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第3章 大賢者の遺産
第21話 冒険者ギルドへの制裁②
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ギルド職員の家族の捕縛に向かおうとする騎士を、止めるようにランベルトがハロルドに訴える。
「ハロルド様、ギルド職員はギルドマスターとサブマスターの指示で、お叱りを受けるようなことをしてしまっただけです。嘘偽りなくすべてお話ししますので、職員の家族だけはお許しください」
その場にいたギルド職員は、頭を必死に縦に振り頷いている。
「しかしのぅ、ギルドマスターやサブマスターが嘘ばかり言うから、ギルドの人間を信じられないのぅ」
過酷な要求をするハロルドだが、相変わらず飄々とした雰囲気で話をする。
「知る限りの彼らの不正を必ず証言します」
「う、裏切るのかぁ!」
アラゴがランベルトに向かって叫ぶ。
「裏切る? 私だけではなく、他にも何人ものギルド職員が、あなた達にやめるように抗議したら、そこの冒険者を使って脅かしてきたのは誰ですか!」
「な、なんだと!」
「そんなことをした相手を誰が庇うかぁ!?」
ランベルトが目に涙を浮かべながら、アラゴを怒鳴りつける。
「なっ、ただで済むと、」
バキィィィ!
「ギャァーーー!」
「なんじゃ、これぐらいで腕が折れてしまったぞ。身体強化ぐらいしておけ」
ボゴォッ、ゴキィ、ガゴォ!
「だから身体強化ぐらいせぬかぁ」
そういうと水筒のポーションを掛けてやり、意識が朦朧としているアラゴの口に、無理やり水筒を突っ込んでポーションを飲ませる。
ポーションが効いてきたのか、怪我が治ってくると目にも光が戻り、意識が覚醒した。
「ちゃんと身体強化を使えよ」
「まっ、」
バキッ、ボコッ、バキッ、ボコッ、バキッ、ボコッ!
アラゴは少し遅れたが何とか身体強化を使う。しかし、何度も殴られてまた意識が朦朧とする。
そんなことを何度も繰り返し、3本目のポーションが無くなってしまった。
「これ以上は後で続きをやるかのぅ」
「ヒィィ!」
ハロルドが微笑んで顔を近づけて話すと、アラゴは怯えきった表情で悲鳴を上げた。すでに彼の下半身は粗相して、水浸しになっている。
「閣下ぁ~、自分だけ楽しまないで下さいよぉ」
アランがそういうと、ハロルドはエウスコを掴み上げると、アランの方に放り投げた。
「そいつも一緒に悪事に加担したみたいじゃ。好きにするが良いぞ」
「話します。話します。どんなことでも話します。だから、」
バキッ、ボコッ!
エウスコは話すと言ったが、アランは遠慮なく殴った。
「閣下ぁ、コイツはダメです。簡単に死んじゃいますよぉ」
そういいながらアランはポーションを振りかける。
「それなら、ほれ、そこの冒険者も悪事に加担していたらしいぞ」
それを聞いたアラゴの子飼いの冒険者たちの顔色は真っ青に変わる。
「こいつらは騎士団の訓練に使おうと思っていたんですよ。人を殴ったり腕を切り落としたりする感覚や経験を積まそうと思いまして」
ハロルドはアランの話を聞きながら頷いている。
「そうじゃのぅ。中々そんな機会は無いから良いかも知れんのぅ」
「ではそのように手配します。おい、こいつらを連れて行け! おっ、なんだ、こいつら全員漏らしているじゃないか。最近の冒険者は根性が足りんなぁ」
騎士達は、気を失っているエウスコや、恐ろしさで腰を抜かした冒険者を引きずって行く。
「おい、ギルドマスターとサブマスターの家族をさら、捕縛してくるのじゃ!」
騎士達が受付に居るギルド職員に家族の居場所を聞いて外に走って行く。
「他の者は職員から証言を取れ、少しでも嘘をついていたら、ギルドマスター達と同じように、本人も家族も騎士団の練習台にする」
職員たちは必死に頭を横に振り反抗の意思がないことを伝えようとする。
「これでは暫く冒険者ギルドは閉鎖じゃなぁ」
それを聞いていたランベルトがハロルドに震えながら願い出る。
「ハ、ハロルド様、無理なお願いだとは思いますが、職員から話を聞きながらでも、ギルドの業務をさせてもらえないでしょうか?
