「あ――はぁ」
満足そうな声を奴が上げた直後、俺の身体の拘束が解けた。
「――うん、美味しかったあ……」
「満足したか?」
それこそ愚問だと思ったが、奴は窺うような瞳を俺を見つめた。
「ああ、今は『読んで』ないから安心していいよ?」
「ん?」
「僕の答えを言う前に、最後に一つ質問があるんだ。『本当にこのラーメンで世界が救えると思って』連れてきたのかい?」
「ああ……」
何だ、そんなことか。
そんなこと、分かり切ってるだろうに。
「んなわけあるか。馬鹿馬鹿しい」
この店は美味い。しかし、こいつの満足とはまた別の次元の話だということぐらいよくわかっている。
「『俺が』満足したいから連れて来たんだ。一番好きなラーメン喰ってから死ぬなら後悔なんてねえからな」
世界を救うラーメンなんて言われてまともに取り合うほうが間違っている。俺に出来るのは自分の一番食いたい、美味いと思っている場所に連れていくことだけだ。こいつが世界を食べようが、俺はこの味をずっと覚えていたい。それだけだ。
「――わかったよ。それじゃ、僕の答えだ」
奴は俺に笑いかけ――答えを告げた。
◆
「あれ?」
気が付くと俺はばあちゃんの屋敷で大の字で寝ていた。
「移動した覚えは――ないんだが?」
外はもう夕暮れ時、俺は何が何だかわからなかったが、いつの間にか、寝ているうちにでもここに来たのだろうか? でも、昨日は『でか〇を食って寝ただけのはず』なんだが……。
昨日からの記憶が曖昧だった。何か、すっぽりと大事なものが抜け落ちているような感覚がある。思い出せるような――いや、思い出してはいけないような……。
「まあ、いっか」
夕飯時に近づいているから、何か食って帰ろうと思うが、あまり腹は減っていない。
「パンでも買って帰るか」
一瞬脳内にラーメンが思い浮かぶが、今は食いたい気分じゃなかったのですぐに打ち消した。なんか、暫く食いたくないような気もする。
「さて、せっかく来たし、掃除して帰ろう。来週には新しい客が来るしな」
――また、くるね。
一瞬、そんな空耳が聞こえた気がした。
―――
お店紹介
最初の2つは初台にある不動通り商店街にあります。
「らぁめん 一福」
「やぐら亭」
やぐら亭のほうはTVでも紹介された宇宙一辛いらーめんのお店ですが、紹介されたからか材料の関係かあまりおいてないです。筆者は一度食べたんですが、本当に一日胃が熱かったので辛いのが苦手な人には強くはお勧めしません(笑)
最後のお店は
「虎愼(こしん)」
八幡山にも二件目がありまして、一度、常連の古坂大魔王さんが紹介していた覚えがあります。
鳥白湯ラーメンは試作段階での提供だった際は岩ノリだったんですが、材料の関係かいつしか国産ノリに変わりました。こっちのときのほうが美味かったと思っているのでそのままの表記にしてあります。
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行かれる際はその辺ご注意下さい。
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