眠りにつくまで…◆眠るまでそばにいて◆甘い支配の始まり:三鷹聖の物語【完結】

まぁ

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一歩から万歩

5

「ちょっ…と…チューリップが…」
「あ、大丈夫かな?」
「うん…私、ご挨拶もしないまま…リビングの真ん中まで来ちゃった…」
「どうぞ、お名前は?」
「…戸田光里です」
「おいくつか聞いても?」
「27です」
「ご職業は?」
「学校事務です」
「聖のこと好き?」
「はい…」
「ありがとう、光里ちゃん。ようこそ三鷹へ」

 お兄さんの質問に答えて挨拶が終わったらしい……なんだかペースが掴めない。

 お兄さんに答えていたのでチューリップを差し出したのだが、間違えたと思い慌てて引っ込めると、どうぞ…と、お母さんに渡す。

「えーっ…今のコント?何?俺のこの手どうするの?」
「俺と握手でもしておく?」

 お兄さんの宙ぶらりんの手を聖さんが握ったのを見て

「お前たちがコントだな。光里さん、ソファーに掛けて」

 お父さんが私をソファーに促してくれた。勤務先の学校はどこ?とか実家はどこ?と聞かれるうちにお母さんが紅茶を持って来てくれる。かしこまらずソーサーに小さなチーズケーキバーが添えられたカジュアルさがありがたい。

「いい香り」
「紅茶好き?」
「はい、珈琲もどちらも」
「チーズケーキも大丈夫?」
「はい、好きです」
「でも光里はチョコ系のケーキが一番好き」
「………」

 聖さん…得意気に私の頭を撫でていないでよ。そんな情報いま要るの?

「じゃあ、今度はチョコフォンデュしてみようかな?」
「チョコフォンデュ…」
「光里ちゃん、やったことある?」
「ありません」
「私もないんだけど友達が家でやったって言うから興味あるのよね。調べて準備できたら光里ちゃんをまたうちに呼ぶわね」

 お母さんは高めの声でご機嫌に笑いながら

「スイーツはやっぱり女子よね?光里ちゃんが来てくれて嬉しい」

 と言うと

「女子って年齢制限ないのか?」

 聖さんが…また言った…
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