ギルドマスターが連れて来た冒険者以外は、多少乱暴者も居ますが、この町の出身の者も多く、真面目に依頼をしている者も多くいます。急に冒険者ギルドを閉鎖したら、食べることもできない者も多くいます。
どうか、どうかお願いします!」
ランベルトは必死にハロルドにお願いする。
彼もこの町の冒険者をしていた経験もあり、ギルドマスター達が王都から連れて来た者たちを優遇していたことで、地元出身の冒険者が割の合わない仕事ばかりさせられていたので、彼らを助けるためにも必死にお願いするのだった。
「ふむ、……そうじゃのぅ、この馬鹿のせいで真面目に仕事するものが損をさせては可哀想じゃな。アラン、ギルド職員に騎士を付けて、交代で話を聞くようにしろ」
「ふふふっ、わかりました。おいっ!」
アランは騎士達に指示するのだった。
「あ、ありがとうございます」
ランベルトは涙を流しながらハロルドに頭を下げた。
ハロルドは受付の奥にアラゴを引きずって行き、ランベルトを横に立たせると尋問を始める。
「あとポーションはこの2本だけじゃ。儂にこれを使わせるなよ」
ハロルドはアラゴにそう話すと質問する。
「孤児院の子供たちに何をするように命じたのじゃ?」
アラゴは驚くほど素直に全部話始めた。教会から言われた事や『ドラゴンの咆哮』にどのような指示を出したのか話した。
ハロルドは『ドラゴンの咆哮』から聞いた話と食い違いが無いと思った。
「ではなんで孤児院の子供から薬草を安く買い叩いた。正規の料金だと分かっていたら、冒険者ギルドに儂は依頼してたのにのぅ」
それを聞いてアラゴは、少しでも利益を稼ごうとしたことが、こんなことになったと思い、落ち込むのだった。
ハロルドはそういいながらも、アタルなら孤児たちから買い取っていただろうと思っていた。
落ち込んで話の出来そうのないアラゴを見て、それほど重要な事でもないので、次の質問する。
「それで、なんで報告を上げなかった」
「そ、それは、」
ガン、ガン、ガン。
ハロルドは言い淀むアラゴの頭を掴み、机に打ち付けた。
「儂はポーションを使わせるなと言ったはずじゃ!」
「ハロルド様、それは私が報告書を書かなかったからです」
ランベルトがそう話す。ハロルドは不愉快そうにしながらも、前にきちんと報告していたランベルトがそんなことをするのは理由があるのではと思い尋ねる。
「それはなぜじゃ!?」
「領からの依頼を一切していないのに、やったことにして報告を出せと言われて書きませんでした」
その答えを聞くと、少し嬉しそうにランベルトを見て、すぐに真剣な表情でアラゴを見る。
「間引きが適正に行われないと、魔物の氾濫発生する可能性が高くなる。それを無視するとは、冒険者ギルドはどう責任を取るつもりじゃ」
「………」
アラゴは答えることなどできなかった。
利益を上げて本部に評価してもらう事しか考えていなかったからだ。それどころか魔物の氾濫になれば、冒険者ギルドに高額な依頼が入るとさえ考えていたのだ。
しかし、ハロルドはこのことが一番の問題だと思った。このまま放置していれば町や領の崩壊につながる可能性があるからだ。
彼だけの問題ではなく、このような人間を送り込んできた王都の冒険者ギルドの責任は重い。
怒りが爆発しそうになるのを我慢して、さらに質問する。
「他にも不正はしていないじゃろうな?」
