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顔合わせ
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教室での一騒動も、放課後には忘れられたようにすっかり収まっており、普段と何ら変わりなく帰りのHRまで済んだ。それからは、優星と沙月は互いに声をかけずとも、不自然に思われないよう別行動で生徒会室に向かった。沙月が先に生徒会室に着き、既に中へ入っており、優星が数分後に着く形となった。
──…これ、もう入っていいんだよな…?
いざ扉を前にすると、緊張のせいか、なかなか一歩踏み出せない。なんとか落ち着こうと何度か深呼吸をし、掌に"人"を書いて飲み込む…という、傍から見たら奇妙な行動をする優星。そして少し間を置いてドアノブに手を掛けた…が、内側から突然扉が開けられ、転がり込むように部屋へ入った。
「おわっ!?」
「あ、優星! ごめんなさい、なかなか入ってこないからどうしたのかと…」
「沙月…いや、大丈夫…ちょっと心の準備してただけ…」
そう言って顔を上げると、中央の長机を囲むように、愛美と樹をはじめとする五人が座ってこちらを見ている。それに気付き、優星は慌てて立ち上がり姿勢を正した。
「あっすみません! 失礼いたしました! 銀条優星です、よろしくお願いします!」
「ふふ。そんなにかしこまらなくていいのよ、優星くん。」
「古金先輩…」
柔らかく微笑みながら、愛美は優星へ歩み寄る。彼に向き合って立つと、なめらかな動作で右手を差し出した。
「改めて、この学校の生徒会長であり、"ここ"では治癒士を務めてる、古金愛美です。よろしくね、優星くん」
「あ、はい…よろしくお願いします」
「それじゃあ僕も。同じく副会長の鈴銅樹だ。ここでは諜報員兼、槍術士としてやってるんだ。よろしく頼むよ」
「はいっよろしくお願いします」
愛美に続き樹も自己紹介を済ますと、二人は長机の方へ向き直った。つられて優星も視線を向ける。
「優星くん、紹介するわ。ここにいるみんな、地星界調査班のメンバーなの」
「…あれ、隣のクラスの…」
優星がある女生徒に気付くと、彼女は椅子から立ち上がり、自己紹介した。
「…氷鉛水琴、です。よろしく…」
黒髪でショートカットの彼女は優星より数センチ高い身長で、女子の平均に比べてはるかに背が高い。さらに、着ている制服が男子と同じパンツスタイルだったため、街中で遠くから見たら、きっと男子に見間違えられてしまうであろう背格好だった。顔立ちも整っているため、さぞ人気があるのだろうと見て取れた。
「水琴ちゃんも学級委員をやっているから、優星くんは見たことあるかもね」
(彼女も天星人だったなんて…)
「よろしく、お願いします…」
「そしてその隣が…」
愛美が水琴の隣へ視線を移す。そこには、茶髪で少しボリュームのあるおさげの女生徒が座ってじっ…と優星を見ていた。つり目気味のせいか睨まれているように思え、優星は少し身構える。
「えっ、と…どうも…よろしくお願いします…」
「………64点」
「へっ!?」
「あはは…また"かーやん"お得意の鑑定が始まっちゃったよ」
「"かーやん"!?」
「うるさい"51点"」
「え、俺より低い…」
「かーやんヒドい!!」
「火弥ちゃん、ちゃんと自己紹介しなきゃ。そんな急に点数付けたら、初めて会った人はみんなびっくりするわよ」
思ってたより点数が低いことにショックを受けている樹を余所に、愛美が"火弥"と呼んだ女生徒にやんわりと注意した。注意された本人は、物足りなさげにしぶしぶ自己紹介をする。
「炭羽火弥。愛美たちと同じ2年生で書記よ」
「はいっ、よろしくお願いします! 先輩!」
「…ふんっ」
「え…あれ?」
淡々と自己紹介を終えると、それに対しはきはきと応える優星に、ツンと顔を背けてしまった。気を悪くさせてしまったかとうろたえる優星。そこへ、最後の一人が手を差し出した。
──…これ、もう入っていいんだよな…?
いざ扉を前にすると、緊張のせいか、なかなか一歩踏み出せない。なんとか落ち着こうと何度か深呼吸をし、掌に"人"を書いて飲み込む…という、傍から見たら奇妙な行動をする優星。そして少し間を置いてドアノブに手を掛けた…が、内側から突然扉が開けられ、転がり込むように部屋へ入った。
「おわっ!?」
「あ、優星! ごめんなさい、なかなか入ってこないからどうしたのかと…」
「沙月…いや、大丈夫…ちょっと心の準備してただけ…」
そう言って顔を上げると、中央の長机を囲むように、愛美と樹をはじめとする五人が座ってこちらを見ている。それに気付き、優星は慌てて立ち上がり姿勢を正した。
「あっすみません! 失礼いたしました! 銀条優星です、よろしくお願いします!」
「ふふ。そんなにかしこまらなくていいのよ、優星くん。」
「古金先輩…」
柔らかく微笑みながら、愛美は優星へ歩み寄る。彼に向き合って立つと、なめらかな動作で右手を差し出した。
「改めて、この学校の生徒会長であり、"ここ"では治癒士を務めてる、古金愛美です。よろしくね、優星くん」
「あ、はい…よろしくお願いします」
「それじゃあ僕も。同じく副会長の鈴銅樹だ。ここでは諜報員兼、槍術士としてやってるんだ。よろしく頼むよ」
「はいっよろしくお願いします」
愛美に続き樹も自己紹介を済ますと、二人は長机の方へ向き直った。つられて優星も視線を向ける。
「優星くん、紹介するわ。ここにいるみんな、地星界調査班のメンバーなの」
「…あれ、隣のクラスの…」
優星がある女生徒に気付くと、彼女は椅子から立ち上がり、自己紹介した。
「…氷鉛水琴、です。よろしく…」
黒髪でショートカットの彼女は優星より数センチ高い身長で、女子の平均に比べてはるかに背が高い。さらに、着ている制服が男子と同じパンツスタイルだったため、街中で遠くから見たら、きっと男子に見間違えられてしまうであろう背格好だった。顔立ちも整っているため、さぞ人気があるのだろうと見て取れた。
「水琴ちゃんも学級委員をやっているから、優星くんは見たことあるかもね」
(彼女も天星人だったなんて…)
「よろしく、お願いします…」
「そしてその隣が…」
愛美が水琴の隣へ視線を移す。そこには、茶髪で少しボリュームのあるおさげの女生徒が座ってじっ…と優星を見ていた。つり目気味のせいか睨まれているように思え、優星は少し身構える。
「えっ、と…どうも…よろしくお願いします…」
「………64点」
「へっ!?」
「あはは…また"かーやん"お得意の鑑定が始まっちゃったよ」
「"かーやん"!?」
「うるさい"51点"」
「え、俺より低い…」
「かーやんヒドい!!」
「火弥ちゃん、ちゃんと自己紹介しなきゃ。そんな急に点数付けたら、初めて会った人はみんなびっくりするわよ」
思ってたより点数が低いことにショックを受けている樹を余所に、愛美が"火弥"と呼んだ女生徒にやんわりと注意した。注意された本人は、物足りなさげにしぶしぶ自己紹介をする。
「炭羽火弥。愛美たちと同じ2年生で書記よ」
「はいっ、よろしくお願いします! 先輩!」
「…ふんっ」
「え…あれ?」
淡々と自己紹介を終えると、それに対しはきはきと応える優星に、ツンと顔を背けてしまった。気を悪くさせてしまったかとうろたえる優星。そこへ、最後の一人が手を差し出した。
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