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第四章 エルフの嫁入り
14人目の闖入者 1
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「オホホ、やーねー勘違いしちゃったわ」
吹き飛ばされた伸介は白目を剥いて、今私の膝枕で寝ている。どうやらこの女性、伸介の母親らしい。火事になったと実家に連絡がいき、心配になってすっ飛んできたという。あまりにも早口で捲し立てられこちらも答えに一部窮してしたのだが、兎も角、二股だのなんだのそういう関係ではないことは理解して貰えたが――。
「で、どちらの女性とお付き合いなされているの?」
「私がメイドとして伸介様にお仕えしております。こちらが、伸介様の婚約者(フィアンセ)です」
「ミリアルと申します。――以後、お見知りおきを」
「あらやだ、あの子に外人さんと付き合う器量があったなんて。で、どこの国の人なの? アメリカ? カリフォルニア? ハワイ?」
「あ、ええと――」
どう答えるべきか悩んでいると、レイが答えた。
「お母さま、それ、すべて同じ国です」
「あらやだ。じゃあ中国? 香港? 台湾?」
何のことを言っているのかわからないが、たぶん頓珍漢なことを言っている、ような雰囲気である。
「ええと、その、あまり知らない国かもしれませんから……」
「あらやだ! 不法入国じゃないわよね!?」
「お母さま、それは失礼です」
レイが窘めてくれた。多分、とても失礼なことをこの人は言っているのだろう。しかしそれは的を射ているので私は思わずドキリ、とした。
「大丈夫です。その、怪しい場所ではないですから」
私は笑顔を崩さずそう答えた。しかしガタイの大きな人物から見下ろされるとやはり緊張する。でも、何も悪いことをしているわけではないのだ。堂々としていればいい。
「――ふうん、なるほどねえ」
なんとなく品定めされたような気がしてきた瞬間、そう言って彼女は席を立ち踵を返した。
「じゃあ、今日は帰るわね」
「あ、お、お帰りですか?」
「ええ、だって肝心の伸介が寝たままじゃない。ほんと、情けない子ねえ」
それ、貴方がぶっ飛ばしたんですけど……。
「だから伝えておいてね、明日、一緒にお昼を食べましょうって」
「え」
「じゃあね、あでぃおーす!」
そう言うと彼女はドッシンドッシンと音を立て部屋から出て行った。まるでそれは――土の大精霊が立ち去った後のような、そんな気配だけを残していた。
◆
「――嫌だなあ」
起き抜けに事情を説明した伸介が言った最初の言葉がこれだった。
「嫌だって言っても、お母様でしょう? まあ……その気持ちが分からないでもないけど」
彼の真っ赤に腫れた頬を見てそう思う。ちょっと、いやかなり問題のある人なのかもしれない。
ふと伸介と目が合うと、彼は申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「――すまん、その、ちょっと強引な母で」
「別にいいわよ、あのぐらい」
正直、少しびっくりはしたが、そこまで怖かったわけでもない。
しかし伸介の顔色があまり晴れない様子だった。
「ご主人様は、お母さまが原因で別れ話でもされないかと心配されているのですね?」
「ちょ! レイ!」
「え、そうだったの?」
「う、いやあ、うん、まあ……」
「大丈夫よ? 最初はちょっとびっくりしたけどそれだけだし。貴方のお母さまとなら上手くやれるわよ」
「――だと、いいが、はぁ」
「前科がおありですからね。前の彼女と別れた原因もお母さまでは?」
「レイさん!?」
「ちょっと、聞き捨てならないんですけど?」
彼の過去の女に嫉妬するほど心が狭いわけではないが、そういう話はつまびらかにしておいてくれたほうがいい。いい、決して嫉妬とかじゃないわよ? 絶対よ?