そう聞くとアラゴは明らかに動揺する。
ガン、ガン、ガン、ガン、ガン、ガン、ガン、ガン。
「まだまだ、不正ありそうじゃな」
ハロルドは意識を無くした状態で机に突っ伏すアラゴを見ながら話す。
「帳簿関係はどこにある」
ランベルトに尋ねると彼はすぐに答える。
「日々の帳簿や書類はそこの棚にありますが、まとめた書類はギルドマスターの執務室に、ギルドマスターしか開けない金庫にしまわれています」
それを聞いたハロルドは、アラゴをポーションで回復させると、金庫を開けるように言うが、アラゴは頑なに拒絶した。
しかし、捕縛されたアラゴの妻と息子と娘が連れて来られ、目の前で妻が尋問(拷問)されるのを見て、金庫を開けたのだが、金庫は実際には大きな部屋で、大量の帳簿がしまわれていた。
ハロルドはすべての書類を回収するように騎士に指示する。
暫くは騎士を冒険者ギルドに配備して、実務をランベルトにするように言うと、屋敷に戻るのであった。
「ハロルド様、ギルド職員はギルドマスターとサブマスターの指示で、お叱りを受けるようなことをしてしまっただけです。嘘偽りなくすべてお話ししますので、職員の家族だけはお許しください」
その場にいたギルド職員は、頭を必死に縦に振り頷いている。
「しかしのぅ、ギルドマスターやサブマスターが嘘ばかり言うから、ギルドの人間を信じられないのぅ」
過酷な要求をするハロルドだが、相変わらず飄々とした雰囲気で話をする。
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「う、裏切るのかぁ!」
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「裏切る? 私だけではなく、他にも何人ものギルド職員が、あなた達にやめるように抗議したら、そこの冒険者を使って脅かしてきたのは誰ですか!」
「な、なんだと!」
「そんなことをした相手を誰が庇うかぁ!?」
ランベルトが目に涙を浮かべながら、アラゴを怒鳴りつける。
「なっ、ただで済むと、」
バキィィィ!
「ギャァーーー!」
「なんじゃ、これぐらいで腕が折れてしまったぞ。身体強化ぐらいしておけ」
ボゴォッ、ゴキィ、ガゴォ!
「だから身体強化ぐらいせぬかぁ」
そういうと水筒のポーションを掛けてやり、意識が朦朧としているアラゴの口に、無理やり水筒を突っ込んでポーションを飲ませる。
ポーションが効いてきたのか、怪我が治ってくると目にも光が戻り、意識が覚醒した。
「ちゃんと身体強化を使えよ」
「まっ、」
バキッ、ボコッ、バキッ、ボコッ、バキッ、ボコッ!
アラゴは少し遅れたが何とか身体強化を使う。しかし、何度も殴られてまた意識が朦朧とする。
そんなことを何度も繰り返し、3本目のポーションが無くなってしまった。
「これ以上は後で続きをやるかのぅ」
「ヒィィ!」
ハロルドが微笑んで顔を近づけて話すと、アラゴは怯えきった表情で悲鳴を上げた。すでに彼の下半身は粗相して、水浸しになっている。
「閣下ぁ~、自分だけ楽しまないで下さいよぉ」
アランがそういうと、ハロルドはエウスコを掴み上げると、アランの方に放り投げた。
「そいつも一緒に悪事に加担したみたいじゃ。好きにするが良いぞ」
「話します。話します。どんなことでも話します。だから、」
バキッ、ボコッ!