「ど、どこでそんな昔の話を知ったんだよ、レイ?」
「ご家族のことを把握するのはメイドの基本ですよ? 常日頃欠かさずご主人様のSNSとご家族のSNSはすべてチェックし、過去履歴もばっちりでございます」
「ストーカーですかぁ!?」
「レイ、それで昔の彼女の話の続き教えて?」
「はい、ミリアル様――」
話によると、伸介のお母さま――名を『藤間 公子(きみこ)』という人は伸介に彼女が出来る度に、その文句をSNSに書きつけているようだ。
「そのチェックが厳しい上に口うるさく、それを煩わしいと思われた前の彼女は伸介様を振ったご様子ですね。当時の伸介様の書き込みによると『ふざけんなこの×××。あいつもあいつだ×××。大体俺は×××』などと恨み言を――」
「待ってそれ、俺の鍵垢で呟いた内容だよね!?」
狼狽える伸介の姿を見ていて、私は――。
「こら! 伸介!」
バチン、と彼の顔を両手で挟み込んだ。
「ミ、ミリアル、さん?」
「私が貴方のお母さんに、負けるとでも思ってるの? 少しは信用なさい」
顔を近づけ、そう言った。
「い、いえ。最高の、彼女です。はい」
「よろしい。なら、問題ないわね。ランチの予約、宜しくね?」
なるほど、これは『女の闘い』のようね。私は密かに闘志を滾らせたのだった。 ◆
「あらあらあらあら、もう来てたの? 早いわねー」
そう言ってたっぷり20分ぐらい遅刻して彼女はやってきた。問い詰めたところ「どうしてもシャワー浴びたかったから仕方ないじゃない」だそうだ。いや、先に言えよ。
場所は――中野駅南口前。バスのロータリーがあり、丸井デパートが近くにある。北口にはモールと、そして一番有名なのは大きくそびえたつ建物『中野サンプラザ』であろう。
なお、予約は出来なかった。というか、断られたのだ、母(かのじょ)に。
「美味しいお店発見したのよ~。だから、私が案内したくてね~。オホホホホホホ」
額の汗を拭きつつ彼女はそう言った。
今日のメンバーは俺と、ミリアルと、母の三人……のつもりだったのだが、レイもなぜか呼び出されてしまった。
「さ、早速行きましょ。こっちよこっち。レストランから見える展望が素敵なのよ~」
そう言って彼女に案内されたのは中野サンプラザの上階の店だったのだが――。
「本日、臨時休業」
見事に、閉まっていた。
「ちょっと! どういうことよ! ムキー! ふんがー!」
「母よ、諦めが肝心だ。次いこう……」
「いいわ! 近くにもっと美味しい店があるんだから! いいわよね?」
「……はい」
ミリアルは多少母の勢いに押されるように頷く。俺達はサンプラザを出てすぐに、母がタクシーを捕まえた。
「あ、私は前の席に座るから、大丈夫大丈夫!」
むぎゅ、という押しつぶすような、まるでスライムが瓶詰めされたような感じで母が助手席に乗り込んだ。運転手さんと俺達は苦笑いだ。
「それじゃ中野富士見町へ!」
ちょっとまて、どこが近くだ?
距離にしてバスでも15分くらいは離れてねーか?
「近いわよ! 同じ中野区だし!」
いやいやいや、その感覚はおかしいって!?
文句を言ってももう乗ってしまったのだ。仕方ない、このままついていくしかない。
そしてしばらく後についたはついたのだが――。
「材料切らしてしまって、もう終わりです」
「アンガー! ヤーマーネー!」
どんな叫び声やねん。我が母はおばちゃん店員がそういって頭を下げる横で地団駄を踏んでいる。
「あのな、母よ……」
「戻るわよ! 中野駅!」
もはや母は俺の言葉を聞いていない。全身でアピールするようにタクシーを止めると、早く乗れと俺達に手で合図を飛ばす。
「す、すまんミリア――」
「もう慣れたわよ。行きましょ」
何とも頼もしい返事をしてミリアルはタクシーに乗り込んだ。なんか心なしか、やる気に満ち溢れているような気が……。
「ねえ、うなぎは好き!?」
「え、うなぎ?」
「そうよ、うなぎのお店があるからそれにしましょう! 伸介はにゅるにゅるってしたもの好きでしょ?」
うなぎは食べるときはにゅるにゅるしていないのでその言い方だと誤解を受けそうである。逐一反論しても意味がないのでもう俺は黙っていた。母はいつもこうである。俺が何か言ったところでまともに会話がかみ合うことのほうが稀だ。
しかし、まあ、重なるものは重なるもので――。
「本日団体貸し切り」
「ドーシテー! ホワイダニットー!」
母の絶叫、本日三回目頂きましたー。
「――伸介、何かお店知ってる?」
店先で荒れ狂う母を見かねたようにミリアルが俺に囁く。
「一軒知ってる――」
というか、他に俺が行く店がない。それぐらい、あまりこちらには来たことがない。中野駅付近は割とグルメに関しては疎いのだ。しかし、その知っている一軒だけは自信をもっておすすめできる程度には美味い。しかしその店は――。
「ならそこでいいわ。場所教えて」
あの店は――そう、母も知っているはずだ。あえて外していたのか、行きたくなかったのかは知らない。しかし、もうあそこしか残っていない。時刻はもう13時を回っている。俺の胃袋も空腹で限界である。
「わかった。場所はそこのロータリーの……」
ミリアルは母に近づいて提案した。「そこへ、行きましょう」と。
吹き飛ばされた伸介は白目を剥いて、今私の膝枕で寝ている。どうやらこの女性、伸介の母親らしい。火事になったと実家に連絡がいき、心配になってすっ飛んできたという。あまりにも早口で捲し立てられこちらも答えに一部窮してしたのだが、兎も角、二股だのなんだのそういう関係ではないことは理解して貰えたが――。
「で、どちらの女性とお付き合いなされているの?」
「私がメイドとして伸介様にお仕えしております。こちらが、伸介様の婚約者(フィアンセ)です」
「ミリアルと申します。――以後、お見知りおきを」
「あらやだ、あの子に外人さんと付き合う器量があったなんて。で、どこの国の人なの? アメリカ? カリフォルニア? ハワイ?」
「あ、ええと――」
どう答えるべきか悩んでいると、レイが答えた。
「お母さま、それ、すべて同じ国です」
「あらやだ。じゃあ中国? 香港? 台湾?」
何のことを言っているのかわからないが、たぶん頓珍漢なことを言っている、ような雰囲気である。
「ええと、その、あまり知らない国かもしれませんから……」
「あらやだ! 不法入国じゃないわよね!?」
「お母さま、それは失礼です」
レイが窘めてくれた。多分、とても失礼なことをこの人は言っているのだろう。しかしそれは的を射ているので私は思わずドキリ、とした。
「大丈夫です。その、怪しい場所ではないですから」
私は笑顔を崩さずそう答えた。しかしガタイの大きな人物から見下ろされるとやはり緊張する。でも、何も悪いことをしているわけではないのだ。堂々としていればいい。
「――ふうん、なるほどねえ」
なんとなく品定めされたような気がしてきた瞬間、そう言って彼女は席を立ち踵を返した。
「じゃあ、今日は帰るわね」
「あ、お、お帰りですか?」
「ええ、だって肝心の伸介が寝たままじゃない。ほんと、情けない子ねえ」
それ、貴方がぶっ飛ばしたんですけど……。
「だから伝えておいてね、明日、一緒にお昼を食べましょうって」
「え」
「じゃあね、あでぃおーす!」
そう言うと彼女はドッシンドッシンと音を立て部屋から出て行った。まるでそれは――土の大精霊が立ち去った後のような、そんな気配だけを残していた。
◆
「――嫌だなあ」
起き抜けに事情を説明した伸介が言った最初の言葉がこれだった。
「嫌だって言っても、お母様でしょう? まあ……その気持ちが分からないでもないけど」
彼の真っ赤に腫れた頬を見てそう思う。ちょっと、いやかなり問題のある人なのかもしれない。
ふと伸介と目が合うと、彼は申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「――すまん、その、ちょっと強引な母で」
「別にいいわよ、あのぐらい」
正直、少しびっくりはしたが、そこまで怖かったわけでもない。
しかし伸介の顔色があまり晴れない様子だった。
「ご主人様は、お母さまが原因で別れ話でもされないかと心配されているのですね?」
「ちょ! レイ!」
「え、そうだったの?」
「う、いやあ、うん、まあ……」
「大丈夫よ? 最初はちょっとびっくりしたけどそれだけだし。貴方のお母さまとなら上手くやれるわよ」
「――だと、いいが、はぁ」
「前科がおありですからね。前の彼女と別れた原因もお母さまでは?」
「レイさん!?」
「ちょっと、聞き捨てならないんですけど?」
彼の過去の女に嫉妬するほど心が狭いわけではないが、そういう話はつまびらかにしておいてくれたほうがいい。いい、決して嫉妬とかじゃないわよ? 絶対よ?