エウスコは話すと言ったが、アランは遠慮なく殴った。
「閣下ぁ、コイツはダメです。簡単に死んじゃいますよぉ」
そういいながらアランはポーションを振りかける。
「それなら、ほれ、そこの冒険者も悪事に加担していたらしいぞ」
それを聞いたアラゴの子飼いの冒険者たちの顔色は真っ青に変わる。
「こいつらは騎士団の訓練に使おうと思っていたんですよ。人を殴ったり腕を切り落としたりする感覚や経験を積まそうと思いまして」
ハロルドはアランの話を聞きながら頷いている。
「そうじゃのぅ。中々そんな機会は無いから良いかも知れんのぅ」
「ではそのように手配します。おい、こいつらを連れて行け! おっ、なんだ、こいつら全員漏らしているじゃないか。最近の冒険者は根性が足りんなぁ」
騎士達は、気を失っているエウスコや、恐ろしさで腰を抜かした冒険者を引きずって行く。
「おい、ギルドマスターとサブマスターの家族をさら、捕縛してくるのじゃ!」
騎士達が受付に居るギルド職員に家族の居場所を聞いて外に走って行く。
「他の者は職員から証言を取れ、少しでも嘘をついていたら、ギルドマスター達と同じように、本人も家族も騎士団の練習台にする」
職員たちは必死に頭を横に振り反抗の意思がないことを伝えようとする。
「これでは暫く冒険者ギルドは閉鎖じゃなぁ」
それを聞いていたランベルトがハロルドに震えながら願い出る。
「ハ、ハロルド様、無理なお願いだとは思いますが、職員から話を聞きながらでも、ギルドの業務をさせてもらえないでしょうか?
ギルドマスターが連れて来た冒険者以外は、多少乱暴者も居ますが、この町の出身の者も多く、真面目に依頼をしている者も多くいます。急に冒険者ギルドを閉鎖したら、食べることもできない者も多くいます。
どうか、どうかお願いします!」
ランベルトは必死にハロルドにお願いする。
彼もこの町の冒険者をしていた経験もあり、ギルドマスター達が王都から連れて来た者たちを優遇していたことで、地元出身の冒険者が割の合わない仕事ばかりさせられていたので、彼らを助けるためにも必死にお願いするのだった。
「ふむ、……そうじゃのぅ、この馬鹿のせいで真面目に仕事するものが損をさせては可哀想じゃな。アラン、ギルド職員に騎士を付けて、交代で話を聞くようにしろ」
「ふふふっ、わかりました。おいっ!」
アランは騎士達に指示するのだった。
「あ、ありがとうございます」
ランベルトは涙を流しながらハロルドに頭を下げた。
ハロルドは受付の奥にアラゴを引きずって行き、ランベルトを横に立たせると尋問を始める。
「あとポーションはこの2本だけじゃ。儂にこれを使わせるなよ」
ハロルドはアラゴにそう話すと質問する。
「孤児院の子供たちに何をするように命じたのじゃ?」
アラゴは驚くほど素直に全部話始めた。教会から言われた事や『ドラゴンの咆哮』にどのような指示を出したのか話した。
ハロルドは『ドラゴンの咆哮』から聞いた話と食い違いが無いと思った。
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ガン、ガン、ガン。
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「それはなぜじゃ!?」
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「………」
アラゴは答えることなどできなかった。
利益を上げて本部に評価してもらう事しか考えていなかったからだ。それどころか魔物の氾濫になれば、冒険者ギルドに高額な依頼が入るとさえ考えていたのだ。
しかし、ハロルドはこのことが一番の問題だと思った。このまま放置していれば町や領の崩壊につながる可能性があるからだ。
彼だけの問題ではなく、このような人間を送り込んできた王都の冒険者ギルドの責任は重い。
怒りが爆発しそうになるのを我慢して、さらに質問する。
「他にも不正はしていないじゃろうな?」
そう聞くとアラゴは明らかに動揺する。
ガン、ガン、ガン、ガン、ガン、ガン、ガン、ガン。
「まだまだ、不正ありそうじゃな」
ハロルドは意識を無くした状態で机に突っ伏すアラゴを見ながら話す。
「帳簿関係はどこにある」
ランベルトに尋ねると彼はすぐに答える。
「日々の帳簿や書類はそこの棚にありますが、まとめた書類はギルドマスターの執務室に、ギルドマスターしか開けない金庫にしまわれています」
それを聞いたハロルドは、アラゴをポーションで回復させると、金庫を開けるように言うが、アラゴは頑なに拒絶した。
しかし、捕縛されたアラゴの妻と息子と娘が連れて来られ、目の前で妻が尋問(拷問)されるのを見て、金庫を開けたのだが、金庫は実際には大きな部屋で、大量の帳簿がしまわれていた。
ハロルドはすべての書類を回収するように騎士に指示する。
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