「ど、どこでそんな昔の話を知ったんだよ、レイ?」
「ご家族のことを把握するのはメイドの基本ですよ? 常日頃欠かさずご主人様のSNSとご家族のSNSはすべてチェックし、過去履歴もばっちりでございます」
「ストーカーですかぁ!?」
「レイ、それで昔の彼女の話の続き教えて?」
「はい、ミリアル様――」
話によると、伸介のお母さま――名を『藤間 公子(きみこ)』という人は伸介に彼女が出来る度に、その文句をSNSに書きつけているようだ。
「そのチェックが厳しい上に口うるさく、それを煩わしいと思われた前の彼女は伸介様を振ったご様子ですね。当時の伸介様の書き込みによると『ふざけんなこの×××。あいつもあいつだ×××。大体俺は×××』などと恨み言を――」
「待ってそれ、俺の鍵垢で呟いた内容だよね!?」
狼狽える伸介の姿を見ていて、私は――。
「こら! 伸介!」
バチン、と彼の顔を両手で挟み込んだ。
「ミ、ミリアル、さん?」
「私が貴方のお母さんに、負けるとでも思ってるの? 少しは信用なさい」
顔を近づけ、そう言った。
「い、いえ。最高の、彼女です。はい」
「よろしい。なら、問題ないわね。ランチの予約、宜しくね?」
なるほど、これは『女の闘い』のようね。私は密かに闘志を滾らせたのだった。 ◆
「あらあらあらあら、もう来てたの? 早いわねー」
そう言ってたっぷり20分ぐらい遅刻して彼女はやってきた。問い詰めたところ「どうしてもシャワー浴びたかったから仕方ないじゃない」だそうだ。いや、先に言えよ。
場所は――中野駅南口前。バスのロータリーがあり、丸井デパートが近くにある。北口にはモールと、そして一番有名なのは大きくそびえたつ建物『中野サンプラザ』であろう。
なお、予約は出来なかった。というか、断られたのだ、母(かのじょ)に。
「美味しいお店発見したのよ~。だから、私が案内したくてね~。オホホホホホホ」
額の汗を拭きつつ彼女はそう言った。
今日のメンバーは俺と、ミリアルと、母の三人……のつもりだったのだが、レイもなぜか呼び出されてしまった。
「さ、早速行きましょ。こっちよこっち。レストランから見える展望が素敵なのよ~」
そう言って彼女に案内されたのは中野サンプラザの上階の店だったのだが――。
「本日、臨時休業」
見事に、閉まっていた。
「ちょっと! どういうことよ! ムキー! ふんがー!」
「母よ、諦めが肝心だ。次いこう……」
「いいわ! 近くにもっと美味しい店があるんだから! いいわよね?」
「……はい」
ミリアルは多少母の勢いに押されるように頷く。俺達はサンプラザを出てすぐに、母がタクシーを捕まえた。
「あ、私は前の席に座るから、大丈夫大丈夫!」
むぎゅ、という押しつぶすような、まるでスライムが瓶詰めされたような感じで母が助手席に乗り込んだ。運転手さんと俺達は苦笑いだ。
「それじゃ中野富士見町へ!」
ちょっとまて、どこが近くだ?
距離にしてバスでも15分くらいは離れてねーか?
「近いわよ! 同じ中野区だし!」
いやいやいや、その感覚はおかしいって!?
文句を言ってももう乗ってしまったのだ。仕方ない、このままついていくしかない。
そしてしばらく後についたはついたのだが――。
「材料切らしてしまって、もう終わりです」
「アンガー! ヤーマーネー!」
どんな叫び声やねん。我が母はおばちゃん店員がそういって頭を下げる横で地団駄を踏んでいる。
「あのな、母よ……」
「戻るわよ! 中野駅!」
もはや母は俺の言葉を聞いていない。全身でアピールするようにタクシーを止めると、早く乗れと俺達に手で合図を飛ばす。
「す、すまんミリア――」
「もう慣れたわよ。行きましょ」
何とも頼もしい返事をしてミリアルはタクシーに乗り込んだ。なんか心なしか、やる気に満ち溢れているような気が……。
「ねえ、うなぎは好き!?」
「え、うなぎ?」
「そうよ、うなぎのお店があるからそれにしましょう! 伸介はにゅるにゅるってしたもの好きでしょ?」
うなぎは食べるときはにゅるにゅるしていないのでその言い方だと誤解を受けそうである。逐一反論しても意味がないのでもう俺は黙っていた。母はいつもこうである。俺が何か言ったところでまともに会話がかみ合うことのほうが稀だ。
しかし、まあ、重なるものは重なるもので――。
「本日団体貸し切り」
「ドーシテー! ホワイダニットー!」
母の絶叫、本日三回目頂きましたー。
「――伸介、何かお店知ってる?」
店先で荒れ狂う母を見かねたようにミリアルが俺に囁く。
「一軒知ってる――」
というか、他に俺が行く店がない。それぐらい、あまりこちらには来たことがない。中野駅付近は割とグルメに関しては疎いのだ。しかし、その知っている一軒だけは自信をもっておすすめできる程度には美味い。しかしその店は――。
「ならそこでいいわ。場所教えて」
あの店は――そう、母も知っているはずだ。あえて外していたのか、行きたくなかったのかは知らない。しかし、もうあそこしか残っていない。時刻はもう13時を回っている。俺の胃袋も空腹で限界である。
「わかった。場所はそこのロータリーの……」
ミリアルは母に近づいて提案した。「そこへ、行きましょう」と。
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